芒種の夜に食べたい薬膳がゆ

妊活や婦人科ケアに役立つ食養生とセルフケアを伝えるブログ画像

朝から体が重かった。
夕方になると足がむくんで、胃も少し重たい。
妊活のことを考えると、心までどんよりしてしまう。

芒種のころは、そんな夜が増えやすい時期です。
湿気が増え、暑さも少しずつ強くなり、外は蒸し暑いのに、室内では冷房で冷える。
体も心も、季節の変化についていこうとして、思っている以上に頑張っています。

まず最初にお伝えしたいことがあります。

芒種の夜は、無理に元気を出そうとするより、胃腸を休めながら、余分な湿気をため込まない身体に整えてあげることが大切です。

そのためにおすすめしたいのが、温かい薬膳がゆです。
特別な食材をたくさん使わなくても大丈夫です。
お米、鶏肉、とうもろこし、長芋、生姜、しそ。
いつもの食材を少し工夫するだけで、芒種の夜に合う、やさしい一杯になります。

目次

芒種の夜は、胃腸が疲れやすい時期です

芒種は、二十四節気の一つです。
2026年の芒種は6月6日。
稲や麦など、穂のある植物と関わる節気で、自然界では湿り気と夏の気配が増していくころです。

この時期は、気温だけでなく湿度も上がりやすくなります。
環境省の暑さ指数(WBGT)でも、暑さの負担は気温だけでなく、湿度、日射・輻射熱(周辺の熱環境)を合わせて考えるものとされています。

つまり、
「まだ真夏ではないのに、なぜかしんどい」
と感じるのは、気のせいではありません。

梅雨入り前後の湿気、冷房、寝苦しさ、食欲の乱れ。
それらが重なって、胃腸と自律神経に負担がかかりやすくなります。

東洋医学では、芒種の不調を「湿邪」として考えます

東洋医学や中医学では、梅雨時期のような湿気による不調を、**湿邪(しつじゃ)**として考えることがあります。

湿邪の特徴は、
重い、だるい、停滞する、すっきりしない
です。

たとえば、

  • 体が重い
  • 足がむくむ
  • 胃がもたれる
  • 食欲が落ちる
  • 頭が重い
  • 便がすっきり出ない
  • お腹が冷える
  • 気分が晴れにくい

こうした状態は、湿邪の影響として説明しやすい不調です。

特に湿邪は、東洋医学でいう**脾(ひ)**に負担をかけやすいと考えます。
脾は、現代的に言うと、胃腸の働きや、食べたものから気血を作る力に近いイメージです。

脾が弱ると、食べているのに元気が出ない、むくみやすい、体が重い、気分が沈みやすい。
そんな状態になりやすくなります。

だから芒種の夜は、栄養をたくさん詰め込むより、
胃腸にやさしく、温かく、巡りを邪魔しない食事
が合いやすいのです。

妊活中の方に、なぜ「薬膳がゆ」が合いやすいのでしょうか

妊活中は、体調の小さな変化にも心が揺れやすくなります。
お腹が張る。
便秘になる。
足がむくむ。
冷える。
眠りが浅い。

こうした不調があると、
「この状態で大丈夫かな」
「何か悪いことをしてしまったかな」
と不安になってしまう方もおられます。

でも、冷えやむくみがあるから妊娠できない、という単純な話ではありません。
妊活では、排卵、卵管の通り道、精液所見、子宮や卵巣の状態、ホルモンの流れなど、クリニックや病院など、専門の医療機関で確認すべきことがあります。

そのうえで日常生活では、
胃腸を整えること、睡眠を守ること、冷えをため込まないこと、自律神経の乱れを感じる状態を整えること
が、妊活中の身体づくりの土台になります。

薬膳がゆは、妊娠率を上げる特別な食べ物ではありません。
でも、胃腸が疲れやすい夜に、身体を責めずに整えるための、やさしい食養生になります。

芒種の夜におすすめの薬膳がゆ

今夜おすすめしたいのは、
とうもろこしと長芋、鶏肉の薬膳がゆ
です。

とうもろこしは、東洋医学では胃腸を助け、余分な水分をさばく食材として考えられることがあります。
長芋は、胃腸を助け、疲れやすい時の土台を支える食材として使いやすいものです。
鶏肉は、気を補い、体力が落ちやすい時に取り入れやすいたんぱく質です。
生姜は、冷えや胃腸の重さがある時に少量使いやすい薬味です。
しそは、香りで気の巡りを助け、湿気で重くなった気分をふっと軽くしてくれます。

材料 1〜2人分

  • ごはん 軽く1膳
  • 水 ごはんの3〜4倍程度
  • 鶏むね肉、または鶏ささみ 少量
  • とうもろこし 大さじ2〜3
  • 長芋 3〜5cmほど
  • 生姜 少量
  • しそ 1〜2枚
  • 塩 少々
  • お好みで白ごま 少量

生のとうもろこしがなければ、冷凍でも大丈夫です。
長芋が苦手な方は、山芋や里芋でもよいです。
胃腸が弱い方は、具材を細かくして、よく煮るのがおすすめです。

作り方

1.鍋にごはんと水を入れます。
2.鶏肉を小さめに切り、一緒に煮ます。
3.とうもろこし、すりおろした長芋、または小さく切った長芋を入れます。
4.弱火で、胃腸にやさしい柔らかさになるまで煮ます。
5.最後に塩で薄く味を整えます。
6.器に盛り、細かく切ったしそと、少量の生姜を添えます。

味つけは、薄めで大丈夫です。
芒種の夜は、濃い味で食欲を刺激するより、身体がほっとする薄味のほうが合いやすいです。

妊活中・妊娠の可能性がある時期の注意点

薬膳と聞くと、特別な生薬や珍しい食材を入れたくなるかもしれません。
でも、妊活中や妊娠の可能性がある時期は、自己判断で強い薬膳食材や漢方素材を足しすぎないことが大切です。

特に、

  • ヨクイニン、はと麦を濃く煮出したものの多用
  • デトックスをうたう健康茶
  • 強い利尿作用を期待するサプリメント
  • 複数の漢方薬の自己判断併用
  • 精油を飲む、肌に高濃度で塗る使い方

は注意が必要です。

食養生は、強く効かせるものではありません。
毎日の食事の中で、胃腸にやさしく、冷えをためにくく、睡眠を邪魔しない形に整えることが大切です。

また、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は、リステリア食中毒にも注意が必要です。
厚生労働省は、妊娠中の方に対して、加熱していないナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモン、肉や魚のパテなどは避け、加熱された食品を選ぶよう案内しています。

今夜の薬膳がゆも、鶏肉や卵などを使う場合は、しっかり火を通してください。
「身体に良さそう」より、まずは安全に食べられることが大切です。

芒種の夜に控えめにしたい食べ方

芒種の夜は、胃腸が重くなりやすい時期です。
次のような食べ方は、少し控えめにするとよいでしょう。

  • 冷たい飲み物を何杯も飲む
  • アイスを夜に食べる
  • 脂っこいものを遅い時間に食べる
  • 甘いものを重ねて食べる
  • 味の濃いものを食べすぎる
  • 寝る直前に満腹になる
  • カフェインを夕方以降に多くとる
  • 寝酒で眠ろうとする

厚生労働省の睡眠ガイドでは、カフェイン、アルコール、喫煙などは睡眠に影響しやすく、夕方以降は注意が必要とされています。
芒種の夜は、睡眠の質を守ることも大切な養生です。

妊活中は、夜に不安が強くなりやすいものです。
お腹が重いまま、スマホで検索を続けて、眠りが浅くなる。
そんな流れになりやすい方ほど、今夜は食事を軽く、温かく、早めに整えてみてください。

月のリズムと、芒種の夜の過ごし方

2026年6月6日は、5月31日の満月を過ぎて、月が少しずつ欠けていく時期です。
月の満ち欠けが妊娠や着床を決めるわけではありません。
ただ、東洋医学的な養生の感覚では、満月を過ぎた時期は、
「増やす」より
「整える」
「ため込みすぎたものを手放す」
「静かに戻す」
という意識で過ごしやすい時期です。

芒種は、湿気が増え、体にも心にも余分な重さを感じやすいころ。
月が欠けていく流れと、梅雨の始まりが重なる今夜は、
がんばって足す夜ではなく、少し軽くする夜
にしてみてください。

情報を減らす。
食事を軽くする。
身体を温める。
早めに眠る。

それだけで十分です。

東洋医学的に見る、薬膳がゆが合いやすいタイプ

脾虚湿盛タイプ

  • 胃腸が弱い
  • 食後に眠くなる
  • 体が重い
  • むくみやすい
  • 便がすっきり出ない
  • 甘いものが欲しくなる
  • 雨の日に頭が重い

このタイプは、芒種のころに不調が出やすいです。
薬膳がゆのように、温かく、柔らかく、胃腸に負担をかけにくい食事が合いやすいです。

寒湿タイプ

  • 足腰が冷える
  • お腹が冷たい
  • 冷房がつらい
  • 湯船に入ると楽
  • 生理痛が冷えで強くなりやすい
  • 下半身が重い

このタイプは、冷えと湿気が重なっている状態です。
冷たい飲み物や生ものを控えめにし、生姜を少量使った温かいおかゆがおすすめです。

肝鬱気滞タイプ

  • ため息が多い
  • 胸や脇が張る
  • 首肩がこる
  • 結果待ちに不安が強くなる
  • 夜に検索が止まらない
  • 生理前にイライラしやすい

このタイプは、気の巡りが滞りやすい状態です。
しそ、生姜、ねぎなど、香りのある食材を少し使うと、気分がふっと緩みやすくなります。

気滞瘀血タイプ

  • 生理痛が強い
  • 経血に塊が出る
  • 下腹部が張る
  • 肩こりが強い
  • 冷えとむくみが同時にある
  • ストレスで症状が悪化しやすい

このタイプは、気血の巡りが滞りやすい状態です。
食事だけで抱え込まず、生理痛が強い、不正出血がある、痛みが続く場合は、婦人科での確認も大切です。

今日からできる3つ

1.夜ごはんを「軽く、温かく、早めに」する

芒種の夜は、消化に重い食事を遅い時間に食べると、眠りにも胃腸にも負担がかかりやすくなります。
今夜は、薬膳がゆ、味噌汁、温かいスープなど、胃腸にやさしいものを選んでみてください。

2.冷たい飲み物を1回だけ温かいものに変える

蒸し暑い日は、冷たい飲み物が増えやすくなります。
でも、胃腸が重い方や冷えやすい方は、冷たいものが続くとさらにだるくなることがあります。

白湯、温かい麦茶、スープ、味噌汁。
1回だけでも、温かいものに変えてみてください。

3.寝る前の検索をやめて、胃腸と心を休める

妊活中は、夜に検索したくなる日があります。
でも、芒種の夜は、体も心も湿気で重くなりやすい時期です。

今夜は、答えを探すより、身体を休ませる時間を優先してみてください。
不安を消すためではなく、これ以上大きくしないための養生です。

自分でやさしく使えるツボ

足三里(あしさんり)

膝のお皿の外側の下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働きを整えたい時、梅雨時期に体が重い時、疲れやすい時に使いやすいツボです。

陰陵泉(いんりょうせん)

すねの内側を膝の方へなぞっていき、骨の出っぱりの下で指が止まるあたりにあります。
湿気によるむくみ、足の重だるさ、胃腸の重さが気になる時に使いやすいツボです。

三陰交(さんいんこう)

内くるぶしの一番高いところから、指4本分ほど上の骨の際にあります。
冷え、むくみ、婦人科系のお悩み、下半身の巡りを整えたい時に使いやすいツボです。

妊娠の可能性がある時期や妊娠中は、強く押しすぎず、やさしく触れる程度にしてください。

内関(ないかん)

手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
胃のむかつき、胸のつかえ、不安感、緊張による気持ち悪さがある時に使いやすいツボです。

どのツボも、強く押し込む必要はありません。
息を吐きながら、少し気持ちいいくらいでやさしく触れてみてください。

不妊・妊活における鍼灸の役割

鍼灸は、薬膳がゆと同じく、妊娠を約束するものではありません。
また、妊活に必要な検査や治療の代わりになるものでもありません。

排卵の確認、卵管の通り道、精液所見、子宮や卵巣の状態、人工授精(AIH)や体外受精(IVF)、胚移植(ET)の適応については、クリニックや病院など、専門の医療機関で確認することが大切です。

そのうえで鍼灸は、妊活中に重なりやすい

  • 冷え
  • むくみ
  • 胃腸の弱り
  • 睡眠の浅さ
  • 首肩のこわばり
  • 自律神経の乱れを感じる状態
  • 月経前後の不調
  • 結果待ちの不安

などを、東洋医学の視点から整える支えにはなり得ます。

体外受精に関する鍼灸研究では、妊娠率や出生率については結果が一定しておらず、鍼灸によって妊娠を保証できるわけではありません。
一方で、妊活中の緊張、冷え、睡眠、胃腸の弱り、生活習慣を整える補助として考えることはできます。

当院では、鍼灸を「結果を約束する方法」としてではなく、妊活中の心と身体の土台を整える補助的な支えとして位置づけています。

当院の考え方

芒種の夜は、身体が重く、心まで沈みやすい時期です。
当院では、こうした季節の不調を「よくあること」として流さず、妊活中の方が日々どれだけ細かく身体を気にしながら過ごしているかも含めて、大切に受け止めています。

食養生は、特別な料理を完璧に作ることではありません。
今夜の自分に合うものを、無理なく選ぶことです。

お腹が重い日は、やさしいおかゆ。
冷えた日は、少しの生姜。
気持ちが張りつめた日は、しその香り。

そうやって、身体の声を聞きながら整えていくことも、妊活中の大切な土台づくりです。

今夜、全部を頑張らなくて大丈夫です。
温かい一杯で、胃腸と心を少し休ませてあげてください。

この記事を書いた人

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
当院は女性専用院として、クリニックや病院など、専門の医療機関で行われる高度生殖医療や検査を尊重しつつ、東洋医学の視点から冷えや睡眠、日々の生活習慣をやさしく見守り、お一人おひとりに寄り添った身体づくりを伴走しています。

院長プロフィールを見る

ご自身に合ったセルフケアを知りたい方、妊活中の身体づくりを見直したい方は、当院にご相談ください。
病院での検査や不妊治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣に合わせて、無理のない形でサポートいたします。

【参考・出典】

国立天文台「令和8年(2026)暦要項」芒種の日時。
環境省「暑さ指数(WBGT)」湿度・日射・気温を含めた熱中症リスク評価。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」睡眠、カフェイン、アルコール、喫煙に関する情報。
厚生労働省「リステリアによる食中毒」妊娠中に注意したい食品。
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)鍼灸の安全性と不妊領域に関する研究概要。

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