今日で9月も終わりです。
朝晩は少しずつ秋らしくなってきましたが、日中にはまだ暑さを感じる日もあります。何を着ればよいのか、寝るときには布団を増やすべきなのか、迷いやすい季節ですね。
妊活中の方にとって、9月はどんな一か月だったでしょうか。
採卵や胚移植があった方。検査を受けた方。次の治療をお休みしている方。思うような結果が出ず、気持ちの整理に時間がかかった方もいるかもしれません。
月末になると、「今月は何ができたかな」「身体づくりは十分だったかな」と振り返りたくなることがあります。
でも、今月妊娠できたかどうかで、9月の頑張りを評価する必要はありません。
今日は、9月の結果を採点する日ではなく、10月からの生活を少し過ごしやすくするために、身体の状態を見直す日にしてみましょう。
秋冬支度は、厚着を始めることだけではありません
「秋冬の妊活対策」と聞くと、まず冷え対策を思い浮かべる方が多いと思います。
厚手の靴下を履く、腹巻きをする、温かいものを飲む。どれも、冷えが気になる方には日常で取り入れやすい方法です。
ただし、9月の終わりは、まだ昼夜の気温差が大きく、暑さが残ることもあります。
暑いのに無理に厚着をして汗をかいたり、熱いお風呂へ長時間入ったりする必要はありません。
また、手足が冷たいからといって、子宮の血流まで悪いと決まるわけではありません。冷えを妊娠できない原因として怖がるのではなく、今の身体にとって何が快適かを確認していきましょう。
妊活中の秋冬支度は、冷えだけでなく、睡眠、食事、胃腸、疲労、月経の状態まで含めた身体づくりです。
まず、9月の身体を振り返ってみましょう
9月は夏から秋へと移り変わる時期です。仕事や家事、妊活の予定をこなすうちに、身体の小さな変化を見過ごしているかもしれません。
次の項目を、今の身体と照らし合わせてみてください。
- 朝起きたとき、疲れが残っていないか
- 寝つきや夜中の目覚めに変化はなかったか
- 手足の冷えや、顔のほてりが気にならないか
- 食欲、胃もたれ、便通に変化はないか
- 月経痛や月経前の不調はどうだったか
- 首肩や背中に力が入り続けていないか
全部に問題がなくても構いませんし、気になる項目がいくつかあっても、それだけで病気や妊娠への影響が決まるわけではありません。
今の身体を知るための、簡単な振り返りです。
1.睡眠|秋の夜長を、夜更かしの時間だけにしない
秋分を過ぎ、少しずつ夜が長くなってきました。
涼しくなって眠りやすくなった方もいれば、布団へ入ってから妊活のことを調べる時間が増えている方もいると思います。
次の採卵や胚移植が近づくと、寝る前に検索を始め、気づけば日付が変わっていたということもあるでしょう。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を踏まえながら、おおむね6時間以上を目安に必要な睡眠を確保し、睡眠によって休養が取れている感覚も大切にすることが示されています。
また、朝から日中に光を浴び、就寝前の強い光を避けることも、睡眠・覚醒リズムを整える方法として紹介されています。
秋冬に向けて、まず見直したいのは、布団の厚さだけではありません。
朝は光を浴び、夜は身体を休ませる時間をつくる。
この基本を、今の生活に合わせて整えていきましょう。
寝具は、日付ではなく室温と体感で調整する
10月になるからといって、急に冬用の布団へ替える必要はありません。
夜は暑くても、明け方になると冷える場合があります。そんなときは、薄手の掛け物を一枚追加して、必要に応じて調整できるようにしておくと便利です。
厚着をして汗をかき、その汗で身体が冷えてしまうこともあります。
寝室を暑すぎず寒すぎない状態にし、自分にとって心地よい寝具を選んでください。
2.食事|温かさだけでなく、食べられているかを見る
秋冬の食養生というと、温かいスープや鍋料理、根菜などを思い浮かべるかもしれません。
もちろん、肌寒い日に温かい料理を食べるのはよい方法です。
ただし、「身体を冷やしてはいけない」と過剰に意識して、冷たい食品や常温の飲み物まですべて禁止する必要はありません。
大切なのは、胃腸の状態に合わせて、必要な食事を無理なく取れることです。
例えば、朝食を抜く日が続いているなら、温かいみそ汁とご飯など、食べやすいものから始めてもよいでしょう。
仕事で帰宅が遅くなる方なら、夕食を毎日完璧に作ろうとするのではなく、主食、たんぱく質を含む主菜、野菜などを無理なく組み合わせることを考えます。
また、妊娠を計画している方には、通常の食事に加えて葉酸400μg/日を摂取することが勧められています。
季節が変わっても、必要な栄養を取るという基本は同じです。
秋冬だから特別なものを食べるのではなく、今の身体が無理なく食べられる食事を続けていきましょう。
3.冷え|足先だけでなく、身体全体の状態を確認する
秋が深まるにつれ、手足の冷えを感じ始める方もいると思います。
ただ、同じ冷えでも、身体の状態は一人ひとり違います。
足先だけが冷たい方。お腹が冷えると不快に感じる方。手足は冷たいのに、顔はほてりやすい方もいます。
このような違いがあるため、冷えが気になる方へ全員同じ温め方を勧めることはありません。
例えば、足先が冷たくて眠れないなら、靴下や寝具を見直す方法があります。一方、上半身にほてりがある方が厚着をしすぎると、かえって過ごしにくくなる場合もあります。
温めることだけを目的にせず、暑さと寒さの両方を確認しましょう。
また、以前より冷えが強くなった、強い疲労や息切れ、月経量の増加などもある場合には、貧血などの確認が必要なことがあります。冷えとともに、むくみや便秘、強い倦怠感などが続く場合は、甲状腺の病気などが関係することもあります。
気になる変化が続くときは、医療機関へ相談してください。
4.運動|寒くなる前に、動きやすい時間帯を見つける
秋冬は、気温が下がるにつれて外出が億劫になることがあります。
9月の終わりに、無理なく身体を動かせる時間帯を一つ見つけておきましょう。
例えば、朝の涼しい時間に短く散歩する。仕事の休憩時間に立ち上がって肩を動かす。夕食後に、夫婦で少し歩いてみる。
特別な運動を始める必要はありません。
ただし、採卵後などで運動を控えるように指示されている方は、主治医の指示を優先してください。
今の治療状況に合わせて、身体を動かすことと休ませることの両方を大切にしましょう。
5.10月の治療予定も確認しておく
秋冬支度というと生活習慣ばかりに目が向きますが、妊活中の方は、10月の治療予定も一緒に確認しておくと安心です。
次の診察はいつなのか。採卵や胚移植の予定はあるのか。仕事や家族の予定と重なっていないか。
また、新しい薬が始まる予定がある方や、手術・検査を控えている方は、医療機関から指示されている生活上の注意点も確認しておきましょう。
すべての予定を完璧に管理する必要はありません。
まずは、今分かっている予定をカレンダーへ書き出してみてください。予定が見えるだけでも、今の生活で何を準備すればよいのか整理しやすくなります。
東洋医学では、秋から冬への変化をどう考える?
東洋医学では、季節の変化と身体の状態を合わせて考えることがあります。
秋は「肺」、冬は「腎」と関連づけられますが、これは東洋医学独自の考え方であり、医学的な肺や腎臓の働きとそのまま同じ意味ではありません。
秋から冬へ向かう時期には、乾燥、冷え、疲労など、季節に応じた身体の変化を確認します。
ただし、「秋だから肺虚」「冬だから腎虚」と季節だけで体質を決めるわけではありません。
気虚(ききょ)|疲れやすさが目立つ状態
季節の変わり目に疲れが強く、朝から身体が重いなどの症状が重なる場合に考えます。
脾虚(ひきょ)|胃腸の弱りと疲労が重なる状態
食欲低下、胃もたれ、軟便、食後のだるさなどを確認します。
陽虚(ようきょ)|冷えが強く現れやすい状態
手足や身体の冷え、温かいものを好む傾向など、ほかの症状も合わせて見ます。
肝鬱気滞(かんうつきたい)|緊張が抜けにくい状態
首肩の張り、ため息、胸やお腹の張り、月経前の不調などが重なる場合に考えます。
同じ季節に過ごしていても、必要な養生は一人ひとり違います。
季節の特徴を知りながら、今の身体に合わせて整えることが大切です。
秋冬の身体づくりに、鍼灸を取り入れるメリット
冷えが気になり始めると、厚着や入浴、温かい食事など、自分でできることを増やす方もいます。
それでも、首肩のこりが取れない、眠りが浅い、胃腸が不安定、疲れが抜けないという状態が続くことがあります。
そんなときは、鍼灸で身体を整える方法があります。
2025年に発表された慢性不眠症に対するシステマティックレビュー・メタ解析では、10試験・757人を対象に鍼灸が検討され、主観的な睡眠の質や不眠症状について改善が報告されています。
当院では、眠りだけを切り離して見るのではなく、冷え・のぼせ、胃腸、月経、疲労、首肩の緊張などを確認し、その日の身体に合わせて施術を組み立てます。
冷えが気になる方には冷えへの対応を考え、ほてりが強い方には温めすぎないように配慮します。
「秋冬だから、とにかく身体を温める」ではなく、今の身体に合った施術を行う。
それが、当院の考える季節の身体づくりです。
妊活の予定が変わっても、身体づくりは続けられます
10月に採卵を予定していたけれど、次の周期へ延期になった。胚移植を予定していたけれど、検査のために一度休むことになった。
妊活では、こうした予定の変更が起こることがあります。
そのとき、身体づくりまで何もできなくなったと考える必要はありません。
治療を進める周期なら、その治療に合わせて身体を確認する。休む周期なら、睡眠や胃腸、疲労など、普段から気になっていた不調へ目を向ける。
鍼灸では、そのときの治療段階に合わせて施術内容を調整することができます。
妊活の予定が変わったときも、今の身体を大切にする時間は続けていきましょう。
今日からできる秋冬支度3つ
1.寝具と衣類を一度確認する
朝晩の気温に合わせて調整できる衣類や、薄手の掛け物を準備しておきましょう。
厚着をすることより、暑すぎず寒すぎない状態を保つことが大切です。
2.食事と睡眠のうち、一つだけ見直す
朝食を抜きがちなら、食べやすい朝食を準備する。寝る前の検索が長くなっているなら、少し早めに終える。
一度に生活全体を変えようとせず、取り入れやすいものを一つ選んでみてください。
3.10月の予定と身体の気になることをメモする
次の診察や治療予定と合わせて、最近気になっている身体の変化を書き出してみましょう。
「夜中に目が覚める」「胃腸が弱っている」「足先が冷たい」など、短いメモで構いません。
医療機関や鍼灸院で相談するときにも、役立ちます。
今夜は、冷え対策をもう少し具体的に
今日の記事では、9月の終わりに見直しておきたい、睡眠、食事、冷え、運動、治療予定について整理しました。
そして今夜は、この中でも秋冬に向けて相談が増える「冷え」に焦点を当てます。
9月30日夜公開の「10月に向けた冷え対策チェックリスト」では、衣類、寝室、入浴、食事など、明日から使える具体的な確認項目を紹介します。
冷えが気になる方は、今夜の記事も参考にしてみてください。
9月の終わりに、今月できたことも振り返ってみてください
妊活中の月末は、結果が出たかどうかに意識が向きやすいものです。
でも今月は、仕事をしながら通院したかもしれません。採卵や胚移植を受けた方も、体調を整えるために治療をお休みした方もいるでしょう。
そんな一か月を過ごした身体へ、少し目を向けてみてください。
もし疲れが残っているなら、10月に向けて新しい目標を増やすより、休む時間をつくることも大切です。
9月にできなかったことを探すより、10月の自分が少し過ごしやすくなる準備をする。
そのくらいの気持ちで、秋冬を迎えていきましょう。
秋冬に向けて、今の身体を整えたい方へ
冷えが気になり始めた。最近、眠りが浅くなっている。夏の疲れが残り、胃腸の調子が戻らない。
そんな身体の変化がある方は、10月を迎える前に、一度ご自身の状態を見直してみませんか。
蓮心はり灸堂では、現在の妊活・不妊治療の段階や今後の予定を確認しながら、睡眠、胃腸、月経、冷え・のぼせ、疲労、首肩の緊張など、身体全体を見て施術を組み立てています。
秋冬の養生も、全員へ同じ方法を勧めるわけではありません。
冷えがつらい方には冷えへの対応を、身体が緊張して眠れない方には睡眠や首肩の状態を、胃腸が弱っている方には日々の食事や体調も含めて確認していきます。
次の治療に向けて、10月も自分の身体を大切にしていきましょう。
参考・出典
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「睡眠障害と補完的な健康アプローチ:有効性と安全性」
『Frontiers in Neurology』(2025年)「慢性不眠症に対する鍼灸:メタ解析および逐次解析を含むシステマティックレビュー」

