【寒露】寒露のころに始めたい温養生

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

10月8日からは、二十四節気の「寒露(かんろ)」に入ります。

寒露は、草木に降りる露にも冷たさが感じられるようになり、秋が一段深まっていくころ。

2026年は10月8日から、次の節気である霜降を迎える10月23日ごろまでが寒露の時期にあたります。

昼間はまだ暖かくても、

朝は少し寒い。

夕方になると急に冷える。

日によって気温差が大きい。

そんな日が増えてきます。

妊活中の方からも、

「朝起きると足先が冷たい」

「夜になるとお腹が冷える感じがする」

「最近、喉や肌が乾燥する」

というお話が増えてくる時期です。

寒露の養生で大切なのは、

「冷えるから、とにかく温める」ではなく、その日の身体に合わせて温かさを足していくこと。

これから冬へ向かう身体の準備を、少しずつ始めていきましょう。

目次

寒露は「冷え」と「乾燥」が重なり始めるころ

秋の前半は、まだ夏の暑さが残っています。

ところが寒露を迎えるころになると、朝晩の空気がぐっと冷たくなってきます。

さらに、空気の乾燥も少しずつ強くなります。

そのため、

  • 手足が冷える
  • 喉が乾く
  • 肌がかさつく
  • 便が硬くなる
  • 朝起きたときに身体が重い
  • 夜になると疲れが強く出る

など、夏には気にならなかった不調を感じることがあります。

この時期の身体づくりでは、

温めることと、潤いを守ること。

この二つを一緒に考えてみましょう。

東洋医学では秋を「肺」と関係づけて考えます

東洋医学では、秋は「肺」と関係が深い季節と考えます。

ここでいう「肺」は、西洋医学の呼吸器だけを意味するものではありません。

東洋医学では、

呼吸。

皮膚。

身体の潤い。

外から身体を守る働き。

なども含めて「肺」の働きとして捉えます。

秋になって、

喉が乾燥する。

鼻がむずむずする。

肌がかさつく。

便が硬くなる。

といった変化が出やすいのも、東洋医学では秋らしい身体の変化として考えます。

ただし、

「秋だから必ず肺が弱る」

という意味ではありません。

季節の特徴を、日々の身体を見直すヒントとして使ってみてください。

妊活中も「冷え」だけに注目しすぎない

妊活では、

「身体を冷やしてはいけない」

という言葉をよく目にします。

そのため寒露になると、

厚着をする。

カイロを貼る。

熱いお風呂に入る。

温かい飲み物ばかり飲む。

と、一気に温活を強くしてしまう方もいます。

でも、

手足は冷たいのに顔はほてる。

温めると汗をかく。

長風呂をすると疲れる。

という方もいます。

大切なのは、

冷えをゼロにすることではなく、自分が心地よく過ごせる温かさを見つけること。

寒露は、本格的な冬のように強く温める時期というより、冷えをため込まないよう少しずつ調整を始める時期と考えるとよいでしょう。

寒露から始めたい3つの温養生

1.朝に温かいものを一品加える

朝起きたとき、

身体が冷えている。

食欲が出ない。

胃が動いていない感じがする。

という方は、朝食に温かいものを一品加えてみましょう。

たとえば、

  • 味噌汁
  • スープ
  • 温かいお茶
  • おかゆ
  • 温かいごはん

などです。

全部を温かいものにする必要はありません。

まず一品で十分です。

身体の内側がほっとするものを取り入れてみてください。

2.脱ぎ着できる服装にする

寒露の難しいところは、

朝は寒いのに昼は暖かい。

という日があることです。

朝の気温に合わせて厚着をすると、昼間に暑くなりすぎてしまうことがあります。

おすすめは、

  • カーディガン
  • ストール
  • 薄手の上着
  • ベスト

など、脱ぎ着できるもの。

「絶対に冷やさない」

ではなく、

寒ければ一枚足す、暑ければ一枚減らす。

それくらいの調整が身体にはやさしいものです。

3.夜は身体を「休ませる温かさ」にする

夜になると気温が下がるため、お風呂で身体を温めたくなります。

でも、

熱いお湯に長く入る。

汗をたくさんかく。

ことが目的ではありません。

「気持ちいいな」

と感じる温度で、身体の緊張が少し緩むくらいで十分です。

身体を熱くするのではなく、

眠る準備として温める。

そんな感覚を大切にしてみましょう。

胃腸が弱い人は「温める」より食べ方を見直す

寒くなると、

鍋。

スープ。

煮込み料理。

など、温かい食事が増えてきます。

これは身体にとって食べやすい場合もありますが、

「温かいものなら何でも胃腸によい」

というわけではありません。

脂っこいもの。

量の多い食事。

夜遅い食事。

では、温かくても胃腸に負担がかかることがあります。

寒露のころに、

食後に胃が重い。

朝になっても食欲がない。

お腹が張る。

という方は、

温度だけではなく、量と食べる時間も見直してみてください。

秋に取り入れやすい食材

寒露のころは、秋らしい食材が増えてきます。

たとえば、

  • れんこん
  • 大根
  • にんじん
  • 里芋
  • さつまいも
  • きのこ
  • 白菜
  • 梨
  • 柿

など。

東洋医学では、秋には身体の潤いを守ることも大切にします。

ただし、

「この食材を食べれば妊娠しやすくなる」

というものではありません。

旬の食材を楽しみながら、

温かい汁物や煮物など、胃腸が受け止めやすい形で取り入れてみましょう。

「梨や柿は身体を冷やすからダメ」と決めつけなくて大丈夫

東洋医学の食養生を調べていると、

「梨は身体を冷やす」

「柿は冷える」

といった情報を目にすることがあります。

そうすると、

妊活中だから食べないほうがいいのかな。

と思ってしまう方もいるかもしれません。

でも、食べ物は一つの性質だけで決める必要はありません。

食べる量。

その日の体調。

ほかの食事。

季節。

によって受け取り方は変わります。

冷たい梨を大量に食べてお腹が冷えるなら控える。

少量を美味しく食べて問題がなければ楽しむ。

それくらいで十分です。

食養生は、禁止するためのルールではありません。

身体と相談しながら食べるためのヒントとして使ってください。

秋の夜更かしを少し見直す

寒露を迎えるころは、日が暮れる時間も早くなってきます。

東洋医学では、秋から冬へ向かう時期は、活動量を少しずつ落としていく季節とも考えます。

だからといって、

早寝を義務にする必要はありません。

ただ、

夜になっても仕事を続けている。

布団に入ってから長時間スマートフォンを見る。

妊活の情報を検索し続けてしまう。

という日が続いているなら、

いつもより15分だけ早くスマートフォンを置く。

それだけでもよいと思います。

寒露からは、

「何かを足す養生」だけでなく、「少し減らす養生」

も意識してみてください。

妊活中の秋は「腎」も少しずつ意識していく季節

東洋医学では、生殖や成長と関係する働きを「腎」と関連づけて考えます。

冬は「腎」と関係が深い季節とされるため、秋が深まる寒露のころから、冬へ向けた身体づくりを少しずつ始めます。

たとえば、

  • 睡眠不足を続けない
  • 疲れた日は早めに休む
  • 冷えを我慢しない
  • 食事を抜きすぎない

といった基本的なことです。

妊活だからと特別な養生をするのではなく、

身体を消耗させすぎないこと。

それが冬へ向かう準備になります。

温養生は「温める量」より身体の反応を見る

温活をするときは、

何分入浴する。

何枚靴下を履く。

何個カイロを使う。

と方法に注目しがちです。

でも、本当に見てほしいのは、

そのあと身体がどう感じたか

です。

温めたあと、

身体が軽い。

よく眠れる。

ほっとする。

のであれば、その方法は今の身体に合っている可能性があります。

反対に、

汗が止まらない。

顔がほてる。

ぐったりする。

眠れなくなる。

のであれば、少しやりすぎかもしれません。

寒露の養生では、

「温める」より「ちょうどよく温かい」

を目指してみてください。

当院では季節と体質の両方を見ながら整えます

同じ10月でも、

冷えが強くなる方。

ほてりが気になる方。

胃腸が弱る方。

眠りが浅くなる方。

身体の変化は一人ひとり違います。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

「秋だからこの施術」

と一律には考えません。

生理周期。

睡眠。

胃腸。

冷えやほてり。

疲れ。

妊活や治療の状況。

などを確認しながら、その日の身体に合わせて整えていきます。

東洋医学では妊活中の身体をどのように見ているのか、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

今夜は「温かさを一つ足す」ことから

寒露だからと、今日から生活を全部変える必要はありません。

朝に味噌汁を加える。

カーディガンを一枚持って出かける。

お風呂で少し身体を緩める。

夜のスマートフォンを15分早く終える。

その中から一つで十分です。

今夜の記事
「寒露の夜に足したい温かさ」
では、夜の過ごし方に絞って、身体を温めすぎずに秋の冷えを整える方法をご紹介します。

寒露は、冬になる前に、

自分に合った温かさを探し始める季節。

無理なくできることから始めてみてくださいね。

秋から冬へ向かう身体を、一緒に整えてみませんか

朝晩の冷え。

胃腸の変化。

眠りの浅さ。

身体の疲れ。

季節が変わると、それまで気にならなかった不調が出てくることがあります。

妊活中は治療の予定に意識が向きやすいですが、毎日の体調も大切にしたいところです。

今の身体に合った秋の過ごし方を一度整理してみたい方は、ご相談ください。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、季節や体質も確認しながら鍼灸による身体づくりをサポートしています。


参考・出典

国立天文台「令和8年(2026)暦要項」

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

農林水産省「旬の食材」

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