【処暑前】夏のダメージを秋に持ち越さない整え方

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

明日、8月23日は二十四節気の、

「処暑(しょしょ)」

です。

2026年は、8月23日11時19分に処暑を迎えます。

処暑は、

「暑さが少しずつ落ち着いてくる頃」

を表す季節の節目です。

でも、

8月23日になった瞬間に、

暑さが終わるわけではありません。

昼間はまだ暑い。

寝苦しい夜もある。

冷房も必要。

汗もかく。

そんな時期です。

むしろこの頃になると、

夏の初めには気にならなかった、

「なんとなく身体が重い」

「朝起きても疲れている」

「食欲が戻らない」

「夜中に目が覚める」

「暑いのに手足だけ冷える」

といった不調を感じる方もいます。

妊活中なら、

採卵。

胚移植。

通院。

薬。

仕事。

なども重なり、

身体の疲れを後回しにしてきた方もいるでしょう。

今日は処暑を迎える前に、

夏の間に積み重なった身体の負担を、一度整理する日

にしてみませんか。

目次

「夏のダメージ」は病名ではありません

最初に整理しておきましょう。

「夏のダメージ」

「夏バテ」

という言葉はよく使いますが、

一つの医学的な病気を表しているわけではありません。

夏の間には、

・長期間の暑さ
・発汗
・水分不足
・食欲低下
・睡眠不足
・冷房環境
・旅行や帰省による生活リズムの変化
・暑さによる活動量の低下

など、さまざまな負担が重なります。

WHOも、昼だけでなく夜間も高い気温が続くことで身体への負担が蓄積し、睡眠の乱れなどにもつながることを指摘しています。

ですから、

「自律神経が乱れたから全部調子が悪い」

と一つの原因にまとめる必要はありません。

何が自分の身体を一番消耗させていたのか

を一つずつ見てみる方がよいでしょう。

8月16日の不調が、まだ残っていませんか?

8月16日の
「お盆休み明けに不調が強くなる理由」
では、

帰省。

外食。

睡眠時間の変化。

移動。

暑さ。

家族との時間。

そして休み明けの生活リズム。

などが重なり、

休みが終わってから疲れが出てくることがあるとお伝えしました。

あれから約一週間。

もういつもの生活へ戻ったはずなのに、

まだ疲れている。

朝がつらい。

胃腸が重い。

眠りが浅い。

という方は、

「休み明けだから」

だけではなく、

夏全体の疲労が積み重なっていないか

を見直してみましょう。

処暑前に確認したいこと1 眠れていますか?

夏の身体づくりで、

意外と大きいのが睡眠です。

暑い。

エアコンが気になる。

夜中に喉が渇く。

寝汗をかく。

朝早く目が覚める。

こうした日が続くと、

一日だけでは気にならなくても、

少しずつ疲労が残りやすくなります。

「冷房を使わずに寝る」は妊活ではありません

妊活中だから、

身体を冷やしてはいけない。

と思い、

暑いのに冷房を切って寝ている方がいます。

でも、

暑くて眠れない状態をつくる必要はありません。

WHOも、暑い夜には身体を涼しく保つことを勧めています。

冷房を使うことで、

「子宮が冷えて着床しにくくなる」

と考える必要もありません。

大切なのは、

朝まで少しでも休みやすい環境をつくること

です。

まず「起きる時間」から戻してみる

睡眠を整えようとすると、

「今日から22時に寝よう」

と考える方がいます。

でも、

普段0時や1時に寝ている方が、

急に22時に眠れるとは限りません。

まず、

朝起きる時間。

朝の光。

朝食。

をある程度そろえるところから始めます。

夜だけを無理に早めるより、

一日のリズム全体を戻す

と考えてみてください。

処暑前に確認したいこと2 水分を「冷え」を理由に減らしていませんか?

夏の終わりになると、

「そろそろ身体を冷やさない方がいい」

と思い、

水分量まで減らしてしまう方がいます。

でも、

まだ8月です。

暑い日。

汗をかく日。

外出する日。

には、引き続き水分補給が必要です。

厚生労働省も、暑熱環境では水分や塩分を適切に摂ることを熱中症予防の基本としています。

水分は「身体を冷やすもの」ではありません

冷たい飲み物で、

腹痛。

下痢。

胃もたれ。

といった不調が起きる方なら、

常温や少し温かいものへ変える方法があります。

でも、

冷たい水を飲める方まで、

「妊活だから白湯しか飲まない」

とする必要はありません。

必要な水分をきちんと摂れることの方が優先です。

汗をたくさんかいた日は、水だけでは足りないことも

大量に汗をかいた場合には、

水分だけでなく塩分なども失います。

厚生労働省の熱中症ガイドでも、大量発汗時には水分と塩分の両方を考える必要性が示されています。

炎天下で長時間過ごした。

屋外で仕事をした。

激しく運動した。

という場合には、

状況に応じて水分・電解質補給を考えましょう。

一方、

普通に室内で生活している日まで、

毎日経口補水液を何本も飲む必要はありません。

処暑前に確認したいこと3 食事を「夏仕様」のままにしていませんか?

暑い日が続くと、

そうめん。

冷たい麺。

アイス。

果物。

飲み物。

だけで食事を済ませる日が増えることがあります。

もちろん、

暑くて食べにくい日に、

無理に重い食事を食べる必要はありません。

でも、

夏の終わりになっても、

朝はコーヒーだけ。

昼は麺だけ。

夜も軽く済ませる。

という状態が続いているなら、

身体に必要な、

たんぱく質。

鉄。

ビタミン。

ミネラル。

エネルギー。

などが十分に入っていないことがあります。

妊活中こそ「何を足す?」より「食べられている?」を確認

妊活では、

葉酸。

鉄。

ビタミンD。

CoQ10。

など、

何を補うかに意識が向きます。

でも、

食欲自体が落ちている。

胃もたれする。

下痢をしている。

一日の食事量が少ない。

という状態なら、

まず、

食べられる身体へ戻すこと

も大切です。

食欲がない日は「量より回数」でも構いません

一回でたくさん食べられないなら、

少量ずつでも構いません。

たとえば、

おにぎり。

卵。

豆腐。

魚。

ヨーグルト。

スープ。

果物。

などを組み合わせ、

食べられるものを入れていきます。

「妊活食を完璧につくらなければ」

と頑張って、

料理だけで疲れてしまわないようにしましょう。

処暑前に確認したいこと4 暑さが落ち着く前から温めすぎていませんか?

処暑。

秋。

という言葉を見ると、

「そろそろ温活を強くしよう」

と思う方もいます。

でも、

まだ暑い時期です。

腹巻き。

靴下。

長風呂。

サウナ。

よもぎ蒸し。

などを、

汗だくになるまで行う必要はありません。

妊活では、

温めれば温めるほど妊娠しやすくなる、という根拠はありません。

暑さで身体が消耗している方に、

さらに熱を加えると、

かえって疲れることもあります。

「冷え」と「暑さによる疲労」が同時にあることも

夏には、

外は暑い。

汗をかく。

室内は冷房。

身体が冷える。

また外へ出る。

という変化を何度も繰り返します。

そのため、

「手足は冷えるけれど、顔はほてる」

「お腹は冷たい気がするけれど、寝汗をかく」

という方もいます。

こうした方を、

「冷え性だからもっと温める」

だけで考えると、身体に合わない場合があります。

東洋医学では、夏の終わりの身体をどう見る?

東洋医学では、

季節の変化と身体の状態を合わせて考えます。

ただし、

「処暑になったから全員この体質」

という意味ではありません。

夏の終わりには、

次のような状態がみられることがあります。

気虚(ききょ)|夏の疲れが抜けないタイプ

・朝からだるい
・少し動くと疲れる
・汗をかくとぐったりする
・声に力がない
・食欲も落ちている

という方です。

東洋医学では、

気虚=身体を動かし支える力が不足している状態

として見ます。

脾虚(ひきょ)|胃腸に夏の疲れが残っているタイプ

・食欲が戻らない
・胃もたれする
・軟便になりやすい
・水分を多く摂ると胃が重い
・食後に眠くなる

という方です。

東洋医学では、

脾虚=胃腸の働きや身体を養う力が弱っている状態

として考えます。

湿(しつ)|重だるさやむくみが残るタイプ

・身体が重い
・頭が重い
・脚がむくむ
・胃がチャポチャポする
・湿度の高い日に特につらい

という方では、

湿=余分な水分が身体に停滞していると捉える状態

として見ることがあります。

これは、

「水分を減らせばよい」

という意味ではありません。

気陰両虚(きいんりょうきょ)|汗と暑さで消耗したタイプ

・汗をたくさんかいた
・喉が渇く
・疲れやすい
・ほてる
・夜も寝汗をかく
・夕方になるとぐったりする

という方です。

東洋医学では、

身体を動かす力と、身体を潤すものの両方が消耗している

と捉えることがあります。

秋になると「乾燥」への準備も始まります

東洋医学では、

秋は、

燥(そう)=乾燥

と関係する季節として考えます。

とはいえ、

処暑になった瞬間から、

梨を食べなければ。

白きくらげを食べなければ。

というものではありません。

夏の終わりに、

喉が乾く。

肌が乾燥する。

便が硬くなってきた。

という変化が出てきたら、

夏の発汗で消耗した水分を補いながら、秋の乾燥へ少しずつ備える

という考え方です。

夏のダメージを秋へ持ち越さないために「運動を増やす」は正解?

身体がだるいと、

「運動不足だからもっと動こう」

と思うことがあります。

もちろん、

涼しい時間帯の散歩。

軽いストレッチ。

日常の活動。

は、体調に合わせて取り入れて構いません。

ただし、

疲れているのに、

毎日1万歩。

激しい筋トレ。

長時間ランニング。

を追加する必要はありません。

回復したい身体に、さらに負荷をかけないこと

も大切です。

朝か夕方に少し歩くだけでも十分

暑い日なら、

気温の低い時間帯を選びます。

10~20分程度の散歩。

買い物へ歩いて行く。

軽く身体を伸ばす。

程度からでも構いません。

「運動しなければ妊娠できない」

ではありません。

身体を動かした方が、

夜眠りやすい。

気分が変わる。

肩や腰が楽。

という範囲で取り入れます。

妊活中の「夏疲れ」も鍼灸で相談していい?

もちろん構いません。

妊活鍼灸というと、

卵子。

子宮内膜。

着床。

だけを目的に受けるイメージがあるかもしれません。

でも当院では、

妊活中の、

睡眠。

胃腸。

食欲。

疲労。

発汗。

冷え。

ほてり。

肩や腰の緊張。

月経。

なども確認します。

なぜなら、

不妊治療を受けているのは、子宮や卵巣だけではなく、一人の女性の身体全体だからです。

季節が変わるときこそ、身体を継続して見られることが鍼灸のメリット

夏の初めは、

冷えが気になっていた。

真夏は、

汗と疲労が強かった。

夏の終わりには、

食欲や眠りが気になってきた。

このように、

同じ方でも身体は季節とともに変わります。

さらに妊活中なら、

人工授精。

採卵。

胚移植。

治療のお休み。

など、

治療段階も変わっていきます。

鍼灸を継続して取り入れるメリットの一つは、

季節の変化と不妊治療の経過、その両方を見ながら施術内容を調整していけること

だと考えています。

妊活に鍼灸を取り入れることには前向きな研究もあります

鍼灸と生殖補助医療については、現在も研究が続いています。

2026年に発表されたメタ解析では、

42試験・9,390人

を対象に解析した結果、鍼灸を生殖補助医療へ併用した群で、

臨床妊娠率 RR 1.25

着床率 RR 1.16

と、対照群より有意に高い結果が報告されました。

さらにこの解析では、卵巣刺激期間に鍼灸を行った研究群で、

臨床妊娠率 RR 1.40

着床率 RR 1.62

など、前向きな結果も報告されています。

これは、

「鍼灸を受ければ妊娠率が40%上がる」

という意味ではありません。

対照群との相対的な比較であり、研究間のばらつきやバイアスなどもあります。

また、解析全体では出生率への効果は明確ではなく、主要アウトカムのエビデンスの確実性は非常に低いと評価されています。

それでも「移植日の一回だけではない」という点には注目できます

この研究で興味深いのは、

胚移植当日に限定した鍼灸では明確な利益が示されなかった一方、

卵巣刺激期間。

卵巣刺激から胚移植まで。

黄体期。

など、

治療周期の中で鍼灸を取り入れた研究群に前向きな結果がみられた

ことです。

まだ、

「何回受ければよい」

「何か月必要」

と決められる段階ではありません。

それでも、

妊活鍼灸を移植日の一回だけではなく、治療経過を見ながら身体を継続的に整えるものとして考える

一つの材料にはなると思います。

処暑前に鍼灸を受ける意味は「秋のために無理を足す」ことではありません

夏の終わりだから、

特別なツボを使えば妊娠しやすい。

処暑に施術を受ければ着床しやすい。

というものではありません。

当院がこの時期に大切にしたいのは、

夏の間に何が身体の負担になっていたかを確認し、今の不妊治療の段階に合わせて整えること

です。

眠れていないなら睡眠。

胃腸が弱っているなら胃腸。

汗で消耗しているなら疲労。

冷房で身体がつらいなら冷えや緊張。

身体に合わせて見るところを変えます。

これが、

季節と妊活の両方を見ながら施術できる鍼灸のメリットです。

今日から整えたい3つのこと

処暑前だからと、

大きく生活を変える必要はありません。

まず3つで十分です。

1.睡眠を「時間」だけでなく「環境」から整える

暑ければ冷房を使う。

寝具を調整する。

寝る直前までスマートフォンを見続けない。

まず、

身体が休める環境をつくります。

2.水分を減らさず、胃腸に合わせて飲む

冷たいものが平気なら、それでも構いません。

胃腸がつらくなるなら、

常温や少し温かいものへ変えます。

「身体を冷やしたくないから水を飲まない」

は避けてください。

3.一日一食だけでも、主食+たんぱく質を意識する

食欲が落ちている方は、

全部の食事を改善しようとしなくて大丈夫です。

ご飯+卵。

麺+豆腐。

おにぎり+魚。

など、

まず一食から整えます。

「夏を取り戻さなければ」と頑張らなくていい

8月後半になると、

夏にできなかったことを、

急いで取り返したくなることがあります。

運動。

食事。

睡眠。

妊活。

でも、

疲れている身体に、

新しい課題を5つ追加する必要はありません。

夏のダメージを秋へ持ち越さないというのは、

夏の疲れを数日ですべて消すことではなく、これ以上消耗させない方向へ生活を戻していくこと

です。

明日の処暑は「身体を切り替える日」ではなく「振り返る節目」に

明日、8月23日は処暑です。

暦の上では、

夏から秋へ少しずつ季節が進んでいきます。

でも身体は、

カレンダーどおり一日で切り替わるものではありません。

だから、

処暑だから今日から秋の生活。

ではなく、

この夏、自分の身体は何に一番疲れていた?

と一度振り返る日にしてみてください。

明日の
「【処暑】処暑のころに整えたい夏のダメージ」
では、

東洋医学の季節の考え方をもう一歩深めながら、

夏の消耗から秋の「乾燥」へ身体が移っていく時期に、何を整えておきたいのかをお伝えします。

夏を頑張った身体を、そのまま次の治療へ進ませない

妊活では、

次の採卵。

次の胚移植。

次の検査。

と、

どうしても先へ意識が向きます。

でも、

その前に、

眠れている?

食べられている?

水分は足りている?

疲れが残っていない?

身体へ力が入り続けていない?

と、

一度確認してみることも大切です。

病院では、

必要な検査や不妊治療を進めてもらう。

鍼灸では、

その治療を続けている身体を、季節や体調の変化も含めて整えていく。

そして研究では、生殖補助医療に鍼灸を併用した群で、臨床妊娠率や着床率について前向きな結果も報告されています。

妊娠を目指す治療と、その治療を続ける身体づくり。

どちらか一方ではなく、

両方を大切にする。

秋へ向かうこの時期に、

そんな妊活の進め方も考えてみてください。

【参考・出典】

国立天文台「令和8年(2026年)暦要項 二十四節気および雑節」

世界保健機関(WHO)「暑さと健康」

厚生労働省「熱中症関連情報」

厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン」

Frontiers in Endocrinology「生殖補助医療に併用する鍼治療のタイミングと施術量に関するメタ解析・ネットワークメタ解析」

夏の疲れを残さず、次の妊活へ身体を整えたい方へ

「採卵や胚移植へ進みたいけれど、身体の疲れが抜けていない」

「夏になってから睡眠や胃腸の調子が安定しない」

「冷えもあるけれど、ほてりや汗もあり、自分でどう整えればよいかわからない」

そんな方もいらっしゃると思います。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

・現在の妊活・不妊治療の段階
・採卵や胚移植の予定
・月経
・睡眠
・食欲や胃腸
・汗のかき方
・冷えやほてり
・疲労
・肩や腰の緊張

などを確認しながら、その時期の身体に合わせて施術を行っています。

夏の終わりだから、

全員を温める。

全員に同じツボを使う。

という施術ではありません。

今の治療段階と、その日の身体の状態、さらに季節による変化まで見ながら身体を整えていけること。

それが、妊活に鍼灸を取り入れるメリットの一つです。

また、生殖補助医療と鍼灸については、臨床妊娠率や着床率に前向きな研究結果も報告されています。

次の採卵や胚移植へ向かう前に、

疲れている身体をそのままにせず、

今の身体に必要なことを一度整理してみませんか。

「夏の疲れも含めて、次の治療へ向けた身体づくりを相談したい」

「今の治療段階から鍼灸を取り入れてみたい」

という方は、LINEからお気軽にご相談ください。

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