便秘しやすい人の東洋医学タイプ別セルフケア

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

便秘が気になると、

「水を飲もう」

「野菜を増やそう」

「もっと運動しよう」

と考えることが多いと思います。

もちろん、食物繊維・水分・身体活動などは、便通を考えるうえで大切です。

でも実際には、

  • 便が硬くて出ない人。
  • お腹が張って苦しい人。
  • 便意はあるのに出しにくい人。
  • 疲れると便秘になる人。
  • 冷えると出にくくなる人。

同じ「便秘」でも状態は違います。

10月12日朝の記事「妊活中の乾燥と便秘を軽くみないで」では、水分・食物繊維・運動・薬など、まず見直したい基本についてお伝えしました。

今回はその続きとして、

東洋医学では便秘をどのように分けて考えるのか

を見ていきましょう。

ただし、これからご紹介する「タイプ」は西洋医学の診断名ではありません。

「私は絶対このタイプ」

と決めるためではなく、

自分の便秘には、ほかにどんな身体の変化が重なっているのかを知るためのヒント

として読んでみてください。

目次

まず「便秘=毎日出ない」だけではありません

便秘を見るときには、回数だけではなく、

便の硬さ。
いきみ。
残便感。
お腹の張り。
排便のしにくさ。

なども大切です。

たとえば、

2日に1回でも自然に排便できて、すっきりしている方。

毎日出ているけれど、硬くて強くいきまないと出ない方。

では、状態が違います。

まず、

「何日に一回?」

だけではなく、

「どんな便が、どんなふうに出ている?」

を振り返ってみてください。

タイプ1|便が硬く乾燥しやすい「潤い不足タイプ」

こんな特徴はありませんか。

  • コロコロした硬い便
  • 排便時に痛みを感じる
  • 喉や口が乾きやすい
  • 肌が乾燥する
  • 秋になると便が硬くなる
  • 生理後に便秘しやすい

東洋医学では、身体を潤すものが不足した状態として考えることがあります。

「血虚」や「陰虚」、あるいは腸の乾燥として状態を見ることもあります。

ただし、

硬い便=必ず血虚、

というわけではありません。

まず確認したいのは、

水分が不足していないか

です。

このタイプで見直したいこと

一度に大量の水を飲むより、日中に少しずつ。

常温や温かい飲み物でも構いません。

食事では、

汁物。
果物。
野菜。
海藻。
穀類。

など、普段の食事から無理なく取り入れます。

食物繊維だけを急に増やすと、お腹が張る方もいます。

「野菜を倍にする」

ではなく、

味噌汁にきのこを加える。

果物を少し食べる。

くらいから始めましょう。

タイプ2|お腹が張って出にくい「気滞タイプ」

便秘と一緒に、

  • お腹が張る。
  • ガスが多い。
  • ため息が増える。
  • 緊張すると便が出ない。
  • 旅行へ行くと便秘になる。
  • 生理前になると便通が乱れる。

という方もいます。

東洋医学では、このような状態を「気滞」として考えることがあります。

特に、

ストレス。

生活環境の変化。

緊張。

などが重なると便通が変わりやすい方です。

「肝鬱気滞」という見方をすることもあります。

このタイプで見直したいこと

「便を出さなければ」

とトイレで長時間頑張るより、

少し歩く。
身体を伸ばす。
深く息を吐く。

など、身体の緊張を減らす時間をつくってみましょう。

仕事中ずっと座っている方は、

休憩時に少し歩くだけでも構いません。

また、

朝に便意があるのに時間がなくて我慢する。

という習慣がある方は、朝の時間にも少し余裕をつくれるとよいでしょう。

大切なのは、

強くいきんで無理に出そうとすることではありません。

タイプ3|疲れると出にくい「気虚・脾虚タイプ」

便秘というと、

「硬い便」

をイメージしますが、

便そのものはそれほど硬くないのに出しにくい方もいます。

たとえば、

  • 便意が弱い。
  • 排便に時間がかかる。
  • 排便するとぐったりする。
  • 疲れると便秘になる。
  • 食欲がない。
  • 食後眠くなる。
  • 胃もたれしやすい。

という方です。

東洋医学では、

身体を動かす力が不足している「気虚」や、

胃腸の働きと関係する「脾虚」

として見ることがあります。

このタイプで見直したいこと

このタイプの方が、

「便秘だからたくさん野菜を食べなければ」

と大量の生野菜を食べると、胃腸がさらに疲れる場合があります。

温かい汁物。
やわらかく煮た野菜。
ごはん。
卵。
魚。
豆腐。

など、普段から食べ慣れていて、胃腸が負担に感じにくい食事を大切にしてください。

また、

疲れているのに運動を増やす。

毎朝早起きを始める。

など、セルフケアを増やしすぎないことも大切です。

便通を整える前に、疲れを減らしたほうがよい日もあります。

タイプ4|冷えると出にくい「冷えタイプ」

冬になると便秘になる。

お腹が冷える感じがする。

足腰が冷たい。

温かいものを飲むと楽。

冷たい飲み物を飲むとお腹が動きにくい。

という方もいます。

東洋医学では、身体を温める力が弱い状態として、

「陽虚」や「寒」の傾向から見ることがあります。

ただし、

冷えを感じる=とにかく温めればよい

というわけではありません。

このタイプで見直したいこと

身体が冷えてつらい日は、

温かい汁物。
常温または温かい飲み物。
腹部や腰を冷やしにくい服装。

などを取り入れてみてください。

ただ、

カイロを何枚も貼る。

熱いお風呂に長時間入る。

必要はありません。

特に、

足は冷たいけれど顔はほてる。

温めると汗が出る。

という方では、温めすぎないことも大切です。

身体が心地よいかどうか

を目安にしてください。

水分や果物、ウォーキング、温かい食事、保温など便秘の状態に合わせた4つのセルフケア
便秘の整え方は一つではありません。便の状態や疲れ、冷え、お腹の張りを見ながら、今の身体に合う方法を選びましょう。

4つのタイプは重なることがあります

ここまで、

  • 潤い不足。
  • 気滞。
  • 気虚・脾虚。
  • 冷え。

と分けました。

でも実際には、

「便は硬いけれど、お腹も張る」

「胃腸が弱く、さらに冷えもある」

というように、複数の特徴が重なっていることがあります。

さらに、

仕事が忙しい週。

生理前。

睡眠不足。

季節の変わり目。

などによって、便通も変化します。

東洋医学では、

一度決めた体質がずっと固定されているとは考えません。

今の身体がどんな状態なのか

を見るための考え方として使います。

「タイプが分かったから、この食材」と決めすぎない

東洋医学の食養生を調べると、

血虚にはこの食材。
気滞にはこれ。
冷えにはこれ。

という情報がたくさん出てきます。

それを参考にすること自体は構いません。

でも、

「今日は必ずこれを食べなければ」

と食事が新しい義務にならないようにしてください。

便秘のセルフケアでまず大切なのは、

水分。
食物繊維を含む食事。
身体活動。
便意を我慢しすぎないこと。
生活リズム。

など、基本的なところです。

そのうえで、

胃腸が弱いなら食べ方を変える。

冷えが気になるなら温度を調整する。

というように、

自分の身体に合わせて微調整する

と考えてみてください。

便秘薬を「できるだけ我慢する」必要はありません

「薬に頼ったら腸が弱くなるのでは?」

と心配して、つらい便秘を我慢している方もいます。

でも、便秘の状態によっては薬が必要なこともあります。

反対に、

市販の便秘薬を毎日のように自己判断で使い続けることにも注意が必要です。

特に妊活中や妊娠の可能性がある時期は、

現在の治療状況も伝えたうえで、医師や薬剤師へ相談してください。

また、

鉄などのサプリメントや一部の薬を始めたあとから便通が変わる場合もあります。

自己判断で処方薬を中止せず、

「この薬を始めてから便秘が強くなりました」

と伝えましょう。

妊活中だから便秘を必要以上に怖がらなくて大丈夫

便秘になると、

「腸に便がたまっていたら子宮に悪い?」

「妊娠しにくくなる?」

と不安になる方もいます。

でも、

便秘があるというだけで妊娠できないと考える必要はありません。

妊活中の便秘で大切なのは、

妊娠との因果関係を探し続けることではなく、

今ある不快感を放置しないことです。

お腹が張って苦しい。

排便時につらい。

数日出なくて生活に支障がある。

のであれば、

身体を楽にするために整えていきましょう。

セルフケアを続けても改善しない便秘は相談を

便秘には、

生活習慣だけでなく、

薬。
ホルモン。
甲状腺など身体の病気。
腸そのものの問題。
骨盤底の働き。

などが関係する場合もあります。

そのため、

食事。
水分。
運動。

を頑張っているのに改善しない場合は、

「自分の努力が足りない」

とは考えないでください。

医療機関で相談することも大切です。

特に、

  • 血便。
  • 黒い便。
  • 強い腹痛。
  • 嘔吐。
  • 発熱。
  • 原因の分からない体重減少。
  • 便もガスも出ず、お腹が強く張る。

などがある場合は、セルフケアだけで様子を見ないようにしてください。

東洋医学では「便」だけで身体を判断しません

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

便秘があります。

とご相談いただいた場合にも、

排便回数だけを確認するわけではありません。

  • 便の硬さ。
  • お腹の張り。
  • 食欲。
  • 胃もたれ。
  • 睡眠。
  • 冷えやほてり。
  • 疲れ。
  • 生理周期。

なども一緒に確認します。

同じ便秘でも、身体の背景が違えば、生活で見直すポイントも変わります。

便秘・胃腸・冷え・生理などを含めて身体全体を見直したい方へ、当院の体質改善についてご案内しています。

今夜からは「自分の便秘を観察する」ところから

今日ご紹介した4タイプを見て、

「私はどれ?」

と決めなくても構いません。

まず、

便は硬い?
お腹は張る?
疲れた日に悪化する?
冷えると変わる?
水分は取れている?

と、自分の身体を少し観察してみてください。

そして今日変えるなら、

水分を一杯増やす。
少し歩く。
温かい汁物にする。
今日は早めに休む。

その中から一つで十分です。

便秘を無理に押し出すのではなく、自然に出しやすい身体と生活を整えていく。

そんな感覚で続けてみてくださいね。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

施術歴17年以上。妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、胃腸・睡眠・冷え・生理周期なども確認しながら身体づくりをサポートしています。

便秘だけでなく、胃腸や身体全体を整理してみたい方へ

便秘。

胃もたれ。

冷え。

疲れ。

生理前の不調。

いくつかの症状が重なっていると、

「どこから整えればいい?」

と分からなくなることがあります。

当院では、便通だけでなく食事・睡眠・生理周期・現在の治療状況なども確認しながら、今のお身体を一緒に整理しています。

自分の体質に合った整え方を知りたい方はご相談ください。


参考・出典

日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン2023 慢性便秘症」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」

米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)「Constipation」

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