9月に向けた病院質問メモの作り方

妊活の基礎知識をやさしく伝える奈良・上牧町の不妊鍼灸専門院のブログ画像

診察室を出たあとに、

「あれも聞けばよかった」

と思ったことはありませんか。

不妊治療では、検査結果、薬、採卵、胚移植など、一度の診察で確認することがたくさんあります。

緊張していると、聞きたかったことが飛んでしまうこともあります。

そんなときに役立つのが、病院へ行く前の質問メモです。

長い文章を書く必要はありません。

大切なのは、

「今日、何を確認して帰りたいか」を3つほど決めておくこと。

9月の治療を少し整理して迎えるために、今夜一度作ってみましょう。

目次

この記事のポイント

・質問は多く書くより「今日聞きたい3つ」を優先する
・検査結果は「良い・悪い」だけでなく、次の治療にどう関係するかを確認する
・薬は目的、使い方、気をつけたい症状を聞く
・次の治療だけでなく「なぜその治療を選ぶのか」も確認する
・追加検査やオプション治療は、期待できること・リスク・費用も聞いてよい
・自分の希望や不安を伝えることも治療を決めるための大切な情報です

質問メモは「先生を問い詰めるため」のものではありません

質問をたくさんすると、

「先生を信用していないと思われないかな」

と心配になる方もいます。

でも、不妊治療には一つだけの進み方があるわけではありません。

WHOが2025年に公表した初の世界的な不妊ガイドラインでも、検査結果だけではなく、本人やカップルの希望も踏まえながら治療を選択していくことが重視されています。

質問することは、

治療へ口を出すことではなく、

自分が受ける治療を理解するための確認です。

まず「今日一番聞きたいこと」を決める

スマホのメモに10個、20個と質問を書いても、診察時間の中ですべて確認するのは難しいことがあります。

そこで最初に、

今日、これだけは確認したいことを3つ

選んでみてください。

たとえば、

  1. 今回の検査結果をどう考えればよいですか?
  2. 次はどの治療を考えていますか?
  3. 今使っている薬はいつまで続けますか?

これだけでも、診察後の「何も聞けなかった」が減ります。

① 検査結果は「数字の意味」まで聞く

AMH、FSH、E2、プロゲステロン、精液検査、子宮内膜の厚さなど、不妊治療ではさまざまな数字が出てきます。

数字を見ると、

「正常ですか?」

「悪いですか?」

と聞きたくなります。

でも、もう一歩だけ聞いてみるのがおすすめです。

「この結果は、今後の治療にどのように関係しますか?」

同じ検査結果でも、年齢、これまでの治療歴、卵巣反応、精液所見などによって考え方は変わります。

一つの数字だけで、自分の妊娠の可能性すべてを判断しないことも大切です。

② 薬は「何のために使うか」を確認する

不妊治療では、排卵誘発薬、卵巣刺激に使う薬、排卵を調整する薬、黄体補充など、治療段階によって薬が変わります。

診察では、

「この薬は、今回の治療で何をするための薬ですか?」

と聞いてみましょう。

さらに、飲み忘れ・使用時間のずれへの対応、よくある副作用、どんな症状なら病院へ連絡した方がよいかまで確認しておくと安心です。

薬についてわからないことがあれば、自己判断で中止・増減する前に通院先へ確認してください。

③ 「次に何をする?」だけでなく「なぜ?」も聞く

治療が進んでくると、

「次は採卵です」

「次周期に移植しましょう」

と言われ、そのまま予定を決めることがあります。

もちろん、それで納得できていれば問題ありません。

でも迷いがあるなら、

「今回、この方法を選ぶ理由を教えてください」

と聞いてみてください。

WHOの不妊ガイドラインでも、検査結果や本人の希望を踏まえながら、状況に応じて治療を段階的に選択する考え方が示されています。

理由がわかるだけで、

「言われたから治療する」

から、

「自分でも理解して次へ進む」

へ変わります。

④ 「今回うまくいかなかったら?」も聞いて大丈夫

妊活中は、

悪い結果を想像すると縁起が悪いような気がして、

聞きにくいことがあります。

でも、

「今回うまくいかなかった場合、次はどんな選択肢がありますか?」

と聞くことは、結果を悲観することではありません。

次の選択肢が少し見えているだけでも、

判定日までの不安が和らぐことがあります。

もちろん、その時点では決めきれないこともあります。

「現時点では何が候補になりますか?」

くらいで十分です。

⑤ 治療を一周期休んだ場合も聞いてみる

「一周期でも早く進まないと」

という焦りが強くなることがあります。

でも、仕事や家庭の事情、体調、気持ちの疲れなどで、少し休みたいと感じることもあります。

そのときは、

「一周期休むと、今回の治療計画にどんな影響がありますか?」

と具体的に確認してみてください。

休むべきか、進むべきかを自己判断だけで決めるのではなく、現在の年齢、卵巣予備能、治療内容などを踏まえて主治医と相談できます。

⑥ 追加検査やオプション治療は「何のため?」を確認する

不妊治療を続けていると、

追加検査や、通常の治療に加えて行うさまざまな方法を提案されることがあります。

そんなときは、

「やった方がいいですか?」

だけでなく、

「この検査・治療で何がわかりますか?」
「私の場合、どんなメリットが期待できますか?」
「デメリットや費用はありますか?」
「行わないという選択肢もありますか?」

まで聞いてみましょう。

ESHREも、生殖医療の追加治療・検査については、患者さんが効果、安全性、出生につながる可能性などを十分に理解したうえで判断できることを重視しています。

「できる治療」と、

「今の自分に必要な治療」

は、必ずしも同じではありません。

⑦ 自分の希望も質問メモに入れていい

質問メモというと、

医学的な質問だけを書こうとしがちです。

でも、

「できれば○月までは治療を続けたい」

「仕事の都合で、この時期の採卵は難しい」

「副作用が強かったので同じ方法が不安」

「費用面も含めて選択肢を考えたい」

といったことも大切です。

ESHREの心理社会的ケアの指針でも、患者さんは治療に関する意思決定へ参加することや、自分の医療歴や状況に合わせた個別的な説明を重視していることが示されています。

治療に合わせて生活するだけではなく、生活も含めて治療を考える。

そのための相談をしても構いません。

そのまま使える「病院質問メモ」

スマホのメモ帳なら、これくらいで十分です。

今回の診察で確認したいこと

① 今回の結果
「○○の数値は、今回の治療ではどう考えますか?」

② 次の治療
「次は何を予定していますか?」
「その方法を選ぶ理由は何ですか?」

③ 薬
「○○は何のために使っていますか?」
「いつまで続けますか?」

余裕があれば確認

・今回うまくいかなかった場合の次の選択肢
・一周期休んだ場合の影響
・追加検査や治療の必要性
・病院へ連絡した方がよい症状
・次回受診までに自分でしておくこと

全部聞く必要はありません。

今日必要なものだけ残してください。

薬やサプリは「服用メモ」を見せると早い

診察中に、

「葉酸と、ビタミンDと……あと何だったかな」

と思い出すところから始めると、それだけで時間がかかります。

処方薬、市販薬、漢方薬、サプリの商品名や摂取量をスマホへまとめておくと、相談しやすくなります。

具体的な作り方は、「サプリ相談の前に作りたい服用メモ」でまとめています。

診察が終わる前に「最後の1問」

説明を聞いたあと、

「何かわからないことはありますか?」

と聞かれると、

反射的に、

「大丈夫です」

と言ってしまうことがあります。

そんなときは、

最後にこれだけ確認してみてください。

「次回までに、私が気をつけておくことはありますか?」

薬の使い方、受診時期、生活上の注意など、

自分が次にすべきことを整理しやすくなります。

すべてを一度で理解できなくても大丈夫

不妊治療では、

初めて聞く言葉が次々に出てきます。

採卵数、受精率、胚盤胞、グレード、子宮内膜、ホルモン値。

その場で全部理解しようとすると、余計に頭へ入らなくなることがあります。

わからなければ、

「もう一度、簡単な言葉で説明してもらえますか?」

と聞いて構いません。

治療を理解するために説明を求めることは、遠慮することではありません。

病院で治療を確認し、鍼灸では身体の変化も整理する

不妊治療の診察では、卵胞、ホルモン値、採卵結果、胚、子宮内膜など、治療を進めるために必要な医学的情報を確認します。

一方で、その治療を受けている身体には、睡眠の乱れ、胃腸の不調、疲労、冷えやほてり、肩や腰の緊張などが出ることがあります。

妊活鍼灸では、

病院での治療内容を確認しながら、その治療を受けている身体の変化を継続して見ていく

という役割があります。

妊活に鍼灸を取り入れることにも前向きな研究があります

2026年に発表された42の研究・9,390人をまとめた大規模な解析では、IVF・ICSI・胚移植などの生殖補助医療に鍼灸を取り入れたグループで、

妊娠に至った割合が比較したグループより約25%高く、着床した割合も約16%高い結果

が報告されています。

もちろん、鍼灸を受ければ必ず妊娠できるという意味ではなく、出生率については明確な差が確認されず、研究の確実性にも課題があります。

それでも、

病院で必要な不妊治療を受けながら、鍼灸を身体づくりとして併用することには前向きな研究結果があります。

病院か鍼灸か、どちらか一方を選ぶのではありません。

病院で必要な治療を進めながら、その治療を受ける身体も一緒に整えていく。

そんな妊活の進め方もあります。

9月の診察は「3つの質問」から

質問メモを完璧に作る必要はありません。

病院へ行く前に、

「今日、何をわかって帰りたい?」

と考えてみてください。

検査結果。

次の治療。

薬のこと。

その中から、まず3つ。

聞きたいことが整理できると、

治療に振り回される感覚から、

自分も治療を理解しながら進んでいる感覚

へ少しずつ変わっていきます。

9月も、

わからないことをそのままにせず、

一つずつ確認しながら進んでいきましょう。

【参考・出典】

世界保健機関(WHO)「不妊の予防・診断・治療に関するガイドライン」

欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)「不妊治療における心理社会的ケアのガイドライン」

欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)「生殖医療における追加治療・検査に関する推奨」

Frontiers in Endocrinology「生殖補助医療に併用する鍼治療のタイミングと施術量に関するメタ解析・ネットワークメタ解析」

治療方針を整理しながら、身体も一緒に整えたい方へ

「病院では聞きたいことがうまく聞けない」

「採卵や胚移植が続いて、身体も疲れてきた」

「次の治療までに、自分の身体も整えておきたい」

そんなときは、今の治療内容をそのままお聞かせください。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、現在の治療段階や使用している薬、これまでの治療経過とともに、睡眠、胃腸、疲労、冷えやほてり、月経の状態なども確認しながら施術を行っています。

病院では、必要な検査と治療を。

鍼灸では、

その治療を受けている身体も整えていく。

9月の治療へ進む前に、一度身体の状態も整理してみませんか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次