妊活中に便がゆるい・食欲がないとき

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「朝はあまり食欲がない」

「冷たいものを飲むと、すぐお腹を壊す」

「便がいつもやわらかい」

「食べなければと思うけれど、食事が入らない」

そんな胃腸の不調はありませんか?

妊活をしていると、

「卵子のためにしっかり栄養を摂らなければ」

「たんぱく質をもっと食べよう」

「野菜も果物も増やさないと」

と、どうしても**“何を食べるか”**に意識が向きます。

でも、

身体に良いものを選んでいるのに胃がもたれる。

食べるとお腹が張る。

便がゆるくなる。

という状態なら、

さらに食材を増やす前に、

「今の胃腸は、食べたものを受け取れる状態かな?」

と考えてみてください。

妊活中の身体づくりでは、

食べる内容だけでなく、

食べられる身体を整えること

も大切です。

目次

便がゆるい=妊娠しにくい、ではありません

まず最初に、大切なことをお伝えします。

便がゆるい。

胃腸が弱い。

食欲がない。

だから、

「妊娠しにくい身体」

と考える必要はありません。

インターネットでは、

「腸内環境を整えると妊娠しやすくなる」

「腸活をすれば着床しやすくなる」

といった情報を見ることがあります。

腸内細菌と生殖機能については現在も研究が進んでいますが、

特定の腸活をすれば妊娠率が上がる、と日常診療で単純に言える段階ではありません。

ですから、

便がゆるいことを、

妊娠できない理由として自分を責めなくても大丈夫です。

ただし、

毎日お腹の調子が悪い。

食事が十分に摂れない。

疲れやすい。

という状態を我慢する必要もありません。

妊活とは別に、

あなた自身が快適に生活するためにも胃腸を整えていきましょう。

便がゆるくなる理由は一つではありません

「昔からお腹が弱いから」

で終わらせている方もいるかもしれません。

でも、便がゆるくなる理由にはいろいろあります。

たとえば、

  • 一時的な感染性胃腸炎
  • 食事の影響
  • 薬やサプリメント
  • ストレスや緊張
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 乳糖など特定の食品への不耐
  • 甲状腺など全身の病気
  • 炎症性腸疾患
  • その他の消化器疾患

などです。

一回お腹を壊しただけで心配する必要はありませんが、

「いつもだから体質」と決めつけないこと

も大切です。

妊活中でも、まず病院へ相談したい胃腸症状があります

次のような症状がある場合は、

東洋医学的な「胃腸が弱い体質」だけで考えず、医療機関へ相談してください。

  • 血便
  • 黒い便
  • 強い腹痛
  • 高い熱
  • 嘔吐を繰り返す
  • 下痢が長く続く
  • 一日に何度も水のような便が出る
  • 食事や水分がほとんど取れない
  • 意図していない体重減少
  • 強いめまいやふらつき
  • 尿が極端に少ない

特に下痢が続くと、

水分だけでなく電解質も失います。

口が強く渇く。

尿が少ない。

尿の色が濃い。

立ち上がるとふらつく。

という場合は、脱水のサインかもしれません。

妊活中だから婦人科以外へ行ってはいけない、ということはありません。

必要なときには内科・消化器内科などへ相談してください。

食欲がない状態が続くときも、一度確認を

数日、

「今日はあまり食べたくないな」

という程度なら珍しいことではありません。

暑さ。

疲れ。

睡眠不足。

緊張。

でも食欲は変化します。

一方、

食欲が戻らない。

体重が減ってきた。

少量でもすぐお腹いっぱいになる。

胃痛や吐き気がある。

という状態が続くなら、一度医療機関へ相談しましょう。

妊活をしていると、

すべてを、

「ホルモン剤のせいかな」

「ストレスかな」

で済ませてしまうことがあります。

でも、

妊活中であっても一般的な身体の不調は起こります。

婦人科と、それ以外の身体の健康。

どちらも大切にしてください。

「妊活には朝食が大事」と思って無理に食べていませんか?

妊活について調べると、

「朝食をしっかり食べる」

「たんぱく質を摂る」

「野菜をたくさん食べる」

など、いろいろな情報が出てきます。

健康的な食事を意識することは大切です。

でも、

朝から食欲がない方が、

卵。

納豆。

魚。

野菜。

果物。

ヨーグルト。

と一気に食べれば、

身体がつらくなることもあります。

妊活の食事は、

栄養価の高いものを詰め込む競争ではありません。

今の胃腸がどのくらい受け取れるか。

そこも見ながら考えていきましょう。

食べられない日は「完璧な一食」を目指さない

胃腸が疲れているときは、

一食ですべての栄養を揃えようとしなくても構いません。

たとえば、

朝は、

ごはんと味噌汁。

それだけの日があってもいい。

少し食べられそうなら、

卵。

豆腐。

魚。

などを加える。

というように、

食べられるところから戻していく

方法があります。

妊活中だからこそ、

「これを食べなければ」

ではなく、

胃腸が受け取りやすい形にする

ことも大切です。

便がゆるい日は、まず水分を忘れない

下痢や軟便が続いていると、

身体から水分が失われます。

ですから、

食べること以上に、

まず水分を補うことが大切な場合があります。

一気に大量に飲むとつらい方は、

少量ずつ。

水。

お茶。

スープ。

など、自分が飲みやすいものを利用します。

下痢が強い場合には、電解質を含む経口補水液などが役立つこともあります。

ただし、

「妊活には一日2リットル」

のように、必要以上の水分を無理に飲む必要はありません。

下痢の程度。

汗。

活動量。

食事。

などによって必要量は変わります。

胃腸が弱っている日に取り入れやすい食事

胃腸がつらい日は、

「妊活食」を作ることより、

食べやすさ

を優先してみましょう。

たとえば、

  • やわらかめのごはん
  • おかゆ
  • うどん
  • 温かい汁もの
  • 豆腐
  • 白身魚
  • やわらかく煮た野菜

など。

もちろん、

全員がおかゆを食べなければならないわけではありません。

自分が食べたあと、

胃が重くならない。

お腹が張りにくい。

便がさらに悪化しない。

というものを選びます。

「身体に良いもの」より、「今の身体が受け取れるもの」。

これを一つの基準にしてください。

「生野菜と果物をたくさん」が合わない人もいます

野菜や果物は、健康的な食事の大切な一部です。

だからといって、

胃腸が弱っている日に大量のサラダや冷たい果物を無理に食べなくても構いません。

冷たいものを食べるとお腹がつらい方なら、

蒸す。

煮る。

スープにする。

などの方法もあります。

果物も、

冷蔵庫から出したばかりのものではなく、少量から様子を見る。

それだけでも違います。

「生の方が栄養があるから」

だけで決めるのではなく、

食べたあとの身体も答えの一つ

として見てみましょう。

妊活中のサプリメントで胃腸がつらくなることも

葉酸。

鉄。

ビタミンD。

その他のサプリメント。

妊活中は飲むものが増えることがあります。

種類によっては、

胃の不快感。

便秘。

軟便。

吐き気。

などが出ることもあります。

「妊活に必要だから我慢しなければ」

と思わず、

飲み始めてから胃腸の状態が変わった場合は、

医師・薬剤師・登録販売者などへ相談してください。

サプリメントも、

多ければ多いほど身体づくりになるわけではありません。

何を飲んでいるのか一度整理することも大切です。

※漢方を含め、「妊活中に何を基準に取り入れるか」迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。

緊張するとお腹に出る人もいます

大事な会議の日。

旅行の日。

病院へ行く日の朝。

緊張すると、

突然お腹が痛くなる。

トイレへ行きたくなる。

そんな経験はありませんか?

脳と腸は、神経・ホルモンなどを介して相互に影響し合っています。

そのため、

心理的な緊張と胃腸症状が一緒に現れることがあります。

過敏性腸症候群(IBS)でも、

腹痛や便通異常とともに、ストレスによって症状が変化する方がいます。

妊活中なら、

採卵。

胚移植。

判定日。

検査結果。

仕事との調整。

など、普段以上に緊張する場面もあります。

だから、

「気の持ちよう」

ではありません。

緊張したときに、実際に身体がお腹で反応している

ことがあります。

東洋医学では胃腸の働きを「脾」で考えます

東洋医学で、

胃腸の働きと深く関係するのが、

脾(ひ)

です。

ここでいう「脾」は、西洋医学の脾臓そのものを指しているわけではありません。

食べたものから身体に必要なものを取り込み、

全身へ届ける働きなどを含む、

東洋医学独自の概念です。

その働きが弱っている状態を、

脾虚(ひきょ)

と呼びます。

脾虚(ひきょ)とは?

脾虚タイプでは、

  • 食欲が安定しない
  • 食べると胃が重い
  • 便がゆるい
  • 食後に眠くなる
  • 身体がだるい
  • 疲れやすい
  • むくみやすい

などが重なることがあります。

そして、

「疲れているから栄養をつけよう」

と思ってたくさん食べると、さらに胃が重くなる。

ということもあります。

東洋医学では、

こうした方に、

「もっと栄養を入れる」より、「まず受け取れる胃腸へ整える」

という考え方をします。

脾虚だから妊娠しにくい、ではありません

ここはとても大切です。

東洋医学では、

妊活中の身体を見るときに「脾」の状態も確認します。

でも、

「脾虚=不妊」

という意味ではありません。

脾虚という言葉は、

便がゆるい。

食欲がない。

疲れやすい。

という今の状態を東洋医学的に整理するものです。

それを、

「だから妊娠できない」

と自分を責める材料にしないでください。

むしろ、

今の身体なら、まず胃腸から整えてあげよう

という身体づくりのヒントとして使います。

胃腸が弱い方ほど「温活」をやりすぎない

脾虚。

冷え。

と聞くと、

身体を温めたくなると思います。

温かい料理や飲みものが楽に感じる方にはよい方法です。

でも、

カイロを何枚も貼る。

暑いのに長時間半身浴をする。

熱い飲みものばかり飲む。

という必要はありません。

大切なのは、

温めることそのものではなく、胃腸が楽になること。

暑くて食欲が落ちているなら、強く温めることで余計につらくなる場合もあります。

東洋医学は、

「冷えだから温める」

だけではなく、

今の身体全体を見ながら調整していきます。

胃腸が弱い人に鍼灸を取り入れるという選択

「食べものを気をつけても、お腹の調子が安定しない」

「昔から胃腸が弱い」

「妊活を始めてから、胃も睡眠も乱れてきた」

そんな方には、

食事だけでなく、

身体全体から胃腸を整える方法として鍼灸を取り入れる

選択肢があります。

鍼灸は、胃腸症状についても世界各地で研究されています。

2026年に発表された機能性ディスペプシアのランダム化比較試験をまとめた研究では、

鍼灸によって胃もたれや早期満腹感などの症状、生活の質の改善が報告されています。

また、過敏性腸症候群についても、鍼灸による腹部症状や便通などへの研究が進められています。

こうした研究だけでなく、実際の施術では、

胃腸だけを見るわけではありません。

眠れている?

身体は冷えている?

首肩に力が入っている?

疲労が強い?

月経は?

治療周期は?

と、

胃腸が乱れている背景まで一緒に確認できること

が鍼灸の大きな魅力です。

「お腹に鍼をすればいい」だけではありません

胃腸の調子が悪いからといって、

お腹だけに施術するわけではありません。

たとえば、

病院へ行く前になると便がゆるくなる方なら、

緊張の強さも見ます。

夏から冷たいものが続き、胃腸が疲れている方なら、

胃腸を中心に身体を整えます。

眠れておらず、疲労が強い方なら、

睡眠や休息まで考えます。

採卵周期で薬を使用しながら胃腸の調子が変わっているなら、

治療状況も確認します。

「便がゆるい」という一つの症状から、その方の身体全体を見る。

それが鍼灸で身体を整える良さです。

身体に触れてもらって初めて気づくこともあります

妊活中は、

卵胞。

ホルモン値。

子宮内膜。

採卵数。

胚盤胞。

と、治療の数字に意識が集中します。

その一方で、

「そういえば、ずっとお腹が張っていた」

「最近ずっと食欲がなかった」

「肩も背中も固くなっていた」

という身体の変化を後回しにしている方もいます。

鍼灸の時間には、

その日の便通。

食欲。

睡眠。

月経。

身体の冷え。

疲れ。

なども確認します。

そこで初めて、

「私、思っていたより疲れていたんですね」

と気づくことがあります。

妊活中の身体づくりは、

何か新しいことを増やすだけではありません。

今起きている身体の変化に気づき、必要なところから整えること。

それも大切です。

蓮心はり灸堂では、胃腸と妊活を別々に見ません

妊活中に、

「便がゆるいんです」

と相談すると、

「それは妊活とは関係ありません」

と思われるのでは、と心配する方もいるかもしれません。

でも当院では、

胃腸も睡眠も冷えも、

妊活をしている今の身体の一部

として見ています。

たとえば、

  • 現在の治療段階
  • タイミング法・人工授精・体外受精のどの段階か
  • 採卵・胚移植の予定
  • 使用している薬・漢方・サプリメント
  • 月経周期

を確認し、

さらに、

  • 食欲
  • 胃もたれ
  • 便通
  • お腹の張り
  • 睡眠
  • 冷え・のぼせ
  • 首肩の緊張
  • 疲労

を一緒に見ていきます。

採卵を控えている方と、

胚移植前の方。

治療を一周期休んでいる方。

同じ胃腸不調でも、身体づくりの優先順位は変わります。

妊活の予定と胃腸の状態を切り離さずに整えられること。

これは、妊活中に専門的な鍼灸を取り入れるメリットの一つです。

「妊活のために食べなければ」が苦しくなっている方へ

本当は食欲がない。

でも、

卵子のために。

内膜のために。

妊娠するために。

と無理に食べている。

そんな方もいます。

身体づくりは、

身体の声を無視して食べ続けることではありません。

胃腸が疲れているなら、

まず胃腸を整える。

食べられるようになってから、少しずつ食事を戻す。

その順番でもいいのです。

そして、

食事だけでなかなか身体が戻らないときには、

鍼灸という方法も使ってください。

飲むものや食べるものをさらに増やさず、

身体そのものへ働きかけながら整えていく。

妊活中だからこそ、そういう選択肢を持っておくと身体づくりが少し楽になります。

今日から始めるなら、この3つで十分です

1.「良いもの」を増やす前に、食べたあとの身体を見る

食べたあとに、

胃が重い?

お腹が張る?

便が変わる?

そこを確認します。

2.便の状態を簡単にメモする

毎日細かく記録する必要はありません。

「普通」

「少しやわらかい」

「下痢」

くらいでも構いません。

何を食べた日なのか。

病院の日だったのか。

月経前だったのか。

少し見えてくるものがあります。

3.一週間ずっと調子が悪いなら、我慢し続けない

セルフケアだけで何とかしようとせず、

症状によっては医療機関へ相談する。

そして、大きな病気がなくても胃腸の不調が続いているなら、

鍼灸で身体全体を整えていく方法も考えてみてください。

9月18日の夜は「脾虚の食養生」をもう少し具体的に

今回の記事では、

「胃腸が弱いから妊娠しにくい」

と考えるのではなく、

今の身体が食べたものを受け取りやすい状態へ戻していく

というお話をしました。

この続きは、

9月18日夜公開の
「脾虚タイプの食養生 胃腸が弱い人の整え方」

で、

朝、昼、夜、間食、飲みものなど、脾虚タイプの方が日常生活で取り入れやすい食養生を、さらに具体的にご紹介します。

妊活のために食事を頑張っているのに、胃腸がついてこない方へ

「食べた方がいいのは分かっているけれど、食欲がない」

「便がゆるいのが昔から普通になっている」

「妊活を始めてから、薬やサプリも増えて胃腸が疲れている」

「採卵や胚移植に向けて、胃腸から身体を整えておきたい」

そんな方は、

食事だけで身体を変えようと頑張りすぎなくても大丈夫です。

蓮心はり灸堂では、

不妊治療の予定や使用している薬、漢方、サプリメントなども確認しながら、

胃腸。

便通。

睡眠。

月経。

冷え・のぼせ。

疲労。

首肩の緊張。

まで含めて身体を見ています。

食事は身体づくりの大切な一部。

でも、

食事を受け取る身体そのものを整えることも、同じくらい大切です。

「私は何を食べればいいですか?」

というご相談からでも構いません。

今の胃腸と身体を一緒に確認しながら、自分に合った身体づくりを始めてみませんか。

参考・出典

日本消化器病学会「機能性ディスペプシア(FD)患者さんとご家族のためのガイド」

日本消化器病学会「過敏性腸症候群(IBS)患者さんとご家族のためのガイド」

米国国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)「下痢の症状・原因・治療」

Frontiers in Medicine「機能性ディスペプシアに対する鍼灸の有効性と安全性:ランダム化比較試験の最新メタ解析」

Gastroenterology「過敏性腸症候群に対する鍼灸と偽鍼のシステマティックレビュー・メタ解析」

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