痛みがある日に無理をしないための養生

生理痛やPMSなど婦人科のお悩みに寄り添う鍼灸院ブログ画像

朝起きたときから、お腹が痛い。

腰まで重い。

今日は生理1日目。

それでも、

仕事へ行かないと。

洗濯しないと。

食事を作らないと。

運動もしたほうがいいかな。

そんなふうに、痛みがある日まで普段と同じ一日をこなそうとしていませんか。

10月14日朝の記事「子宮内膜症の痛みが強いときの向き合い方」では、痛みを我慢し続けず、婦人科での治療や薬、痛みの記録についてお伝えしました。

今回はその続きです。

医療機関で必要な治療を受けることを前提に、

実際に痛みがある一日を、どうすれば少し身体への負担を減らして過ごせるか

を考えていきます。

目次

痛い日は「普段通り」が目標ではありません

痛みがあるときにも、

いつも通り仕事ができた。

家事を全部終わらせた。

薬を飲まずに耐えた。

ということを、

「今日は頑張れた」

と思うことがあります。

でも、

無理をできたことと、身体にとってよかったことは同じではありません。

痛い日は、普段の100%を目指さなくて大丈夫です。

今日は60%。

とてもつらければ30%。

そんな日があって構いません。

身体がつらい日は、

「今日できること」

ではなく、

「今日はやらなくてもよいこと」

を探してみましょう。

朝から痛い日は、まず予定を一つ減らす

今日は痛みが強そう。

そう感じたら、一日の予定を見てみてください。

買い物。

掃除。

人と会う予定。

仕事後の用事。

今日でなくてもよいものはありませんか。

全部キャンセルする必要はありません。

一つだけでも構いません。

「これは明日に回そう」

と決めます。

痛みが強くなってから予定を崩すより、

朝の段階で余白を一つ作っておく

ほうが身体にも気持ちにも余裕ができます。

家事は「最低限」でいい日があります

痛い日にも、

洗濯。
掃除。
料理。
片づけ。

を全部いつも通りやろうとしてしまう方もいます。

でも今日は、

洗濯は明日。
掃除はしない。
夕食は簡単なもの。
洗い物は少なくする。

でも構いません。

食事も、

一汁三菜。

栄養バランスのよい手料理。

まで頑張らなくて大丈夫です。

温かいスープ。
おにぎり。
卵。
豆腐。

食べられるもの。

それくらいの日もあります。

身体を休ませるために家事を減らすことも、養生です。

痛いからと、無理に食べなくても大丈夫

生理痛や子宮内膜症の痛みが強い日は、

食欲が落ちる。
吐き気がする。
お腹が張る。

という方もいます。

そんな日に、

「妊活中だから栄養をしっかり取らないと」

と無理に食べる必要はありません。

少量ずつ。
消化しやすいもの。
食べ慣れているもの。

からで構いません。

ただし、

水分もとれない。
繰り返し吐く。
強い腹痛が続く。

という場合には、セルフケアだけで様子を見ず医療機関へ相談してください。

水分は少しずつでも取る

痛みが強いと、

食事だけでなく飲み物まで後回しになりがちです。

また、鎮痛薬を使用するときにも、薬の種類によっては飲み方について確認が必要です。

無理に大量に飲む必要はありませんが、

水。
白湯。
お茶。
汁物。

など、飲みやすい形で少しずつ水分を取ってください。

温かい飲み物が心地よければ温かく。

常温のほうが飲みやすければ常温で。

温度の正解より、身体が受け入れやすいことを優先します。

薬は「耐えきれなくなるまで我慢」が正解ではありません

痛み止めについて、

「まだ我慢できるから」

「薬に頼りたくないから」

と、限界まで使用しない方もいます。

でも、医師から薬を処方されている場合は、指示された使用方法を守ってください。

子宮内膜症に伴う痛みに対して鎮痛薬が使用されることもあります。ESHRE

一方、妊活中・不妊治療中の場合は、

排卵前後。

胚移植後。

妊娠の可能性がある時期。

などによって薬の確認が必要になることがあります。

市販薬を追加するときには、現在の治療状況を伝えて医師や薬剤師へ相談してください。

温めるなら「痛みが楽になる範囲」で

  • お腹。
  • 腰。
  • 足。

を温めると楽になる方もいます。

その場合は、

湯たんぽ。
膝掛け。
入浴。

など、心地よく感じる方法を使って構いません。

でも、

熱いほど効果がある。

長く温めるほどよい。

というものではありません。

熱すぎる。
汗が止まらない。
のぼせる。
気分が悪くなる。

そういった場合はやめましょう。

特にカイロや湯たんぽは、低温やけどにも注意が必要です。

「治すために温める」のではなく、「今のつらさを少し和らげるため」

くらいに考えてください。

お風呂がつらい日は入らなくてもいい

生理中でも入浴して構わない場合が多いですが、

痛みが強い日。

立っているのもつらい日。

めまいがある日。

まで、

「湯船に入らなければ」

と頑張る必要はありません。

シャワーだけ。

身体を拭くだけ。

今日は入浴を休む。

という日があっても構いません。

お風呂は身体を整える手段の一つであって、

毎日こなさなければならない課題ではありません。

「動いたほうがいい」と痛い日に運動しなくてもいい

適度な身体活動は健康づくりに役立ちます。

でも、

痛みが強い日にまで、

歩かないと。

ストレッチしないと。

筋肉を動かさないと。

と無理をする必要はありません。

今日は横になる。

楽な姿勢で休む。

痛みが落ち着いたら部屋の中を少し歩く。

くらいでも構いません。

身体を動かす日と、身体を休ませる日があっていい。

毎日同じセルフケアをする必要はありません。

横になることに罪悪感を持たなくていい

昼間から横になると、

「怠けている気がする」

と感じる方もいます。

でも、痛みで身体が緊張している日には、横になる時間も必要です。

30分休む。

少し眠る。

身体を丸めて楽な姿勢を取る。

それも身体を守るための行動です。

休んだから痛みに負けた。

ということではありません。

休むことも、痛みへの対処の一つです。

スマートフォンを見続けてしまう日は、画面からも少し休む

身体は休んでいても、

SNS。
動画。
仕事の連絡。
妊活検索。

をずっと見ていると、頭は休めていないことがあります。

特に痛みが強い日は、

「この痛みは悪化している?」

「妊活に影響する?」

と検索したくなることがあります。

でも、同じ情報を繰り返し調べても痛みそのものが軽くなるとは限りません。

必要なことは、

次の診察で聞く。

症状を記録する。

強い症状なら医療機関へ相談する。

と分けて、

スマートフォンを一度伏せてみてください。

「痛みの記録」は長文でなくて大丈夫

痛みがある日は、記録も簡単で構いません。

たとえば、

  • 10月17日
  • 痛み:7/10
  • 場所:下腹部・腰
  • 薬:○時に使用
  • 出血:いつもより多い
  • その他:排便時も痛む

これだけです。

痛い日に日記を書く必要はありません。

後から診察で説明しやすい程度に残しておけば十分です。

特に、

毎月同じ時期に痛む。

以前より強くなっている。

薬の効き方が変わった。

という変化が分かると、医療機関へ相談するときにも役立ちます。

家族やパートナーには「してほしいこと」を具体的に伝える

痛みがあると、

「見れば分かるでしょ」

と思うことがあります。

でも、痛みは外からは分かりにくいものです。

お願いするときには、

「今日は夕食を買ってきてほしい」

「洗い物をお願いしたい」

「今は話さず少し休ませてほしい」

など、

具体的に伝えるほうがお互いに分かりやすくなります。

また、

「大丈夫?」

と聞かれて、

無理に「大丈夫」と答えなくても構いません。

今日はちょっとつらい。

と伝えることも大切です。

仕事を休むか迷うとき

生理痛が強くても、

この程度で仕事を休んでいいのかな。

と迷うことがあります。

でも、

通勤できない。

座っているのもつらい。

薬を使っても仕事へ集中できない。

といった状態なら、休むことを考えてもよいでしょう。

職場によっては、生理休暇など利用できる制度があります。

毎月仕事へ大きな影響が出るほど痛むのであれば、

「休む方法」だけでなく、

婦人科で痛みそのものについて相談すること

も大切です。

痛い日を前提に、準備しておくことも養生です

毎月ある程度、

「この日は痛みが強そう」

と分かる方もいます。

そんな場合は、

痛くなってから全部考えなくてよいように、

飲み物。

食べやすいもの。

処方されている薬。

生理用品。

予定。

などを事前に確認しておく方法があります。

これは、

痛みに備えて怖がる。

ということではありません。

痛い日に判断しなければならないことを減らしておく。

そのための準備です。

東洋医学では「何を足すか」だけを養生とは考えません

養生というと、

  • ツボ。
  • お灸。
  • 食事。
  • 運動。

など、

何か身体によいことを追加するイメージがあります。

でも、身体がつらい日には、

予定を減らす。
運動を休む。
早く眠る。
家事を減らす。

という「引き算」も大切です。

東洋医学でも、その日の身体の状態によって整え方は変わります。

元気な日と痛い日に、同じことをしなくていい。

そう考えてください。

鍼灸は、痛みがある日に医療機関の代わりになるものではありません

子宮内膜症や強い生理痛がある場合、

診断。
検査。
薬物治療。
手術などの判断。

は医療機関で行います。

鍼灸がその代わりになるものではありません。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

婦人科での治療状況も確認しながら、

  • 生理周期。
  • 腰や骨盤まわりの緊張。
  • 冷えやほてり。
  • 睡眠。
  • 胃腸。
  • 疲れ。

など、その方の身体全体を見ています。

生理痛や周期に伴う身体のお悩みについて、当院でどのように対応しているか詳しくご案内しています。

いつもの痛みと違うときは「今日は休めばいい」で済ませない

痛みがある日は休む。

それは大切です。

でも、

休めばすべて様子を見てよいわけではありません。

たとえば、

急に非常に強い腹痛が出た。
これまでとは明らかに違う痛み。
大量の出血。
発熱。
繰り返す嘔吐。
意識が遠のく感じ。
妊娠の可能性があり、腹痛や出血がある。

などの場合には、

セルフケアで様子を見ず医療機関へ相談してください。

「子宮内膜症があるからいつもの痛み」

と決めつけないことも大切です。

痛い日は「今日はここまで」と決めてもいい

今日は洗濯できなかった。
夕食を作れなかった。
運動できなかった。
予定をキャンセルした。

そんな日があっても大丈夫です。

痛みがある身体で、

一日を過ごした。
薬を使った。
水分をとった。
休んだ。

それだけで十分な日もあります。

養生は、

身体によいことをたくさんできたかを競うものではありません。

身体への負担を少しでも減らせたか。

そこを大切にしてください。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

施術歴17年以上。妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、生理周期・痛み・冷え・睡眠なども確認しながら身体づくりをサポートしています。

毎月、痛みに合わせて生活を変えている方へ

生理が来るたびに、

仕事の予定を心配する。

薬をいつ飲むか悩む。

家事をこなせるか不安になる。

そんな状態が続いているなら、

「自分が我慢すればいい」

だけで終わらせなくても大丈夫です。

必要な婦人科での治療を受けながら、日々の身体の状態も一緒に整理してみたい方はご相談ください。


参考・出典

日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」

日本産科婦人科学会「子宮内膜症」

European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Endometriosis Guideline」(2022)

National Institute for Health and Care Excellence(NICE)「Endometriosis: diagnosis and management(NG73)」

厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次