休むと決めた夜に、自分を責めないために

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

「今周期は少し休もう」

そう決めたはずなのに、夜になると、

「本当に休んで大丈夫かな」

「一周期でも早く進めたほうがよかったのでは」

「みんな頑張っているのに、私は休んでいる」

そんな気持ちが出てくることがあります。

休むと決めたら気持ちも楽になると思っていたのに、かえって焦ってしまう。

そんなこともあります。

10月4日朝の記事「妊活中に『休む決断』をしてもいい」では、妊活の「休む」にはいろいろな形があり、治療そのものを休む場合には主治医と相談しながら考えることをお伝えしました。

今回はその続きです。

休むと決めたあとに、

その時間まで自分を責める時間にしないために。

今夜は、少し気持ちの整理をしてみましょう。

目次

休むと決めても、すぐに気持ちは切り替わらなくていい

治療を休む。

検索を休む。

食事管理を少し緩める。

何を休むにしても、

「決めた瞬間からスッキリする」

とは限りません。

むしろ、

これまで長い間、

次の排卵。

次の診察。

次の採卵。

次の移植。

次の判定。

と先の予定を考え続けてきた方ほど、急に予定がなくなると落ち着かなくなることがあります。

それは、

「休む選択を間違えた」

という意味ではありません。

身体は休んでいても、気持ちはまだ治療のスピードで走っていることがあります。

まずは、

「まだ気持ちが追いついていないんだな」

くらいに考えてみてください。

「休む=何もしない」と考えなくても大丈夫

妊活では、

行動していること。

治療を進めていること。

何か身体によいことをしていること。

が「前に進んでいる」ように感じやすくなります。

その反対に、

休む。

寝る。

予定を入れない。

妊活について調べない。

という時間は、

「何もしていない」

ように感じてしまいます。

でも、人の身体は、動いている時間だけで成り立っているわけではありません。

眠る時間。

食べる時間。

ぼんやりする時間。

身体の緊張をほどく時間。

こうした時間も、毎日を支えるためには必要です。

休むことは、空白ではありません。

身体が回復するための時間でもあります。

「時間を無駄にしている気がする」とき

妊活では、年齢を意識する場面が多いため、

「時間を無駄にしたくない」

という気持ちが強くなりやすいものです。

実際に、年齢や卵巣予備能などによって、治療時期を意識したほうがよい場合もあります。

だからこそ、治療を休む場合は、

「医学的にはどのくらいの期間なら問題ないですか?」

と主治医に確認しておくことが大切です。

そのうえで休むと決めたのであれば、

夜になるたびに、

「やっぱり治療したほうがよかったのかな」

と一から判断し直さなくても大丈夫です。

次に考える日を決めておく方法もあります。

たとえば、

「次の生理が来たら考える」

「一周期休んでから主治医に相談する」

「今月末にもう一度夫婦で話す」

などです。

毎晩答えを出さなくてよい仕組みをつくる。

それだけでも、頭の中の負担が少し減ります。

SNSを見ると焦る夜は、少し離れてもいい

休んでいるときほど、

妊娠報告。

採卵結果。

移植結果。

妊活仲間の治療状況。

が気になることがあります。

自分は止まっているのに、周りだけが進んでいるように感じる。

そんな夜もあります。

でも、SNSで見えているのは、その人の生活のほんの一部分です。

年齢も。

治療歴も。

身体の状態も。

病院も。

すべて違います。

比べても、本当の意味で同じ条件にはなりません。

もし見たあとに、

気持ちが沈む。

眠れなくなる。

焦りが強くなる。

のであれば、

一時的にアプリを開かない。

通知を切る。

妊活関連のアカウントから少し離れる。

そんな選択もあります。

情報を遮断するのではなく、

今の自分に必要な情報量へ戻す

と考えてみてください。

「今日は何もできなかった」を言い換えてみる

休養中の夜、

「今日も何もできなかった」

と思ったら、一度言葉を変えてみましょう。

たとえば、

「今日は身体を休めた」

「今日は検索をしなかった」

「今日は普通に夕食を食べられた」

「今日は早めに帰れた」

「今日は治療のことを考えない時間があった」

でも構いません。

何か特別な成果を出していなくても、

一日を無事に過ごしたことそのもの

があります。

妊活をしていると、

「妊娠につながったかどうか」

だけで毎日を評価したくなることがあります。

でも、日々の生活までその物差しだけで測らなくて大丈夫です。

東洋医学では「休むこと」も養生です

東洋医学では、身体を整える方法を「養生」と考えます。

養生というと、

食事。

ツボ。

お灸。

運動。

などを思い浮かべるかもしれません。

でも、

休息も養生の一つです。

疲れている身体に、

さらに運動を足す。

さらに温活を足す。

さらに予定を足す。

よりも、

今日は早く眠る。

予定を一つ減らす。

何もしない時間をつくる。

ほうが、その日の身体には合っていることもあります。

東洋医学では、同じ人でもその日の状態によって必要なものは変わると考えます。

「何を足すか」だけでなく、

「今日は何を減らしたほうが楽かな」

という視点も持ってみてください。

休養中の「体質改善」を新しい宿題にしない

治療を休むと、

「この期間で身体を整えよう」

と思うことがあります。

もちろん、生活を見直すきっかけにするのはよいことです。

でも、

毎日運動する。

必ず23時までに寝る。

食事を完璧にする。

冷たいものは禁止。

サプリメントを増やす。

となると、

休んでいるはずなのに、また新しい妊活が始まってしまいます。

身体づくりは、

自分を管理するためではなく、自分が少し楽に過ごすため

に行うものです。

今日は疲れている。

それなら休む。

今日は少し元気。

それなら散歩してみる。

そのくらいの柔らかさがあってもいいと思います。

「休んだのに妊娠できなかったら」と先の結果まで背負わない

休む決断をしたあと、

「この休みが無駄になったらどうしよう」

と思うことがあります。

でも、未来の治療結果を、今の休養期間だけで判断することはできません。

休んだから妊娠できる。

休んだから妊娠できない。

どちらも単純には言えません。

今できるのは、

主治医と治療方針を確認すること。

そして、

今の身体と気持ちを必要以上に消耗させないこと。

結果まで先回りして背負わなくても大丈夫です。

今夜だけは「妊活の採点」をやめてみる

寝る前に、

今日食べたもの。

運動。

サプリメント。

睡眠時間。

身体の冷え。

全部を振り返って、

「今日は70点」

と採点していませんか。

妊活中は、正解を探し続ける生活になりやすいものです。

でも、今夜だけは、

「今日の私は何点?」

ではなく、

「今日はどのくらい疲れている?」

と聞いてみてください。

疲れているなら、早く休む。

少し元気なら、好きなことをする。

何もしたくなければ、何もしない。

そんな夜があって構いません。

鍼灸でも「頑張るための身体」だけを目指しません

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

妊活中だから常に積極的な身体づくりをしなければならない、とは考えていません。

治療を進める時期もあれば、

一度休みたい時期もあります。

そのときに、

睡眠は取れているか。

食欲はあるか。

身体の緊張は強くないか。

胃腸は疲れていないか。

冷えやほてりはどうか。

などを確認します。

東洋医学の視点から、妊活中の身体をどのように見ているのか詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

休む時間まで、妊活だけに使わなくていい

少し時間ができたら、

妊活以外にやりたかったことを思い出してみるのもいいかもしれません。

行ってみたかった場所。

読みたかった本。

友人との食事。

映画。

何もしない休日。

「妊活を忘れるなんてできない」

という方もいると思います。

完全に忘れなくても大丈夫です。

ただ、

妊活について考えていない時間が少しある。

それだけでも十分です。

人生のすべてを妊活だけで埋め尽くさないことも、長く続けていくためには大切です。

明日のことは、明日考えてもいい

夜になると、気持ちは先へ先へ進みます。

いつ治療を再開する?

次は何をする?

今の病院でいい?

もっと早く進めるべき?

でも、その答えを今夜全部出す必要はありません。

今日は、

お風呂に入る。

スマートフォンを置く。

布団に入る。

そこまでで十分です。

休むと決めた夜は、

休むことを上手にしようとしなくても大丈夫です。

まずは、自分を責める材料をこれ以上増やさないこと。

そこから始めてみてくださいね。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、治療状況だけでなく睡眠・胃腸・疲れなども確認しながら身体づくりをサポートしています。

少し休みながら身体を整えたい方へ

治療を休んでいる時期でも、

「鍼灸へ行っていいのかな」

「何を整えればいいのかな」

と迷う方がいます。

休養中だからこそ、何かを頑張るためではなく、

今の身体がどのくらい疲れているのかを一度整理する

という考え方もあります。

病院の治療方針を大切にしながら、自分のペースで身体を整えていきたい方はご相談ください。


参考・出典

European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Routine Psychosocial Care in Infertility and Medically Assisted Reproduction」

European Society of Human Reproduction and Embryology(ESHRE)「Psychosocial Care Guideline」

American Society for Reproductive Medicine(ASRM)「Guidance on qualifications for fertility counselors: a committee opinion」

日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」

こども家庭庁「不妊治療に関する取組」

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