精子の質を支える生活習慣を夫婦で見直す

男性不妊とご夫婦で取り組む妊活ケアを表すブログ画像

「精子の質を良くするには、何をしたらいいですか?」

男性妊活について調べていると、そんな疑問が出てくることがあります。

亜鉛を飲んだ方がいい?

抗酸化サプリは?

特別な食べ物はある?

もちろん栄養について考えることも大切です。

でも、その前に一度確認してほしいのが、

毎日の生活そのものです。

11月3日朝の記事「精子のDNA損傷って何?」でもお伝えしたように、精子の状態にはさまざまな要因が関係します。

一つの食品やサプリメントだけで、精子の状態がすべて決まるわけではありません。

今夜は、

睡眠。
喫煙。
飲酒。
食事。
運動。

といった基本的な生活を、男性だけの「妊活の宿題」にせず、夫婦で一緒に見直してみましょう。

目次

まず「全部変えよう」としない

精液検査の結果が思わしくなかったり、男性不妊について調べ始めたりすると、

「もっと早く寝ないと」

「お酒をやめないと」

「運動もしないと」

「サプリも飲まないと」

と、一気に生活を変えようとすることがあります。

でも、仕事をしながら毎日を過ごしている中で、突然すべてを変えるのは簡単ではありません。

そして続かなければ、

「やっぱり自分はできない」

と落ち込んでしまいます。

妊活の生活習慣は、短期間だけ完璧にすることよりも、

無理なく続けられることを一つずつ増やしていく

という考え方の方が現実的です。

まずは、

「今、一番変えやすいものは何だろう?」

から考えてみてください。

睡眠は「早寝できない日がある」前提で考える

仕事が忙しいと、

どうしても帰宅が遅くなります。

毎日同じ時間に寝られるとは限りません。

だから、

「22時には絶対寝る」

という目標を作るより、

「今より30分だけ早く寝られる日はないかな」

くらいから始めてもいいと思います。

寝る直前までスマートフォンを見る。

仕事のメールを確認する。

動画を見続ける。

そんな習慣があるなら、

まず寝る15分前だけスマートフォンを置いてみる。

それでも十分です。

10月29日朝の記事「男性の睡眠不足と精子への影響」、11月1日夜の記事「夫婦で睡眠を整える夜の習慣」でもお伝えしたように、睡眠まで妊活のノルマにする必要はありません。

できる夜から、少し整えてみてください。

喫煙しているなら、優先して見直したい

男性妊活の生活習慣の中で、喫煙は一度見直したい項目です。

男性不妊に関する研究では、喫煙と精液所見の低下との関連が報告されています。

また、妊活という視点だけでなく、喫煙は全身の健康にも関係します。

とはいえ、

「明日から絶対一本も吸わない」

と突然決めても、難しい方もいるでしょう。

禁煙したいけれど一人では難しい場合は、医療機関の禁煙支援などを利用する方法もあります。

大切なのは、

「精子に悪いから我慢しなさい」

とパートナーが監視する形にしないことです。

男性自身が、

「自分の身体のためにも考えてみよう」

と思えるところから始める方が続きやすくなります。

お酒は「飲む・飲まない」の二択だけではありません

妊活を始めると、

「お酒は全部やめた方がいい?」

と心配になることがあります。

男性不妊では、特に多量の飲酒が精子の状態や男性ホルモンへ影響する可能性が指摘されています。

だからといって、

少し飲んだだけで妊活が台無しになる、

という考え方にする必要はありません。

毎晩飲んでいるなら、

休肝日をつくる。

量が増えているなら、

少し減らしてみる。

まずは今の飲み方を確認するところからで構いません。

夫婦で飲む習慣があるなら、

「今日は二人とも休もうか」

と一緒に減らす方法もあります。

男性だけに制限を押しつけないことも、続けるためには大切です。

「精子に良い食べ物」を探しすぎない

インターネットには、

「精子に良い食品」

という情報がたくさんあります。

でも、

これを食べれば精子の質が上がる、

という一つの特別な食品があるわけではありません。

まず大切にしたいのは、

極端に偏らない食事です。

ご飯やパンなどの主食。
肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質。
そして、ビタミンやミネラルを含む野菜や果物。

そうした基本的な食材を、日々の生活の中で無理なく組み合わせていければ十分です。

仕事で帰宅が遅い日に、

毎晩完璧な料理を作る必要もありません。

コンビニや外食の日でも、

「今日は野菜を一品足そう」

くらいで十分です。

妊活の食事は、特別な献立を毎日続けることではありません。

普段の食事を少し整えていくこと

から考えてみてください。

運動は「きつくやる」より、続けられる形で

運動不足も、男性の健康状態を考えるうえで見直したいポイントです。

でも、

「精子のためにジムへ行かなければ」

と考える必要はありません。

普段ほとんど身体を動かしていないなら、

少し歩く。

エレベーターではなく階段を使う。

休日に夫婦で散歩する。

そんなところからでも構いません。

運動そのものを妊活のためだけに行うと、続かなくなることがあります。

「二人で少し歩こうか」

くらいの方が、生活に取り入れやすいこともあります。

体重も「数字だけ」で責めない

男性不妊については、肥満と精子の状態やホルモン環境との関連も指摘されています。

ただ、

「痩せれば妊娠できる」

という単純なものではありません。

また、パートナーから、

「妊活なんだから痩せた方がいいよ」

と言われれば、責められているように感じることもあります。

体重だけを見るのではなく、

食事。

運動。

睡眠。

飲酒。

といった生活全体を整えた結果として、適正な体重に近づいていく。

そのくらいの考え方でよいと思います。

サプリメントを最初の答えにしない

男性妊活では、

亜鉛。

ビタミン類。

コエンザイムQ10。

など、さまざまなサプリメントを目にします。

抗酸化成分について研究されているものもありますが、

すべての男性不妊に対して、抗酸化サプリメントを飲めば妊娠につながると確立しているわけではありません。

何種類も自己判断で追加する前に、

精液検査を受けたか。

男性不妊の原因を調べたか。

生活習慣で見直せるところはないか。

を確認してみてください。

必要に応じて、医師や薬剤師などに現在飲んでいる薬やサプリメントを伝えたうえで相談することも大切です。

「足すこと」より先に、

今の生活を整理する。

それも男性妊活です。

男性だけの「改善プロジェクト」にしない

精液検査の結果が良くないと、

男性側だけに、

「早く寝て」

「お酒やめて」

「運動して」

「これ飲んで」

と、たくさんの宿題が集まることがあります。

でも、それでは妊活そのものが苦しくなります。

できることなら、

「あなたがやって」

ではなく、

「二人でこれだけやってみよう」

に変えてみてください。

二人で少し早く寝る。

夕食の野菜を一品増やす。

休日に一緒に歩く。

今日はお酒を休む。

どれか一つでも十分です。

男性側が生活を整えることは、

女性側のためだけではありません。

自分自身の身体を整えることにもつながります。

そして女性側にとっても、

「私だけが妊活をしているわけではない」

と感じられることがあります。

精液検査が気になるときは、生活だけで様子を見続けない

生活習慣を整えることは大切です。

ただし、

精子数がかなり少ない。

運動率について指摘された。

無精子症と言われた。

精索静脈瘤が疑われる。

などの場合に、

「生活を変えれば何とかなるかもしれない」

と自己判断だけで長く様子を見ることはおすすめしません。

男性不妊には、医療的な評価や治療が必要な原因が隠れていることがあります。

まず必要な検査を受ける。

そのうえで、日常生活も整える。

この順番を大切にしてください。

今夜、夫婦で一つだけ選ぶなら

生活習慣を見直すとき、

全部をチェックする必要はありません。

今夜二人で、

「これならできそう」

というものを一つだけ選んでみてください。

たとえば、

今日は少し早く寝る。

明日は一緒に歩く。

今週一日はお酒を休む。

夕食に一品足す。

それくらいで十分です。

精子のために、

毎日完璧に暮らさなければならないわけではありません。

できなかった日があれば、また次の日から戻ればいい。

妊活を続けるためには、

続けられる生活であること

も大切です。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、男性側についても、検査結果だけではなく、

睡眠。

疲労。

食事。

飲酒。

仕事の忙しさ。

身体の状態。

などを一緒に確認しています。

医療機関で必要な検査を受けながら、毎日の生活の中でできることを整理していく。

女性側だけに妊活の負担を集めず、

「夫婦でできること」

を一緒に考えていきましょう。

参考・出典

・日本泌尿器科学会「男性不妊症診療ガイドライン2024年版」
・European Association of Urology「EAU Guidelines on Male Infertility」
・World Health Organization「Guideline for the prevention, diagnosis and treatment of infertility」
・American Urological Association / American Society for Reproductive Medicine「Diagnosis and Treatment of Infertility in Men: AUA/ASRM Guideline」

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