「今日はもう検索しない」
そう決めたのに、
布団に入ると気になることが浮かんでくる。
この症状は大丈夫?
この検査は受けたほうがいい?
この胚のグレードなら?
このサプリも必要?
一つ調べたら、また別の疑問が出てきて、
気づけば30分。
1時間。
ということもありますよね。
10月10日朝の記事「妊活中の情報を入れすぎて苦しくなるとき」では、情報を集めるほど不安が強くなることがあることや、情報との距離の取り方についてお伝えしました。
今回はその続きです。
今夜は、
検索を無理に禁止するのではなく、頭の中にある情報を整理して「今日はここまで」と区切る方法
を考えてみましょう。
検索をやめられないのは「知識が足りないから」とは限りません
妊活では、分からないことがたくさんあります。
しかも、
次の診察まで聞けない。
結果が出るまで待つしかない。
治療がうまくいくか分からない。
という「答えの出ない時間」があります。
そんなとき、
検索すると何か答えが見つかる気がします。
だから何度も調べたくなるのは、不思議なことではありません。
ただ、
同じことを何度検索しても安心できない。
検索する前より不安になる。
違う情報を見つけてさらに混乱する。
という状態なら、
必要なのは新しい情報ではなく、
「今ある疑問を整理すること」
かもしれません。
まず、気になっていることを全部書き出す
頭の中だけで、
これは大事。
これは後で。
と整理しようとすると、かえって考え続けてしまいます。
まず紙やメモに、
今気になっていることを全部書いてみましょう。
たとえば、
- 内膜の厚さはこれで大丈夫?
- 次回の薬はいつまで?
- この症状は薬の副作用?
- サプリを追加したほうがいい?
- この検査は自分にも必要?
- 次の移植はいつ?
順番は考えなくて構いません。
まず、
頭の中から外へ出す。
それだけです。
書いた疑問を「3つの箱」に分ける
書き出したら、それぞれを3つに分けます。
1.今すぐ確認が必要
たとえば、
薬をどう使えばよいか分からない。
強い症状が出ている。
治療日程に関係する。
今日の判断が必要。
という内容です。
これは検索だけで解決せず、
治療施設や医師・薬剤師へ確認する内容
として分けます。
2.次の診察で聞けばよい
たとえば、
検査結果の詳しい意味。
次の治療方針。
追加検査が必要か。
今後のスケジュール。
などです。
今夜答えを出す必要がありません。
「次回診察で聞く」
と書いた時点で、今日の検索対象から外します。
3.今は保留してよい
たとえば、
誰かがSNSで紹介していたサプリ。
自分にはまだ提案されていない検査。
別の病院の治療方法。
将来必要になるかもしれない治療。
などです。
気にはなるけれど、
今の自分の治療に直接必要ではない情報
は、一度保留します。

「保留」は、無視することではありません
妊活中は、
「知らなかったせいで後悔したくない」
という気持ちがあります。
だから「今は調べない」と決めることに不安を感じる方もいます。
でも、保留することは、
情報を捨てることではありません。
必要になったら、そのときに確認できます。
今の治療と関係のない情報まで全部抱えていると、
本当に確認したいことが分かりにくくなります。
必要になったら戻れる場所へ置いておく。
そのくらいに考えてください。
「今夜検索すること」は一つまでにする
3つに分けたあと、
どうしても今日確認したいことが残ったら、
一つだけ調べます。
ここがポイントです。
一つ調べる。
答えを確認する。
そこで終わり。
途中で別の疑問が出たら、
その疑問は検索せず、メモへ追加します。
こうすると、
Aを調べる。
Bが気になる。
Bを調べる。
Cも出てくる。
という検索の連鎖を止めやすくなります。
検索する前に「何を知りたいか」を一文にする
検索を始める前に、
自分が何を知りたいのか、一文にしてみましょう。
たとえば、
「胚移植後に市販の頭痛薬を使ってよいか知りたい」
なら具体的です。
一方、
「胚移植後 大丈夫?」
では、さまざまな情報が出てきます。
情報が広がりすぎるほど、
必要のない情報まで目に入りやすくなります。
検索前に、
「私は何を確認したい?」
と一度書いてみる。
それだけでも検索範囲を小さくできます。
情報源は「誰が書いたか」を先に見る
検索結果を開いたら、
まず内容より、
誰が出している情報なのか
を見てみましょう。
治療に関する医学的な内容なら、
医療機関。
公的機関。
医学会。
専門機関。
などの情報を優先します。
個人の体験談には、
その人だからこそ分かる気持ちや経験があります。
それはとても参考になることがあります。
ただし、
「この人がこうだったから、自分も同じ」
とは限りません。
医学的な判断と体験談は、役割を分けて読みましょう。
同じテーマの記事を10個読まなくていい
検索すると、
一つの記事だけでは不安で、
2つ目。
3つ目。
5つ目。
10個目。
と読みたくなることがあります。
でも、複数の記事を読むほど、
少しずつ表現が違い、
「結局どれが正しい?」
となることがあります。
必要な情報が得られたら、
そこで検索を終えることも情報収集の技術です。
「まだ何かあるかもしれない」
を追い続けると、検索には終わりがなくなります。
SNSの体験談は「答え合わせ」に使わない
診察で、
「この経過で大丈夫ですよ」
と言われた。
でも帰宅後、
SNSを見ると、
「私はもっと内膜が厚かった」
「私はこの薬を使った」
という投稿が出てくる。
すると、
「先生は大丈夫と言ったけれど、本当かな」
と不安になることがあります。
でも、治療条件は一人ひとり違います。
- 年齢。
- 治療歴。
- 薬。
- 検査結果。
- 胚。
- 病院の方針。
それぞれ違います。
自分の治療の答え合わせを、他の人の治療記録でしない。
これは妊活情報と付き合ううえで、とても大切です。
診察で聞くことは「3つまで」にしておく
次回の診察で聞きたいことが10個、20個になることもあります。
もちろん、必要な疑問は聞いて構いません。
ただ、
一番確認したいことは何?
と整理しておくと、診察でも伝えやすくなります。
たとえば、
①今回の結果について
②次の治療について
③生活や薬で気をつけること
というように、大きく3つへ分けてみます。
細かい質問は、その中にまとめます。
診察が終わってから、
「あれを聞けばよかった」
となることも減らしやすくなります。
夜に出てきた疑問は「明日の自分」に渡す
夜10時。
11時。
布団の中。
そんな時間に疑問が出てきたら、
その場で調べず、
「明日確認」
と書きます。
そして今日は終了です。
これは問題を放置しているわけではありません。
確認する時間を明日に移しているだけです。
夜の自分が、すべてを解決する必要はありません。
朝になって見ると、
「これは今調べなくてもいいか」
と思えることもあります。
10分だけの「情報整理タイム」をつくる
検索を減らしたい方には、
夜に10分だけ、
情報整理の時間をつくる方法もあります。
最初の3分
気になることを書く。
次の3分
「今すぐ」「次回診察」「保留」に分ける。
残り4分
明日確認することを一つ決める。
それで終わりです。
時間が来たら、
ノートを閉じる。
スマートフォンを置く。
そして別のことをします。
情報を整理する時間と、休む時間を分ける。
それが目的です。
「検索しなかった日」を成功にしなくてもいい
検索を減らそうとすると、
今日は検索しなかった。
今日はまた検索してしまった。
と、新しい採点が始まることがあります。
そこまで厳しく管理しなくても大丈夫です。
検索した日があっても構いません。
ただ、
検索して疲れたなら、
「今日はここまでにしよう」
と途中で閉じられた。
それでも十分です。
ゼロか100かで考えないこと。
情報との距離も少しずつ整えていきましょう。
妊活中は「分からないまま待つ」こともあります
妊活や不妊治療では、
調べればすぐ答えが出ることばかりではありません。
受精するか。
胚盤胞になるか。
着床するか。
妊娠が継続するか。
待たなければ分からないことがあります。
この「分からない時間」がつらくて、検索したくなることもあります。
でも、検索しても結果そのものを先に知ることはできません。
そんなときは、
情報を増やすことより、
分からない時間をどう過ごすか
を考えることも大切です。
不妊治療では治療過程そのものが心理的な負担になりやすく、患者さんの治療段階に応じた心理社会的な支援や情報提供の重要性も示されています。
情報に疲れて生活へ影響しているときは、一人で抱え込まない
検索のことで、
毎晩ほとんど眠れない。
仕事中も検索してしまう。
不安で食事がとれない。
何をしていても治療のことしか考えられない。
という状態が続く場合には、
単に「検索をやめればいい」という問題ではないかもしれません。
不妊は精神的なストレスや不安など、生活のさまざまな面へ影響することがあります。世界保健機関
治療施設。
心理職。
相談窓口。
などへ相談することも選択肢です。
不安の強さまで、一人で管理しようとしなくて大丈夫です。
鍼灸院でも「情報の整理」をお手伝いすることがあります
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、
治療方針を決めたり、
検査の必要性を判断したり、
医師の代わりに医学的な診断をすることはありません。
ただ、
今何が不安なのか。
次回の診察で何を聞きたいのか。
生活の中で何が一番負担になっているのか。
を一緒に整理することはあります。
妊活中によくいただくお悩みについて、こちらでもご紹介しています。
今夜は「答えを全部見つける」より「疑問を置いて眠る」
妊活の検索には、
終わりがありません。
一つ分かれば、次が気になる。
そんな日もあります。
でも今夜は、
気になることを書いた。
次に聞くことを決めた。
今は調べなくていいことを分けた。
そこまでできれば十分です。
ノートを閉じて。
スマートフォンを置いて。
残った疑問は、明日の自分へ渡してください。
分からないことを残したまま眠っても大丈夫です。
この記事を書いた人
菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、治療中の不安や生活上のお悩みも伺いながら身体づくりをサポートしています。
情報に疲れて、身体までつらくなっている方へ
情報を調べ続けて、
眠れない。
身体に力が入る。
胃腸の調子まで悪い。
そんな状態になっている方もいます。
当院では、現在の治療内容を確認しながら、睡眠・胃腸・冷え・疲れなども含めて今のお身体を一緒に整理しています。
「何をすればいいのか分からなくなってきた」
という段階でもご相談ください。
参考・出典
European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Routine Psychosocial Care in Infertility and Medically Assisted Reproduction」
日本生殖心理学会「ESHRE サイコソーシャルケアガイドライン 日本語版」
World Health Organization(WHO)「Infertility」
Human Reproduction「ESHRE guideline: routine psychosocial care in infertility and medically assisted reproduction」

