排卵しているのに結果が出ない夜の心の守り方

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

「排卵はきちんとしていますよ」

病院でそう言われた。

タイミングも取った。

食事にも気をつけた。

身体を冷やさないようにもした。

それでも生理が来た。

そんな夜、

「じゃあ、何がいけないの?」

と思ってしまうことがあります。

9月2日の記事
「排卵しているのに妊娠しないとき」
では、妊娠には排卵だけでなく、

  • 精子
  • 卵管
  • 受精
  • 胚の発育
  • 子宮内環境
  • 年齢

など、さまざまな要素が関係することをお話ししました。

医学的には分かっていても、

いざ自分の生理が来ると、

「まただめだった」

という一言で頭がいっぱいになってしまうことがあります。

今夜は原因を探す記事ではありません。

結果が出なかった夜に、自分の心と身体をどう守るか。

そこに焦点を当ててお話しします。

目次

「排卵しているのに」という言葉が苦しくなるとき

妊活を始めたころは、

「まず排卵していることが大切」

と知ります。

そして排卵が確認できると、

「これなら妊娠できるかもしれない」

と期待します。

だからこそ結果が出ないと、

「排卵しているのに、どうして?」

という気持ちが強くなります。

でも、

排卵していることと、その周期に必ず妊娠することは同じではありません。

排卵は妊娠成立に必要な条件の一つですが、それだけで結果が決まるわけではありません。

頭では理解していても、気持ちが追いつかない夜があります。

そんなときは、

「分かっているのに落ち込んでいる私は弱い」

と考えなくて大丈夫です。

知識と感情は、いつも同じ速度では動きません。

生理が来た瞬間に「全部失敗」にしない

妊活中の月経は、以前とは少し違う意味を持つようになります。

以前なら、

「生理が来た」

だったものが、

妊活を始めると、

「今回も妊娠しなかった」

という出来事に変わることがあります。

すると、

タイミングを取ったこと。

病院へ行ったこと。

食事に気をつけたこと。

早く寝たこと。

薬を飲んだこと。

全部が、

「無駄だった」

ように感じてしまうことがあります。

でも、その周期に妊娠しなかったことと、

その期間に身体を整えたことが無意味だったことは別です。

結果が陰性だったからといって、その数週間の自分まで「失敗」にしないでください。

「何が悪かった?」をその日のうちに答えなくていい

生理が来た日や妊娠判定が陰性だった日は、

「何が悪かったんだろう」

という検索が始まりやすい日です。

卵子?

精子?

子宮内膜?

タイミング?

運動?

食事?

ストレス?

そして検索すればするほど、

「これも原因かもしれない」

という情報が増えていきます。

でも、多くの場合、

その日の夜にインターネットを検索しても、その周期に妊娠しなかった理由を特定することはできません。

確認が必要なことは、次の診察で医師と整理する。

今夜は原因究明の日にしない。

そんな区切りをつけてもいいと思います。

症状や妊娠の可能性を夜まで検索し続けてしまう方は、こちらの記事も参考にしてください。

「もっと頑張ればよかった」に気をつける

結果が出なかったときに起こりやすいのが、

「もっと○○すればよかった」

という振り返りです。

もっと早く寝ればよかった。

もっと運動すればよかった。

甘いものを食べなければよかった。

身体を冷やさなければよかった。

仕事を休めばよかった。

ストレスを感じなければよかった。

でも、妊娠は、

生活を完璧にすれば成立するものではありません。

特定の食品。

一日の夜更かし。

一回の冷たい飲みもの。

少し忙しかった仕事。

それだけを理由に、

「だから妊娠しなかった」

と自分へ判決を出さないでください。

特に、

「ストレスを感じたから妊娠しなかった」

という考え方は、自分を二重に苦しめます。

妊活で不安になる。

その不安を感じた自分を責める。

さらに不安になる。

そんな循環になってしまいます。

妊活中にストレスを感じること自体を、新しい失敗にしないことが大切です。

妊活の心理的な負担は「気持ちの問題」だけではありません

不妊や不妊治療が心理的な負担になることは、世界中で研究されています。

不妊を経験している方では、

  • 不安
  • 抑うつ
  • ストレス
  • QOLの低下

などがみられることがあり、治療結果が分からない時期や、治療がうまくいかなかったときには負担が強くなることがあります。

だから、

「こんなことで落ち込んでいたらだめ」

と思う必要はありません。

身体の検査だけでなく、

心の負担も妊活の中でケアしてよいもの

です。

今夜は「次の周期」を決めなくてもいい

生理が来ると、

「次はどうする?」

という話がすぐ始まることがあります。

次もタイミング?

人工授精へ進む?

体外受精を考える?

病院を変える?

検査を追加する?

もちろん、治療上すぐに連絡が必要な場合は病院の指示に従ってください。

でも、

気持ちまで今夜中に次の周期へ進めなくても構いません。

今日は悔しい。

悲しい。

何も考えたくない。

そんな夜があってもいいのです。

治療計画を立てることと、気持ちが追いつくことは別です。

今夜、自分を守るためにやめてもいい3つ

1.妊娠報告を見る

SNSを開くと、

妊娠報告。

出産報告。

マタニティフォト。

子どもの写真。

が目に入ることがあります。

普段なら素直に「おめでとう」と思える相手でも、結果が出なかった日はつらく感じることがあります。

そんな日は、

見ないという選択をして構いません。

誰かを嫌いになったわけではありません。

自分の心を守るために距離を取っているだけです。

2.妊活検索を続ける

「自然妊娠 何周期目」

「タイミング法 何回」

「○歳 妊娠率」

と検索し始めると、

他の人と自分を比較する材料が増えてしまいます。

今夜調べなくてもよいものは、明日へ回しましょう。

3.今日の自分を評価する

「落ち込みすぎ」

「また泣いている」

「前向きになれない」

そんな評価も、今夜は一度やめてみます。

今日は、

「結果が出なくてつらかった日」

それだけで十分です。

今夜、代わりにしてほしい3つ

1.身体を温めるより「楽にする」

妊活中は、

「生理が来たから身体を温めなければ」

と思うことがあります。

でも、その日の身体が暑いなら無理に温める必要はありません。

湯船に入りたいなら入る。

疲れていたらシャワーだけでもいい。

お腹を温めると生理痛が楽なら、心地よい程度に温める。

目的は、

妊娠する身体をつくることではなく、今夜の身体を少し楽にすること

です。

2.今日の質問を1つだけ書く

次の診察で確認したいことがあるなら、

一つだけ書いておきましょう。

たとえば、

「次周期も同じタイミングでいいですか?」

「精液検査は必要ですか?」

「卵管の検査は済んでいますか?」

書いたら、その日の検索は終了。

疑問を頭から紙へ移します。

3.少し長く息を吐く

大きな深呼吸をする必要はありません。

自然に吸って、

少しゆっくり吐く。

そのとき、

肩。

顎。

お腹。

に入っている力を少し抜いてみてください。

「リラックスしよう」

と頑張らなくても構いません。

今、身体に力が入っていることに気づくだけでも十分です。

東洋医学では「心だけ」を切り離して考えません

東洋医学では、

気持ちと身体を別々に見るのではなく、身体全体の状態から考えます。

結果が出ない周期が続く方では、

肝鬱気滞(かんうつきたい)

  • ため息が増える
  • 首肩がこる
  • 胸やお腹が張る
  • 寝つきが悪い
  • イライラする

など、緊張が続いている状態。

脾虚(ひきょ)

  • 食欲が落ちる
  • 胃が重い
  • 軟便になる
  • 疲れやすい

など、胃腸まで疲れている状態。

血虚(けっきょ)

  • 眠りが浅い
  • 夢が多い
  • 疲れやすい
  • 立ちくらみがある

など、身体を養う「血」が不足していると考える状態。

腎虚(じんきょ)

  • 疲れが抜けない
  • 腰がだるい
  • 冷えが強い
  • 治療を続けるうちに身体が消耗しているように感じる

などが重なることがあります。

もちろん、

こうした体質だから妊娠できない

という意味ではありません。

東洋医学的な体質は、

「今の身体はどこに負担がたまっているのか」を整理するための見方

です。

結果が出ないときほど「セルフケアを増やしすぎない」

妊娠しなかった。

だから、

サプリを増やそう。

温活を増やそう。

鍼灸も増やそう。

運動を始めよう。

食事を全部変えよう。

と思うことがあります。

でも、

一度に全部を始めると、

次の周期が「やらなければならないこと」だらけになる

ことがあります。

まず、

医学的に確認すること。

生活で整えられること。

誰かに手伝ってもらうこと。

に分けてみましょう。

身体づくりは、

すべてを自分で頑張ることではありません。

鍼灸を取り入れるメリットは「結果を出す責任から少し離れられること」

妊活中の鍼灸は、

「このツボを刺激すれば妊娠する」

というものではありません。

そして、

「鍼灸をしたから次周期は必ず結果が出る」

とも言えません。

一方で、不妊治療に関連する不安については、鍼灸によって小さな改善がみられる可能性を示した研究があります。

ただし、研究の確実性は高くなく、結果も一致しているわけではありません。

そのため当院では、

鍼灸を妊娠させるためだけの施術とは考えていません。

妊活中には、

眠れない。

首肩がこわばる。

胃腸が乱れる。

身体が冷える。

疲れが抜けない。

結果のことを考えると身体に力が入る。

といった状態が重なることがあります。

鍼灸では、

こうした身体の負担をまとめて確認し、施術を受ける時間だけでも自分で身体を整え続ける役割から離れられる

というメリットがあります。

薬を飲むのも自分。

通院するのも自分。

食事を考えるのも自分。

タイミングを管理するのも自分。

そのうえ、

「リラックスすること」

まで自分の仕事にしなくてもいいと思います。

施術中は、身体を預ける。

それも妊活を続ける一つの方法です。

「妊娠率を上げるため」だけではなく、次の周期を迎える身体を整える

結果が出ないと、

どうしても、

「次は妊娠率を上げるために何をする?」

という考えになります。

もちろん、必要な検査や治療を医師と相談することは大切です。

でも身体づくりという意味では、

もう一つ視点があります。

「次の周期を、今より少し疲れていない身体で迎えられるか」

です。

眠れている。

食べられている。

生理痛を我慢しすぎていない。

首肩の力が抜けている。

胃腸が安定している。

そんな身体の状態をつくることも、妊活を続けるうえでは大切です。

蓮心はり灸堂では「結果が出なかったから施術を強くする」とは考えません

妊娠しなかった周期のあとに、

「もっと強い施術をした方がいいですか?」

「次は回数を増やした方がいいですか?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし当院では、

結果だけを見て施術内容を決めません。

確認するのは、

  • 今周期はどのような治療だったか
  • タイミング法・人工授精・体外受精のどの段階か
  • 次の治療予定
  • 使用している薬
  • 月経の状態
  • 睡眠
  • 胃腸
  • 便通
  • 冷え・のぼせ
  • 疲労
  • 首肩や背中の緊張

などです。

たとえば、

同じ「結果が出なかった」という方でも、

次周期すぐ人工授精へ進む方。

採卵を控えている方。

胚移植まで一周期休む方。

一度治療そのものを休みたい方。

では、身体の整え方は同じではありません。

結果ではなく、その方が今どこにいるのかを見る。

蓮心はり灸堂では、そこを大切にしています。

「何をすればいいか分からない」状態から相談して大丈夫です

身体づくりをしようと思っていても、

温めた方がいい?

運動した方がいい?

休んだ方がいい?

サプリは?

食事は?

と、分からなくなることがあります。

そんなとき、

全部調べて答えを出してから鍼灸院へ来る必要はありません。

むしろ、

「何をしたらいいか分からなくなっています」

というところから、一緒に整理できます。

病院で確認すること。

自宅でできること。

今はやらなくていいこと。

施術でサポートできること。

これらを分けるだけでも、妊活が少しシンプルになることがあります。

つらさが続くときは、心理的なサポートも利用してください

妊活中の心のケアは、

鍼灸だけで行うものではありません。

不妊治療に伴う心理的な負担に対しては、

  • 不妊カウンセリング
  • 心理療法
  • 認知行動療法
  • 医療機関での心理的支援

なども選択肢になります。

近年の研究でも、心理的な介入によって不妊女性の不安や抑うつ、ウェルビーイングが改善する可能性が報告されています。

特に、

  • 落ち込みが長く続く
  • 眠れない状態が続く
  • 食事がほとんど取れない
  • 仕事や家事が難しい
  • 何も楽しめない

という状態になっている場合は、

「妊活だから仕方ない」

と我慢せず、専門的なサポートへつながることも大切です。

鍼灸は、そのような医療・心理支援の代わりではなく、

身体側から支える選択肢の一つ

として考えてください。

今夜は「次こそ頑張る」を決めなくてもいい

結果が出なかった日、

すぐに立ち直らなくても構いません。

前向きにならなくてもいい。

次の治療を楽しみにできなくてもいい。

今日は、

「残念だった」

「悔しかった」

「疲れた」

と思っていい日です。

そして、

食べられるものを食べる。

お風呂に入る。

スマートフォンを置く。

早く寝る。

それだけでも十分です。

妊活は、

毎周期100%の気持ちで走り続けなくても続けられます。

自分を責めず、

少し休んで、

必要なことだけ整理して、

また次を考える。

それくらいの歩幅でいいと思います。

結果が出ない周期が続き、身体まで疲れている方へ

「検査では大きな問題がないと言われているのに、結果が出ない」

「毎周期期待して、落ち込むことに疲れた」

「次の治療へ進みたいけれど、身体がついてこない」

そんなときは、一人でセルフケアを増やし続けなくても大丈夫です。

蓮心はり灸堂では、妊活・不妊治療の状況や次の予定を確認しながら、睡眠・胃腸・月経・冷え・疲労・身体の緊張まで含めて、今の身体に必要なことを一緒に整理しています。

結果を出すために自分を追い込むのではなく、次の一歩を迎えられる身体へ戻していく。

そのためのサポートとして、鍼灸を取り入れる方法があります。

参考・出典

欧州生殖医学会(ESHRE)「不妊・生殖補助医療における心理社会的ケアガイドライン」

アメリカ生殖医学会(ASRM)「エビデンスに基づく不妊症への対応」

Fertility and Sterility「不妊と抑うつ・不安・QOLに関する過去10年間の世界的研究レビュー」

Reproductive BioMedicine Online「IVFに関連する不安に対する鍼灸の効果に関するシステマティックレビュー・メタ解析」

「不妊女性に対する心理的介入の有効性に関するシステマティックレビュー・メタ解析」

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