妊活中の情報を入れすぎて苦しくなるとき

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

妊活を始めると、知りたいことが一気に増えます。

排卵。

AMH。

精子。

採卵。

胚のグレード。

子宮内膜。

着床。

サプリメント。

食事。

鍼灸。

少しでも良い結果につなげたいから、調べますよね。

ところが、

調べれば調べるほど安心するはずだったのに、

「さっき見た記事と書いてあることが違う」

「この人はこれで妊娠したらしい」

「私はこれをやっていない」

と、むしろ不安が増えてしまうことがあります。

そんなときは、

もっと情報を探すより、一度情報を減らしたほうが整理しやすいことがあります。

情報を知らないようにする必要はありません。

大切なのは、自分に必要な情報と、今は必要のない情報を分けることです。

目次

妊活では、なぜ情報を集めすぎてしまうのでしょうか

妊活には、

「これをすれば必ず妊娠できる」

という一つの答えがありません。

同じ年齢でも、

検査結果。

治療歴。

卵巣の状態。

精子の状態。

病院の方針。

生活環境。

が違います。

だからこそ、

「もっと自分に合う方法があるのでは?」

と探したくなります。

さらに、治療では結果を待つ時間があります。

採卵結果を待つ。

受精結果を待つ。

胚盤胞になるのを待つ。

妊娠判定を待つ。

自分では何もできない時間ほど、

検索することで何かをしている感覚

を得やすくなります。

検索そのものが悪いわけではありません。

でも、その検索が安心ではなく苦しさを増やし始めたら、一度使い方を見直してみましょう。

「知るための検索」と「不安を消すための検索」は少し違います

たとえば、

「人工授精(AIH)の当日は何に気をつければいい?」

と調べるのは、具体的な疑問を解決する検索です。

必要な情報が見つかれば終わります。

一方、

「この症状は着床?」

「この胚なら妊娠できる?」

「このサプリを飲まなかったからダメ?」

と答えを探し続けても、確実な答えが出ないことがあります。

すると、

一つの記事を読む。

さらに別の記事を見る。

SNSを見る。

体験談を見る。

また検索する。

という流れが続きます。

検索を終えたあと、

最初より不安になっているなら、それは情報不足ではなく情報疲れかもしれません。

こんな状態になっていたら、情報を少し減らしてみましょう

たとえば、

  • 検索しても安心できない
  • 同じことを何度も調べている
  • 情報によって言っていることが違い混乱する
  • SNSを見るたび焦る
  • 夜まで妊活情報を読んでしまう
  • 主治医の説明よりネットの情報が気になる
  • 新しいサプリや検査を次々試したくなる
  • 「まだ知らないことがある」と不安になる

といった状態です。

全部に当てはまる必要はありません。

一つでも、

「最近これが増えたな」

と思ったら、少し情報から距離を取るタイミングかもしれません。

まず情報を3つに分けてみましょう

妊活中の情報は、全部を同じ重さで受け取らなくて大丈夫です。

1.今の自分に直接必要な情報

現在使っている薬。

次の採卵や移植の日程。

主治医から説明された治療方針。

検査結果。

これは優先度が高い情報です。

分からないことがあれば、まず治療施設へ確認します。

2.治療を理解するための情報

病気や検査の基礎知識。

治療方法の違い。

生活上の注意。

こうした情報は、自分の治療を理解するために役立ちます。

ただし、読んだ情報をそのまま自分へ当てはめるのではなく、

「私はどうなの?」

という部分は主治医に確認します。

3.誰かの体験談

「○○をしたら妊娠した」

「△△クリニックに変えたら成功した」

という体験談です。

体験談は、

「同じことで悩んでいる人がいる」

と気持ちが楽になることもあります。

でも、治療の正解を決める情報には向いていません。

体験談は体験談として読む。

それだけでも、情報との距離が少し変わります。

「みんながやっている」が一番焦りやすい情報です

SNSでは、

このサプリを飲んでいる。

この検査を受けた。

この温活をしている。

この食事を続けている。

という投稿をたくさん目にします。

すると、

「私もやったほうがいい?」

と思いますよね。

でも、

誰かに必要だったことが、自分にも必要とは限りません。

たとえば検査でも、

治療歴。

年齢。

症状。

これまでの検査結果。

によって必要性は変わります。

だから新しい情報を見つけたときは、

「これをやるべき?」ではなく、「私にも必要か主治医に聞くべき?」

と一度置き換えてみてください。

判断を全部自分で背負わなくてよくなります。

数字を見るほど不安になるときもあります

妊活では数字がたくさん出てきます。

AMH、卵胞数、採卵数、受精率、胚盤胞到達率、妊娠率、出生率

数字は治療を理解するために大切です。

一方で、

「この数字なら妊娠できる?」

「平均より低いからダメ?」

と、一つの数字だけで未来を決めたくなることがあります。

統計は、多くの人をまとめたデータです。

自分一人の未来を確定する数字ではありません。

必要な数字は主治医と一緒に確認し、それ以上の比較をしすぎないことも大切です。

検索時間に「終わり」をつくってみる

検索を完全にやめる必要はありません。

それよりも、

「検索し続けない仕組み」

をつくるほうが現実的です。

たとえば、

20分だけ調べる。

一つ疑問が解決したら終わる。

寝る前は検索しない。

気になることはその場で検索せずノートへ書く。

などです。

あとで主治医に聞けばよいことまで、その夜に答えを出さなくても構いません。

特に夜は、不安が大きく感じられることがあります。

明日確認できることは、今夜決めなくても大丈夫です。

「検索メモ」を一つ作ると頭の中が少し静かになります

スマートフォンで気になることを見つけるたび検索すると、情報が次々につながってしまいます。

そんなときは、

「検索する前に書く」

方法もおすすめです。

ノートやスマートフォンのメモに、

  • 次の診察で聞きたいこと
  • 今気になっている症状
  • よく分からない検査
  • 薬について確認したいこと

だけを書いておきます。

その中で、

今すぐ必要なことだけ調べる。

病院で聞けることは病院で聞く。

そう分けると、すべての疑問をその場で解決しなくてもよくなります。

東洋医学では「考え続けている身体」も一緒に見ます

東洋医学では、気持ちと身体を完全に別のものとして考えません。

ずっと考え事をしている。

緊張が続いている。

眠る直前まで頭が働いている。

そんな状態が続くと、

眠りが浅い。

胃が重い。

食欲が落ちる。

肩や首がこる。

ため息が増える。

という身体の変化が一緒に出ることがあります。

東洋医学では、その状態を、

肝鬱気滞。

脾虚。

などの見方で整理することがあります。

ただし、これは西洋医学の病名ではありません。

大切なのは、

情報疲れを「気持ちだけの問題」にせず、身体の疲れも一緒に確認すること。

です。

鍼灸の時間を「情報を増やす時間」にしない

妊活中に鍼灸へ来られる方からも、

「この検査を受けたほうがいいですか?」

「このサプリはどうですか?」

「SNSではこう書いてあったんですが」

とご相談いただくことがあります。

当院では、病院で判断するべきことは病院へ確認していただきます。

そのうえで、

今何が分からないのか。

何を主治医に聞けばよいのか。

生活の中で何が一番負担になっているのか。

を一緒に整理します。

妊活中の不安や身体の悩みについて、当院でどのような内容をご相談いただいているかをご紹介しています。

情報を減らすことは、妊活を諦めることではありません

検索をやめると、

「大切な情報を見逃すのでは?」

と不安になるかもしれません。

でも、必要な情報まで捨てる必要はありません。

主治医からの説明。

自分の検査結果。

治療スケジュール。

必要な医学情報。

そこは大切にする。

その一方で、

何度も読んでいる体験談。

不安を強くするSNS。

今の自分には関係のない検査情報。

は、一度閉じても構いません。

情報を減らすことは、必要な情報を見つけやすくすることでもあります。

妊活情報の検索を休むため、スマートフォンを伏せてノートを閉じた静かな夜の机
必要な答えは明日確認できます。今夜はこれ以上情報を増やさない時間をつくってみましょう。

今夜はスマートフォンを伏せるだけでもいい

「情報整理をしよう」

と思うと、それ自体がまた宿題になってしまいます。

今日は、

フォローを整理する。

検索履歴を消す。

ノートを作る。

そんなところまでしなくて大丈夫です。

まず、

スマートフォンを伏せる。

妊活ノートを閉じる。

それだけでも構いません。

調べるのをやめても、今日まで知ったことが消えるわけではありません。

答えが必要なことは、また明日確認できます。

今夜だけは、これ以上情報を増やさない。

そんな選択もセルフケアの一つです。

この続きとなる10月14日夜の記事
「検索をやめたい夜の情報整理術」
では、検索を止めたいのに止められない夜に、情報をどう整理すればよいのかを具体的にお伝えします。

情報ではなく、今の身体を一度見直したい方へ

情報を集めすぎてしまうと、

「身体のために何をすればいい?」

という答えまで、インターネットの中に探したくなることがあります。

でも、

眠れているか。

食べられているか。

疲れが強くないか。

冷えやほてりはどうか。

そうした今の身体は、一人ひとり違います。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、病院での治療内容も確認しながら、今のお身体と生活を一緒に整理しています。

「情報ではなく、自分の身体を見てほしい」

と感じたときもご相談ください。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、治療中の不安や生活上のお悩みも確認しながら身体づくりをサポートしています。


参考・出典

European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Routine Psychosocial Care in Infertility and Medically Assisted Reproduction」

European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Psychosocial Care Guideline」

American Society for Reproductive Medicine(ASRM)「Guidance on qualifications for fertility counselors: a committee opinion」

World Health Organization(WHO)「Infertility」

こども家庭庁「不妊治療に関する取組」

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