情報に疲れた夜の整理術

妊活の基礎知識をやさしく伝える奈良・上牧町の不妊鍼灸専門院のブログ画像

妊活について調べているうちに、

「結局、何を信じればいいんだろう」

と思ったことはありませんか。

病院でもらった説明を確認するために検索しただけなのに、関連する記事が次々と出てきて、気づけば別の検査や治療法まで調べている。

SNSを開けば、採卵結果や胚移植、妊娠判定の投稿が目に入り、自分の状況と比べてしまう。

情報を集めれば安心できると思っていたのに、寝るころには朝より不安が増えている。

そんな夜があります。

これは、あなたが「調べすぎる性格だから」という話ではありません。

妊活には、自分では今すぐ答えを出せないことがたくさんあります。

だからこそ今夜は、もう一つ答えを探すのではなく、入ってきた情報をいったん閉じる時間をつくってみましょう。

目次

情報を集めること自体が悪いわけではありません

妊活や不妊治療では、知らなかった言葉が次々に出てきます。

検査結果、薬の名前、採卵、胚の評価、移植方法など、治療を理解するために調べることは自然なことです。

必要な情報を知ることで、診察時に質問しやすくなったり、治療について納得して選べたりすることもあります。

ただ、情報は多ければ多いほど安心できるとは限りません。

たとえば、同じ治療について複数の記事を読むうちに説明が少しずつ違い、「どちらが正しいの?」と迷ってしまうことがあります。

さらにSNSでは、その人の年齢や治療歴、検査結果、病院の方針などがすべて分かるわけではありません。

それでも結果だけを見ると、

「私はこれをしていない」

「この検査も必要なのかな」

と焦ってしまいます。

情報が役に立っているかどうかは、読んだ量ではなく、読んだあとに自分がどうなっているかで考えてみてください。

検索したあと、こんな状態になっていませんか

検索を終えたあとに、少し安心できたのであれば、その情報は今の自分に役立ったのかもしれません。

反対に、検索する前より不安が強くなり、同じことを何度も調べたり、次から次へと新しい検査やサプリメントが気になったりしているなら、今日は情報を増やすより休んだほうがよいタイミングかもしれません。

特に、布団に入ってからも検索を続けている、SNSを見るたびに気持ちが沈む、主治医から説明を受けたのにネット上の体験談が気になって仕方がない、という状態が続いているときは、一度情報との距離を調整してみましょう。

「まだ調べ足りない」のではなく、「今日はもう十分に調べた」

と考えることも大切です。

夜は、答えを出すのに向いていないこともあります

夜になると、昼間よりも一つの心配ごとが大きく感じられることがあります。

明日の仕事もない静かな時間だからこそ、

「次の移植はうまくいくかな」

「この病院で本当にいいのかな」

「この検査も受けたほうがいい?」

と考えが深くなっていきます。

でも、今夜すぐ答えが必要なことばかりではありません。

次の診察で聞けること、明日確認できること、今はまだ結果が出ないこともあります。

そんな疑問まで、夜のうちにすべて解決しようとすると、頭はいつまでも休めません。

今夜は、

「今日答えが出なくても困らないことは、明日に回す」

という基準を一つ持ってみてください。

妊活情報の検索を終え、スマートフォンやパソコンから離れて夜の窓辺で静かに過ごす女性
今夜答えが出ないことは、明日に回しても大丈夫です。情報から少し離れ、頭を休ませる時間をつくってみましょう。

頭の中だけで整理しようとしない

考えごとが多い夜ほど、

「忘れないようにしておかないと」

と思い、頭の中で何度も繰り返してしまいます。

そんなときは、考え続ける代わりに簡単なメモへ移してみましょう。

書くのは次の3つ程度で十分です。

  1. 次の診察で確認したいこと
    例:「この検査結果が次の治療にどう関係するか聞く」
  2. 明日調べればよいこと
    例:「病院からもらった資料をもう一度読む」
  3. 今は答えを出さなくてよいこと
    例:「半年後に別の治療へ進むかどうか」

ここまで書いたら、ノートを閉じます。

解決策まで考えなくて大丈夫です。

「忘れない場所へ置いたから、今夜は考えなくていい」

という状態をつくることが目的です。

SNSは「見ない」より「今日はここまで」を決める

SNSを完全にやめるのは難しいと思います。

同じ治療をしている方の体験が励みになる日もあれば、知りたい情報が見つかることもあります。

だから、

「SNSは悪いから見ない」

と決める必要はありません。

ただ、見たあとに心が疲れている日は、終わる場所を作ってみてください。

たとえば、寝室へ入ったら見ない、22時になったら閉じる、妊活関連の投稿を見るのは昼間だけにする、といった方法です。

毎日守れなくても構いません。

大切なのは、自分の気持ちが疲れているのに、さらに情報を入れ続けないことです。

「誰かの結果」を自分の未来に置き換えない

妊活中に特に心が揺れやすいのが、他の人の結果です。

同じ年齢の人が妊娠した。

同じAMHの人がたくさん採卵できた。

同じ胚グレードの人が陰性だった。

こうした体験談を見ると、自分の未来まで同じようになる気がしてしまいます。

でも、その人と自分では条件が違います。

病院も、治療方法も、身体の状態も違います。

体験談は、

「こういう人もいるんだ」

と知る情報にはなります。

ただし、自分の治療結果を予測する材料にしすぎないことが大切です。

「知らないことがある」状態のまま眠っても大丈夫

妊活中は、

知っているほうが有利。

知らないことがあると損をする。

そんな気持ちになりやすいものです。

でも、治療に必要なすべての情報を一人で把握することはできません。

医学は専門家でも分野が分かれています。

分からないことがあれば、その都度主治医や医療スタッフへ確認すればよいのです。

今夜知らないことが一つ残っていても、それだけで治療が遅れるわけではありません。

分からないまま眠っていい夜もあります。

身体まで疲れているときは、情報整理より先に休む

「情報を整理しなくちゃ」

とこの記事を読んでいる方の中には、もうかなり疲れている方もいるかもしれません。

目が重い、肩や首が張っている、胃が重い、眠いのにスマートフォンを閉じられない。

そんなときは、ノートを整理する必要すらありません。

スマートフォンを置き、歯を磨いて、布団へ入る。

それだけでも構いません。

情報整理は、元気がある日にできます。

疲れている夜まで、セルフケアを新しい宿題にしないでください。

東洋医学では「考え続けている身体」も一緒に見ます

東洋医学では、身体と気持ちを完全に切り離して考えません。

考えごとが続いているときに、眠りが浅くなったり、食欲が落ちたり、お腹が張ったり、肩や首に力が入ったりする方もいます。

そのため当院でも、妊活中の身体を見るときには、生理周期や冷えだけでなく、睡眠、胃腸、疲れ方、最近考えていることなども伺います。

ただし、東洋医学的な見方だけで、強い不安や不眠をすべて説明するものではありません。

不安が強く、生活への影響が続いている場合には、治療施設や専門的な相談先につながることも大切です。

明日の自分に「確認する時間」を渡しておく

夜に調べないと、

明日になったら忘れてしまう。

と思うことがあります。

そんなときは、検索の代わりに、

「明日12時に確認する」

「次回診察で先生に聞く」

と予定だけ残してみてください。

疑問を放置するのではなく、確認する時間を移動させるイメージです。

それだけでも、

「今やらなくていい」

と頭を切り替えやすくなります。

情報を選ぶ基準は、明るい時間に考える

「どんな情報を信じればいいの?」

という問題は、とても大切です。

でも、それこそ疲れている夜に考える必要はありません。

翌朝、少し頭が落ち着いてから、

誰が発信しているのか。

いつの情報なのか。

自分の治療段階に関係する内容なのか。

主治医へ確認したほうがよい内容なのか。

を一つずつ見ていけば大丈夫です。

10月19日8:00の記事
「妊活に必要な情報の選び方」
では、妊活情報を見るときの具体的な判断基準を整理します。

今夜は選別するところまで頑張らず、まず情報を閉じるところまでで十分です。

今夜の目標は「安心すること」ではなく「これ以上疲れないこと」

不安な夜に、

気持ちを完全に落ち着かせよう。

前向きになろう。

安心できる答えを探そう。

とすると、それ自体が負担になることがあります。

今夜は、不安が少し残っていても構いません。

検索を一つ早く終えた。

SNSを閉じた。

明日聞くことをメモした。

それくらいで十分です。

「安心できたか」ではなく、「これ以上疲れなかったか」。

そんな基準で夜を終えてみてください。

情報に疲れた身体を、一度そのまま見せてください

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、妊活中の方のお話を伺っていると、

「もう何をしたらいいのか分からなくなりました」

という言葉を聞くことがあります。

そのとき、さらに新しい健康法を増やすことだけが答えとは考えていません。

今の治療状況を確認しながら、睡眠、胃腸、冷え、疲れ、生活リズムなど、身体全体を一緒に整理していきます。

情報を集めることに疲れてしまったときは、まず「今の自分はどう感じているのか」へ一度戻ってみてください。

一人で整理しきれなくなったときはご相談ください

治療のこと、検査のこと、身体づくりのこと。

妊活では、考えることが少しずつ増えていきます。

「検索しても答えが見つからない」

「自分には何が必要なのか分からない」

という状態になったら、すべてを一人で整理しなくても大丈夫です。

病院で確認すべきことと、日々の身体づくりとして見直せることを分けながら、一緒に整理していきます。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

施術歴17年以上。妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、治療状況だけでなく睡眠・胃腸・疲れなども確認しながら身体づくりをサポートしています。


参考・出典

European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Routine Psychosocial Care in Infertility and Medically Assisted Reproduction」

日本生殖心理学会「ESHRE サイコソーシャルケアガイドライン 日本語版」

World Health Organization(WHO)「Infertility」

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次