今日、9月11日は新月です。
2026年9月11日は、12時27分に新月を迎えます。
月が見えなくなる新月は、昔から「一区切り」「新しい始まり」と重ねて考えられてきました。
もちろん、
「新月だから妊娠しやすくなる。」
「月の満ち欠けで妊娠結果が変わる。」
といった医学的な意味ではありません。
でも、妊活を続けていると、
いつの間にか周りばかり見てしまうことがあります。
「○○ちゃん、二人目を妊娠したんだ」
「同じ時期に治療を始めた人が卒業した」
「SNSではみんな順調そう」
そして、
「どうして私はまだなんだろう」
と、自分と誰かを比べて苦しくなる。
今日は新月を一つのきっかけに、
誰かの妊活ではなく、
自分の身体と、自分の今に一度戻ってみる日
にしてみませんか。
妊活中に人と比べてしまうのは、珍しいことではありません
妊活を始める前は、
友人の妊娠報告を素直に喜べていた。
赤ちゃんの写真を見ても、何とも思わなかった。
それなのに、自分が妊活を始めてから、
妊娠報告を見ると胸がざわつく。
「おめでとう」と言いながら、家に帰って泣いてしまう。
そんな自分に、
「嫌な人間になってしまった」
と思う方もいます。
でも、
妊娠を望んでいる自分と、妊娠した誰かを比べてしまうこと自体は、不自然なことではありません。
不妊や不妊治療は、世界的にも不安や抑うつ、ストレス、生活の質の低下と関連することが報告されています。
特に女性は、
治療だけではなく、
周囲の妊娠。
年齢。
仕事。
家族からの言葉。
など、さまざまなものと自分を比べやすい状況に置かれます。
だから、
「比較してしまう私が悪い」
というところから始めなくて大丈夫です。
本当につらいのは「比較したこと」より、そのあとの自己否定
誰かの妊娠を知った。
少し胸が苦しくなった。
それだけなら、感情の一つです。
でも、そのあとに、
「こんなことで嫉妬する私は最低」
「もっと喜んであげないと」
「心が狭いから妊娠できないのかな」
と、自分を責め始めると苦しさが増えていきます。
妊活中は、
比較する
↓
落ち込む
↓
落ち込んだ自分を責める
という二重の苦しさになりやすいのです。
まず止めたいのは、
比較そのものではなく、
比較した自分への罰
なのかもしれません。
「おめでとう」と「つらい」は一緒にあっていい
友人の妊娠を、
嬉しいと思う。
でも、自分のことを考えるとつらい。
この二つは両立します。
「相手には幸せになってほしい」
と思いながら、
「どうして私は」
と涙が出ることもあります。
どちらかが嘘なのではありません。
人の感情は、一つだけではありません。
だから、
素直に喜べない自分を無理に直そうとしなくて大丈夫です。
誰かを祝福できるかどうかで、あなたの妊活への姿勢が決まるわけでもありません。
SNSは「結果」だけが見えやすい場所
SNSを見ると、
「妊娠しました」
「心拍確認できました」
「無事に出産しました」
という投稿が目に入ります。
すると、
「みんな簡単に妊娠している」
ように感じることがあります。
でも、SNSに見えているのは、その人の人生の一部分です。
その前に、
何か月妊活していたのか。
どんな不安があったのか。
病院へ通っていたのか。
流産を経験していたのか。
そういった背景までは分からないこともあります。
SNSでは、
人の「結果」と、自分の「途中」を比べてしまいやすい
のです。
この比較は、とても苦しくなります。
同じ年齢でも、妊活の条件は同じではありません
「私と同じ38歳なのに、すぐ妊娠した」
「同じ40歳なのに採卵でこんなに卵が取れている」
と比較してしまうことがあります。
でも、同じ年齢でも、
- 卵巣予備能
- 精液所見
- 卵管
- 子宮の状態
- 不妊期間
- これまでの治療歴
- 使用している薬
- 得られた胚
などは違います。
妊活は、
同じスタートラインから競争しているものではありません。
誰かの結果は、
あなたの身体の未来を予測する数字ではありません。
「私だけ遅れている」という感覚
妊活中にとても苦しくなる言葉があります。
「遅れている」
です。
友人は結婚した。
妊娠した。
出産した。
二人目も生まれた。
自分はまだ治療中。
すると、
「人生で私だけ取り残されている」
ように感じることがあります。
でも、
妊娠は試験ではありません。
早く妊娠した人が優秀で、
時間がかかった人が遅れている、
というものではありません。
今はあなたが、
自分の身体に必要な治療や時間を重ねている途中
です。
それを「遅れ」と呼ばなくてもいいと思います。
年齢の数字を見るほど焦ってしまうこともあります
妊活では年齢が重要な医学的情報になるため、
どうしても年齢を意識します。
もちろん、年齢と妊孕性の関係を正しく知ることは大切です。
でも、
毎日のように、
「35歳 妊娠率」
「39歳 妊娠率」
「40歳 胚盤胞」
と検索していると、
年齢が、
自分自身の価値を表す数字
のように感じてしまうことがあります。
年齢は治療方針を考えるための情報です。
あなた自身を評価する点数ではありません。
※秋になり、今年も残り少なくなったことで「焦りや気分の落ち込みが強くなっている方」は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
比較をやめようとしなくていい
「人と比べないようにしましょう」
と言われても、できないことがあります。
だから、
比較そのものを止めようとするより、
比較したことに気づいたら、自分へ戻る
という練習の方がおすすめです。
たとえば、
「○○さんは妊娠したのに私は……」
と思ったら、
そこで、
「比べちゃだめ」
と叱るのではなく、
「今、私はつらかったんだな」
と一度受け止めます。
それから、
「じゃあ今の私はどう?」
と身体へ意識を戻してみます。
比較が始まったら、身体へ戻る3つの質問
頭の中が誰かの妊娠でいっぱいになったら、次の3つだけ確認してみてください。
1.今、身体のどこに力が入っている?
肩?
顎?
お腹?
手?
まず身体に意識を戻します。
2.今日はちゃんと食べられた?
妊活で心が揺れると、食欲まで落ちる方がいます。
「心を立て直す」より先に、
身体が空腹になっていないか見てください。
3.今日は眠れそう?
SNSを見続けているうちに寝る時間が遅くなっていないでしょうか。
今夜は早く画面を閉じる。
それだけでも構いません。
比較している頭から、自分の身体へ戻る。
これが小さな切り替えになります。
「見ない」というセルフケアもあります
SNSを見ない。
グループLINEを少し開かない。
妊娠報告の投稿をミュートする。
赤ちゃんの話が多い集まりを一度休む。
それは逃げではありません。
自分の心を守るための距離の取り方です。
また余裕が戻ったときに見ればいいのです。
妊活中は、
すべての情報を受け止め続ける必要はありません。
東洋医学では、感情と身体を切り離して考えません
東洋医学では、
気持ちだけを心の問題として見るのではなく、
身体にどのような変化が出ているかを一緒に見ます。
人と比べて苦しくなっている方でも、身体の反応はそれぞれ違います。
肝鬱気滞(かんうつきたい)|身体に力が入り続けている
- ため息が増える
- 首肩がこる
- 胸が詰まる感じ
- お腹が張る
- 寝つきが悪い
- イライラしやすい
といった状態です。
考えすぎによって身体まで緊張している方にみられることがあります。
脾虚(ひきょ)|考えすぎると胃腸まで弱る
- 食欲が落ちる
- 胃が重い
- 軟便
- 身体がだるい
- 疲れやすい
といった状態です。
妊活のことを考え続けているうちに、食事や胃腸まで乱れている方もいます。
血虚(けっきょ)|疲れているのに休まりにくい
- 眠りが浅い
- 夢が多い
- 疲れやすい
- 立ちくらみ
- 気持ちが揺れやすい
といった状態です。
こうした東洋医学的な見方は、
「この体質だから妊娠しない」という意味ではありません。
比較に疲れた身体が、どこから整えてほしいと言っているのかを考えるための一つの見方です。
セルフケアをしても、頭から比較が離れないことがあります
SNSを閉じた。
早く寝ようとした。
深呼吸もした。
それでも、
「どうして私は」
という気持ちが消えない夜があります。
そんなとき、
さらに自分で気持ちを整えようと頑張らなくてもいいと思います。
妊活では、
自分で管理しなければならないことがたくさんあります。
薬。
通院。
排卵日。
食事。
仕事。
夫婦の予定。
そのうえ、
「心まで自分でうまく整えなければ」
となると、身体はなかなか休めません。
そんなときこそ、
誰かに身体を預ける時間を持つ。
その方法の一つが鍼灸です。
妊活中に鍼灸を取り入れると「自分に戻る時間」ができる
妊活中の鍼灸というと、
「妊娠率を上げるために受けるもの」
というイメージを持っている方もいるかもしれません。
もちろん、生殖医療と鍼灸を組み合わせた研究は世界各地で行われています。
さらに、不妊女性の感情面に対する鍼灸についても研究されており、不安や抑うつなどの改善が報告されています。
でも、実際に妊活中の女性へ鍼灸をおすすめしたい理由は、それだけではありません。
施術を受けるときには、
スマートフォンを置く。
誰かの妊娠報告を見ない。
検索をしない。
次の採卵の数字を考えない。
ベッドに横になり、
今の自分の身体へ意識を戻す。
「誰かと比べる時間」から、「自分の身体を感じる時間」へ切り替えられる。
これも、妊活中に鍼灸を取り入れる大きな意味だと考えています。
身体がゆるむと、気持ちにも少し余白が生まれることがあります
比較してつらくなっているときは、
心だけではなく身体にも力が入っていることがあります。
肩が上がっている。
顎を噛みしめている。
呼吸が浅い。
背中がこわばる。
お腹に力が入る。
鍼灸では、こうした身体の状態を確認しながら施術を行います。
身体に少し余白ができると、
「さっきまでずっと考えていたな」
と気づけることがあります。
問題そのものがなくなるわけではなくても、
その問題を抱えている身体を少し楽にしてあげる。
そこには大きな意味があります。
蓮心はり灸堂では、妊活の「数字」だけを見ません
妊活中は、
AMH。
卵胞数。
採卵数。
受精率。
胚盤胞。
内膜の厚さ。
年齢。
数字を見る機会がたくさんあります。
でも、数字だけでは分からないこともあります。
夜眠れているか。
食欲はあるか。
胃腸はどうか。
身体にずっと力が入っていないか。
月経はどうか。
治療に疲れていないか。
蓮心はり灸堂では、
- 現在の治療段階
- タイミング法・人工授精・体外受精のどの段階か
- 採卵・胚移植の予定
- 使用している薬
- 月経周期
を確認しながら、
- 睡眠
- 胃腸
- 便通
- 冷え・のぼせ
- 疲労
- 首肩の緊張
- 今、一番気になっていること
まで一緒に見ていきます。
誰かの数値と比べるのではなく、
「今のあなたの身体はどう?」
から施術を始めます。
だから、
「他の人より卵が少ない」
「私は治療が遅れている」
と思っている方ほど、一度身体そのものへ目を向ける時間を持っていただきたいと思います。
鍼灸は「もっと頑張ること」を増やすためではありません
妊活中は、
何かを始めれば始めるほど、
「これも続けなければ」
という宿題になることがあります。
だから当院では、
鍼灸を、
妊活の宿題を一つ増やすもの
にはしたくありません。
むしろ、
身体を預ける。
今日の状態を話す。
施術を受ける。
休む。
そして帰る。
その時間くらいは、
自分で何とかしなくてもいい。
そんな場所として使っていただけたらと思っています。
「人と比べなくなること」を目標にしなくていい
妊活が続く限り、
これからも妊娠報告を見ることはあります。
誰かの子どもを見ることもあります。
そのたびに、
少し胸がざわつくかもしれません。
でも、
比較しない人になる必要はありません。
比較したときに、
「あ、今ちょっとつらかったな」
と気づき、
自分へ戻れるようになる。
それくらいでいいと思います。
気持ちが揺れたら、
身体へ戻る。
身体が疲れていたら、
休ませる。
自分では緩めにくかったら、
誰かの手を借りる。
妊活も、全部一人で整えなくていいのです。
今日の新月に「手放したいもの」を一つだけ
新月だから特別なことをする必要はありません。
でも今日は、一つだけ考えてみてください。
「今の妊活で、少し手放したいものは何だろう?」
毎日見るSNS。
他人の採卵数との比較。
毎朝の検索。
自分を責める言葉。
予定を詰め込みすぎること。
何でも構いません。
全部やめる必要もありません。
一つ、
少し距離を置いてみる。
それだけでもいいのです。
今夜の記事、
では、
「みんな先へ進んでいるのに、私だけ」
という感覚が強くなった夜に、自分へ戻るための具体的な方法をもう少し深くお話しします。
誰かと比べることに疲れてしまった方へ
「SNSを見るたび落ち込む」
「同じ年齢の人の妊娠を見るのがつらい」
「治療が長くなり、私だけ取り残された気がする」
そんな状態が続いていたら、
心だけではなく身体もずっと緊張しているかもしれません。
蓮心はり灸堂では、妊活・不妊治療の段階を確認しながら、睡眠、胃腸、冷え、月経、疲労、首肩の緊張などを丁寧に見て、その日の身体に合わせて施術を行っています。
施術の時間は、
誰かと比べなくていい時間です。
数字を評価しなくていい時間です。
ただ、
今の自分の身体を整える時間。
「少し妊活に疲れているかも」
というところからでも、ご相談いただけます。
一人で気持ちを立て直そうと頑張りすぎる前に、身体から少し休んでみませんか。
参考・出典
国立天文台「2026年9月の星空・カレンダー」
国立天文台暦計算室「2026年9月のこよみ」
Fertility and Sterility「不妊と抑うつ・不安・QOLに関する過去10年間の世界的研究レビュー」
BMC Women’s Health「不妊女性のメンタルヘルスに影響する社会的要因のシステマティックレビュー」
Journal of Clinical Medicine「不妊女性の感情的問題に対する鍼灸のシステマティックレビュー・メタ解析」
Reproductive BioMedicine Online「IVFに関連する不安に対する鍼灸のシステマティックレビュー・メタ解析」

