妊活中の乾燥と便秘を軽くみないで

妊活や婦人科ケアに役立つ食養生とセルフケアを伝えるブログ画像

秋になって、

「便が前より硬くなった」

「2〜3日出ないことが増えた」

「お腹が張って苦しい」

ということはありませんか。

夏のように汗をかかなくなると、水分をとる回数が自然と減ってしまう方もいます。

さらに、

仕事が忙しい。

トイレを我慢する。

食事時間が乱れる。

妊活の通院が増える。

運動する時間が減る。

などが重なると、便通も変化することがあります。

妊活中だと、

「便秘があると妊娠に影響する?」

と心配になるかもしれません。

でも、

便秘があることだけで、妊娠できる・できないが決まるわけではありません。

まずは必要以上に怖がらず、

「最近の身体に何か変化がなかったかな」

と振り返るところから始めてみましょう。

目次

毎日出ない=便秘とは限りません

便秘というと、

「毎日排便がない状態」

と思われることがあります。

でも、便通には個人差があります。

毎日ではなくても、

無理なく排便できる。

便が硬すぎない。

強くいきまなくても出る。

排便後にすっきりする。

のであれば、大きな問題を感じていない方もいます。

反対に毎日排便があっても、

便が硬い。

強くいきまないと出ない。

残便感がある。

時間がかかる。

という場合には、便秘症状として考えることがあります。

つまり、

回数だけでなく「どう出ているか」も大切です。

秋になると水分をとる量が減っていませんか

暑い夏は、

喉が渇く。

汗をかく。

という理由から、意識しなくても飲み物を手に取ります。

ところが秋になり涼しくなると、

「今日はあまり喉が渇かなかった」

という日が増えてきます。

さらに妊活中の方では、

「冷たいものは控えよう」

と考え、水分そのものが少なくなってしまうこともあります。

冷たい飲み物が身体に合わなければ、無理に飲む必要はありません。

常温の水。

温かいお茶。

汁物。

などでも構いません。

大切なのは、

冷たい・温かいより、水分そのものが不足していないか

を確認することです。

朝から夕方までほとんど飲んでいない人は要注意

忙しい日は、

朝にコーヒー。

昼食時にお茶。

夕方までほとんど飲まない。

ということもあります。

一度に大量に飲む必要はありません。

仕事の合間。

通院の移動中。

食事のとき。

などに少しずつ水分をとるほうが続けやすいと思います。

尿の色が濃い状態が続く。

口が乾く。

頭痛を感じる。

などがあれば、水分不足も考えてみましょう。

ただし、心臓や腎臓などの病気で水分制限を受けている方は、医師の指示を優先してください。

食物繊維は「とにかく増やす」ではありません

便秘というと、

「野菜をもっと食べよう」

と思いますよね。

食物繊維は、便通を整えるうえで大切な栄養素です。

ただし、

今まであまり食物繊維をとっていなかった人が急に大量に増やすと、

お腹が張る。

ガスが増える。

苦しくなる。

ということもあります。

大切なのは、

一度に増やすのではなく、普段の食事へ少しずつ足していくこと。

たとえば、

味噌汁にきのこを入れる。

ごはんに雑穀を少し加える。

副菜に根菜を使う。

果物を一品加える。

などです。

身体の反応を見ながら増やしてみてください。

「生野菜をたくさん」が合わない人もいます

野菜を食べようとして、

大きなサラダを毎日食べている方もいます。

もちろん、それで調子がよければ問題ありません。

でも、

生野菜をたくさん食べるとお腹が張る。

胃が重くなる。

身体が冷える感じがする。

という方もいます。

そんなときは、

スープ。

味噌汁。

煮物。

蒸し野菜。

など、加熱した形に変えてみても構いません。

食物繊維は「生で食べなければいけない」ものではありません。

続けやすく、胃腸が受け止めやすい食べ方を探してください。

秋の食材も上手に利用する

秋には、

さつまいも。

里芋。

きのこ。

れんこん。

ごぼう。

梨。

柿。

など、食物繊維を含む食材が増えてきます。

「便秘にいい食材だから大量に食べる」

必要はありません。

たとえば、

朝の味噌汁にきのこ。

夕食に根菜の煮物。

間食に果物。

くらいで十分です。

妊活中の食事も同じで、

一つの食材に妊娠の結果を期待するのではなく、いろいろな食品を日々の食事に取り入れること

を大切にしてください。

朝食のあとにトイレへ行く習慣も役立ちます

食事をすると、胃腸が動きやすくなります。

特に朝食後は、

「なんとなく便意がある」

という方も多いと思います。

でも、

朝は忙しい。

電車に乗らないといけない。

子どもの準備がある。

という理由から、便意を我慢してしまうことがあります。

毎朝長時間トイレへ座る必要はありません。

ただ、

便意を感じたときには、できるだけ我慢しすぎないこと。

これも便通を整えるためには大切です。

スマートフォンを持ち込んで長時間座り続けるより、

便意があるときに自然に排便する習慣を意識してみましょう。

少し身体を動かすことも腸への刺激になります

デスクワーク。

車移動。

通院。

などが続くと、座っている時間が長くなります。

だからといって、

便秘解消のために激しい運動を始める必要はありません。

買い物へ歩く。

昼休みに少し歩く。

階段を使う。

家事で身体を動かす。

程度でも構いません。

妊活中も、医師から運動制限を受けていなければ、普段の身体活動まで必要以上に控える必要はありません。

身体を動かす時間が極端に減っていないか

を一度振り返ってみてください。

妊活中は薬やサプリメントも確認してみる

妊活中には、

病院から処方されている薬。

鉄などを含むサプリメント。

そのほか複数の栄養補助食品。

を使っている方もいます。

薬やサプリメントの種類によっては、便通に影響する場合があります。

もし、

「新しい薬を始めてから便秘になった気がする」

という場合は、自己判断で薬を中止せず、

いつから便通が変わったのかを主治医や薬剤師へ伝えてください。

反対に、

便秘がつらいからと市販の便秘薬や漢方薬を自己判断で追加することにも注意が必要です。

妊活・不妊治療中であることを伝えたうえで、医師や薬剤師へ相談しましょう。

「お腹が張る=便秘」とは限りません

妊活中は、採卵周期などにお腹の張りを感じることがあります。

また、

排卵誘発治療。

月経前。

胃腸のガス。

便秘。

など、いくつもの理由で腹部膨満感が出ることがあります。

そのため、

「便秘だからお腹が張っている」

と自己判断しないことも大切です。

特に採卵周期に、

急にお腹が大きく張る。

強い腹痛。

息苦しさ。

急激な体重増加。

尿量が減る。

といった症状がある場合には、便秘だと思って様子を見ず、治療施設へ連絡してください。

東洋医学では秋の乾燥を「燥」として考えます

東洋医学では、秋の乾燥を

「燥(そう)」

という季節の特徴として捉えます。

また、「肺」と「大腸」は関連が深いものとして考えます。

これは西洋医学で、

肺の病気が便秘を起こす、

という意味ではありません。

東洋医学独自の身体の見方です。

秋になって、

肌が乾燥する。

喉が乾く。

便が硬くなる。

といった変化が重なったときには、

身体全体の「潤い」が不足していないかという視点からも見ていきます。

同じ便秘でも東洋医学ではタイプが違います

同じ「便秘」でも、

便が硬く乾燥している方。

お腹は張るけれど便が出にくい方。

疲れると便秘になる方。

生理前だけ便通が変化する方。

では、状態が違います。

たとえば東洋医学では、

血虚傾向
身体を養う「血」が不足し、乾燥しやすい状態として考えることがあります。

脾虚傾向
胃腸の働きが弱り、疲れやお腹の張りと一緒に便通が乱れることがあります。

肝鬱気滞傾向
ストレスや緊張が強い時期に、お腹が張ったり便通が不安定になったりすることがあります。

もちろん、

「硬い便だから必ず血虚」

というわけではありません。

ほかの症状と合わせて見ていきます。

この続きとなる10月15日夜の記事
「便秘しやすい人の東洋医学タイプ別セルフケア」
では、それぞれのタイプについてもう少し具体的に整理します。

便秘を我慢し続けないでください

「昔から便秘だから」

と、何年もそのままにしている方もいます。

でも、

排便のたびに強くいきむ。

お腹がいつも張っている。

便が硬く痛い。

便秘と下痢を繰り返す。

という状態が続いているなら、一度医療機関へ相談してみてもよいと思います。

特に、

  • 血便や黒っぽい便がある
  • 強い腹痛がある
  • 嘔吐を伴う
  • 発熱がある
  • 原因不明の体重減少がある
  • 今までなかった便秘が急に続く
  • 便もガスも出ず、お腹の張りが強い

といった場合は、セルフケアだけで様子を見ないようにしてください。

鍼灸では便秘だけを切り離して考えません

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

「便秘があります」

という場合にも、便通だけを確認するわけではありません。

便の硬さ。

お腹の張り。

食欲。

胃もたれ。

睡眠。

冷えやほてり。

生理周期。

疲れ方。

なども一緒に確認します。

便秘だけでなく、胃腸・冷え・生理・睡眠など、女性の身体を全体から見直したい方へ、当院の体質改善についてご案内しています。

今日から全部変えなくても大丈夫です

便秘が気になると、

水をたくさん飲む。

野菜を増やす。

運動する。

ヨーグルトを食べる。

と、一度に全部始めたくなります。

でも、胃腸は急な変化が負担になることもあります。

今日は、

水分を一杯増やす。

味噌汁にきのこを入れる。

昼休みに5分歩く。

便意を我慢しない。

この中から一つで十分です。

大切なのは、

「便を出さなければ」と身体を追い込むことではなく、自然に排便しやすい生活をつくっていくこと。

秋の乾燥を感じる時期だからこそ、身体の外側だけではなく、食事や水分、胃腸の状態にも少し目を向けてみてくださいね。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、胃腸・冷え・睡眠・生活習慣なども確認しながら身体づくりをサポートしています。

便秘だけでなく、身体全体を一度見直したい方へ

便秘。

冷え。

胃もたれ。

生理前の不調。

眠りの浅さ。

一つひとつは別の症状に見えても、いくつか重なっている方もいます。

当院では、その日の便通だけでなく、生理周期や治療状況、食事・睡眠なども確認しながら身体全体を整理しています。

「便秘だけの相談でもいいのかな」と迷っている方もご相談ください。


参考・出典

日本消化器病学会「慢性便秘症診療ガイドライン2023」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

国立成育医療研究センター「プレコンセプションケアセンター」

National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases(NIDDK)「Constipation」

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