胃腸が弱い人の夏の飲み物選び 体質別の考え方

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8月11日の
「夏の冷たい飲み物でお腹が弱る理由」
では、

冷たい飲み物を飲んだからといって、すべての人の胃腸が悪くなるわけではないこと。

「冷たいもの=子宮を冷やす=妊娠しにくくなる」

と単純に結びつける必要はないことをお伝えしました。

でも実際には、

「私は冷たいものを飲むとすぐ下痢をする」

「水を飲むだけで胃がチャポチャポする」

「夏になると食欲まで落ちる」

という方もいます。

反対に、

「暑がりで、常温の水でも飲みにくい」

「温かいものを飲むとのぼせる」

という方もいます。

つまり、

夏の飲み物は、全員が同じものを選ぶ必要はありません。

今日は東洋医学の体質も参考にしながら、

今の自分の身体にとって、何を・どのくらい・どんな温度で飲むと負担が少ないのか

を考えてみましょう。

目次

妊活中でも、夏の水分補給は我慢しないで

まず一番大切なのは、

「身体を冷やしたくないから」と水分を控えないこと

です。

夏は汗をかきます。

屋外だけでなく、

通勤。

買い物。

家事。

入浴。

睡眠中。

などでも水分は失われます。

特に8月は、

「妊活だから常温しか飲まない」

「冷たい水しかないから飲まずに我慢する」

という方がいます。

しかし、水分不足によって体調を崩してしまっては本末転倒です。

暑い時期には、

まず必要な水分をとることを優先してください。

冷たいものが平気なら冷たい水でも構いません。

冷たいものを飲むと胃腸症状が出るなら、常温や少し温かいものへ変える。

それくらい柔軟に考えて大丈夫です。

「冷たい飲み物は胃に悪い」は全員には当てはまりません

飲み物の温度と胃の働きについては、さまざまな研究があります。

健康な人を対象とした研究では、

冷たい飲み物を飲んでも、胃の中では時間とともに体温に近づき、胃酸分泌や胃排出に大きな違いがみられなかった報告があります。

一方で、

過敏性腸症候群(IBS)の方を対象とした研究では、冷水によって腹部症状が出やすくなった報告もあります。

つまり、

「冷たいものは身体に悪い」ではなく、「冷たいものに反応しやすい人がいる」

と考える方が現実的です。

自分が飲んだあとに、

腹痛。

下痢。

胃の重さ。

吐き気。

食欲低下。

などが起こるのであれば、その温度が今の身体に合っていない可能性があります。

東洋医学では「何を飲むか」だけでなく、飲んだあとの身体を見ます

東洋医学では、

「夏だから全員これ」

という決め方はしません。

同じ冷たい麦茶を飲んでも、

「すっきりする」

という方と、

「お腹が痛くなる」

という方がいます。

その違いを、

・胃腸
・便通
・汗
・冷え
・ほてり
・むくみ
・疲れ
・舌の状態

などから見ていきます。

ここからは、代表的なタイプ別に考えてみましょう。

タイプ1 脾虚(ひきょ)|飲むと胃が重くなりやすいタイプ

脾虚とは、

東洋医学で、胃腸の働きや身体を支える力が弱っていると捉える状態

です。

次のような方にみられます。

・食欲が少ない
・食後すぐ疲れる
・軟便になりやすい
・冷たい飲み物でお腹を壊す
・水をたくさん飲むと胃が重い
・夏になるとさらにだるくなる

脾虚タイプの飲み方

このタイプは、

一気に大量の水分をとるより、

少量ずつ回数を分ける

方が飲みやすいことがあります。

冷蔵庫から出したばかりの飲み物で症状が出るなら、

常温の水。

少し冷たさを取った麦茶。

白湯。

などへ変えてみます。

ただし、

白湯だから身体に良い。

冷水だから悪い。

という意味ではありません。

自分の胃腸が一番楽な温度を選ぶ

ことがポイントです。

脾虚タイプにおすすめしたいこと

水分だけでお腹いっぱいにならないようにします。

食事前に大量の飲み物をとると、もともと食欲の少ない方ではさらに食べにくくなることがあります。

妊活中は、

水分。

食事。

たんぱく質。

必要な栄養。

を無理なく身体へ入れられることも大切です。

タイプ2 寒湿(かんしつ)|冷えるとお腹が痛くなり、身体も重いタイプ

寒湿とは、

身体の冷え余分な水分が重なり、巡りが滞りやすくなっていると捉える状態

です。

・冷房で身体が冷える
・冷たい飲み物で腹痛や下痢が起こる
・脚がむくむ
・身体が重い
・お腹を温めると楽
・夏でも手足が冷える

という方が当てはまることがあります。

寒湿タイプの飲み方

冷たいものを完全禁止にする必要はありません。

ただ、

氷をたくさん入れた飲み物。

一気飲み。

冷たい飲み物を何杯も続ける。

という飲み方で症状が出るなら、少し温度を上げてみましょう。

常温。

ぬるめ。

など、身体が楽なところを探します。

「水を飲むとむくむから減らす」は避けて

寒湿タイプでは、

「水分が身体にたまっているなら、飲まない方がいい?」

と思うことがあります。

でも、夏の脱水予防は必要です。

むくみ=水分をとりすぎている、とは限りません。

水分を極端に減らすのではなく、

必要な量を少しずつとりながら、

塩分の多い食事。

長時間同じ姿勢。

睡眠。

運動不足。

なども一緒に見直します。

タイプ3 湿(しつ)|水分をとると身体が重く感じるタイプ

東洋医学では、

余分な水分が身体に停滞していると捉える状態を、

湿(しつ)

と表現します。

・身体が重い
・頭が重い
・むくみやすい
・胃がチャポチャポする
・食欲が出ない
・湿度が高い日にだるい

という方です。

湿タイプは「一度に大量」が苦手なことがあります

暑いからと、

500mLのペットボトルを短時間で一気に飲む。

食事中に何杯も飲む。

より、

こまめに少しずつ

の方が身体の負担が少ない場合があります。

ただし、屋外作業や大量に発汗する場合には、必要な水分・電解質補給を優先します。

東洋医学の体質より、熱中症予防が優先です。

タイプ4 湿熱(しつねつ)|暑がりで、胃が重くなりやすいタイプ

湿熱とは、

身体に余分な水分と熱がこもっていると捉える状態

です。

・暑がり
・汗をかきやすい
・身体が重い
・口が粘る感じがする
・脂っこいものを食べると胃が重い
・便がすっきりしない
・吹き出物が出やすい

などがみられます。

湿熱タイプは無理に温かいものを飲まなくていい

「妊活だから白湯」

と思っている方もいますが、

暑くてほてっているのに熱い飲み物を我慢して飲む必要はありません。

常温。

少し冷たい水。

麦茶。

など、自分が飲みやすいもので構いません。

ただし、

砂糖の多いジュース。

甘いカフェドリンク。

アルコール。

などが続くと、胃腸への負担が増える方もいます。

水や無糖のお茶を基本

にしてみましょう。

タイプ5 陰虚(いんきょ)|ほてりや乾燥、喉の渇きが目立つタイプ

陰虚とは、

身体を潤し、熱を落ち着かせるものが不足していると捉える状態

です。

・夕方からほてる
・手足が熱く感じる
・寝汗をかく
・口や喉が乾きやすい
・肌が乾燥する
・眠りが浅い

などがみられます。

陰虚タイプは「冷やす」より「潤す」

ほてるからと、

氷を大量に入れた飲み物を一気に飲む。

アイスを何個も食べる。

という方法で身体を冷やし続ける必要はありません。

水分をこまめにとり、

食事からも、

果物。

野菜。

汁物。

などを取り入れます。

身体へ必要な水分を無理なく補う

ことを優先しましょう。

タイプ6 気陰両虚(きいんりょうきょ)|汗をかくと一気に疲れるタイプ

夏の妊活中に意外と多いのが、

汗をたくさんかいたあと、

「もう何もしたくない」

くらい疲れてしまう方です。

・汗が多い
・喉が渇く
・だるい
・息切れしやすい
・ほてりもある
・夕方になるとぐったりする

といった場合、

東洋医学では、

気陰両虚=身体を動かす力と、身体を潤すものの両方が不足している状態

として見ることがあります。

気陰両虚タイプは、水だけでは足りない場面も

日常生活程度の発汗なら、水や無糖のお茶などで構いません。

一方、

炎天下で長時間働いた。

大量に汗をかいた。

嘔吐や下痢がある。

など、明らかに水分と電解質を失っている場合には、

状況に応じて経口補水液などが役立つことがあります。

ただし、

経口補水液を日常的な健康飲料として毎日飲む必要はありません。

塩分や糖分を含むため、使う場面を分けましょう。

麦茶は夏の妊活に使いやすい?

麦茶はカフェインを含まないため、

夏の普段の水分補給として使いやすい飲み物です。

ただ、

「麦茶は身体を冷やすから妊活中は禁止」

と考える必要はありません。

冷たい麦茶でお腹が痛くなるなら温度を上げる。

平気なら普通に飲む。

それで構いません。

飲み物そのものより、

自分が無理なく十分に水分をとれるか

を優先してください。

コーヒーを飲むと胃が重い方は量を見直して

コーヒーは、

「妊活だから絶対禁止」

という飲み物ではありません。

ただし、

機能性ディスペプシアなど胃の症状がある方では、

コーヒーによって、

胃痛。

胸やけ。

胃もたれ。

などが悪化する場合があります。

「朝は必ずコーヒーを飲むけれど、そのあと胃が重い」

という方は、

量を減らす。

空腹時を避ける。

カフェイン量の少ないものへ変える。

など、自分の症状を見ながら調整してみましょう。

炭酸水はどう?

無糖の炭酸水は、

糖分の多い炭酸飲料とは別です。

飲んでも問題ない方もいます。

ただし、

胃が張る。

げっぷが増える。

膨満感が強い。

という方では、炭酸が症状を強く感じさせることがあります。

身体に良い・悪いではなく、

飲んだあとに自分の胃腸がどうなるか

で判断しましょう。

スポーツドリンクは水代わりに毎日必要?

大量の汗をかく運動や屋外作業などでは、電解質や糖質を含む飲料が役立つ場面があります。

ただし、

室内で普通に生活している日まで、

スポーツドリンクだけを一日中飲む必要はありません。

糖分を多く含む商品もあります。

普段は、

水。

麦茶。

無糖のお茶。

などを基本にし、

発汗量や活動量に応じて使い分ける

とよいでしょう。

甘い飲み物で食事が入らなくなっていませんか?

胃腸が弱い方では、

夏になると、

ジュース。

カフェラテ。

スムージー。

スポーツドリンク。

などでお腹が満たされ、

食事量が減っていることがあります。

飲み物からカロリーは入っていても、

たんぱく質。

鉄。

ビタミン。

ミネラル。

など、妊活中に必要な食事が十分とれていないことがあります。

妊活中だからこそ、

「何を飲むか」だけでなく、「飲み物のせいで食事が減っていないか」

も確認してみてください。

妊活中の胃腸を整えることには意味があります

妊活では、

葉酸。

鉄。

ビタミンD。

たんぱく質。

サプリメント。

など、

「何を摂取するか」

に注目しがちです。

でも、

胃が重い。

下痢が続く。

食欲がない。

食べると疲れる。

という状態では、

毎日の食事そのものが負担になります。

妊活の身体づくりでは、

栄養を追加することだけでなく、毎日無理なく食べて、飲んで、休める身体をつくっていくこと

も大切です。

胃腸が弱い方に、鍼灸を取り入れるメリット

妊活中の鍼灸というと、

「子宮や卵巣のために受けるもの」

と思われることがあります。

でも、当院ではそれだけではありません。

胃腸が弱い。

食欲が安定しない。

下痢や便秘を繰り返す。

夏になると身体がぐったりする。

眠りも浅い。

という方の場合、

胃腸だけを切り離さず、妊活中の身体全体を見ながら施術できること

が鍼灸のメリットです。

妊活中には、

ホルモン治療。

通院。

採卵。

胚移植。

サプリメント。

仕事。

など、さまざまな負担が重なります。

その中で、

「胃腸だけ別の問題」

とは限りません。

胃腸症状に対する鍼灸も研究されています

鍼灸と胃腸症状についても研究があります。

機能性ディスペプシアを対象とした2024年のシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析では、

鍼灸単独や西洋医学との併用によって、食後の膨満感、早期満腹感、上腹部症状などの改善を示す研究

がまとめられています。

もちろん、

「胃腸が弱い人は鍼灸を受ければ必ず治る」

という意味ではありません。

胃腸症状には、

胃炎。

逆流性食道炎。

機能性ディスペプシア。

過敏性腸症候群。

感染症。

薬の影響。

など、さまざまな原因があります。

必要な医療評価を受けることが前提です。

そのうえで、

医療機関で必要な検査・治療を受けながら、胃腸・睡眠・疲労・冷えやほてりなどを一緒に整えていく方法として鍼灸を取り入れる

という選択肢があります。

東洋医学では「妊活の胃腸」を大切にします

東洋医学では、

食べ物から身体を養う働きと、

脾(ひ)・胃(い)

を深く関連づけて考えます。

妊活だから、

特別なものをたくさん食べる。

高価なサプリを追加する。

という前に、

食欲があるか。

食べたあと胃が苦しくないか。

便通は安定しているか。

身体がだるくならないか。

を確認します。

当院でも、

「何を食べれば妊娠しやすいですか?」

だけではなく、

「今、きちんと食べられる身体になっていますか?」

というところから一緒に考えています。

胃腸が弱い方に鍼灸がおすすめなのは、こんなとき

たとえば、

・妊活を始めてから胃腸の調子も気になるようになった
・冷たいものを飲むとすぐ下痢をする
・食欲が安定しない
・サプリを飲むと胃が重い
・夏になると食欲と体力が一緒に落ちる
・便秘と下痢を繰り返す
・睡眠や疲労も同時に気になる
・採卵や胚移植に向けて、食事や生活も含めて身体を整えたい

という方です。

鍼灸は、

「胃だけ」

「子宮だけ」

を別々に見るのではなく、

妊活をしている一人の身体として状態を確認できる

ことが大きな特徴です。

飲み物を変えても症状が続くなら、体質だけで済ませない

飲み物の温度を変えた。

量を調整した。

食事も気をつけた。

それでも、

・胃痛が続く
・頻繁に下痢をする
・嘔吐する
・血便や黒い便が出る
・体重が減ってきた
・食べられない状態が続く
・夜中にも症状で目が覚める

といった場合は、

「脾虚だから」

「冷え体質だから」

とセルフケアだけで済ませず、医療機関へ相談してください。

東洋医学的な体質を見ることと、病気を見逃さないことは両立させる必要があります。

今夜からできる3つのこと

1.「飲み物の温度」と「症状」を一度セットで見る

冷たい水を飲んだら必ず下痢する?

常温なら大丈夫?

量が多いと胃が重い?

というように、

自分の反応を確認します。

「妊活だから」というルールではなく、

自分の身体を基準にします。

2.一気飲みではなく、こまめに飲む

胃腸が弱い方ほど、

一度に大量ではなく、

少量ずつ。

を試してみてください。

ただし、暑い環境や大量発汗時には十分な水分補給を優先します。

3.飲み物だけでお腹いっぱいにしない

妊活中は、

飲むことだけでなく、

食べることも大切です。

夕食前に甘い飲み物を何杯も飲む。

水分で胃がいっぱいになる。

という場合は、量やタイミングを少し調整してみましょう。

「妊活だから白湯」ではなく「私には何が合う?」で選びましょう

夏になると、

「妊活中は冷たいもの禁止」

と言われることがあります。

でも、

大切なのはルールを守ることではありません。

冷たいものを飲んでも平気なら、無理に温かくしなくてもよい。

冷たいもので胃腸がつらくなるなら、温度を上げる。

大量に飲むと重いなら、少しずつ飲む。

汗が多いなら、水分をしっかり補う。

身体の反応を見ながら調整すること。

それが、本当の意味での体質に合わせた養生だと思います。

妊活中の身体づくりは、胃腸から見直すこともできます

妊活をしていると、

どうしても、

卵子。

子宮内膜。

着床。

というところへ意識が向きます。

でも、その身体を毎日支えているのは、

食べること。

飲むこと。

眠ること。

排泄すること。

です。

胃腸の調子が悪く、

食べられない。

飲めない。

疲れる。

という状態が続いているなら、

そこから身体づくりを始めても構いません。

鍼灸では、

胃腸。

睡眠。

疲労。

冷えやほてり。

月経。

そして今の不妊治療の段階。

を合わせて見ながら施術を考えることができます。

妊娠だけを見るのではなく、妊娠を目指している「今の身体」を整えていく。

それも、妊活に鍼灸を取り入れる大きなメリットの一つです。

【参考・出典】

世界保健機関(WHO)「暑さと健康」

厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料」

米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)「機能性ディスペプシアの食事と栄養」

American Journal of Physiology「飲料温度と胃機能に関する研究」

Journal of Gastroenterology「水の温度が胃運動と食欲に与える影響」

World Journal of Gastroenterology「過敏性腸症候群患者における冷水摂取と内臓知覚過敏」

Complementary Therapies in Medicine「機能性ディスペプシアに対する鍼灸のシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析」

妊活中、胃腸の弱さまで一緒に整えたい方へ

「身体に良いものを食べたいのに、胃が受けつけない」

「サプリを増やすほど胃が重くなる」

「夏になると下痢や食欲低下で身体が疲れてしまう」

そんな方もいらっしゃると思います。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

・現在の妊活・不妊治療の段階
・月経周期
・食欲や胃もたれ
・便通
・睡眠
・冷えやほてり
・汗のかき方
・疲労
・使用している薬やサプリメント

などを確認しながら、その方の身体に合わせて施術を行っています。

妊活の鍼灸は、

子宮や卵巣だけを見るものではありません。

食べる・眠る・休むといった身体の土台を含めて整えながら、不妊治療を続ける身体を支えていくこと

を大切にしています。

「病院での治療は進んでいるけれど、身体全体も一緒に整えたい」

「胃腸が弱く、自分に合った妊活中の養生を知りたい」

という方は、鍼灸を身体づくりの一つとして取り入れてみませんか。

今の治療段階や身体の状態を確認したうえで施術をご提案します。

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