甘いものが止まらない夜の東洋医学的セルフケア

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

夕食を食べたはずなのに、

「何か甘いものが欲しい」

チョコレートを一つだけ。

と思ったのに、

もう一つ。

もう一つ。

気づけば袋がかなり減っている。

そして食べ終わったあと、

「また食べてしまった」

「妊活中なのに大丈夫かな」

「血糖値が上がったら着床に悪い?」

と不安になる。

そんな夜はありませんか?

8月20日の
「妊活中の食欲の乱れと血糖変動」
では、

食事をすれば血糖値が上がること自体は正常な身体の反応であること。

「血糖スパイク」という言葉だけを怖がりすぎなくてよいこと。

一方で、PCOSなどでは糖代謝の確認が大切になる場合があることをお伝えしました。

今夜はその続きとして、

「なぜ夜になると甘いものが欲しくなるの?」

を考えてみます。

最初に一番お伝えしたいことは、

甘いものが欲しくなる=意志が弱い、ではありません。

食事量。

食事の間隔。

睡眠。

疲労。

ストレス。

月経周期。

習慣。

食べ物が目に入る環境。

など、さまざまな要因が食欲に関係します。

だから、

「明日から絶対に甘いもの禁止」

と決める前に、

まず、

身体が何を求めている夜なのか

を見てみましょう。

目次

妊活中に甘いものを食べたらダメ?

いいえ。

妊活中だから、お菓子を一切食べてはいけないということではありません。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、お菓子や間食は「喜びや楽しみ」を与えるものとして位置づけられており、食事全体とのバランスを考えながら上手に取り入れることが勧められています。食事バランスガイドでは、菓子・嗜好飲料は一日200kcal程度が一つの目安として示されています。 

もちろん、

これは、

「200kcalまでは必ず食べてよい」

「200kcalを1kcalでも超えたら悪い」

という線引きではありません。

毎日の食事全体の中で考えるための目安です。

WHOも「糖質そのものを禁止」しているわけではありません

WHOが制限を勧めているのは、

主に、

砂糖。

シロップ。

蜂蜜。

果汁。

清涼飲料水。

菓子類などに含まれる、

遊離糖類(free sugars)

です。

WHOは、遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満、可能であれば5%未満へ減らすことを勧めています。 

一方、

ご飯。

パン。

麺。

芋。

果物。

などに含まれる炭水化物まで、

すべて避けるという推奨ではありません。

むしろWHOの現在の健康的な食事の考え方では、エネルギーの多くを、豆類や全粒穀物などを含む炭水化物食品から摂ることも基本の一つです。 

「妊活だから糖質を抜く」はおすすめしません

甘いものが気になると、

翌日から、

朝食を抜く。

ご飯を半分にする。

夜は炭水化物ゼロ。

お菓子禁止。

と、

食事全体を急に減らす方がいます。

でも、

昼間の食事が少なすぎれば、

夕方から夜に強い空腹が出ることがあります。

そして、

「甘いものを我慢しなきゃ」

と一日中抑えていた反動で、

夜に一気に食べる。

という流れになることもあります。

特に、食べることへのコントロールを失うような過食がある場合には、強い食事制限がかえって過食を起こしやすくすることがあります。

NICEの過食性障害ガイドラインでも、治療では規則的な食事と間食によって強い空腹を避けることが勧められ、過食を治療している間の極端なダイエットは避けるよう示されています。 

夜に甘いものが欲しくなる理由1 昼間の食事が少なすぎる

まず確認してほしいのが、

朝と昼です。

朝はコーヒーだけ。

昼はサラダとスープ。

夕方まで仕事。

そして、

夜になると甘いものが止まらない。

この場合、

夜だけを見て、

「私は甘いもの依存だから」

と考える前に、

昼間に必要なエネルギーを食べられているか

を確認してみましょう。

「ヘルシーに食べる」が「少なすぎる食事」になっていませんか?

妊活中は、

体重。

血糖。

ホルモン。

を意識するあまり、

ご飯を減らしすぎる方もいます。

でも、

野菜だけ。

スープだけ。

低糖質食品だけ。

では、

夕方に強い空腹が出ることがあります。

食事では、

主食。

たんぱく質を含む主菜。

野菜などの副菜。

を基本に、

自分の活動量に合わせて食べます。

夜のお菓子だけを直すより、朝から一日を見る。

ここがとても大切です。

夜に甘いものが欲しくなる理由2 夕食から寝るまでが長い

夕食が18時。

就寝が0時過ぎ。

という生活なら、

夕食後6時間近く起きていることになります。

途中でお腹が空くこと自体は不自然ではありません。

この場合、

「夜だから何も食べてはいけない」

と我慢し続けるより、

量を決めて間食をとる方法もあります。

夜の間食なら「食べて終わる形」にする

たとえば、

ヨーグルト。

果物。

牛乳や豆乳。

少量のナッツ。

小さなお菓子。

などです。

大切なのは、

テレビを見ながら、

スマートフォンを見ながら、

袋を横に置いて延々食べる、

という形を避けること。

食べる量を先にお皿へ出して、そこで終わる。

これだけでも食べ方は変わります。

夜に甘いものが欲しくなる理由3 睡眠不足

意外と見落とされやすいのが、

睡眠です。

「甘いものが欲しいから眠れない」

だけではなく、

眠れていないから、食欲や食べ物の選び方が変わる

ことがあります。

健康な若年成人を対象としたランダム化試験では、睡眠を8時間から5時間へ短縮した条件で、甘味への好みや食欲、エネルギー摂取が増えました。 

また別のランダム化試験でも、3日間の睡眠制限によって、空腹感や脂っこい食品への欲求が強くなり、間食からのエネルギー・炭水化物摂取量が増えています。 

「甘いものをやめる」より先に「眠れている?」を見る

毎晩、

0時を過ぎる。

1時になる。

寝る直前までスマートフォンを見ている。

夜中に何度も目が覚める。

という方なら、

チョコレートを禁止する前に、

睡眠を少し整えることが、結果的に食欲を整える助けになる可能性があります。

「今日から22時に寝る」

まで頑張らなくても構いません。

まず、

いつもより15~30分早く布団へ入る。

寝る前の検索をやめる。

夜食後に歯を磨く。

などから始めます。

夜に甘いものが欲しくなる理由4 妊活のストレス

採卵結果を聞いた。

胚盤胞にならなかった。

明日は診察。

判定日が近い。

夫婦で妊活の話をした。

そんな夜ほど、

甘いものが欲しくなる。

という方もいます。

これは、

食欲だけの問題ではないかもしれません。

「感情で食べる」ということがあります

医学・心理学では、

空腹そのものではなく、

不安。

緊張。

寂しさ。

怒り。

疲労。

などの感情をきっかけに食べることを、

エモーショナルイーティング(感情的摂食)

と呼ぶことがあります。

2024年の医学レビューでも、ストレスや否定的な感情に反応して食べることは珍しいものではなく、食事行動だけでなく感情面への対応も重要だと整理されています。 

2026年の最新レビューでも、強いストレス時には、甘味や脂質の多い「すぐに満足感を得やすい食品」を選びやすくなる仕組みが論じられています。 

甘いものが「一日の終わりのご褒美」になっていてもいい

仕事。

通院。

薬。

家事。

妊活。

一日を頑張って、

夜、

チョコレートを食べるとほっとする。

それ自体を、

すぐ悪い習慣と決めなくてもよいと思います。

食べ物には、

栄養だけでなく、

楽しみ。

安心。

人との時間。

という役割もあります。

厚生労働省も、間食は喜びや楽しみを与えるものだとしています。 

問題は、

「甘いものを食べること」ではなく、それしか自分を休ませる方法がなくなっていないか

です。

甘いものを食べる前に10分だけ別の休み方を試す

夜に、

「どうしても甘いもの」

と思ったら、

食べるのを禁止するのではなく、

まず10分だけ、

別の休み方を入れてみます。

温かい飲み物を飲む。

シャワーを浴びる。

照明を少し落とす。

肩を回す。

深く息を吐く。

音楽を聴く。

布団へ入る準備をする。

10分経って、

まだ食べたいなら、

食べても構いません。

目的は、

我慢することではなく、「私は今、空腹?疲労?ストレス?」と身体へ確認する時間をつくること

です。

夜に甘いものが欲しくなる理由5 「習慣」になっている

夕食。

テレビ。

21時にチョコレート。

という流れを毎日続けていると、

強い空腹がなくても、

21時になると食べたくなることがあります。

これは、

意志が弱いというより、

生活の流れとして定着している場合があります。

「買わない」より「食べ方を決める」でもいい

甘いものを全部家から捨てる。

という方法もありますが、

禁止されたものほど気になる方もいます。

そこで、

個包装を選ぶ。

大袋から直接食べない。

小皿へ出す。

食後に食べる。

時間を決める。

など、

食べることを前提にルールをつくる

方法もあります。

「血糖が下がっているから甘いものが欲しい」とは限りません

よく、

「甘いものが欲しい=低血糖」

と言われることがあります。

でも、

甘いものが欲しくなるという症状だけで、

低血糖とは診断できません。

睡眠。

ストレス。

習慣。

食事量。

食品への嗜好。

などでも甘いものは欲しくなります。

本当の低血糖では、

冷や汗。

手の震え。

動悸。

強い空腹。

意識の変化。

などが起こる場合があります。

症状が繰り返す場合や、糖尿病治療薬を使用している場合などは、自己判断せず医療機関へ相談してください。

PCOSの方は、糖代謝を一度確認しておく意味があります

これまでPCOSと呼ばれてきた状態では、

インスリン抵抗性や糖代謝異常がみられることがあります。

国際的な診療ガイドラインでは、PCOSのある女性は年齢やBMIにかかわらず耐糖能異常・2型糖尿病のリスクが高いため、診断時に血糖状態を評価することが推奨されています。妊娠を計画するときや不妊治療を受けるときには、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)が検討されます。 

ただし、

夜に甘いものが欲しい=PCOS=インスリン抵抗性

ではありません。

月経不順。

排卵障害。

PCOSの診断歴。

血糖について指摘されたことがある。

という方は、

食べ物を怖がる前に、

必要な検査について主治医へ相談しましょう。

「血糖を上げない妊活」を目指しすぎない

妊活中に、

食後血糖。

GI値。

糖質量。

を細かく気にする方がいます。

でも、

健康な身体では、

食事をすれば血糖値はある程度上がります。

そのすべてを、

「スパイク」

「炎症」

「着床に悪い」

と考える必要はありません。

WHO・FAOの健康的な食事の基本も、特定の食品を完全に排除するのではなく、適切性・バランス・節度・多様性を重視しています。 

「甘いものを食べたから今回の移植はダメ」は考えなくて大丈夫

胚移植後に、

ケーキを食べた。

アイスを食べた。

チョコレートを食べた。

すると、

「血糖が上がって着床に悪かったかも」

と心配する方がいます。

一回のお菓子によって、

胚移植の結果が決まる、

というものではありません。

妊娠成立には、

胚。

子宮内膜。

年齢。

ホルモン。

そのほか多くの要因が関係します。

一つの食べ物へ、妊娠結果の責任を負わせないでください。

東洋医学では「甘いものが欲しい=脾虚」と決めません

東洋医学の記事では、

「甘いものが欲しくなるのは脾虚」

という説明を見ることがあります。

でも、

甘いものを食べたいという一つの症状だけで、

体質を決めることはできません。

当院では、

食欲だけでなく、

胃腸。

便通。

疲労。

睡眠。

月経。

冷えやほてり。

ストレス。

なども一緒に見ます。

脾虚(ひきょ)|疲れると甘いものへ手が伸びるタイプ

・朝から疲れている
・食後に眠くなる
・胃が重い
・軟便になりやすい
・食事量が少ない
・夕方になると急に疲れる

という方では、

東洋医学で、

脾虚=胃腸の働きや、食事から身体を養う力が弱っている状態

として見ることがあります。

このタイプでは、

お菓子だけを減らすより、

朝食。

昼食。

夕食。

がきちんと食べられているかを先に確認します。

脾虚タイプの夜は「甘いもの禁止」より夕食を見直す

夕食が、

サラダだけ。

スープだけ。

という日が続いているなら、

ご飯。

魚。

肉。

卵。

豆腐。

などを少し加えます。

胃腸が弱い方なら、

温かい汁物。

やわらかく調理した食事。

なども使います。

食事を減らして甘いものを我慢する

という方向だけに進まないようにしましょう。

肝鬱気滞(かんうつきたい)|ストレスのあとに食べたくなるタイプ

・病院へ行った夜に食べる
・夫婦で妊活の話をしたあとに食べる
・イライラすると食べたくなる
・胸やお腹が張る
・ため息が増える
・肩や首も緊張している

という方では、

東洋医学で、

肝鬱気滞=緊張やストレスによって気の巡りが滞った状態

として見ることがあります。

この場合、

食べ物だけを管理しても、

その前にある緊張が残っています。

肝鬱気滞タイプは「食べない努力」より緊張を切る

帰宅したらすぐ妊活検索。

お風呂でも検索。

布団でも検索。

そして、

疲れて甘いもの。

となっているなら、

まず検索を止める時間をつくります。

たとえば、

21時以降は妊活検索をしない。

これだけでも構いません。

身体へ、

「今日の妊活はここで終わり」

という時間をつくります。

痰湿(たんしつ)|重だるさや食後の眠気が強いタイプ

・身体が重い
・むくみやすい
・食後すぐ眠くなる
・胃がもたれる
・甘い飲み物をよく飲む
・運動量が少ない

という方では、

東洋医学で、

痰湿=水分や代謝物が身体に停滞していると捉える状態

として見ることがあります。

ただし、

これは医学的な糖尿病や肥満の診断とは別です。

「痰湿だから糖質禁止」

とはしません。

気血両虚(きけつりょうきょ)|治療で消耗して夜に甘いものが欲しいタイプ

採卵。

胚移植。

仕事。

月経。

通院。

が続き、

・とにかく疲れている
・月経後ぐったりする
・眠りが浅い
・立ちくらみがある
・夕方になると動けない

という方では、

東洋医学で、

気血両虚=身体を動かし養うものが不足している状態

として見ることがあります。

この場合も、

「お菓子を食べるから疲れる」

と順番を決めつけず、

疲れているから簡単にエネルギーを得られるものへ手が伸びていないか

を考えてみます。

立ちくらみや月経量の多さがある場合には、

貧血や鉄欠乏について医学的な確認も大切です。

今夜からできる3つのセルフケア

1.甘いものを食べる前に「空腹・疲労・気持ち」を確認する

自分へ、

「お腹が空いている?」

「疲れている?」

「嫌なことがあった?」

と聞いてみます。

答えが、

「お腹が空いた」

なら、食べます。

「疲れた」

なら、少し休みます。

「不安」

なら、その不安に別の対処が必要かもしれません。

もちろん、

全部当てはまる夜もあります。

2.食べるなら隠れて食べない

「妊活中なのに」

と思うほど、

罪悪感を持って急いで食べがちです。

でも、

食べるなら、

袋から必要な分を出し、

座って、

普通に食べます。

食べたことを失敗にしない。

ここがポイントです。

3.翌日に帳尻合わせをしない

夜にケーキを食べた。

翌朝抜く。

昼も少なくする。

夕方お腹が空く。

また甘いもの。

この循環を避けます。

翌日は、

いつもの朝食へ戻します。

「今日は食べすぎた」なら一日ではなく数日で考える

厚生労働省の間食に関する情報でも、ある日にお菓子を多く食べた場合には、翌日以降を含めた一定期間の中で調整する考え方が紹介されています。 

妊活中も同じです。

一晩で、

「全部台無し」

にはなりません。

次の日から、

普通の食事へ戻せばよいのです。

甘い飲み物は少し見直しやすいポイント

甘いものを減らしたい場合、

お菓子より先に、

ジュース。

加糖カフェラテ。

甘い紅茶。

エナジードリンク。

スポーツドリンク。

などを確認する方法があります。

飲み物は満腹感につながりにくいまま遊離糖類を摂りやすいため、

普段の水分補給は、

水。

無糖のお茶。

などを中心にしてみます。

ただし、

真夏の長時間運動や大量発汗時など、

糖・電解質を含む飲料が必要になる状況とは分けて考えてください。

果物まで怖がらなくて大丈夫

「果糖だから果物もダメ?」

と聞かれることがあります。

WHOが遊離糖類として制限する「果汁」と、丸ごとの果物は同じ扱いではありません。

WHOの健康的な食事では、成人について野菜と果物を合わせて1日400g以上摂ることが推奨されています。 

ですから、

甘いものが欲しいときに、

果物。

ヨーグルト+果物。

などを間食へ使う方法もあります。

甘味料に全部置き換えればいい?

砂糖を、

人工甘味料や非糖質甘味料にすべて置き換えればよい、

とも限りません。

WHOは、健康的な食生活のために遊離糖類を減らす方法として、非糖質甘味料へ単純に置き換えることを基本戦略とはしていません。現在のWHO健康食情報でも、この点が明記されています。 

「砂糖ゼロ」の商品だけを探し続けるより、

甘味の強い食品そのものの頻度を少し調整する、

という考え方もあります。

「止めたいのに止められない」が強い場合は、セルフケアだけにしない

ここはとても大切です。

短時間に大量に食べることが繰り返される。

食べ始めるとコントロールできない。

隠れて食べる。

食後に強い自己嫌悪がある。

吐く。

下剤を使う。

翌日ほとんど食べない。

という状態があるなら、

単なる、

「妊活中の甘いもの対策」

として扱わない方がよい場合があります。

過食性障害やほかの摂食障害では、専門的な心理・栄養面の支援があります。NICEも、過食性障害にはガイド付きセルフヘルプや認知行動療法などを推奨しています。 

「自分の意志で止められないからダメ」ではなく、治療できる状態かもしれない

と考えてください。

妊活中だからこそ、食事を「採点」しすぎない

朝100点。

昼80点。

夜、

チョコを食べたから0点。

という食事にしないでください。

妊活中の身体づくりは、

一食。

一晩。

一つのお菓子。

で決まるものではありません。

食事。

睡眠。

活動。

ストレス。

治療。

身体の状態。

を長い目で見ていきます。

甘いものを減らすだけが、妊活の身体づくりではありません

もし、

甘いものが増えている背景に、

眠れない。

胃腸が不安定。

疲れが取れない。

身体が緊張している。

治療のことばかり考えている。

という状態があるなら、

お菓子だけを管理しても、

身体のつらさは残ります。

そんなときには、

食事以外の身体づくりへ目を向ける

ことも一つです。

妊活中に鍼灸を取り入れる意味

鍼灸は、

甘いものを嫌いにする施術でも、

血糖値を下げる薬の代わりでもありません。

糖尿病。

PCOSに伴う糖代謝異常。

低血糖。

などが疑われる場合には、

必要な医学的検査・治療を優先します。

そのうえで鍼灸では、

・現在の不妊治療の段階
・睡眠
・食欲
・胃腸
・便通
・疲労
・月経
・冷えやほてり
・肩や首の緊張
・妊活によるストレス

などを一緒に確認します。

「甘いものを止める」ではなく、その背景の身体を見る

たとえば、

毎晩甘いものを食べる方でも、

Aさんは、

昼食が少なく、夕方に空腹が強い。

Bさんは、

採卵前の緊張で眠れていない。

Cさんは、

仕事と不妊治療が重なり疲れ切っている。

Dさんは、

胃腸が弱く、一回の食事量が少ない。

では、

身体づくりのポイントは変わります。

「甘いもの」という一つの行動だけでなく、その背景にある身体を見られること。

これも、体質を大切にする妊活鍼灸の特徴です。

妊活と鍼灸については、妊娠成績そのものも研究されています

生殖補助医療と鍼灸については、2026年に42試験・9,390人を統合したメタ解析が発表されています。

その解析では、鍼灸併用群で、

臨床妊娠率 RR 1.25

着床率 RR 1.16

と、対照群より有意に高い結果が報告されました。

一方、出生率はRR 1.14で統計学的に明確な差には達せず、研究のばらつきやバイアスなどから、主要な結果のエビデンスの確実性は非常に低いと評価されています。 

大切なのは、

「鍼灸を受ければ妊娠できる」

と考えることではありません。

病院で必要な不妊治療を受けながら、食事・睡眠・胃腸・疲労・緊張など、自分自身の身体も継続して整えていく方法の一つとして鍼灸を利用する。

そんな取り入れ方があります。

甘いものを食べた自分を責めるより、今夜の身体を見てみる

妊活中は、

「良いことをしなければ」

という気持ちが強くなります。

だから、

チョコレート一つでも、

「やってしまった」

と思ってしまう。

でも、

一番知りたいのは、

何を食べたかだけではありません。

今日は食事をきちんととれた?

眠れている?

疲れている?

病院で何か言われた?

夫婦で何かあった?

身体が緊張していない?

そこまで見て初めて、

「なぜ今夜、甘いものが欲しかったのか」

が少し見えてきます。

今夜は「我慢できたか」ではなく「気づけたか」で終わりにする

もし今夜、

甘いものを食べたとしても、

それで構いません。

ただ、

「今日は疲れていたから欲しかったな」

「昼ご飯が少なかったな」

「明日の診察が不安だったんだ」

と、

一つ気づけたら、

それで十分です。

その気づきが、

次の夜の食べ方や、

生活の整え方を変えるきっかけになります。

妊活の食事は、自分を管理し続けるためのものではなく、妊活を続ける身体を養うためのもの。

食べることを怖がらず、

必要なところだけ少しずつ整えていきましょう。

【参考・出典】

厚生労働省「お菓子や間食の取り入れ方」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

世界保健機関(WHO)「成人・小児の糖類摂取に関するガイドライン」

世界保健機関(WHO)・国連食糧農業機関(FAO)「健康的な食事とは何か」

国際PCOSガイドライン作成グループ「PCOSの評価と管理に関する国際的エビデンスベースガイドライン」

英国国立医療技術評価機構(NICE)「摂食障害の認識と治療」

Appetite「睡眠制限が食欲と食物摂取に与える影響に関するランダム化クロスオーバー試験」

Harvard Review of Psychiatry「感情的摂食の評価と対応」

Frontiers in Endocrinology「生殖補助医療に併用する鍼治療のタイミングと施術量に関するメタ解析・ネットワークメタ解析」

甘いものを我慢するより、身体全体を整えたい方へ

「夜になると甘いものが止まらない」

「採卵や胚移植が近づくほど食欲が乱れる」

「食べたあとに、妊活に悪かったのではと自分を責めてしまう」

そんな方もいらっしゃると思います。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

食べたものだけを見て、

「これはダメ」

「これをやめましょう」

と考えるのではなく、

・現在の妊活・不妊治療の段階
・食事の時間や量
・睡眠
・胃腸や便通
・疲労
・月経
・冷えやほてり
・身体の緊張
・妊活中のストレス

などを確認しながら、その方の身体を見ていきます。

妊活に鍼灸を取り入れるメリットは、

「甘いものを我慢できる身体にする」

ことではありません。

食欲の乱れだけを切り離さず、睡眠・胃腸・疲労・月経・緊張など、その背景まで含めて身体を継続して整えていけること。

病院では必要な不妊治療や血糖・ホルモンなどの医学的評価を受ける。

食事では必要な栄養をとる。

そして鍼灸では、

その治療と生活を続けている身体そのものを整えていく。

そんな組み合わせ方があります。

「食べるものをもっと減らさなければ」

と考える前に、

一度、

今の身体が疲れていないか

も見てみませんか。

「妊活中の食欲や胃腸の乱れも含めて相談したい」

「採卵・胚移植へ向けて、自分に合った身体づくりを知りたい」

という方は、LINEからお気軽にご相談ください。

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