生理前に落ち込みやすい夜のセルフケア

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昼間はなんとか普通に過ごせていたのに、

夜になると急に気持ちが沈む。

ちょっとしたことで涙が出る。

過去のことまで思い出して、自分を責めてしまう。

そんな夜はありませんか。

特に生理前になると毎月同じような変化が起こり、生理が始まると少し落ち着く方もいます。

10月6日朝の記事「生理前の落ち込みと東洋医学の見立て」では、PMS(月経前症候群)と東洋医学で考える肝鬱気滞・血虚・脾虚などの体質についてお伝えしました。

今回はその続きです。

生理前に気持ちが沈む夜を、

「なんとか元気にならなければ」と頑張る夜ではなく、刺激を少し減らして身体と気持ちを休ませる夜

として考えてみましょう。

目次

生理前の夜は、いつもより感情が大きく感じられることがあります

PMSでは、

  • イライラ。
  • 気分の落ち込み。
  • 不安。
  • 集中しにくさ。
  • 眠気。
  • 疲労感。

など、心と身体の両方に変化が現れることがあります。

そして夜は、

仕事や家事が終わる。

一人になる。

スマートフォンを見る時間が増える。

という条件も重なります。

昼間は気にならなかったことが、夜になると急に大きな問題のように感じられることもあります。

そんなとき、

「今考えていることが全部間違っている」

と思う必要はありません。

ただ、

「今日は生理前で、いつもより気持ちが揺れやすい日かもしれない」

と、一度距離を置いてみてください。

今夜は大きな答えを出さなくていい

生理前に気持ちが落ち込む夜ほど、

仕事を辞めたい。
夫婦関係について結論を出したい。
治療をやめたほうがいい。
病院を変えたほうがいい。
自分は何をやってもうまくいかない。

と、大きなことまで考えたくなる場合があります。

もちろん、本当に考える必要のある問題もあります。

でも、今夜すぐ答えを出さなければならないとは限りません。

できるなら、

大きな決断は、気持ちが少し落ち着いてからもう一度考える。

それだけでも構いません。

ノートやスマートフォンへ、

「生理が始まって落ち着いたら、もう一度考える」

と残しておく方法もあります。

「元気になろう」としすぎなくて大丈夫

落ち込んでいると、

気分転換しなくちゃ。
運動しなくちゃ。
前向きに考えなくちゃ。

と思うかもしれません。

でも、疲れている夜に、

無理にポジティブになる必要はありません。

今日は静かに過ごしたい。
誰とも話したくない。
早く布団へ入りたい。

そんな日もあります。

セルフケアは、

気分を必ず良くするためのものではありません。

今以上に疲れないようにする。

それくらいの目的で十分です。

まず、夜に入ってくる刺激を一つ減らす

気持ちが揺れている夜に、

SNS。
ニュース。
仕事のメール。
妊活の検索。
人の体験談。

を次々見ていると、頭の中にさらに情報が増えていきます。

特に妊活中は、

妊娠報告。
治療結果。
採卵数。
胚のグレード。

といった投稿を見て、いつも以上に落ち込むこともあります。

今夜だけ、

SNSを閉じる。
通知を切る。
妊活検索をやめる。
ニュースを見ない。

この中から一つ選んでみてください。

情報を減らすことも、夜のセルフケアです。

夜の照明を少しだけ落としてみる

夜になっても、

明るい照明。
スマートフォン。
パソコン。
テレビ。

が続いていると、身体は活動する時間から切り替わりにくくなります。

全部消す必要はありません。

寝る前だけ、

照明を少し暗くする。
スマートフォンの画面を見る時間を短くする。
仕事をする部屋から離れる。

など、少し環境を変えてみましょう。

「眠らなければ」

と頑張るのではなく、

身体に「そろそろ一日を終える時間」と伝える準備

くらいに考えてください。

身体が冷えてつらい日は、やさしく温める

生理前には、

手足が冷える。
お腹が重い。
腰がだるい。

と感じる方もいます。

そんな日は、

湯船。
足湯。
膝掛け。
靴下。

など、自分が心地よい方法で身体を温めてもよいでしょう。

ただし、

熱いお風呂で大量に汗をかく。

長時間無理に温める。

必要はありません。

特に、顔のほてりや発汗がある方は、温めすぎにも注意してください。

大切なのは、

「温めること」ではなく「身体が少し楽になること」

です。

生理前の気分が落ち込みやすい夜に、足湯で足元を心地よく温めて休む様子
セルフケアは症状を無理に消すためではなく、今夜を少し穏やかに過ごすために取り入れてみましょう。

足湯は「PMSを治すため」ではなく休むきっかけとして

足湯をすると、

「PMSに効くの?」

と思う方もいるかもしれません。

足湯だけでPMSそのものを治療できるわけではありません。

ただ、

スマートフォンから離れる。

座って身体を休める。

足元を心地よく温める。

という時間をつくるきっかけにはなります。

5分でも10分でも、

「気持ちいい」と感じる範囲で構いません。

面倒な日は、もちろんしなくても大丈夫です。

セルフケアが新しい義務にならないことも大切です。

生理前の夜は「お腹がすく自分」を責めない

PMSの時期には、

甘いものが食べたい。

食欲が増える。

夜になるとお腹がすく。

という方もいます。

「また食べてしまった」

と自分を責める必要はありません。

ただし、

夜に大量に食べて胃が苦しくなる。

眠りにくくなる。

という場合は、量を少し調整してみましょう。

たとえば、

温かいスープ。

少量のおにぎり。

ヨーグルト。

果物。

など、自分が無理なく食べられるものを選びます。

妊活中だからと、

「これは食べてはいけない」

を増やしすぎないようにしてください。

カフェインやお酒が気になる人は夜だけ少し見直す

コーヒー。

紅茶。

エナジードリンク。

など、カフェインを含む飲み物を夜まで飲んでいる方もいます。

カフェインの影響には個人差がありますが、

「夜なかなか眠れない」

という方は、午後から夜の摂取量を少し見直してみてもよいでしょう。

また、お酒を飲むと眠りやすいように感じても、その後の睡眠が浅くなる方もいます。

毎日の楽しみまで全部やめる必要はありません。

自分の睡眠に影響していないか

という視点で確認してみてください。

頭の中がいっぱいなら「3行だけ」書いて終わる

考えごとが止まらない夜には、

全部を整理しようとすると、さらに頭を使ってしまいます。

そんな日は、ノートに3行だけ書いてみましょう。

たとえば、

今日つらかったこと

「仕事で嫌なことがあった」

今の身体

「生理前でだるい」

明日考えること

「今日は決めない」

これだけです。

解決策を書く必要はありません。

自分の頭の中から紙へ移して、

「今日はここまで」

と区切りをつけます。

生理前の自分に予定を詰め込みすぎない

月経周期を記録していると、

「そろそろ気持ちが落ち込みやすい時期」

が分かってくることがあります。

その時期には、

仕事後の予定を一つ減らす。

人と会う予定を詰め込みすぎない。

夜に難しい作業を入れない。

早めに帰れる日をつくる。

といった工夫もできます。

これは、

PMSだから何もできない。

という意味ではありません。

調子が落ちやすい時期に、あらかじめ少し余白をつくる

という考え方です。

東洋医学では「緩める」ことを大切にする場合があります

生理前の落ち込みと一緒に、

イライラ。
胸やみぞおちの張り。
ため息。
肩や首の緊張。

がある方では、東洋医学で「肝鬱気滞」の状態としてみることがあります。

また、

疲れ。
不安。
眠りの浅さ。

などが強い場合には、血虚や脾虚など別の体質も含めて考えます。

このようなとき、

「もっと頑張って整える」

より、

身体の緊張をゆるめる。
睡眠時間を確保する。
食事を無理なくとる。

といった養生を大切にすることがあります。

東洋医学でも、

毎日同じセルフケアをするのではなく、その日の身体に合わせる

という考え方をします。

セルフケアだけで我慢しなくていい症状があります

生理前だから。

PMSだから。

と、何でも我慢する必要はありません。

毎月、

仕事や学校へ行けなくなる。
人間関係に大きな影響が出る。
強い抑うつ感や不安が出る。
激しいイライラを抑えられない。
生理が始まっても症状が続く。

という場合には、婦人科などへ相談してください。

特に、

「消えてしまいたい」
「自分を傷つけたい」

という気持ちがある場合は、セルフケアで様子を見ず、速やかに医療機関や身近な支援につながってください。

PMSやPMDD(月経前不快気分障害)には治療の選択肢があります。

つらさを我慢し続けることが治療ではありません。

鍼灸では、生理前の落ち込みだけを切り離して見ません

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

「生理前になると落ち込みます」

という場合にも、気分の変化だけを確認するわけではありません。

  • 生理痛。
  • 頭痛。
  • むくみ。
  • 胸の張り。
  • 便通。
  • 食欲。
  • 睡眠。
  • 冷えやほてり。
  • 疲れ。

なども一緒に確認します。

毎月繰り返す生理前の不調や、生理痛・周期の変化について詳しく知りたい方へ、当院で対応している婦人科のお悩みをご案内しています。

今夜は「少し楽にする」だけで十分です

生理前の夜に、

気持ちを完全に整える。

不安をなくす。

前向きになる。

そこまで目指さなくて大丈夫です。

今夜は、

SNSを閉じる。

照明を少し落とす。

身体を心地よく温める。

3行だけ書く。

早めに布団へ入る。

その中から一つだけ。

昨日より少し楽に過ごせたら、それで十分です。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、生理周期・睡眠・胃腸・冷えなども確認しながら身体づくりをサポートしています。

毎月繰り返す生理前のつらさを、一緒に整理してみませんか

「生理前だから仕方ない」

と思いながら、毎月同じつらさを我慢している方もいます。

当院では、必要な医療機関への受診を大切にしながら、生理周期に伴う心身の変化を東洋医学の視点から一緒に整理しています。

落ち込みだけでなく、冷え・睡眠・胃腸・頭痛など、いくつかの不調が重なっている方もご相談ください。


参考・出典

日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会「月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針」(2025)

日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」

日本産婦人科医会「月経前症候群(PMS)」

American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Management of Premenstrual Disorders: Clinical Practice Guideline」(2023)

American Psychiatric Association「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition, Text Revision(DSM-5-TR)」

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

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