今日は二十四節気の、
「処暑(しょしょ)」
です。
国立天文台の暦要項では、2026年は8月23日に処暑を迎えます。
「処」という字には、
暑さがおさまっていく、
という意味があります。
とはいえ、
今日を境に急に涼しくなるわけではありません。
実際、厚生労働省の2026年の熱中症対策も5月から9月までを対象としており、処暑を過ぎても暑さへの注意は必要です。
だからこの時期は、
「もう秋だから身体を温めよう」
と急に切り替えるのではなく、
夏の間に身体へ残った負担を確認しながら、
少しずつ秋へ移っていく時期、
と考えてみてください。
昨日は「夏のダメージを持ち越さない準備」をお伝えしました
昨日の
「【処暑前】夏のダメージを秋に持ち越さない整え方」
では、
・睡眠
・水分
・食欲
・発汗
・冷えとほてり
・夏の疲労
を一度振り返りました。
今日はその続きです。
処暑を迎えた今、
東洋医学では、
夏に消耗したものを補いながら、秋特有の「乾燥」へ少しずつ備える
という視点を持ちます。
ただし、
これは、
「処暑になったから全員同じ養生をする」
という意味ではありません。
むしろ大切なのは、
自分の身体には、夏の何が残っているのか
を見分けることです。
夏の終わり、こんな変化はありませんか?
たとえば、
・朝起きても疲れが残る
・汗をかくと一気にぐったりする
・食欲が戻らない
・胃が重い
・軟便や便秘が続いている
・身体がむくみやすい
・喉が渇く
・寝汗をかく
・眠りが浅い
・肌や喉の乾燥が気になってきた
などです。
一つの原因ですべて説明する必要はありません。
暑さそのものに加えて、
水分不足。
睡眠不足。
発汗。
食事量の低下。
生活リズムの変化。
などが重なることで、身体への負担は大きくなります。WHOも高温環境による脱水や身体への負荷について注意を促しています。
東洋医学では「夏をどう過ごしたか」を見ます
東洋医学では、
季節の名前だけで施術や養生を決めるのではなく、
その人が、
どんな夏を過ごしたか。
今どんな症状があるか。
を見ます。
気虚(ききょ)|夏の疲れが抜けないタイプ
・朝から疲れている
・少し動くだけで疲れる
・汗をかくとぐったりする
・食欲も落ちている
・休んでも回復しにくい
という方です。
東洋医学では、
身体を動かし支える「気」が不足している状態
として考えます。
このタイプは、
秋に向けて運動量を急に増やすより、
まず、
睡眠。
食事。
休息。
を整えることから始めます。
脾虚(ひきょ)|胃腸に夏の疲れが残っているタイプ
・夏から食欲が戻らない
・胃もたれする
・食後すぐ疲れる
・軟便になりやすい
・冷たい飲み物でお腹を壊す
という方です。
東洋医学では、
脾虚=胃腸の働きや、食事から身体を養う力が弱っている状態
として考えます。
こうした方は、
妊活のために、
鉄。
たんぱく質。
サプリメント。
をたくさん追加する前に、
まず食べられる身体かどうか
を確認することも大切です。
湿(しつ)|身体の重だるさが残るタイプ
・身体が重い
・脚がむくむ
・頭が重い
・胃がチャポチャポする
・湿度が高い日に特につらい
という方では、
東洋医学で、
湿=余分な水分が身体に停滞している状態
として見ることがあります。
ただし、
「湿があるから水を飲まない」
という意味ではありません。
まだ暑い時期です。
厚生労働省も熱中症予防では水分補給と暑さを避けることを基本としており、水分を極端に減らさないことが大切です。
気陰両虚(きいんりょうきょ)|汗と暑さで消耗したタイプ
・汗をたくさんかいた
・喉が渇く
・疲れやすい
・寝汗がある
・夕方になるとぐったりする
・ほてりも感じる
という方です。
東洋医学では、
身体を動かす「気」と、身体を潤す「陰」の両方が消耗している状態
として見ることがあります。
このタイプでは、
「冷えているからもっと温める」
だけでは合わないことがあります。
処暑からは「潤い」にも少し目を向けます
東洋医学では、
秋は、
燥(そう)=乾燥
と関係の深い季節と考えます。
夏は汗をかきやすく、
そこから秋へ進むにつれて、
喉。
鼻。
肌。
便。
などの乾燥が気になり始める方もいます。
ただ、
「秋だから潤す食材を大量に食べる」
必要はありません。
大切なのは、
夏の水分不足を残したまま、秋へ進まないこと
です。
「身体を潤す」と「冷たいものをたくさん食べる」は別です
身体を潤すと聞くと、
冷たい果物。
冷たい飲み物。
をたくさん摂るイメージがあるかもしれません。
でも、
胃腸が弱い方が、
冷たいものを大量に食べて下痢をしてしまっては、
かえって身体には負担になります。
反対に、
冷たいものが平気な方まで、
白湯だけにする必要もありません。
今の胃腸に負担をかけず、必要な水分をとれる方法を選ぶ。
ここがポイントです。
処暑になっても熱中症対策は終わりではありません
「処暑=暑さが終わった」
と思わないことも大切です。
2026年の厚生労働省の熱中症対策では、暑熱環境での水分・塩分バランスの崩れが熱中症につながることや、5月から9月まで継続した予防対策が必要とされています。
まだ暑い日は、
冷房。
日陰。
水分。
必要に応じた塩分補給。
を続けます。
季節の養生より、まず熱中症予防が優先です。
処暑だから「温活を再開」もしなくて大丈夫
妊活をしていると、
秋。
冷え。
という言葉を見るだけで、
腹巻き。
靴下。
長風呂。
よもぎ蒸し。
カイロ。
を増やしたくなる方がいます。
でも、
まだ暑い。
汗をかく。
ほてる。
という身体なら、
無理に温める必要はありません。
妊活では、
温めれば温めるほど妊娠しやすくなるわけではありません。
今の身体が、
冷えているのか。
暑さで消耗しているのか。
ほてっているのか。
胃腸が弱っているのか。
そこを見分ける方が大切です。
妊活中は「夏の疲れ」を置き去りにして次へ進みやすい
8月後半になると、
次の採卵。
次の胚移植。
秋から治療再開。
という予定が入っている方もいると思います。
そうすると、
「次の治療までに何をしたらいい?」
ということへ意識が向きます。
でも、
その前に、
眠れている?
食べられている?
疲れが抜けている?
便通は安定している?
身体に力が入り続けていない?
を確認してみてください。
次の治療の準備は、何か新しいものを足すことだけではありません。
妊活に鍼灸を取り入れると「季節」と「治療段階」の両方を見られます
妊活鍼灸では、
採卵。
胚移植。
判定待ち。
といった不妊治療の段階を見ることはもちろん大切です。
でも、
同じ「採卵前」でも、
春と真夏では身体の状態が違います。
同じ「胚移植前」でも、
眠れている方。
胃腸が弱っている方。
強い疲労がある方。
ほてりの強い方。
では施術も同じにはなりません。
鍼灸を妊活へ取り入れるメリットの一つは、
不妊治療の段階と、季節によって変化している身体の状態を一緒に確認しながら、継続して施術を調整できること
だと考えています。
妊活に鍼灸を併用することには前向きな研究結果もあります
鍼灸と生殖補助医療については研究が続けられています。
2026年のメタ解析では、42試験・9,390人を対象に検討した結果、鍼灸併用群で臨床妊娠率や着床率が有意に高かったと報告されました。一方、出生率については明確な差には至らず、研究のばらつきやエビデンスの確実性の低さも指摘されています。
つまり、
「鍼灸を受ければ妊娠できる」
という研究ではありません。
一方で、
鍼灸は妊活と無関係なリラクゼーションだけではなく、生殖補助医療へ併用する方法として研究されている
ことも知っておいていただきたいと思います。
「移植の日だけ」ではなく、身体の経過を見るという考え方
同じ2026年の解析では、鍼灸を行う時期や施術期間によって結果が異なる可能性も検討されています。
卵巣刺激期間や治療周期の複数の時期にわたって鍼灸を取り入れた研究に前向きな結果がみられる一方、最適な時期や回数についてはまだ確立していません。
そのため当院でも、
「移植当日に一回だけ受ければいい」
ではなく、
治療の経過と身体の変化を見ながら整えていく
ことを大切にしています。
処暑の今日からできる3つのこと
1.「この夏、一番つらかったこと」を一つ決める
睡眠。
胃腸。
疲労。
汗。
冷え。
ほてり。
全部を改善しようとせず、
まず一番気になるものを見つけます。
2.秋だからと生活を急に切り替えない
まだ暑ければ冷房を使う。
水分をとる。
汗をかけば休む。
身体は暦よりゆっくり季節についていきます。
3.乾燥のサインを少しだけ確認する
喉。
肌。
便。
鼻。
などに、
夏にはなかった乾燥が出ていないか見てみます。
出てきたら、
秋の養生を少しずつ始めるタイミングです。
今夜は「潤す食養生」をもう少し具体的に
処暑から秋へ向かう時期には、
東洋医学でいう、
「潤す」
という養生も少しずつ意識します。
でも、
何を食べればいい?
梨なら何個?
白きくらげがないとダメ?
と難しく考える必要はありません。
今夜の
「処暑の夜に食べたい潤す養生」
では、
・秋に「潤す」と考える理由
・梨やれんこんなどをどう取り入れるか
・胃腸が弱い方の食べ方
・冷えやすい方はどうするか
・妊活中でも無理なく続けられる夕食
について具体的にお伝えします。
処暑は「夏を終わらせる日」ではなく、身体を見直す節目
妊活をしていると、
採卵。
胚移植。
判定。
という治療の予定が身体の中心になりやすくなります。
でも、
季節はその間にも進んでいます。
暑かった夏を、
身体はどう過ごしたのか。
何が消耗したのか。
何がまだ残っているのか。
そして、
秋に向けて何を整えておきたいのか。
処暑は、
そんなことを一度見直す節目として使ってみてください。
病院では必要な検査や不妊治療を受ける。
鍼灸では、
その治療を続ける身体を、季節・睡眠・胃腸・疲労・冷えやほてりなども含めて整えていく。
妊娠を目指す治療と、
その治療を続ける身体づくり。
どちらも大切にしながら、
秋の妊活へ少しずつ進んでいきましょう。
【参考・出典】
国立天文台「令和8年(2026年)暦要項 二十四節気および雑節」
世界保健機関(WHO)「暑さと健康」
厚生労働省「令和8年 STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」
厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」
Frontiers in Endocrinology「生殖補助医療に併用する鍼治療のタイミングと施術量に関するメタ解析・ネットワークメタ解析」
秋の妊活へ向けて、今の身体を一度見直したい方へ
「夏になってから疲れが抜けない」
「食欲や胃腸の調子が戻らない」
「冷えもあるけれど、ほてりや汗も気になる」
「秋から採卵や胚移植を予定しているので、身体も整えておきたい」
そんな方もいらっしゃると思います。
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、
・現在の妊活・不妊治療の段階
・採卵や胚移植の予定
・月経
・睡眠
・胃腸や食欲
・便通
・汗
・冷えやほてり
・疲労
・身体の緊張
などを確認しながら、その時期の身体に合わせて施術を行っています。
妊活に鍼灸を取り入れるメリットは、
「妊娠によいツボ」を刺激することだけではありません。
季節とともに変化する身体と、不妊治療の経過を継続して見ながら、その時の身体に合わせて整えていけること。
そして、生殖補助医療へ鍼灸を併用した研究では、臨床妊娠率や着床率について前向きな結果も報告されています。
病院で必要な治療を受けながら、
自分自身の身体も一緒に整えていく。
秋からの妊活へ向けて、
そんな方法も取り入れてみませんか。
「秋からの採卵・胚移植に向けて身体を整えたい」
「自分が気虚・脾虚・湿・陰虚のどの傾向なのか相談してみたい」
という方は、LINEからお気軽にご相談ください。

