今日は秋分です。
国立天文台によると、2026年は9月23日9時05分に秋分を迎えます。
秋分は、太陽が天の赤道を横切る天文学上の節目で、昼と夜の長さがほぼ同じになるころとして知られています。
ここから少しずつ夜が長くなり、本格的な秋へ向かっていきます。
妊活をしていると、
「秋は妊娠しやすい季節?」
「秋分に何か特別なことをした方がいい?」
と気になる方もいるかもしれません。
でも、秋分だから妊娠しやすくなるわけではありません。
今日を特別な「妊活の日」にする必要もありません。
それよりも、
昼と夜が切り替わる季節の節目を、自分の生活と身体を見直すきっかけにする。
そんな秋分の過ごし方をおすすめします。
秋分は「身体のバランスを整える日」と考えてみる
夏は日が長く、暑さもあり、活動量が増えやすい季節です。
一方、秋分を過ぎると日の入りは早くなり、朝晩の気温も少しずつ下がっていきます。
身体はカレンダーを見て突然秋仕様へ変わるわけではありません。
夏と同じ生活を続けながら、外の環境だけが少しずつ変化していきます。
すると、眠る時間が遅いままになったり、朝起きにくくなったり、日中の疲れを夜まで引きずったりすることがあります。
だから秋分は、
「何を足す?」ではなく、「今の生活は身体に合っている?」
と確認する節目にしてみましょう。
昨日の記事では「秋分前の自律神経」をお話ししました
9月22日の
「秋分前に整えたい自律神経」
では、秋だから自律神経が乱れると決めつけるのではなく、光、睡眠、気温、生活リズムなどを見直すことについてお話ししました。
秋分を迎えた今日も、その基本は同じです。
季節の変わり目に必要なのは、特別な健康法を始めることではありません。
まずは、
- 朝起きる時間
- 朝から日中に光を浴びているか
- 食事時間が大きく乱れていないか
- 夜までスマートフォンを見続けていないか
- 暑さや寒さを我慢していないか
といった日常を確認します。
ここを整えるだけでも、秋の身体づくりは十分始められます。
秋分の養生① 朝の光で一日の始まりをつくる
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、起床後に朝の光を浴びることが体内時計の調整につながり、睡眠・覚醒リズムを整えるうえで重要とされています。
秋になると日の出が遅くなり、夏に比べて朝の部屋が暗く感じることがあります。
朝起きたらカーテンを開ける。
身支度や朝食をできるだけ明るい場所でする。
可能なら、通勤や買い物などで少し外へ出る。
特別に「朝活」を始めなくても構いません。
朝に身体へ「一日が始まった」と伝えること。
秋の睡眠を整えるなら、まずここからです。
秋分の養生② 夜を少しずつ「夜らしく」する
夜が長くなっても、照明やスマートフォンが明るければ、生活は夏とあまり変わりません。
厚生労働省は、就寝前の強い照明やスマートフォンなどの光が、睡眠を促すメラトニンの分泌や睡眠・覚醒リズムへ影響する可能性を示しています。
だからといって、
「21時以降スマートフォン禁止」
と厳しいルールを作る必要はありません。
妊活中なら、まずは寝る直前まで続けている検索を少し早く終えてみましょう。
基礎体温。
胚移植後の症状。
妊娠率。
同年代の治療成績。
夜に調べても、今夜答えが出ないものもあります。
今日の検索を終える時間を決めることも、秋分の養生です。
秋分の養生③ 食事時間を大きく乱さない
季節の養生というと、
「秋に食べるとよい食材」
を探したくなります。
もちろん旬の食材を楽しむのはよいことです。
でも、妊活中の身体づくりとしては、特定の食材を足すことよりも、食事そのものが大きく乱れていないかを見ることが先です。
朝はコーヒーだけ。
昼は忙しくて食べられない。
夜に一日分をまとめて食べる。
こうした状態が続いているなら、まず食事時間や食べ方を見直してみましょう。
完璧な三食を目指すのではなく、
今より少し、身体が食事を受け取りやすいリズムへ戻す。
それで十分です。
「秋だから身体を温める」も頑張りすぎなくていい
朝晩が涼しくなると、
「冷えないようにしなければ」
と厚着をしたり、熱い飲みものを増やしたり、長時間お風呂へ入ったりする方がいます。
でも、昼間はまだ暑い日もあります。
大切なのは、身体を常に温めることではなく、
暑ければ涼しくし、寒ければ一枚足すこと。
です。
冷たい飲みものを飲んだから妊娠しにくくなるわけではありませんし、汗をかくほど温めれば妊娠しやすくなるわけでもありません。
不快な暑さや寒さを我慢しない。
秋分のころは、そのくらいの柔軟さを大切にしてください。
東洋医学では、秋は「収めていく季節」と考えます
東洋医学では、春や夏に外へ向かっていた活動が、秋から冬に向けて少しずつ内側へ収まっていくと考えます。
だから秋の養生では、
頑張って活動量を増やすことよりも、
休む時間を少し取り戻すこと
を大切にします。
妊活中の方なら、治療を頑張りながら、
仕事。
家事。
検索。
通院。
食事管理。
運動。
セルフケア。
まで全部こなそうとしていることがあります。
秋分を機に、
「これ、本当に今も必要?」
と一つ減らしてみてもいいのです。
秋分のころに見直したい東洋医学の体質
季節だけで体質を決めるわけではありませんが、秋分のころに次のような状態が重なっていないか確認してみましょう。
肝鬱気滞(かんうつきたい)|緊張が抜けず、身体が張る
首肩の張り、ため息、胸やお腹の張り、月経前のイライラなどが重なる状態です。
脾虚(ひきょ)|胃腸が疲れ、食欲や便通が安定しない
胃もたれ、軟便、食欲低下、身体のだるさなどを合わせて見ます。
血虚(けっきょ)|疲れや眠りの浅さが目立つ
疲れやすい、眠りが浅い、立ちくらみなどが重なる状態です。
腎虚(じんきょ)|長く続く疲労や冷えなどが気になる
疲れが抜けにくい、腰がだるい、冷えを感じやすいなどを合わせて考えます。
どれか一つに自分を当てはめる必要はありません。
今の身体のどこに負担がたまっているのかを見るためのヒントとして使います。
秋分だから「妊活に特別なこと」をしなくて大丈夫
秋分の日に、
特別な食材。
特別な運動。
特別なサプリ。
特別なツボ。
を全部取り入れる必要はありません。
妊活をしていると、
「できることは全部やっておきたい」
という気持ちになります。
でも、身体づくりはイベントではありません。
今日だけ完璧にするより、
朝の光を浴びる。
食べる。
身体を少し動かす。
お風呂へ入る。
眠る。
そんな普通の生活を続けられることの方が大切です。
妊活中こそ「活動」と「休息」の両方を見る
不妊治療では、
受診する。
薬を使う。
採血する。
採卵する。
胚移植をする。
と、どうしても「何かすること」が中心になります。
でも、その治療を受けている身体には休息も必要です。
これは、
「休めば妊娠率が上がる」
という意味ではありません。
治療を続けていくうえで、
眠れること。
食べられること。
身体の痛みが少ないこと。
緊張から少し離れられること。
も大切にしてほしいということです。
治療を進めることと、身体を休ませることは、どちらか一方ではありません。
両方あっていいのです。
鍼灸は「季節に合わせて身体を見直す時間」にも使えます
妊活中の鍼灸というと、
採卵前。
胚移植前。
排卵前。
と、治療日に合わせて受けるイメージがあるかもしれません。
もちろん治療予定を確認することは大切です。
でも鍼灸は、特定の日だけに受けるものではありません。
たとえば、
最近眠りが浅い。
胃腸が不安定。
首肩が固まっている。
夏の疲れが抜けない。
月経前になると身体に力が入る。
といった身体の変化を確認しながら、次の治療へ向けて整えていくこともできます。
治療予定だけではなく、季節の変化の中で今の身体を一度見てもらえる。
これも妊活中に鍼灸を取り入れるメリットです。
鍼灸を受ける時間は「何もしなくていい時間」にもなります
妊活中は、自分で判断することがたくさんあります。
何を食べるか。
いつ寝るか。
いつタイミングを取るか。
どのサプリを飲むか。
次の治療をどうするか。
ずっと自分の身体を管理していると、それだけでも疲れます。
体外受精(IVF)を受ける女性を対象とした2025年のシステマティックレビュー・メタ解析では、鍼灸を取り入れた群で不安の軽減も報告されています。
鍼灸の時間くらいは、
「自分で身体を何とかしなくていい時間」
にしてもいいと思います。
施術を受けながら身体の力を抜き、今の状態を一緒に確認する。
そんな使い方もできます。
蓮心はり灸堂では「秋だからこのツボ」とは考えません
秋分だから全員同じ施術をするわけではありません。
当院では、
- 現在の妊活・不妊治療の段階
- 使用している薬やサプリメント
- 月経周期
- 睡眠
- 胃腸・便通
- 冷え・のぼせ
- 疲労
- 首肩や背中の緊張
- 今、一番気になっていること
を確認します。
同じ9月でも、採卵前の方と胚移植後の方、治療を休んでいる方では身体も気持ちも違います。
季節だけを見るのではなく、その季節を過ごしている一人ひとりの身体を見る。
それが当院の考える秋の体質改善です。
秋分の今日、3つだけ整えるなら
1.朝から日中に光を浴びる
起きたらカーテンを開け、可能な範囲で明るい環境で過ごします。
2.暑さ・寒さを我慢しない
薄手の羽織ものや寝具を使い、その日の気温に合わせて調節します。
3.夜の妊活を終える時間を決める
検索や基礎体温アプリを見る時間を少し早めに終え、身体を休ませる時間をつくります。
この3つを全部する必要はありません。
一つできたら十分です。
今日の夜は「セルフお灸」を紹介します
秋分の朝は、生活全体の整え方についてお話ししました。
今夜はもう少し具体的に、
自宅でできるセルフお灸
を取り上げます。
9月23日夜公開の
「秋分の夜のセルフお灸」
では、妊活中でも使いやすいツボの考え方、お灸をするときの注意点、「熱いほど効く」と考えなくてよい理由などを分かりやすくお伝えします。
お灸をしたことがない方にもできる内容にします。
秋分は、頑張り方を少し変える節目に
妊活では、
もっと調べる。
もっと身体にいいものを食べる。
もっと運動する。
もっと早く寝る。
と、つい「もっと」が増えていきます。
でも秋分は、昼と夜がほぼ同じ長さになる節目です。
今日は、
「もっと頑張る」だけではなく、
活動する時間と、休む時間の両方を大切にできているかな?
と考えてみてください。
夏の疲れが残っているなら休む。
眠れていないなら夜を少し軽くする。
身体に力が入っているなら鍼灸を利用する。
食べられていないなら胃腸から整える。
今の身体に必要なのは、
何かを追加することではなく、
少し負担を減らすことかもしれません。
秋の身体づくりを始めたい方へ
季節の変わり目に体調が揺らぐと、
「妊活に影響したらどうしよう」
と不安になることがあります。
でも、一日眠れなかったことや、一日身体が冷えたことを妊娠結果へ結びつけて責める必要はありません。
大切なのは、毎日の身体を少しずつ戻していくことです。
蓮心はり灸堂では、妊活・不妊治療の予定だけではなく、睡眠、胃腸、月経、冷え・のぼせ、疲労、首肩の緊張などを確認しながら施術を組み立てています。
「夏の疲れがまだ残っている」
「最近、眠りが浅い」
「身体がずっと緊張している」
そんな段階からでもご相談ください。
秋分を、身体を追い込む日ではなく、少し整え直す日に。
秋から冬へ向かう身体を、一緒にゆっくり整えていきましょう。
参考・出典
国立天文台「令和8年(2026)暦要項 二十四節気および雑節」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省 e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」
International Journal of Nursing Studies「体外受精を受ける女性に対する鍼灸:最新システマティックレビュー・メタ解析」

