今日は、
満月。
国立天文台によると、2026年8月28日は**13時19分に満月(望)**を迎えます。
「満月が近づくと眠りが浅い気がする」
「なぜか夜中に目が覚める」
という方もいるかもしれません。
ただし、
満月だから必ず眠れなくなる、ということが医学的に確立しているわけではありません。
一方で、
月の周期と人の睡眠には、
「まったく関係がない」と言い切れない研究も出てきています。
今日は、
月の話を神秘的なものだけで終わらせず、
現在わかっている睡眠研究と、女性の月経周期による身体の変化
を分けて整理してみましょう。
この記事のポイント
・2026年8月28日は13時19分に満月
・月の周期と睡眠の関連を示した研究はある
・ただし「満月=不眠」と断定できる段階ではない
・女性の睡眠は月よりも、月経周期・PMS・痛み・ストレスなどの影響を受けることがある
・妊活中は「満月だから」と決めつけず、今の身体を確認する
・眠れない夜は、光・室温・妊活検索の3つから整える
満月になると、本当に眠りが浅くなる?
月と睡眠については、
昔からさまざまな説があります。
2013年の睡眠研究では、満月付近で、
深い睡眠に関係する脳波活動が低下。
入眠まで約5分長くなる。
睡眠時間が約20分短くなる。
といった変化が報告されました。
2021年には、
電気のない地域。
電気のある農村部。
都市部。
という異なる環境で人の睡眠を測定した研究が発表されています。
そこでは、
満月前の数日間に就寝時刻が遅くなり、睡眠時間が短くなる傾向
が観察されました。
2026年にも月と睡眠の新しい研究が発表されています
2026年には、人と霊長類の長期間の活動記録を解析し、
月と太陽による重力周期と睡眠時刻との関連を示した研究も発表されました。
少し興味深い結果ですよね。
ただし、
ここで、
「やっぱり満月になると眠れないんだ」
と結論づけるのは早すぎます。
研究によって結果は一致していません。
性別による違いを調べた研究では、月の周期による睡眠変化が女性より男性で強くみられたという報告もあります。
つまり現時点では、
月の周期と睡眠に何らかの関連がある可能性は研究されているものの、すべての人が満月に眠れなくなるとまでは言えない
というのが適切です。
「今日は満月だから眠れない」と決めつけなくて大丈夫
実際の睡眠には、
月よりずっと身近なものも影響します。
たとえば、
・寝る前のスマートフォン
・室温
・仕事のストレス
・カフェイン
・夕方以降の長い昼寝
・不妊治療への不安
・身体の痛み
・月経周期
などです。
8月末なら、
まだ寝苦しい夜もあります。
「今夜眠れないのは満月だから」
と一つの理由に決めるより、
今日は何が眠りを妨げている?
と考えてみましょう。
女性の睡眠には「月経周期」という別のリズムがあります
「女性は月の影響を受けやすい」
と言われることがあります。
確かに、
月の満ち欠けは約29.5日。
女性の月経周期も、
近い日数になることがあります。
だから、
昔から月と女性の身体は結びつけて語られてきました。
近年の大規模研究でも、
月経周期と月の周期に弱い統計的関連を認めた報告があります。
2025年にも、月経記録と月周期の一時的な同期を報告した研究があります。
ただし、
女性の月経が満月や新月によって決まっている、と証明されたわけではありません。
別の研究では、月経開始日と月相に関連がなかったという結果もあります。
妊活では「満月だから排卵する」と考えなくていい
これは大切です。
満月。
新月。
排卵。
月経。
が近くなる方もいます。
でも、
「満月だから排卵する」
「新月に生理が来る方が妊娠しやすい」
という医学的な基準はありません。
妊活では、
超音波検査。
ホルモン検査。
排卵検査薬。
基礎体温。
月経周期。
など、
実際の身体から得られる情報を優先
してください。
一方で、月経周期によって眠りが変わる女性はいます
月そのものとの関係より、
現在わかっていることが多いのが、
女性ホルモンと睡眠
です。
睡眠研究のレビューでは、
月経前や月経中に、
睡眠の質が悪い。
寝つきにくい。
途中で目が覚める。
日中眠い。
と感じる女性がいることが報告されています。
特に、
PMS。
強い月経痛。
などがある方では、
睡眠の不調が目立つことがあります。
黄体期には身体の温度も少し変わります
排卵後には、
プロゲステロンの影響によって、
体温が少し高くなります。
そのため、
黄体期になると、
「寝ると暑い」
「いつもより眠りにくい」
と感じる方もいます。
2024年の睡眠検査研究でも、月経中や黄体期と比べて、卵胞期中~後半の方が睡眠効率が高く、入眠までの時間が短かったという結果が報告されました。
もちろん、
全員が同じ変化を感じるわけではありません。
妊活・不妊治療中は、さらに睡眠が揺れやすいことがあります
妊活中なら、
月経周期だけではありません。
明日の卵胞チェック。
採卵。
受精確認。
胚盤胞の結果。
胚移植。
判定日。
「明日どうなるんだろう」
と考えながら布団へ入ることがあります。
そして、
眠れない。
↓
スマートフォンを見る。
↓
妊活について検索する。
↓
さらに頭が冴える。
という流れになります。
この場合、
満月そのものより、
妊活による緊張が睡眠へ影響している可能性
も考えた方がよいでしょう。
ホルモン剤を使っている周期なら「自然な月経周期」と同じとは限りません
体外受精では、
排卵誘発。
採卵。
黄体補充。
ホルモン補充周期。
などによって、
身体のホルモン環境が自然周期とは異なることがあります。
たとえば、
プロゲステロン製剤では、
眠気を感じる方もいます。
反対に、
治療への緊張から眠れなくなる方もいます。
ですから、
「黄体期だから」
「満月だから」
と一つの理由にせず、
使っている薬や現在の治療段階まで含めて身体を見る
ことが大切です。
今夜、眠りを整えるなら3つだけ
睡眠対策を、
10個も始める必要はありません。
今夜は3つだけで十分です。
1.寝る前の光を少し減らす
眠る直前まで、
明るい照明。
スマートフォン。
タブレット。
を見続けていると、
身体が夜の準備へ入りにくくなります。
寝る30分ほど前から、
部屋の照明を少し落とす。
スマートフォンを枕元から離す。
それくらいから始めます。
2.まだ暑ければ冷房を使う
満月だから、
秋が近いから、
と身体を温める必要はありません。
8月末でも暑い夜はあります。
寝室が暑く、
汗をかいて目が覚めているなら、
冷房や寝具を調整します。
「妊活だから身体を冷やしてはいけない」と我慢して眠れない方が問題です。
3.今夜の妊活検索に終了時間をつくる
たとえば、
21時30分で検索終了。
それ以降に気になったことは、
メモだけして明日に回します。
検索を禁止するのではなく、
「今日調べるのはここまで」
という区切りを身体へつくります。
眠れないとき「早く寝なきゃ」と頑張りすぎない
時計を見る。
23時30分。
「あと7時間しか眠れない」
0時。
「もう6時間半」
1時。
「明日絶対疲れる」
となると、
眠ること自体が新しい課題になります。
そんなときは、
一晩の睡眠を完璧にしようとしない
ことも大切です。
満月の夜に一度眠れなかったから、
ホルモンが乱れる。
卵子に悪い。
着床しなくなる。
と考える必要はありません。
東洋医学では「眠れない」を一つの体質にはしません
東洋医学では、
眠れない。
という症状だけで、
全員に同じ施術をするわけではありません。
肝鬱気滞(かんうつきたい)|頭の中が止まらないタイプ
・布団へ入ると妊活のことを考える
・明日の結果が気になる
・肩や首に力が入っている
・ため息が多い
・胸やお腹が張る
という方です。
東洋医学では、
緊張などによって気の巡りが滞っている状態
として見ることがあります。
陰虚(いんきょ)|ほてって眠りにくいタイプ
・寝汗をかく
・身体がほてる
・口や喉が乾く
・夜中に目が覚める
・手足が熱く感じる
という方では、
陰虚=身体を潤し、熱を落ち着かせるものが不足している状態
として見ることがあります。
心脾両虚(しんぴりょうきょ)|疲れているのに眠れないタイプ
・一日中疲れている
・食欲が落ちている
・考え事が多い
・眠りが浅い
・夢が多い
・朝も疲れている
という方では、
心身の消耗と胃腸の弱りが重なった状態
として見ることがあります。
「満月用のツボ」があるわけではありません
当院でも、
今日は満月だから、
全員に同じツボ。
という施術はしません。
大切なのは、
月を見ることではなく、
その日の身体を見ること
です。
満月の日でも、
眠れている方。
眠れていない方。
胃腸が弱っている方。
ほてっている方。
身体が冷えている方。
採卵前の方。
胚移植後の方。
では、身体の状態が違います。
睡眠の悩みに鍼灸を取り入れる選択肢もあります
不眠と鍼灸についても研究が続いています。
2026年に発表された12件のランダム化比較試験をまとめたメタ解析では、鍼灸を含む治療で、
睡眠の質を評価するPSQI。
睡眠効率。
総睡眠時間。
入眠までの時間。
などに改善が報告されています。
ただし、
対象は主に不眠症患者であり、
「妊活中に鍼灸を受ければ必ず眠れる」という研究ではありません。
研究間のばらつきもあります。
妊活鍼灸では「睡眠だけ」を切り離さない
当院では、
眠れないという相談があれば、
睡眠時間だけを見るのではなく、
・現在の不妊治療
・月経周期
・使用している薬
・胃腸
・便通
・疲労
・冷えやほてり
・身体の緊張
・妊活中の不安
などを確認します。
妊活中の睡眠の乱れには、
身体と気持ちの両方が重なっていることがあるからです。
妊活に鍼灸を取り入れることにも研究があります
睡眠に対する研究とは別に、
鍼灸と生殖補助医療についても研究されています。
2026年の42試験・9,390人を対象としたメタ解析では、ARTへ鍼灸を併用した群で、
臨床妊娠率 RR 1.25
着床率 RR 1.16
と、対照群より有意に高い結果が報告されました。
一方、出生率については明確な有意差には達しておらず、研究全体のエビデンスの確実性は非常に低いと評価されています。
ここで大切なのは、
「鍼灸で眠れるようになれば着床する」
という意味ではないことです。
睡眠に関する研究と、
妊娠成績に関する研究は、
別々のエビデンス
として考えます。
それでも妊活中の睡眠を整える意味はあります
妊娠率だけを目的に、
「8時間眠らなければ」
とノルマにする必要はありません。
でも、
眠れない。
疲れが取れない。
胃腸も不安定。
身体にずっと力が入っている。
という状態なら、
それ自体がつらいですよね。
鍼灸では、
妊娠を保証するためではなく、
不妊治療を続けている身体が少しでも休める状態をつくる
という目的でも施術を行います。
こんな睡眠の悩みは「満月だから」で終わらせないで
・何週間も眠れない状態が続いている
・日中の仕事や運転に支障がある
・強いいびきや無呼吸を指摘される
・脚の不快感で眠れない
・強い落ち込みや不安が続いている
という場合には、
満月や体質だけで説明せず、
医療機関で相談することも大切です。
今日から覚えておきたいこと
満月と睡眠の関係は、現在も研究中です。
関連を示した研究はあります。
でも、
満月になれば誰でも眠れなくなる、
とは言えません。
そして女性には、
月の満ち欠けとは別に、
月経周期。
ホルモン。
PMS。
月経痛。
不妊治療。
という、
身体独自のリズムがあります。
だから今夜、
眠りが浅かったとしても、
「満月に身体が乱された」
と考えなくて大丈夫です。
むしろ、
最近、私は眠れていたかな?
と、自分の身体を振り返るきっかけにしてみてください。
今夜は「気持ちの波」についてお話しします
満月の日には、
「なぜか気持ちまで落ち着かない」
「夜になると治療のことを考えて落ち込む」
という方もいます。
月が感情を直接動かしていると断定することはできません。
でも、
睡眠不足。
月経周期。
治療のストレス。
疲労。
が重なれば、
いつもより気持ちが揺れやすくなることはあります。
今夜公開する
「満月の夜に落ち込みやすい人へ」
では、
「月のせい」と決めつけず、
妊活中に気持ちが沈む夜をどう過ごしたらよいか、
心と身体の両方から考えていきます。
【参考・出典】
国立天文台「令和8年(2026年)暦要項 朔弦望」
Science Advances「月周期と人の睡眠の同期に関する研究」
Nature Communications「月・太陽の重力周期と睡眠時刻に関する研究」
Fertility and Sterility「月経周期における週周期・月周期の影響」
Science Advances「女性の月経周期と月の光・重力周期の一時的同期」
Sleep Medicine Clinics「月経周期と睡眠」
BMC Women’s Health「月経異常と睡眠障害の関連に関するシステマティックレビュー」
Sleep and Biological Rhythms「月経周期の各時期と睡眠に関する睡眠ポリグラフ研究」
Frontiers in Endocrinology「不眠に対する鍼治療の睡眠・内分泌作用に関するシステマティックレビュー・メタ解析」
Frontiers in Endocrinology「生殖補助医療に併用する鍼治療のタイミングと施術量に関するメタ解析・ネットワークメタ解析」
妊活中の眠りも、身体づくりの一つとして整えたい方へ
「採卵や胚移植が近づくと眠れない」
「判定日前になると夜中に目が覚める」
「疲れているのに頭だけ動き続けてしまう」
そんな方もいらっしゃると思います。
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、
・現在の妊活・不妊治療の段階
・月経周期
・使用している薬
・睡眠
・胃腸や便通
・疲労
・冷えやほてり
・身体の緊張
・季節による身体の変化
などを確認しながら、その方に合わせて施術を行っています。
妊活に鍼灸を取り入れるメリットは、
「妊娠に良いツボ」を刺激することだけではありません。
不妊治療を受けながら変化していく睡眠・胃腸・疲労・月経・緊張まで含めて、身体全体を継続して見ていけること。
睡眠に対する鍼灸研究でも前向きな結果が報告されており、生殖補助医療への鍼灸併用についても、臨床妊娠率や着床率に前向きな研究があります。
満月だから身体を整えるのではなく、
「最近、少し眠れていないな」と自分の変化に気づいたときに整える。
そんな鍼灸の取り入れ方もあります。
「妊活中の睡眠や身体の緊張も含めて相談したい」
「採卵・胚移植へ向けて身体を整えていきたい」
という方は、LINEからお気軽にご相談ください。

