寒露を迎えるころになると、昼間は過ごしやすくても、日が落ちると急に冷えを感じる日が増えてきます。
朝の記事「【寒露】寒露のころに始めたい温養生」では、寒露の時期に意識したい食事・服装・睡眠についてお伝えしました。
夜は、そこにもう少しだけ「温かさ」を足していく時間です。
ただし、
熱いお風呂。
厚い靴下。
電気毛布。
カイロ。
と、たくさん温めればよいわけではありません。
寒露の夜に大切なのは、
身体がほっとする温かさを、必要な場所に少しだけ足すこと。
今夜からできることを、一つずつ見ていきましょう。
寒露の夜は「昼との気温差」に注意
寒露のころは、朝晩の気温が下がる一方で、日中はまだ暖かい日もあります。
そのため、
昼間は薄着。
夕方から急に冷える。
ということが起こりやすくなります。
特に帰宅時間が遅い方は、
「昼はちょうどよかったのに、帰るころには寒い」
ということもあるでしょう。
そんな日は、
- 薄手の羽織もの
- ストール
- 靴下
- 膝掛け
など、すぐに足せるものを使うのがおすすめです。
最初から厚着をするより、寒くなったら足すくらいのほうが調整しやすくなります。
夜は「身体を熱くする」より「緩める」
夜の温活というと、
身体をしっかり温める。
汗をかく。
というイメージがあるかもしれません。
でも、眠る前に大切なのは、
身体を興奮させることではなく、休める状態へ切り替えること。
熱いお風呂に長時間入ると、
汗が止まらない。
顔がほてる。
動悸がする。
かえって眠れない。
という方もいます。
温活の目的を、
「熱くする」
から、
「緊張をほどく」
へ少し変えてみてください。
入浴は「気持ちいい」で終える
入浴には、身体を温めるだけでなく、リラックスする時間としての役割もあります。
夜に湯船へ入る場合は、
「もう少し入らないと身体が温まらない」
と我慢する必要はありません。
目安は、
入っていて気持ちよく、出たあともぐったりしないこと。
入浴後に、
汗がなかなか引かない。
顔が真っ赤になる。
身体がだるくなる。
という場合は、少し温度や時間を見直してみてもよいでしょう。
また、眠る直前より、少し余裕を持って入浴したほうが落ち着きやすい方もいます。
ただし、
「必ず就寝○時間前」
と厳密に管理しなくて大丈夫です。
続けられることを優先してください。
お風呂に入れない日は足元だけでも十分
疲れている夜に、
「湯船につからなきゃ」
と頑張る必要はありません。
シャワーだけの日があっても構いません。
冷えが気になるときは、
- 足首を動かす
- ふくらはぎを軽く伸ばす
- 靴下を一枚履く
- 膝掛けを使う
など、足元だけ整える方法もあります。
身体全体を一気に温めるより、
冷えているところに必要な温かさを足す
という考え方で十分です。
夜の飲み物は「温度」と「量」を意識する
寒くなると、
温かいお茶。
白湯。
スープ。
などを飲みたくなります。
これは秋の夜にも取り入れやすい方法です。
ただし、
寝る直前に大量の水分をとると、夜中にトイレへ起きやすくなることもあります。
また、カフェインを多く含む飲み物では、眠りに影響する方もいます。
夜は、
温かい。
飲みやすい。
量が多すぎない。
そんな飲み物を選んでみてください。
「妊活によい飲み物」を探すより、
自分が落ち着いて飲めるもの
を選ぶほうが続けやすいと思います。
夜の食事は「温かいものを一品」で十分
寒露の夜は、夕食も温かいものがほしくなります。
でも、
鍋。
スープ。
煮物。
全部を温かい料理にする必要はありません。
たとえば、
冷たい副菜があっても、
味噌汁を一杯加える。
温かいお茶を飲む。
それだけでも十分です。
大切なのは、
食後に胃腸が苦しくならないこと。
身体を温めようとして食べすぎると、胃が重くなり、かえって眠りにくくなることもあります。
秋の夜は、
「温かさ」と同時に「食べすぎないこと」も意識してみてください。
寝室は「暖かすぎない」ことも大切
寒くなってくると、
寝室を暖かくしたくなります。
でも、寝室が暑すぎると、
布団の中で汗をかく。
途中で目が覚める。
足を布団の外に出したくなる。
ということもあります。
寝室は、
寒すぎず、暑すぎず、眠りやすい温度
を目指してみましょう。
布団や毛布も同じです。
厚ければよいわけではありません。
夜中に暑くて目が覚めるなら、
一枚減らす。
素材を変える。
という調整も大切です。
手足が冷たいからといって、電気毛布を強くしすぎない
電気毛布や湯たんぽは、冷える夜に便利です。
ただし、
高温で長時間使う。
身体に密着させ続ける。
という使い方では、暑くなりすぎたり、低温やけどにつながることもあります。
使う場合は、
寝る前に布団を温める。
温度を低めにする。
熱源を身体へ直接当て続けない。
など、無理のない使い方を意識してください。
「冷え性だから我慢して熱くする」
必要はありません。
妊活中は「お腹を温めればよい」と考えすぎない
妊活中は、
「子宮を温める」
という言葉をよく目にします。
そのため、
腹巻き。
カイロ。
温熱グッズ。
をお腹周りへ集中して使う方もいます。
でも、
お腹を温めれば妊娠しやすくなる
という単純なものではありません。
また、カイロを直接肌に貼るなど、高温で長時間温めることは避けてください。
大切なのは、
お腹が冷えてつらいなら心地よく保温する。
暑いなら外す。
ということです。
妊活中も、
「温めなければ」ではなく、「快適に過ごせているか」
を目安にしましょう。
東洋医学では「温める力」と「熱がこもる状態」を分けて考えます
東洋医学では、
冷えが強い方。
身体が疲れて冷える方。
胃腸が弱って冷える方。
など、冷えの背景を分けて考えます。
一方で、
足は冷たい。
顔はほてる。
夜になると熱っぽい。
という方もいます。
このような場合は、
「冷えているからもっと温める」
ではなく、
身体の中で温かさのバランスが崩れていないか
を見ていきます。
同じ冷えでも、整え方が違うことがあります。
だからこそ、
自分の身体が温めたあとにどう感じるのかを確認することが大切です。
今夜からできる「3つの温かさ」
全部をやる必要はありません。
1.身体に足す温かさ
カーディガン。
靴下。
膝掛け。
必要なところだけ温めます。
2.食事に足す温かさ
味噌汁。
スープ。
温かい飲み物。
一品だけでも十分です。
3.気持ちに足す温かさ
照明を少し落とす。
スマートフォンを早めに置く。
好きな本を読む。
ゆっくり深呼吸する。
身体だけでなく、
夜の時間そのものを少し穏やかにすること
も、寒露の養生です。
当院では「温める量」ではなく身体全体を見ます
「冷えが気になります」
とご相談いただいたときも、
単に身体を温める施術をするわけではありません。
手足の冷え。
顔のほてり。
汗。
睡眠。
胃腸。
生理周期。
疲れ。
などを確認します。
冷えが強い人もいれば、冷えとのぼせが混じっている人もいます。
その違いを見ながら、その方に合った身体づくりを考えていきます。
当院でどのように妊活中の身体をみているのか詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
寒露の夜は「少し足す」くらいがちょうどいい
寒くなると、
もっと温めたほうがいい。
もっと身体にいいことをしたほうがいい。
と思いやすくなります。
でも、寒露はまだ冬ではありません。
昼間は暖かい日もあります。
だからこそ、
足りないときだけ温かさを足す。
そのくらいがちょうどいい時期です。
今日は靴下を一枚。
今夜は温かい汁物を一杯。
いつもより少し早く布団に入る。
その中から一つで十分です。
秋の夜を、身体がほっとできる時間にしてみてくださいね。
今の身体に合った温かさを一緒に探してみませんか
冷えが気になる。
でも温めるとのぼせる。
夜になると身体が疲れる。
眠りも浅い。
こうした不調が重なっていると、
何をすればよいのか分からなくなることがあります。
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、妊活や婦人科のお悩み、睡眠、胃腸、生理周期なども確認しながら、その方に合う整え方をご提案しています。
今の身体に必要な温かさを一度整理してみたい方は、ご相談ください。
この記事を書いた人
菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、季節や体質も確認しながら鍼灸による身体づくりをサポートしています。
参考・出典
国立天文台「令和8年(2026)暦要項」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
日本睡眠学会「睡眠と体温調節に関する基礎資料」

