白露の夜に潤いを足す温かい飲みもの

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朝の記事
「【白露前】白露のころに出やすい乾きと冷え」
では、

白露のころは、日中の暑さが残る一方で、

朝晩の涼しさ。

冷房による冷え。

喉や肌の乾燥。

夏から続く胃腸の疲れ。

など、夏と秋の特徴が重なりやすい時期だというお話をしました。

今夜は、その続きです。

テーマは、

「秋の夜に何を飲む?」

です。

妊活中は、

「このお茶は妊活にいい?」

「身体を冷やさない飲みものは?」

「着床に良いハーブティーは?」

と、飲みものまで気になることがあります。

でも、特別なものを探す必要はありません。

まず大切にしたいのは、

身体がほっとして、胃腸に負担が少なく、その日の終わりに無理なく続けられること。

今夜の一杯は、「妊娠するための飲みもの」ではなく、

一日頑張った身体を休む時間へ切り替える一杯

として考えてみましょう。

目次

東洋医学でいう「潤す」は、水を大量に飲むことではありません

東洋医学では、秋になると「燥(そう)」の影響を受けやすいと考えます。

乾燥が強くなると、

  • 喉が乾く
  • 鼻が乾く
  • 肌がカサつく
  • 口が乾く
  • 便が硬くなる

などの変化が出ることがあります。

そこで秋の養生では、

「潤す」

という考え方を取り入れます。

ただし、

「潤す=水をたくさん飲む」

という意味ではありません。

一度に大量の水分を摂ればよいわけではなく、

その人の喉の渇き、汗の量、食事、胃腸の状態などを見ながら、無理なく水分を補っていきます。

特に、

「水を飲むとお腹がちゃぽちゃぽする」

「冷たい飲みものですぐお腹を壊す」

という方は、一気にたくさん飲むよりも、

少量ずつ、身体が受け取りやすい形で補う

方が合うことがあります。

1.迷ったら、まずは白湯

一番シンプルなのは、

白湯(さゆ)

です。

特別な栄養が入っているわけではありません。

妊娠率を高めるものでもありません。

でも、

「寝る前に何か温かいものを飲みたい」

というときには、とても取り入れやすい選択肢です。

熱々にする必要はありません。

口に含んでほっとする程度の温度

で十分です。

冷たい水を飲むと胃がつらい方。

夜にカフェインを摂りたくない方。

甘いものを飲みたくない方。

そんな方にも向いています。

「妊活には○○茶を飲まなければ」

と迷ったら、まず白湯へ戻ってみてもいいと思います。

2.温かい麦茶

普段から麦茶を飲んでいる方なら、

少し温めて飲む

方法もあります。

麦茶は一般にカフェインを含まないため、夜にも選びやすい飲みものです。

夏は冷蔵庫から出した冷たい麦茶を飲んでいた方も、

秋口からはその日の体調に合わせて、

常温。

少し温める。

という使い分けをしてみてもよいでしょう。

ただし、

「温かい方が妊活に良い」

というわけではありません。

まだ暑く、汗をたくさんかいた日なら冷たいものがおいしく感じることもあります。

自分が飲んだあとに楽かどうか

を一つの基準にしてみてください。

3.温かい牛乳・豆乳

普段から牛乳や豆乳を飲んでいて、胃腸に問題がない方なら、

温めて少量飲む方法もあります。

特に、

「夕食が早くて寝るころに少しお腹が空く」

という方には選択肢の一つです。

ただし、

牛乳を飲むとお腹が張る。

下痢をする。

豆乳が体質に合わない。

という方が無理に飲む必要はありません。

身体に良いと言われるものより、自分が消化できるものを選ぶ。

これは妊活中の食養生でも大切な考え方です。

また、甘くする場合も、

「はちみつなら健康的だからたくさん入れてよい」

というわけではありません。

甘みは少量で十分です。

4.梨を温めて「食べる+飲む」

東洋医学の秋の食養生でよく登場する果物が、

です。

東洋医学では、梨は喉や身体の乾燥が気になる時期に使われる食材の一つとして考えられています。

ただし梨は、そのまま食べると冷たく感じる方もいます。

特に、

  • 胃腸が弱い
  • 軟便になりやすい
  • 身体が冷えやすい

という方なら、

梨を小さく切り、少量の水でやわらかく煮てみるのも一つです。

煮汁と一緒に温かいうちに少量いただきます。

これは、

「梨を飲めば妊娠しやすくなる」というものではありません。

季節の食材を楽しみながら、温かいものを取り入れる程度に考えてください。

「乾燥にはハーブティー」は少し慎重に

秋になると、

カモミール。

ローズヒップ。

ルイボス。

さまざまなハーブティーが紹介されます。

「妊活におすすめ」

「女性ホルモンに良い」

と書かれている商品もあります。

しかし、ここは少し慎重に考えたいところです。

ハーブは天然のものですが、

天然=妊活中・妊娠中も必ず安全

という意味ではありません。

特に妊娠の可能性がある時期は、ハーブティーについて十分な安全性データがないものもあります。

そのため、

「妊活に良さそうだから」

という理由だけで、普段飲んでいないハーブを何種類も始めることはおすすめしません。

すでに飲んでいるものがあり、採卵・胚移植・妊娠後も継続してよいか分からない場合には、主治医や薬剤師へ確認してください。

妊娠の可能性がある時期は「カフェインの合計量」にも注意

妊活中だから、

コーヒーや緑茶を完全に禁止しなければならないわけではありません。

ただし、妊娠している可能性がある時期や妊娠が確認された後は、カフェイン量を意識しておくと安心です。

海外の代表的なガイドラインでは、妊娠中のカフェイン摂取は、

1日200mg未満

が一つの目安とされています。

カフェインはコーヒーだけでなく、

  • 紅茶
  • 緑茶
  • ウーロン茶
  • コーラ
  • エナジードリンク
  • チョコレート

などにも含まれます。

「夜に一杯飲んだらすぐ問題になる」

ということではありません。

大切なのは、

一日全体でどのくらい摂っているか

を見ることです。

またカフェインは睡眠に影響することがあるため、眠りが浅い方は夕方以降をデカフェやカフェインを含まない飲みものへ変えるだけでもよいでしょう。

夜だからこそ「飲みすぎない」

身体を潤したいと思って、

寝る直前に大きなコップで何杯も飲む必要はありません。

水分を多く摂ると、

夜中にトイレへ行く回数が増え、かえって眠りが途切れることがあります。

夕食までにも水分を摂り、

寝る前は、

喉を潤し、身体がほっとする程度

にしてみましょう。

「健康のために○リットル飲まなければ」

と数字だけを追いかけなくても大丈夫です。

汗の量や活動量、食事にも水分は含まれるため、必要量は一人ひとり違います。

「身体を温めるため」に熱いものを我慢して飲まない

妊活中によくあるのが、

「冷えがあるから、できるだけ熱いものを飲んだ方がいいですか?」

という質問です。

答えは、

熱ければ熱いほどよいわけではありません。

口や喉をやけどしそうな飲みものを我慢して飲む必要はありません。

また、

顔がほてる。

寝汗がある。

夜になると身体が熱い。

という方まで、身体を強く温め続ける必要はありません。

温かい飲みものは、

身体を無理に熱くするためではなく、心地よく飲める範囲で使う

と考えてください。

東洋医学では「同じ一杯」を全員に勧めません

東洋医学では、その方の状態によって飲みものの考え方も変わります。

脾虚(ひきょ)|胃腸が弱っているタイプ

  • 食欲がない
  • 軟便
  • 胃もたれ
  • 身体がだるい

という方。

冷たいものをたくさん摂るより、白湯や温かいスープなどが楽に感じる場合があります。

肺燥(はいそう)|乾燥が気になるタイプ

  • 喉が乾く
  • 肌が乾く
  • 鼻が乾燥する
  • 便が硬い

などが気になる方。

水分だけでなく、梨など季節の食材を食事へ取り入れる考え方もあります。

肝鬱気滞(かんうつきたい)|緊張が強いタイプ

  • ため息が多い
  • 首肩がこる
  • お腹が張る
  • 寝つきが悪い

という方。

何を飲むか以上に、

スマートフォンを置き、ゆっくり飲む時間そのもの

をつくることが大切になる場合があります。

腎虚(じんきょ)|疲れと冷えが強いタイプ

  • 疲れが抜けない
  • 腰がだるい
  • 手足が冷える
  • 夜になるとぐったりする

という方。

身体を強く温めるものを探すより、まず睡眠や休息そのものを優先することもあります。

妊活中は「何を飲むか」より「なぜそれを選んでいるか」

妊活を続けていると、

「ルイボスティーがいいらしい」

「黒豆茶がいい」

「○○茶が子宮にいい」

といった情報をたくさん見かけます。

でも、一度こう考えてみてください。

「私は何のためにこれを飲んでいるんだろう?」

好きだから。

ほっとするから。

カフェインを控えたいから。

冷たい飲みものだと胃がつらいから。

それなら続けてよいでしょう。

一方、

「これを飲まないと妊娠できない気がする」

となっているなら、一度手放してもいいかもしれません。

妊活の身体づくりは、

やることを増やし続けることではありません。

夜の一杯を「休む合図」にする

おすすめしたいのは、

特別な飲みものを探すことより、

毎晩の小さなルーティンにすること

です。

たとえば、

お風呂に入る。

スマートフォンを置く。

照明を少し暗くする。

温かい飲みものを少し飲む。

明日の薬・通院予定だけ確認する。

そして、その日の妊活は終了。

この流れをつくります。

妊活中は、

身体が休んでいても頭が治療を続けていることがあります。
睡眠・食事・通院予定までまとめて生活リズムを整えたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

だから、

「今日はここまで」

という区切りを身体にも伝えてあげましょう。

温かい一杯は、そのスイッチの一つとして使えます。

飲みものだけでは整わない身体のサインもあります

白湯を飲んでいる。

冷たいものも控えている。

食事にも気をつけている。

それでも、

「手足がずっと冷たい」

「胃腸が弱い」

「眠りが浅い」

「首肩がこわばる」

「疲れが取れない」

という場合があります。

そんなとき、

さらに身体に良い飲みものを探し続けても、答えが見つからないことがあります。

冷え。

胃腸。

睡眠。

疲労。

緊張。

一見別々の不調に見えますが、東洋医学では身体全体のバランスとして整理していきます。

自分では「何を温めればいいのか」「何を足せばいいのか」が分からなくなったときに、身体全体を見てもらえること。

これは鍼灸を取り入れるメリットの一つです。

鍼灸では「潤いを足す飲みもの」を処方するわけではありません

鍼灸で身体の水分を直接補給できるわけではありません。

喉が渇いているなら水分を摂る。

脱水が疑われるなら、適切な水分・電解質補給や必要に応じた医療的対応が優先です。

そのうえで鍼灸では、

  • 睡眠
  • 胃腸
  • 便通
  • 冷え・のぼせ
  • 首肩の緊張
  • 月経
  • 疲労

などを確認し、

季節の変化についていきにくくなっている身体を、全体として整えていく

ことができます。

たとえば、

「冷えるから温かいものを飲んでいたけれど、実は顔のほてりも強かった」

「乾燥が気になって水分を増やしていたけれど、胃腸が弱って食欲が落ちていた」

など、一つの症状だけを見ていると気づきにくいこともあります。

身体全体を一緒に整理することで、

必要以上にセルフケアを増やさなくてもよくなること

も、施術を受けるメリットだと考えています。

蓮心はり灸堂では、季節だけでなく治療周期も確認します

同じ「冷える」「喉が乾く」という方でも、

人工授精前。

採卵周期。

採卵後。

胚移植前。

判定日待ち。

治療を休んでいる周期。

では身体への負担が違います。

蓮心はり灸堂では、

  • 現在の治療段階
  • 月経周期
  • 採卵・人工授精・胚移植の予定
  • 使用している薬
  • 次の通院予定

を確認しながら、

睡眠。

胃腸。

便通。

冷え・のぼせ。

月経。

疲労。

身体の緊張。

などを一緒に見ます。

「秋だから温める」

「妊活だからこのお茶」

ではなく、

季節・治療周期・今の身体の3つを合わせて考える。

当院ではそのような身体づくりを大切にしています。

今夜の一杯は、身体に「お疲れさま」を伝えるために

白露になったから、

特別なものを飲まなければならないわけではありません。

白湯でもいい。

温かい麦茶でもいい。

普段から飲んでいる牛乳や豆乳でもいい。

何も飲みたくなければ、無理に飲まなくても構いません。

大切なのは、

「妊活に良いものを飲まなければ」という新しい宿題にしないこと。

一日の終わりに、

温かいものを少し飲んで、

「ああ、ほっとするな」

と思えたら、それで十分です。

秋の養生は、

身体に何かをたくさん足すことではありません。

その日の身体を見ながら、

少し温める。

少し潤す。

少し早く休む。

その積み重ねでいいのです。

秋の冷えや胃腸の変化が気になり始めた方へ

「冷たいものを控えているのに冷える」

「夏から胃腸が戻らない」

「眠りが浅く、身体の疲れも抜けない」

「採卵や胚移植に向けて体調を整えておきたい」

そんなときは、飲みものだけで何とかしようとしなくても大丈夫です。

蓮心はり灸堂では、秋という季節だけではなく、妊活・不妊治療の予定や月経周期まで確認しながら、その時の身体に必要な施術を考えています。

何を足すか迷う前に、今の身体に何が必要なのかを一緒に整理する。

そのために鍼灸を取り入れる方法があります。

参考・出典

アメリカ産科婦人科学会(ACOG)「妊娠中の適度なカフェイン摂取」

アメリカ産科婦人科学会(ACOG)「妊娠前カウンセリング」

英国国民保健サービス(NHS)「妊娠中に避けたい・注意したい食品と飲みもの」

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