妊活の相談に夫婦で来るという選択

男性不妊とご夫婦で取り組む妊活ケアを表すブログ画像

妊活や不妊治療について相談するとき、

「私の身体のことだから、私一人で行けばいい」

と思っていませんか。

実際、病院への通院も、検査結果を聞くことも、薬を管理することも、女性側に偏りやすいのが妊活です。

そして家に帰ってから、

「先生から何て言われた?」

「次はどうするの?」

と聞かれ、診察で聞いた内容をもう一度パートナーへ説明する。

そんなことを繰り返している方もいます。

もちろん、一人で相談に来ていただいてもまったく問題ありません。

でも、

「一度、夫婦で一緒に話を聞いてみる」

という選択肢もあります。

夫婦で相談に来ることは、二人とも同じ施術を受けるという意味ではありません。

今どんな治療をしているのか。

女性側の身体では何が起きているのか。

男性側にできることは何なのか。

そして、これから二人で何を大切にしていくのか。

同じ場所で、同じ話を聞く。

それだけでも、妊活の見え方が少し変わることがあります。

目次

妊活の情報が女性側に偏ってしまうことがあります

妊活を始めると、女性側はたくさんの言葉を覚えていきます。

AMH。
卵胞。
排卵。
黄体ホルモン。
子宮内膜。
採卵。
胚移植。

治療が進めば、

「今周期はホルモン補充で」

「次は採卵周期だから」

と、自然に会話の中でも専門用語を使うようになります。

一方、男性側は病院へ一緒に行く機会が少なければ、

「何となく治療していることは分かるけれど、詳しいことは分からない」

という状態になりやすいものです。

これは、どちらかが悪いわけではありません。

情報を受け取る機会に差があるからです。

女性は診察室で直接説明を聞くのに対して、

男性は、帰宅後に女性から説明を聞くことになります。

この違いが積み重なると、いつの間にか

「妊活について詳しい人」と「それを聞く人」

に役割が分かれてしまうことがあります。

「説明する役」まで女性一人になっていませんか

病院で診察を受けるだけでも緊張します。

検査結果を聞き、

「次はどうしますか?」

と治療方針について説明を受け、

帰宅したら今度はパートナーへ説明する。

「先生がこう言っていて」

「次はこの日に病院へ行って」

「この薬を使うことになって」

それを繰り返していると、

治療を受ける人。
予定を管理する人。
情報を集める人。
パートナーへ説明する人。

すべて女性側になってしまうことがあります。

男性側にはそんなつもりがなくても、女性からすると、

「どうして私だけ全部知っていないといけないんだろう」

と感じることもあるでしょう。

夫婦で一緒に相談するメリットの一つは、

女性がすべてを説明しなくても、二人で同じ話を聞けることです。

「ちゃんと夫に分からせなければ」

と頑張らなくてもよくなります。

男性側も「何をしたらいいのか分からない」ことがあります

一方で、男性側からすると、

「手伝いたいけれど、何をすればいいのか分からない」

ということもあります。

病院へ行くのは妻。

薬を使うのも妻。

採卵を受けるのも妻。

胚移植を受けるのも妻。

そうなると、自分にできることが見えなくなり、

「頑張って」

「大丈夫?」

と声をかけることしかできない。

でも、その「頑張って」が、疲れている女性にはつらく聞こえることもあります。

男性側も決して無関心なのではなく、

どう関わればよいのか分からない

ことがあるのです。

だからこそ、男性側にも、

精液検査。
睡眠。
食事。
喫煙や飲酒。
仕事の疲れ。
身体の状態。

など、自分側の妊活について知ってもらうことには意味があります。

11月2日朝の記事
「男性不妊の基本 まず何から始める?」
でもお伝えしたように、妊活は女性側だけを調べて進めるものではありません。

男女それぞれの身体を確認しながら進めていくことが大切です。

夫婦で来ると「見えているものの違い」が分かることもあります

同じ妊活をしていても、夫婦で感じていることは同じとは限りません。

女性は、

「年齢のことが怖い」

と思っている。

男性は、

「そこまで急がなくてもいいのでは」

と思っている。

女性は、

「次の採卵をどうするか考えたい」

と思っている。

男性は、

「今は妻を休ませた方がいいのでは」

と思っている。

どちらが正しい、間違っているという話ではありません。

同じ出来事を見ていても、立っている場所が違えば感じ方も変わります。

二人だけで話していると、

「どうして分かってくれないの?」

となってしまうことでも、第三者を交えて整理すると、

「そういう意味で言っていたんだ」

と気づくことがあります。

夫婦で相談に来る目的は、どちらかを説得することではありません。

二人が今どこに立っているのかを確認すること。

それだけでも十分です。

夫婦で来ても、全部話さなくて大丈夫です

「夫婦で相談に行ったら、深い話をしないといけないのかな」

と心配する必要はありません。

無理に気持ちを打ち明けてもらうことが目的ではありません。

たとえば、

今どんな治療をしているのか。

病院では何と言われているのか。

睡眠や食事はどうか。

仕事との両立で困っていることはないか。

男性側の検査は受けているか。

まずはそんなことから整理していきます。

話したくないことまで話す必要はありません。

夫婦だからといって、何でも同じ気持ちでいる必要もありません。

違いがあることを前提に、

「では今、二人にできることは何だろう」

と考えていきます。

「二人で来る=二人とも問題がある」ではありません

男性側の中には、

「自分まで行く必要があるの?」

と思う方もいるでしょう。

夫婦で相談に来ることは、

二人とも身体に問題があるという意味ではありません。

男性側を検査するためだけでもありません。

また、

「夫婦関係に問題があるから一緒に来る」

ということでもありません。

妊活について、

同じ情報を、同じ場所で共有する。

そのために一緒に来ていただくという考え方です。

特に治療が進んでくると、

採卵を続けるのか。
移植へ進むのか。
少し休むのか。
生活をどう整えるのか。

夫婦で考えることが増えてきます。

そんなとき、一度二人で現状を整理しておくことが、その後の話し合いをしやすくすることもあります。

ご夫婦で相談されるときに大切にしていること

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、ご夫婦で来られたからといって、

「旦那さんももっと頑張ってください」

「奥さんの気持ちを分かってください」

と、どちらかに役割を押しつけることはしたくないと考えています。

女性側には女性側の負担があります。

男性側にも、男性側なりの戸惑いや不安があります。

だから、

どちらが正しいかを決めるのではなく、

今、二人の間で何が共有できていて、何が共有できていないのか

を一緒に整理します。

妊活中の身体づくりについても、

女性だけが、

「食事を整えなきゃ」

「早く寝なきゃ」

「身体を冷やさないようにしなきゃ」

と頑張る必要はありません。

男性側も、自分の睡眠や生活習慣を少し見直してみる。

それだけでも、女性側にとっては、

「私だけが妊活しているわけではない」

と感じられることがあります。

夫婦で来られなくても大丈夫です

ここまで読むと、

「夫は一緒に来てくれそうにない」

と思う方もいるかもしれません。

それでも大丈夫です。

夫婦で来なければ妊活を相談できない、ということではありません。

まず一人で来て、

「夫にどう伝えればいいか分からない」

と相談していただいても構いません。

パートナーに何を話してほしいのか。

逆に、何を分かってほしいのか。

自分自身でも整理できていないことがあります。

そんなときは、まず自分の中を整理するところから始めても大丈夫です。

二人で来ることが正解なのではありません。

一人で来る日があってもいい。

必要なときだけ一緒に来てもいい。

そのご夫婦に合った距離感で妊活に向き合うことの方が大切です。

妊活を「妻の治療」にしないために

不妊治療では、どうしても女性側の身体的負担が大きくなります。

だからこそ、

治療そのものまで、

「妻が受けるもの」

で終わらせないことが大切だと思います。

男性側ができることは、必ずしも大きなことではありません。

精液検査を受ける。

次の診察日を知っておく。

薬を使っていることを知っておく。

今日は治療について話したくないと言われたら、そっとしておく。

一緒に早く寝る。

そんな小さなことでも構いません。

「二人で妊活をする」とは、何でも半分ずつ負担することではなく、

それぞれにできる形で関わっていくこと

なのだと思います。

夫婦で話すこと自体が難しいときもあります。

11月4日夜時公開の
「男性不妊を夫婦で話し合う最初の一歩」
では、男性側の検査や生活習慣について、どんなふうに話し始めればよいのかを具体的にお伝えします。

一度、二人で同じ話を聞いてみませんか

妊活について夫婦で話そうとすると、

「またその話?」

「ちゃんと考えてるよ」

と、うまくいかないことがあります。

そんなときは、二人だけで答えを出そうとしなくても構いません。

一度、一緒に話を聞いてみる。

分からないことをその場で聞いてみる。

女性側の身体のことも、男性側の身体のことも、一緒に整理してみる。

それだけでもいいのです。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

「夫婦で何をしたらいいか分からない」

「病院では聞けなかったことを整理したい」

「妻だけに負担が偏っている気がする」

そんな段階からご相談いただけます。

二人で来ることも、一人で来ることも、どちらも選択肢です。

今のご夫婦にとって無理のない形から、一緒に考えていきましょう。

参考・出典

・World Health Organization「Guideline for the prevention, diagnosis and treatment of infertility」
・European Society of Human Reproduction and Embryology「Routine psychosocial care in infertility and medically assisted reproduction」
・日本生殖医学会「生殖医療Q&A」

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