10月に向けた冷え対策チェックリスト

妊活や婦人科ケアに役立つ食養生とセルフケアを伝えるブログ画像

今日で9月も終わりです。

朝の記事「9月の終わりに見直す秋冬支度」では、睡眠、食事、冷え、運動、10月の治療予定まで、秋冬に向けた身体づくりを一度整理しました。

夜の記事では、その中でもこれから相談が増えてくる「冷え」に焦点を当てます。

「足が冷たいと着床しにくい?」

「お腹をもっと温めた方がいい?」

「靴下は寝るときも履いた方がいい?」

妊活中は、身体が少し冷えているだけでも心配になることがありますよね。

でも、最初に覚えておいていただきたいことがあります。

手足が冷たいというだけで、子宮まで冷えていると判断することはできません。

そして、冷えがあることだけで、その周期の妊娠結果が決まるわけでもありません。

だから、冷えを怖がる必要はありません。

一方で、足先が冷たくて眠れない、身体がこわばる、胃腸まで調子が悪いという状態なら、我慢し続ける必要もありません。

今夜は「もっと温めなければ」ではなく、

自分が快適に過ごせる身体をつくるための冷え対策

を一緒に確認してみましょう。

目次

チェック① 衣類|「厚着」ではなく「調整できる服装」になっていますか?

10月が近づくと、朝晩は涼しくても、日中は汗ばむ日があります。

そんな時期に最初から冬のような厚着をすると、日中に汗をかき、そのあと汗が冷えて身体が寒く感じることもあります。

おすすめなのは、温めることより調整しやすくすることです。

薄手のカーディガンや羽織りものを持つ。足元が冷えやすいなら靴下を一枚持っておく。朝晩と昼間で衣類を調整する。

特に不妊治療中は、病院内と屋外、電車や職場などで体感温度が大きく変わることがあります。

「今日は何枚着るべき?」

と決めるより、

暑ければ脱げる、寒ければ足せる

服装にしておく方が使いやすいでしょう。

□ 今日のチェック

  • 朝晩に羽織れるものを持っていますか?
  • 足元が冷えやすい日に使える靴下がありますか?
  • 暑いのに「冷やしてはいけない」と厚着していませんか?

全部できていなくても構いません。

必要なものを一つ準備するだけで十分です。

チェック② 寝室|足が冷たいからと、布団の中を暑くしすぎていませんか?

夜になると足先が冷たくなり、なかなか眠れないという方がいます。

そんなとき、厚い布団を何枚も重ねたり、厚着をしたまま眠ったりしたくなるかもしれません。

でも、眠るためには「身体を熱く保ち続ける」ことが目的ではありません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、寝室を暑すぎず寒すぎない温度に整えることが、良質な睡眠につながるとされています。

また、眠りに入る際には手足の皮膚血流が増え、身体内部の熱を外へ逃がして深部体温が低下していくことが、入眠と関係しています。

つまり、

手足が少し温まり、そのあと身体の熱を自然に逃がせること

も眠りには大切なのです。

□ 今日のチェック

  • 夜中に暑くて布団を蹴っていませんか?
  • 朝起きたとき、寝汗をたくさんかいていませんか?
  • 明け方だけ寒くて目が覚めていませんか?

寝るときと明け方では気温が違う日もあります。

薄い掛け物を追加できるようにするなど、調節しやすい寝具にしてみましょう。

チェック③ 入浴|「汗をかくまで温める」になっていませんか?

冷え対策として、毎日お風呂へ入っている方も多いと思います。

入浴は身体を温め、休息へ切り替えるきっかけにもなります。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、就寝の約1~2時間前の入浴が、寝つきを助ける方法として紹介されています。

ただし、

「妊活のために身体を温めなくては」

と考えて、熱いお湯へ長時間入る必要はありません。

のぼせる。

動悸がする。

お風呂から出たあとぐったりする。

そこまで頑張る必要はないのです。

気持ちよく身体が温まり、入浴後にゆっくり休める程度を目安にしてください。

□ 今日のチェック

  • お風呂を「温活のノルマ」にしていませんか?
  • 熱すぎるお湯を我慢していませんか?
  • 入浴後にぐったりするほど長く入っていませんか?

疲れている日は、短めに済ませても構いません。

身体を温めることより、身体を休ませられる入浴を選びましょう。

チェック④ 食事|温かいものだけでなく、きちんと食べられていますか?

秋冬になると、

生野菜は冷える。

冷たい飲みものは避ける。

根菜を食べる。

など、食事についても多くの「冷え対策」を目にします。

肌寒い日に温かい汁ものや鍋料理を選ぶことは、取り入れやすい方法です。

でも、妊活中だからといって、冷たい食べものをすべて禁止する必要はありません。

それより確認したいのは、

朝食を抜いていないか。

昼食が極端に少なくなっていないか。

たんぱく質や野菜などを取れているか。

という食事全体です。

特に月経のある女性は、鉄の必要量も考える必要があります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、月経のある女性の鉄の推奨量は、18~29歳で10.0mg/日、30~49歳で10.5mg/日とされています。

冷えとともに、強い疲労、息切れ、動悸、立ちくらみ、月経量の多さなどが気になる場合には、食事だけで何とかしようとせず、医療機関で貧血や鉄欠乏について相談してください。

□ 今日のチェック

  • 朝食や昼食を抜いていませんか?
  • 「温かいもの」にこだわりすぎて食べられる食品を減らしていませんか?
  • 冷えと一緒に、強い疲労や立ちくらみがありませんか?

温かい食事を食べることと、必要な栄養を取ることの両方を大切にしましょう。

チェック⑤ 運動|身体を動かす時間はありますか?

足先が冷たいとき、

「もっと温めなければ」

と靴下やカイロを増やすことばかり考えることがあります。

でも、長時間同じ姿勢で座っている方は、まず少し身体を動かしてみることも一つの方法です。

仕事の合間に立ち上がる。肩を軽く回す。無理のない範囲で少し歩く。

特別な運動でなくて構いません。

厚生労働省の睡眠ガイドでも、日中に身体を動かすことは睡眠を含めた健康的な生活習慣の一つとして挙げられています。

ただし、採卵後などで運動を控えるよう指示を受けている方は、主治医の指示を優先してください。

□ 今日のチェック

  • 仕事中、数時間座り続けていませんか?
  • 休憩のときに少し立ち上がれそうですか?
  • 疲れているのに「血流のため」と無理に運動していませんか?

身体を動かす日があっても、休ませる日があっても構いません。

今の治療状況と体調に合わせることが一番大切です。

カイロや湯たんぽは使ってもいい?

冷え対策として、カイロや湯たんぽを使う方もいると思います。

気持ちよく使えるのであれば、日常の冷え対策の一つとして利用できます。

ただし、長時間同じ場所へ当て続けると、低温やけどを起こすことがあります。

熱いと感じない温度でも、同じ場所へ長時間触れていることで皮膚を傷める場合があるため、注意が必要です。

特に寝ている間は、同じ場所へ長時間当たり続けないようにしてください。

また、

「妊娠するために子宮を温めなければ」

と考えて、腹部を一日中温め続ける必要はありません。

気持ちよく使える範囲で取り入れましょう。

「三陰交にお灸をすれば冷えにいい?」と思ったら

妊活や冷えについて調べると、よく出てくるツボの一つが**三陰交(さんいんこう)**です。

内くるぶしの上にあるツボで、婦人科領域や冷えなどのセルフケアとして紹介されることがあります。

ただし、妊活中は治療周期や妊娠の可能性によって身体の状態も変わります。

「妊活にはこのツボ」と一律に考えるより、自分に合う場所や刺激量を一度鍼灸師に確認してから、自宅のお灸へ取り入れることをおすすめします。

蓮心はり灸堂では、セルフお灸を希望される方には、その方の体調や治療状況を確認しながらお伝えしています。

自己流でツボを増やすより、自分の身体に合うものを少なく続ける。

それで十分です。

手足が冷たい=子宮も冷たい、ではありません

ここは妊活中の方に、もう一度お伝えしておきたいことです。

皮膚の温度は、周囲の気温、衣類、血管の収縮や拡張など、さまざまな影響を受けます。

そのため、

「足先が冷たいから子宮も冷えている」

「手が温かいから子宮の血流もよい」

と判断することはできません。

まして、

「冷えているから着床しなかった」

と自分を責める必要はありません。

冷えは、

足が冷たくてつらい。

眠りにくい。

身体がこわばる。

といった、今困っている身体の症状として整えていきましょう。

こんな冷えは一度医療機関へ相談を

今まであまり冷えを感じなかったのに、急に強くなった。

冷えだけでなく、強い疲労や息切れ、動悸、立ちくらみがある。

月経量がかなり増えた。

便秘やむくみ、強い倦怠感など、ほかの変化も続いている。

こうした場合には、単なる「冷え性」と決めつけないことが大切です。

貧血や鉄欠乏、甲状腺の病気など、医学的に確認した方がよい状態が隠れている場合があります。

必要な検査は医療機関で受け、そのうえで日々の身体のケアを行いましょう。

東洋医学では「冷える場所」と「一緒に出ている症状」を見ます

東洋医学では、単に、

「冷えがあります」

という一点だけで施術を決めません。

どこが冷えるのか。

一日中なのか、夜だけなのか。

温めると楽になるのか。

顔のほてりはないか。

胃腸はどうか。

月経はどうか。

疲労や睡眠はどうか。

こうしたことを合わせて身体を見ます。

陽虚(ようきょ)|冷えが強く、温めると楽に感じる状態

身体や手足の冷え、疲れやすさなど、ほかの症状も合わせて見ます。

気虚(ききょ)|疲労が強く、身体を動かす力が不足している状態

朝から疲れている、少し動くとぐったりするなどの状態を確認します。

肝鬱気滞(かんうつきたい)|緊張が続き、身体の力が抜けにくい状態

首肩の張り、ため息、胸やお腹の張りなどが重なることがあります。

血虚(けっきょ)|疲れや眠りの浅さなどが重なる状態

疲れやすさ、立ちくらみ、眠りの浅さなどを合わせて見ます。

東洋医学の「血虚」と医学的な鉄欠乏性貧血は同じものではありません。

必要な医学的検査と、東洋医学から見る身体の状態を分けながら、両方を大切にします。

自分で温めても冷えがつらいとき、鍼灸でできること

靴下を履いている。

お風呂にも入っている。

食事にも気をつけている。

それでも、

足先の冷えがつらい。

身体の力が抜けない。

首肩がこっている。

眠りまで浅くなっている。

そんな方もいます。

このようなときは、「もっと温める方法」を追加するだけでなく、鍼灸で身体全体を見直してみる方法があります。

蓮心はり灸堂では、冷えている場所だけに施術するのではありません。

月経、睡眠、胃腸、疲労、首肩や背中の緊張、冷え・のぼせなどを確認し、その日の状態に合わせて鍼とお灸を組み合わせます。

例えば、足先は冷たいのに顔はほてりやすい方と、身体全体が冷えて疲れやすい方では、同じ「冷え」でも施術の考え方は変わります。

自分ではうまく整えられない冷えを、一度身体全体から見てもらう。

妊活中に鍼灸を取り入れるメリットの一つです。

秋冬は、睡眠や首肩の状態も一緒に整える

冷えの相談をいただく方の中には、

「夜中に目が覚めます」

「肩がずっと張っています」

「胃腸も弱っています」

という不調が重なっていることがあります。

冷えだけを改善しようとするより、こうした身体の状態を一緒に整える方が、その方にとって過ごしやすい身体づくりになることがあります。

鍼灸と睡眠については研究も進められています。

慢性不眠症を対象とした研究では、鍼灸によって主観的な睡眠の質や不眠症状が改善する可能性が報告されています。

蓮心はり灸堂では、

「冷えのツボだけ」

「睡眠のツボだけ」

という施術ではなく、妊活を続けている身体全体を確認して施術を組み立てます。

妊活中だからこそ「温活を頑張りすぎない」

妊活中は、自分でできることを増やしたくなります。

毎日お風呂。

腹巻き。

厚手の靴下。

温かい飲みもの。

お灸。

全部続けようとして、いつの間にか冷え対策そのものが負担になっていないでしょうか。

冷え対策の目的は、

「私は十分温められている」と合格することではありません。

今の身体が少し過ごしやすくなることです。

暑ければ一枚脱いでいい。

疲れている日は長風呂をしなくてもいい。

冷たいものを食べた日があってもいい。

妊活を続けるための生活だからこそ、無理なく続けられる方法を選んでください。

10月に向けて、まずはこの5項目を確認

明日から10月です。

最後に、今夜確認したいことをまとめます。

  1. 衣類
    朝晩の気温差に合わせて、脱ぎ着できる服装になっていますか?
  2. 寝室
    暑すぎず寒すぎず、夜中や明け方も眠りやすい環境になっていますか?
  3. 入浴
    温活のために頑張りすぎず、気持ちよく身体を休ませられていますか?
  4. 食事
    温かさだけでなく、食事そのものをきちんと取れていますか?
  5. 身体の状態
    冷えと一緒に、睡眠、胃腸、疲労、月経などの変化がありませんか?

すべてを今日変える必要はありません。

一つ気づいたことがあれば、明日から一つ変えてみましょう。

9月最後の夜、自分の身体に「もっと」を求めすぎないで

今月も、妊活のためにいろいろなことを考えたと思います。

病院へ行った。

薬を使った。

食事に気をつけた。

睡眠も意識した。

それでも、

「もっと温めた方がいいかな」

「もっと運動した方がいいかな」

と考えていませんか?

身体づくりは、することを増やし続けることではありません。

今の身体を見て、

必要なことは取り入れる。

必要のないことは増やさない。

つらい不調は誰かに相談する。

それでいいのです。

10月に向けて、冷えや疲れを一度整えたい方へ

秋が深まるにつれ、冷えだけでなく、眠りの浅さや首肩のこり、胃腸の不調などが気になってくることがあります。

そんなときは、

「もっと自分で温めなければ」

と一人で頑張り続ける前に、一度身体を見直してみませんか。

蓮心はり灸堂では、現在の妊活・不妊治療の状況や今後の予定を確認しながら、月経、睡眠、胃腸、冷え・のぼせ、疲労、首肩の緊張など、身体全体を見て施術を組み立てています。

冷えが気になる方には、鍼だけではなく、その方の状態に応じてお灸も取り入れます。

自宅でセルフお灸をしてみたい方には、体調や治療状況に合わせて取り入れ方もお伝えできます。

10月は「温めることを頑張る」のではなく、自分の身体に合う整え方を見つけるところから始めていきましょう。

参考・出典

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「鍼灸:有効性と安全性」

『Frontiers in Neurology』(2025年)「慢性不眠症に対する鍼灸:メタ解析および逐次解析を含むシステマティックレビュー」

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