満月の夜に落ち込みやすい人へ

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

今日は、

満月の夜。

2026年8月28日は、13時19分に満月を迎えました。

「満月の日は、なぜか気持ちが沈む」

「いつもより不安になる気がする」

そんなふうに感じる方もいるかもしれません。

でも最初にお伝えしておきたいのは、

満月だから気分が落ち込む、と医学的に証明されているわけではない

ということです。

一方、

眠れていない。

月経前で気持ちが揺れやすい。

採卵や胚移植の結果を待っている。

最近ずっと疲れている。

そんなものが重なっている夜なら、

気持ちが沈むことはあります。

今夜は、

「月のせい?」

だけで終わらせず、

今の自分に何が重なっているのか

を一緒に見ていきましょう。

目次

この記事のポイント

・2026年8月28日は満月
・満月が精神状態を悪化させるという確かな根拠はない
・2026年の大規模研究でも、月相と精神科救急受診との関連は認められなかった
・月経前、睡眠不足、妊活・不妊治療のストレスで気持ちが揺れることはある
・落ち込んだこと自体を「妊娠に悪い」と考えなくてよい
・今夜は気持ちを変えようとするより、身体を休ませる

満月になると、本当に気分が落ち込みやすい?

「満月になると人の感情が不安定になる」

という話は昔からあります。

しかし、

現在の医学研究では、

はっきりした関連は確認されていません。

2026年3月に発表された研究では、フランスの大規模な精神科救急施設で2016~2023年に行われた69,764件の精神科救急相談を解析しました。

その結果、

満月・新月など月の周期と、

精神科救急受診。

入院。

特定の精神疾患。

との間に、統計学的に有意な関連は確認されませんでした。

過去の17,966件の精神科入院を調べた研究でも、月相と入院・退院・入院期間との関連は認められていません。

ですから、

「満月だから精神状態が悪くなる」と決めつける必要はありません。

それでも「今日はつらい」と感じているなら、その感覚は無視しなくていい

研究で、

「満月が原因とは言えない」

からといって、

今感じているつらさまで否定する必要はありません。

大切なのは、

原因を満月一つに決めず、

もっと身近な身体の変化を確認すること

です。

睡眠が浅くなっていませんか?

今朝の
「【満月】眠りが浅い夜と女性のリズム」
では、

月と睡眠について関連を示した研究はあるものの、結果は一貫していないことをお伝えしました。

ただ、

眠れていない翌日は、

気持ちに余裕がなくなる。

些細なことが気になる。

疲れて考え方が後ろ向きになる。

ということはあります。

満月そのものより、

ここ数日の睡眠不足

を確認してみましょう。

月経前ではありませんか?

女性では、

月経前に、

気分の落ち込み。

イライラ。

不安。

涙もろさ。

眠りの変化。

などが出ることがあります。

ACOGも、PMSの精神的な症状として、抑うつ気分・不安・イライラ・集中しにくさ・不眠などを挙げています。

つまり、

満月と月経前が重なっているなら、

「月に影響された」

というより、

月経周期による身体の変化が重なっている可能性

もあります。

妊活中は、もともと気持ちが揺れやすい出来事が続きます

妊活や不妊治療には、

気持ちが大きく動く場面がたくさんあります。

卵胞が思ったほど育っていなかった。

採卵数が少なかった。

受精確認を待っている。

胚盤胞にならなかった。

胚移植を終えて判定日を待っている。

生理が来た。

周囲の妊娠報告を聞いた。

このような出来事が続けば、

落ち込む夜があるのは不思議ではありません。

WHOも2025年の世界初の不妊ガイドラインで、不妊が心理的な苦痛、不安、社会的孤立などにつながることがあるとして、継続的な心理社会的支援の必要性を強調しています。

ESHREも、不妊治療では治療段階によって心理的なニーズが変化するため、それぞれの段階に合わせた支援が必要としています。

「落ち込んだら着床に悪い」と自分を責めないで

これは特に大切です。

判定日前に、

泣いてしまった。

イライラした。

眠れなかった。

夫とけんかした。

落ち込んだ。

すると、

「ストレスをかけたから着床に悪かったかも」

と考える方がいます。

でも、

一晩落ち込んだことや、泣いたことによって胚移植の結果が決まるわけではありません。

妊娠成立には、

胚。

子宮内膜。

年齢。

ホルモン。

そのほか多くの要因が関係します。

妊活中の気持ちまで、

「妊娠しやすい感情」

に整え続ける必要はありません。

ポジティブでい続けることも妊活ではありません

「前向きに考えよう」

「赤ちゃんを信じよう」

と言われることがあります。

それが支えになる方もいます。

でも、

つらい日に、

無理に、

「大丈夫」

と思おうとすると、

さらに苦しくなる場合があります。

今日はつらい。

今日は不安。

今日は考えたくない。

そんな日があって構いません。

気持ちを変えるより、まず身体を休ませる。

今夜はそれくらいでも十分です。

今夜できる3つのこと

1.今夜は結論を出さない

夜になると、

「次の採卵をどうする?」

「このまま治療を続ける?」

「もう妊娠できないのかな」

と、

大きなことまで考え始めることがあります。

でも、

疲れている夜に、

人生や治療方針まで決めなくて構いません。

気になったことはメモへ。

考えるのは明日の自分へ任せます。

2.妊活検索を終わらせる時間を決める

検索を続けるほど、

自分より良い結果。

自分より悪い結果。

さまざまな体験談が出てきます。

そして、

「私の場合は?」

がさらにわからなくなります。

たとえば、

21時30分で今日は検索終了。

それ以降は、

調べたいことだけメモして閉じます。

3.一つだけ身体を楽にする

温かい飲み物を飲む。

シャワーを浴びる。

首や肩を軽く回す。

照明を落とす。

冷房を調整する。

布団へ入る。

全部やらなくて大丈夫です。

今の身体が少し楽になることを一つだけ。

それで十分です。

東洋医学では「落ち込む=同じ体質」ではありません

東洋医学では、

気持ちの変化も身体と切り離して考えません。

ただし、

「満月だからこのツボ」

「落ち込むからこの体質」

と一つには決めません。

肝鬱気滞(かんうつきたい)|考え続けて身体にも力が入るタイプ

・妊活のことが頭から離れない
・ため息が増える
・胸やお腹が張る
・首や肩が緊張する
・イライラしたあと落ち込む

という方では、

肝鬱気滞=緊張などによって気の巡りが滞った状態

として見ることがあります。

心脾両虚(しんぴりょうきょ)|疲れ切って気持ちまで沈むタイプ

・疲れている
・食欲が落ちている
・眠りが浅い
・考え事が止まらない
・朝から身体が重い

という方では、

東洋医学で、

心身の消耗と胃腸の弱りが重なった状態

として見ることがあります。

陰虚(いんきょ)|夜になるとほてって落ち着かないタイプ

・寝汗をかく
・身体がほてる
・喉が乾く
・夜中に目が覚める
・疲れているのに休まらない

という方では、

陰虚=身体を潤し、熱を落ち着かせるものが不足している状態

として見ることがあります。

妊活中の気持ちの揺れも、鍼灸で相談していい?

もちろん構いません。

鍼灸院だから、

肩こり。

腰痛。

冷え。

だけを話さなければならないわけではありません。

「採卵結果を聞いてから眠れない」

「判定日が近づくと胃が痛い」

「治療のことを考えると身体に力が入る」

ということも、

身体の状態を理解する大切な情報です。

IVF中の不安と鍼灸についても研究があります

IVFを受ける女性の不安と鍼灸については、研究も行われています。

2022年のシステマティックレビュー・メタ解析では、8試験を検討し、

鍼灸を受けた群でIVFに関連した状態不安がわずかに低下する

という結果が報告されました。

ただし、効果は小さく、エビデンスの確実性は非常に低いと評価されています。

また、848人を対象としたランダム化比較試験の副次解析では、胚移植後の不安が鍼灸群でわずかに低かった一方、生活の質について明確な差は認められませんでした。

鍼灸は「落ち込まないようにする施術」ではありません

当院でも、

「鍼灸を受ければ不安にならない」

とは考えていません。

妊活をしていれば、

不安になる日も、

落ち込む日もあります。

鍼灸で大切にしたいのは、

その気持ちを消すことではなく、

・睡眠
・胃腸
・食欲
・疲労
・月経
・冷えやほてり
・首や肩の緊張
・現在の不妊治療の段階

などを確認しながら、

気持ちの揺れも含めて、治療を続けている身体全体を整えていくこと

です。

妊活に鍼灸を取り入れる意味は、それだけではありません

IVFと鍼灸については、2025年の42試験・7,400人を対象としたメタ解析でも、臨床妊娠率に前向きな結果が報告される一方、研究の質や結果のばらつきなどから慎重な解釈が必要とされています。

つまり、

「不安を減らせば妊娠できる」

という話ではありません。

そうではなく、

病院で必要な不妊治療を受けながら、睡眠・胃腸・疲労・緊張など、自分自身の身体も継続して整える方法の一つとして鍼灸を利用する。

そんな取り入れ方があります。

「満月の夜だから」ではなく、つらさが続くなら相談を

満月が過ぎれば、

自然に気持ちも戻る。

とは限りません。

もし、

・気分の落ち込みが何週間も続く
・何をしても楽しめない
・眠れない、または眠りすぎる状態が続く
・仕事や日常生活に大きく影響している
・月経前になるたび強い落ち込みや不安が起こる

という場合には、

「満月だから」

「東洋医学では肝鬱だから」

だけで終わらせず、

婦人科や心療内科・精神科などへ相談することも大切です。

ACOGも、月経前の強い気分変化が日常生活に支障をきたす場合には、PMDDなどを含めて医学的に評価することを勧めています。

満月の夜は「整える日」ではなく「気づく日」でもいい

今夜、

元気にならなくても構いません。

前向きになれなくても構いません。

ただ、

「最近あまり眠れていなかった」

「採卵結果を聞いてからずっと緊張していた」

「月経前だった」

「一人で考えすぎていた」

と、

一つ気づけたら十分です。

満月だから落ち込んだ、と身体を月へ預けてしまうのではなく、満月をきっかけに今の自分を振り返ってみる。

そんな使い方なら、

季節や月のリズムを養生へ取り入れてもよいと思います。

妊活中にも、

元気な日。

不安な日。

何も考えたくない日。

があります。

どんな夜でも、

それだけで妊活を失敗しているわけではありません。

今夜はまず、

身体を休ませるところから始めてみてください。

【参考・出典】

国立天文台「令和8年(2026年)暦要項 朔弦望」

International Journal of Emergency Medicine「月周期と精神科救急受診の関連―神話か現実か」

世界保健機関(WHO)「不妊の予防・診断・治療に関するガイドライン」

欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)「不妊・生殖補助医療における心理社会的ケアガイドライン」

米国産科婦人科学会(ACOG)「月経前症候群」

Reproductive BioMedicine Online「体外受精に関連する不安に対する鍼治療のシステマティックレビュー・メタ解析」

International Journal of Nursing Studies「体外受精を受ける女性への鍼治療に関するシステマティックレビュー・メタ解析」

妊活で気持ちも身体も張りつめている方へ

「判定日が近づくと眠れない」

「結果が出るたび、気持ちを立て直すのに時間がかかる」

「いつも頭の中に妊活がある」

そんな状態が続いている方もいらっしゃると思います。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

・現在の妊活・不妊治療の段階
・月経周期
・睡眠
・胃腸や食欲
・便通
・疲労
・冷えやほてり
・身体の緊張
・治療中に感じている不安

なども確認しながら、その日の身体に合わせて施術を行います。

妊活に鍼灸を取り入れるメリットは、

「いつも前向きでいられるようにすること」ではありません。

不妊治療を続ける中で起こる睡眠・胃腸・疲労・緊張などの変化を継続して見ながら、身体全体を整えていけること。

つらい夜まで、

一人で上手に乗り越えなければならないわけではありません。

病院で必要な不妊治療を受けながら、

自分自身の身体にも目を向けていきたい方は、

妊活鍼灸という選択肢もあります。

「妊活中の睡眠や身体の緊張も含めて相談したい」

「採卵・胚移植を続けながら、身体も整えていきたい」

という方は、LINEからお気軽にご相談ください。

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