妊活中の肩こり・首こりを放置しない理由

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

「肩こりは昔からだから」

「仕事をしていたら仕方ない」

「妊活とは関係ないし……」

そう思って、首や肩の重さを我慢していませんか?

妊活中のカウンセリングでも、

「肩こりはありますか?」

とお聞きすると、

「あります。でも、いつものことです」

と答える方は少なくありません。

でも、その「いつものこと」が、

夕方になると首が重い。

頭まで痛くなる。

夜になっても身体の力が抜けない。

寝ても疲れが取れない。

という状態まで続いているなら、

一度きちんと身体を整えてあげてほしい症状

です。

肩こり・首こりがあるから妊娠できない、という意味ではありません。

ただ、

妊活を続けている身体を少しでも楽な状態にしておくことには、十分な意味があります。

今日は、妊活中だからこそ首肩のこわばりを我慢し続けないでほしい理由をお話しします。

目次

肩こり・首こりは「肩だけ」の問題ではないことがあります

首や肩がつらくなる原因は一つではありません。

長時間のデスクワーク。

スマートフォンを見る姿勢。

運転。

同じ姿勢が続く仕事。

運動不足。

睡眠環境。

身体の緊張。

など、いろいろな要因が重なります。

首の痛みでは、長時間同じ姿勢を続けることで症状が強くなったり、筋肉の緊張や動かしにくさ、頭痛を伴ったりすることがあります。

だから、

「肩がこっているだけ」

と思っていても、

実際には首、肩、背中まで広く緊張していることがあります。

妊活中は、思っている以上に身体へ力が入っています

妊活そのものが肩こりの原因というわけではありません。

でも妊活中には、

採卵日はいつになる?

卵胞はいくつ育っている?

胚移植はいつ?

判定日は?

また仕事を休まないといけない?

と、常に予定や結果を考える時間が増えます。

病院へ行く前だけ肩に力が入る方もいます。

採卵前になると寝つきが悪くなる方もいます。

判定日が近づくと無意識に身体へ力を入れている方もいます。

自分では、

「そんなに緊張していません」

と思っていても、

首や肩に触れると、

かなり力が入ったままになっていることがあります。

妊活では、

心より先に、身体が緊張を教えてくれることもある

のです。

スマートフォンを見る時間も増えていませんか?

妊活中は、スマートフォンを見る時間も増えがちです。

治療について調べる。

薬について調べる。

胚のグレードを調べる。

妊娠超初期症状を調べる。

SNSを見る。

病院を探す。

気づけば長い時間、下を向いていることがあります。

スマートフォンやパソコンを見る姿勢を長時間続けることは、首の筋肉へ負担をかける代表的な要因の一つです。

問題なのは、

スマートフォンそのものではありません。

同じ姿勢を長時間続けること。

です。

妊活情報を調べながら、

身体まで固め続けないようにしましょう。

肩こりを放置しない理由① 頭痛までつながることがある

首肩の緊張が強い方の中には、

「夕方になると頭まで痛い」

「後頭部が重い」

という方もいます。

首の痛みや筋肉の緊張では、頭痛を伴うことがあります。

妊活中は、

薬を飲んでいいのかな。

移植後だから我慢した方がいい?

妊娠しているかもしれない。

と、頭痛薬一つでも迷うことがありますよね。

だからこそ、

痛みが強くなってから毎回対処するだけではなく、

普段から首肩の緊張をため込みすぎない

ことも大切です。

肩こりを放置しない理由② 眠るときまで身体がこわばる

布団へ入ったのに、

肩が重い。

枕が合わない気がする。

首の位置が決まらない。

寝返りをすると痛い。

という状態では、身体を休ませにくくなります。

妊活中はもともと、

治療予定。

検査結果。

年齢。

次の周期。

などを考えて、頭が休まりにくいことがあります。

そこに身体の不快感まで加わると、

「寝たいのに身体が落ち着かない」

という状態になりやすくなります。

肩こりを整える目的は、

単に肩を軽くするだけではありません。

夜に身体を休ませやすくすること。

そこにも価値があります。

肩こりを放置しない理由③ 「疲れている身体」が普通になってしまう

慢性的に首肩がこっている方ほど、

自分の身体のつらさに慣れていることがあります。

「こんなものです」

「いつもです」

「昔からです」

とおっしゃいます。

でも施術後に、

「肩ってこんなに軽かったんですね」

「息がしやすい感じがします」

「ずっと身体に力が入っていたんですね」

と気づくことがあります。

身体の不調は、

強い痛みだけがサインではありません。

重い。

だるい。

動かしにくい。

疲れが抜けない。

それも、

身体からの『少し休ませて』というサイン

かもしれません。

「肩こりを治せば妊娠しやすくなる」という話ではありません

ここは整理しておきましょう。

肩こりをなくせば妊娠率が上がる。

首をゆるめれば子宮への血流が増えて妊娠できる。

そのように単純に考えるものではありません。

でも、

痛い。

重い。

眠れない。

頭痛がする。

身体に力が入り続けている。

という状態を我慢したまま妊活を続ける必要もありません。

妊活中の身体づくりは、

妊娠という結果だけのために行うものではなく、

治療を続けている今の身体を、少しでも過ごしやすい状態へ整えること

も大切です。

まず医療機関へ相談した方がよい首の痛みもあります

肩こり・首こりの多くは、筋肉の緊張などと関連します。

ただし、

すべてを「いつもの肩こり」と判断しないでください。

たとえば、

  • 転倒や交通事故などのあとに強い首の痛みが出た
  • 腕や脚に痛みが広がる
  • 手足のしびれ、力が入りにくい感じがある
  • 歩きにくさがある
  • 強い頭痛を伴う
  • 高熱と強い首の痛みがある
  • 数週間たっても改善しない、または悪化している

という場合には、整形外科などの医療機関へ相談してください。

必要な検査や治療を受けたうえで、鍼灸を組み合わせることもできます。

妊娠している可能性があるときの強い頭痛にも注意

妊活中は、

すでに妊娠している可能性がある時期もあります。

妊娠後半などに、

今までにない強い頭痛。

頭痛が治まらない。

見え方がおかしい。

顔や手が急にむくむ。

上腹部や肩に強い痛みがある。

といった症状が出た場合には、「肩こりかな」と自己判断せず、産婦人科へ相談してください。

妊娠中の持続する強い頭痛や視覚症状などは、妊娠高血圧腎症の警告症状になることがあります。

自宅でできること① まず「同じ姿勢」を切る

肩こり対策というと、

ストレッチをたくさんしなければ、

と思うかもしれません。

でも、まず意識してほしいのは、

同じ姿勢を長く続けないこと。

です。

パソコン作業をしているなら、

一度立つ。

肩をゆっくり動かす。

遠くを見る。

スマートフォンを置く。

これだけでも構いません。

30分おき。

1時間おき。

と厳密に管理しなくても大丈夫です。

「気づいたら一度身体を動かす」

くらいから始めましょう。

自宅でできること② 首を強く回さない

こっていると、

首をぐるぐる大きく回したり、

「ボキッ」と鳴らしたくなる方もいます。

でも、

無理に大きく動かす必要はありません。

まずは、

肩をすくめて、

ストンと落とす。

ゆっくり右を見る。

真ん中へ戻る。

ゆっくり左を見る。

という程度で十分です。

NHSやMayo Clinicでも、首の痛みのセルフケアとして、痛みのない範囲で首を動かすことや柔軟性を保つことが案内されています。

痛みが強くなる動きは避けてください。

自宅でできること③ 肩ではなく「胸の前」もゆるめる

デスクワークやスマートフォンを見る時間が長いと、

肩が前へ入りやすくなります。

そんなときは、

肩を後ろへ無理に引っ張るのではなく、

両腕を少し開き、

胸の前を楽に広げます。

そして、

ゆっくり呼吸します。

20~30秒くらい。

「ストレッチを効かせよう」

と頑張らなくて構いません。

身体に『ここまで力を入れなくていいよ』と教えるくらいの感覚

で行ってみてください。

自宅でできること④ 温めて楽なら、やさしく温める

慢性的な筋肉のこわばりでは、

温かいシャワー。

蒸しタオル。

温熱パック。

などで楽になる方もいます。

Mayo ClinicやNHSでも、首の痛みに対するセルフケアとして温熱や冷却が紹介されています。

ただし、

「冷えは妊活に悪いから」

と長時間強く温める必要はありません。

気持ちよく身体がゆるむ程度

で十分です。

東洋医学では、首肩だけを見ません

東洋医学では、

肩がこっているから肩だけ。

首が痛いから首だけ。

とは考えません。

同じ肩こりでも、

身体全体を見ると状態が違うからです。

肝鬱気滞(かんうつきたい)|緊張で身体が張る

  • 首肩が張る
  • ため息が多い
  • 胸やお腹が張る
  • イライラしやすい
  • 月経前にこりが強くなる

という方。

妊活や仕事の緊張が続いている方にもみられます。

血虚(けっきょ)|疲れるとこりが強くなる

  • 疲れやすい
  • 立ちくらみ
  • 眠りが浅い
  • 目が疲れやすい
  • 月経量が少ない

といった状態が重なることがあります。

瘀血(おけつ)|同じ場所に痛みやこりが続く

  • 慢性的に肩がこる
  • 刺すような痛みを感じる
  • 月経痛が強い
  • 経血に塊が多い

などを合わせて考えることがあります。

これらは、

「この体質だから妊娠しにくい」と判断するためのものではありません。

今の身体をどの方向から整えると楽になりやすいのかを見るための、東洋医学の考え方です。

慢性的な首こり・肩こりは、鍼灸が得意とする相談の一つです

妊活中の方へ鍼灸をおすすめしたい理由は、

生殖に関する身体づくりだけではありません。

今つらい首肩の症状も、一緒に施術できること。

これは大きなメリットです。

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)も、鍼灸は首の痛みを含む慢性疼痛に対して研究されており、首の痛みの軽減に役立つ可能性があるとしています。

また、2024年に発表された18件のランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析では、慢性頸部痛に対して、鍼灸を他のケアへ組み合わせることで、その後の痛みや機能面の改善が報告されています。

妊活だから、

「子宮や卵巣に関係する施術だけ」

ということではありません。

首肩がつらければ、

そこもきちんと整えていいのです。

鍼灸なら「肩をほぐすだけ」で終わらない

蓮心はり灸堂では、

「肩こりがあります」

と聞いて、

すぐ肩だけに鍼をするわけではありません。

たとえば、

採卵が続いて睡眠不足になっている。

判定日が近くて身体へ力が入っている。

胃腸まで弱っている。

月経前になると肩こりが強くなる。

冷えとのぼせもある。

ということがあります。

そこで、

首肩だけでなく、

なぜ今、この身体がこわばっているのか

まで見ます。

同じ肩こりでも、

施術の組み立ては一人ひとり違います。

「肩が楽になる」こと自体を、もっと大切にしていい

妊活中は、

何かをするときに、

「これで妊娠率は上がりますか?」

と考えたくなると思います。

でも鍼灸を受ける理由は、

それだけでなくてもいいのです。

肩が軽い。

首が動かしやすい。

頭が重くない。

身体に力が入り続けない。

夜、少し休みやすい。

それだけでも、

毎日を過ごす身体にとって大きな変化

です。

不妊治療が何か月、何年と続くこともあるからこそ、

その途中を少しでも楽に過ごせる身体をつくっていく。

私はそれも、妊活中の鍼灸の大切な役割だと考えています。

蓮心はり灸堂では、治療予定と首肩の状態を一緒に見ます

当院では、

肩こりを施術する日。

妊活を施術する日。

と分けて考えません。

まず、

  • タイミング法・人工授精・体外受精のどの段階か
  • 採卵・胚移植の予定
  • 使用している薬
  • 月経周期

を確認します。

そのうえで、

  • 首肩のこり
  • 頭痛
  • 背中の緊張
  • 睡眠
  • 胃腸
  • 便通
  • 冷え・のぼせ
  • 疲労

まで一緒に見ていきます。

採卵前で身体が緊張している方。

移植前で眠れなくなっている方。

治療を休んでいる間に身体を立て直したい方。

同じ肩こりでも、

その背景は違います。

妊活の予定と、今つらい身体の症状を切り離さずに施術できること。

これは、妊活を専門的にみている鍼灸院だからこそ大切にできる部分です。

「妊活のため」だけではなく、「あなたの身体のため」に鍼灸を

妊活を始めると、

食事も。

睡眠も。

運動も。

鍼灸も。

全部、

「妊娠するため」

になってしまうことがあります。

でも、

肩がつらいから鍼灸を受ける。

眠れていないから身体を休ませる。

疲れているから整える。

それでもいいのです。

むしろ、

今の自分の身体が少し楽になることを、妊活の結果とは別に大切にしてほしい

と思います。

その積み重ねが、

治療を続けていく身体を支えてくれます。

今日からは「肩こりくらい」と言わない

肩が痛い。

首が重い。

頭までつらい。

それなら、

身体はすでに、

「少し整えてほしい」

と伝えているのかもしれません。

我慢できるかどうかではなく、

今より楽にできるかどうか

で考えてみてください。

少し動く。

スマートフォンから離れる。

温める。

早く寝る。

そして、

自分だけではなかなか緊張が抜けないなら、鍼灸を利用する。

身体づくりは、

悪くなってから始めなくてもいいのです。

この続きは、9月20日の夜に

肩こりや首こりは、

昼間の姿勢だけではなく、

夜まで身体の緊張を持ち越していることがあります。

9月20日21:00公開予定の
「首肩のこわばりをゆるめる夜のセルフケア」

では、

お風呂上がり。

寝る前。

布団の上。

で無理なくできる方法を中心に、

一日の最後に身体の力を抜くセルフケア

をもう少し具体的にお伝えします。

肩こりまで我慢しながら妊活を続けている方へ

「妊活の相談で肩こりを言ってもいいのかな」

と思わなくて大丈夫です。

首肩。

頭痛。

睡眠。

胃腸。

疲労。

それも全部、

今、妊活をしているあなたの身体です。

蓮心はり灸堂では、

現在の不妊治療や今後の採卵・胚移植予定まで確認しながら、

首肩のこわばりを含めて身体全体を整えています。

妊活のための施術だからといって、

今つらい症状を後回しにする必要はありません。

妊活を続けながら、今の身体も楽にしていく。

その両方を考えられることが、鍼灸の良さです。

「肩こりがひどくて、最近ずっと身体が重い」

そんなご相談からでも構いません。

今の身体を一緒に確認しながら、次の治療へ向かいやすい状態をつくっていきましょう。

参考・出典

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「鍼灸の有効性と安全性」

Mayo Clinic「首の痛み―症状・原因・治療」

英国国民保健サービス(NHS)「首の痛み・首のこわばり」

Current Pain and Headache Reports「慢性頸部痛に対する鍼灸の持続効果:システマティックレビュー・メタ解析」

米国産科婦人科学会(ACOG)「妊娠中の頭痛」

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