満月の夜に深呼吸で戻る場所

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

今夜は満月です。

満月だから何か特別なことをしなければならない、というわけではありません。

でも、朝の記事「【満月】満月前後にイライラしやすいとき」でお伝えしたように、月をきっかけに自分の状態を振り返ることはできます。

今日は少しイライラしていた。

いつもより考えごとが多かった。

人の言葉に敏感になっていた。

そんな一日だったなら、今夜は答えを出す時間ではなく、一度自分の身体へ戻る時間をつくってみましょう。

特別な道具はいりません。

まずは、ゆっくり息を吐くところから始めます。

目次

深呼吸は「気持ちを消す」ためにするものではありません

イライラしているときに、

「落ち着かなきゃ」

と思うほど、なかなか落ち着けないことがあります。

不安も同じです。

「考えないようにしよう」

とすると、かえってそのことばかり考えてしまうことがあります。

呼吸法も、

「これをすればイライラがなくなる」

というものではありません。

今夜の目的は、感情を消すことではなく、頭の中へ集まっている意識を少し身体へ戻すことです。

イライラしたままでも構いません。

不安が残っていても大丈夫です。

そのままの状態で、呼吸だけ少しゆっくりしてみる。

それくらいから始めてみてください。

大きく吸うより、ゆっくり吐く

「深呼吸してください」と言われると、大きく息を吸おうとする方がいます。

でも、たくさん吸おうとすると胸や肩に力が入り、かえって苦しく感じることもあります。

今夜は、吸うことよりも吐く息を少し長めにすることを意識してみましょう。

たとえば、

  1. 鼻から3~4秒ほどかけて自然に息を吸う
  2. 口または鼻から5~6秒ほどかけてゆっくり吐く
  3. 苦しくなければ数回繰り返す

秒数を正確に守る必要はありません。

「吸うより、吐くほうを少し長めにする」

くらいで十分です。

息苦しさやめまいを感じた場合は、すぐに普通の呼吸へ戻してください。

まず3回だけで終えても大丈夫です

呼吸法について調べると、

「5分続ける」

「10分行う」

といった方法も見つかります。

でも、今夜は3回だけでも構いません。

一度ゆっくり吐く。

もう一度。

あと一回。

そこで終わって大丈夫です。

セルフケアは、長くやるほどよいわけではありません。

「これくらいならまたできそう」

と思えるところで終えるほうが、毎日の生活には取り入れやすくなります。

呼吸を数えることが負担なら、数えなくていい

「4秒吸って、6秒吐いて」

と数え始めたら、今度は数字が気になって落ち着かない方もいます。

そんな場合は、秒数を使わなくて大丈夫です。

息を吸ったあと、

「ふーっ」

と少しゆっくり吐くだけでも構いません。

呼吸法に正解を求めすぎないことも大切です。

眠る前や気持ちを整える時間まで、

「上手にできたか」

を採点しなくて大丈夫です。

深呼吸するときは、スマートフォンを少し離してみる

呼吸をしながらSNSを見る。

動画を流しながら呼吸する。

それでも悪いわけではありませんが、できれば数分だけ画面を置いてみてください。

妊活中は、スマートフォンを開くだけで、治療や妊娠に関する情報が目に入ることがあります。

自分から検索していなくても、誰かの採卵結果や妊娠報告が表示されることもあります。

その瞬間に、また頭が動き始めます。

今夜の数分だけは、

新しい情報を入れない時間

にしてみましょう。

今日言われたことを、今夜中に整理しなくてもいい

仕事で嫌なことがあった。

パートナーの言葉が引っかかっている。

治療について意見が合わなかった。

そんな日は、夜になると会話を何度も思い返すことがあります。

「あのとき、こう言えばよかった」

「どういう意味だったんだろう」

と考え始めると、頭の中で会話が続いてしまいます。

でも、今夜中に答えを出す必要はありません。

気になることがあれば、一言だけメモしておきます。

「明日話す」

「次の診察で聞く」

「今日は決めない」

これだけで構いません。

考えることをやめるのではなく、考える時間を明日へ移す。

そんな整理方法もあります。

身体へ戻るなら、足の裏を感じてみる

呼吸をしても頭の中の考えごとが止まらないときは、身体の感覚へ意識を移してみます。

椅子に座っているなら、足の裏が床に触れている感覚を確認してください。

冷たい。

温かい。

硬い。

柔らかい。

特別な答えは必要ありません。

ただ、

「足が床についている」

と感じるだけです。

そのまま一度ゆっくり息を吐きます。

考えごとから完全に離れなくても構いません。

頭の中だけにいた自分を、身体へ少し戻す。

そんなイメージです。

肩を下げようと頑張らなくてもいい

緊張していると、

肩の力を抜いて。

と言われることがあります。

でも、力を抜こうとしても抜けないことがありますよね。

そんなときは、肩を無理に動かさず、息を吐いたときに、

「少し重くなるかな」

と感じる程度で構いません。

顎や眉間も同じです。

身体全部を一度に緩める必要はありません。

今夜は、

肩。

手。

顎。

のどれか一か所だけでも十分です。

東洋医学では、気持ちと身体を完全に分けて考えません

東洋医学では、イライラや緊張などの気持ちの変化と、身体の状態を別々のものとして扱わないことがあります。

たとえば気持ちが張り詰めているときに、肩や首がこる、胸やみぞおちがつかえる、胃腸の調子が変わるといった身体の変化が重なる方もいます。

「肝気鬱結」や「肝火」といった言葉を使うこともありますが、自分を一つの体質へ分類する必要はありません。

今日イライラしたから、

「私は肝が悪い」

という意味でもありません。

今の身体にどんな変化が重なっているかを整理するための一つの見方として考えてください。

満月だから特別なツボや食事が必要なわけではありません

満月の日のセルフケアを検索すると、

特別な食事。

特別なツボ。

デトックス。

など、さまざまな情報が出てくることがあります。

でも、満月だから身体から何かを出さなければならないわけでも、特別な養生をしなければならないわけでもありません。

普段どおり食べる。

お風呂へ入る。

疲れていれば休む。

それで十分です。

月を楽しむことと、月へ体調の責任を持たせることは分けて考えてみてください。

妊活中は「気持ちを安定させなければ」と思いすぎない

妊活中には、

ストレスはよくない。

リラックスしたほうがいい。

と言われることがあります。

すると、イライラしただけで、

「こんなにストレスを感じたら妊活によくない?」

と、さらに不安になることがあります。

でも、毎日穏やかな気持ちで過ごせる人はいません。

仕事で腹が立つ日もあれば、治療結果を待って不安な日もあります。

感情が動くこと自体を、妊娠できない理由にしないでください。

イライラする日があっても、そのことで妊活が失敗したわけではありません。

今夜、パートナーと話さなくてもいいこともあります

気持ちが高ぶっている夜に、大切な話を始めると、普段より言葉が強くなることがあります。

治療方針。

費用。

検査結果。

家事や仕事の負担。

こうした話題は、少し余裕があるときに話したほうがよい場合もあります。

もし今夜、

「この話をしないと気が済まない」

と思っているなら、一度呼吸をしてから、

「明日でも間に合う?」

と自分へ聞いてみてください。

明日でも大丈夫なら、今夜は休む選択もできます。

眠る前は「気持ちをゼロ」にしなくていい

夜になっても、まだ少しイライラしている。

それで構いません。

完全に穏やかになってから眠る必要はありません。

人の気持ちは、スイッチのように切り替わるものではありません。

「まだ腹は立っているけれど、今日はここまで」

と一日を終えることもできます。

今夜の深呼吸は、

気持ちを消すためではなく、一日の区切りをつけるため

に使ってみてください。

3分だけの「戻る場所」を決めておく

毎回違うセルフケアを探すより、

「気持ちが高ぶったら、ここへ戻る」

という簡単な習慣を一つ決めておく方法があります。

たとえば、

椅子に座る。

スマートフォンを伏せる。

ゆっくり3回息を吐く。

足の裏を感じる。

それで終了です。

全部合わせても数分です。

毎日する必要もありません。

必要な日に戻れる場所が一つあるだけで構いません。

イライラや不安が強く続いている場合は、呼吸だけで何とかしない

深呼吸は、緊張した夜に取り入れやすい方法の一つです。

でも、強い不安や気分の落ち込みが続き、仕事や日常生活へ影響している場合には、呼吸法だけで我慢し続けないでください。

また、生理前になると毎月強いイライラや落ち込みが起こる場合には、PMSやPMDDなどが関係していることもあります。

必要に応じて婦人科や心療内科・精神科などへ相談することも大切です。

セルフケアで解決できないことまで、自分で何とかしようとしなくて大丈夫です。

鍼灸でも「気持ちだけ」を見て施術するわけではありません

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、イライラや不安についてお話を伺った場合も、気持ちだけを切り離して見るわけではありません。

生理周期、睡眠、冷え・ほてり、胃腸、疲れなど、身体にどのような変化が重なっているかを確認します。

また、強い不安や気分の落ち込みなど、専門的な医療が必要と考えられる場合には、適切な相談先を利用していただくことも大切にしています。

女性の身体を東洋医学の視点からどのように整えていくのか詳しくは、こちらをご覧ください。

今夜は「落ち着けたか」ではなく「戻れたか」

深呼吸をしても、まだ少しイライラしているかもしれません。

それでも構いません。

大切なのは、

完全に穏やかになれたか。

ではなく、

少し呼吸へ意識を向けられたか。

足の裏を感じられたか。

スマートフォンを数分置けたか。

ということです。

今夜の自分へ少し戻れたなら、それで十分です。

満月の夜だから特別な自分になる必要はありません。

いつもの自分へ戻るための、小さな時間をつくってみてください。

生理周期や睡眠、冷え、気持ちの変化などが重なり、身体全体を一度整理してみたい方もご相談ください。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

施術歴17年以上。妊活・婦人科・マタニティなど女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、生理周期・睡眠・冷え・ほてり・胃腸なども確認しながら身体づくりをサポートしています。


参考・出典

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

厚生労働省「睡眠対策」

日本産科婦人科学会「月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針」

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「Relaxation Techniques: What You Need To Know」

Sleep Medicine Reviews「Slow breathing techniques before bedtime and the effects on sleep: A systematic review」(2026年)

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