冷え性だと思っていたら、のぼせ体質かもしれない

東洋医学の視点から体質改善を伝える奈良・上牧町の鍼灸院ブログ画像

「足先がいつも冷たいから、私は冷え性」

そう思って、靴下を重ねたり、長時間お風呂に入ったり、身体を温めることを頑張っている方も多いと思います。

ところが、

足は冷たいのに顔は熱い。

頬だけ赤くなる。

上半身は暑いのに下半身は冷える。

布団に入ると急に暑くなる。

そんな状態はありませんか?

このような冷えとのぼせが同時にある状態では、「冷えているから、とにかく温める」という方法が合わないことがあります。

温活を続けているのに、

「かえって顔が熱くなる」

「汗が出て眠りにくい」

という場合は、一度身体の状態を見直してみましょう。

目次

「冷え」と「のぼせ」は同時に起こることがあります

手足が冷たい。

それなのに顔や頭は熱い。

一見、正反対の状態に思えます。

でも、人の身体は全身が同じ温度感になるわけではありません。

皮膚の血流や発汗などを調整しながら、身体は体温を保っています。

女性では、月経周期に伴う女性ホルモンの変化によっても体温調節が変化します。

排卵後の黄体期には、プロゲステロンの影響で基礎体温が高くなることもよく知られています。

また、更年期では女性ホルモンの変化に伴って、

  • ほてり
  • のぼせ
  • 発汗
  • 足腰の冷え
  • 動悸
  • 不眠

などがみられることがあります。PubMed

つまり、

「冷えるから身体全体が冷えている」

とは限らないのです。

「冷えのぼせ」は正式な病名ではありません

「冷えのぼせ」という言葉は日常的に使われますが、西洋医学上の正式な病名ではありません。

そのため、

「冷えのぼせだからこの治療」

と一つに決めることはできません。

顔のほてりやのぼせには、

  • 女性ホルモンの変化
  • 更年期症状
  • 自律神経による体温調節
  • 睡眠不足
  • 強い緊張
  • 飲酒
  • 室温や衣服
  • 薬の影響

など、さまざまな要素が関係することがあります。

特に、

「最近急にほてりが強くなった」

「大量の汗が出る」

「動悸やめまいもある」

「月経周期が大きく変わってきた」

という場合は、

「体質だから」

と自己判断せず、婦人科や内科などで相談してください。

こんな状態なら「温めすぎ」に注意してみましょう

冷え性だからと、身体を温めること自体が悪いわけではありません。

ただし、

  • お風呂に入ると顔だけ真っ赤になる
  • 長湯するとぐったりする
  • 温かい飲み物を飲むと汗が出る
  • 電気毛布を使うと暑くて目が覚める
  • 足を温めると上半身がほてる
  • 寝るときに頭や顔だけ熱く感じる

という方は、温め方を少し見直してみてもよいでしょう。

冷え対策は、

「熱くすること」ではなく、「心地よく過ごせる状態をつくること」

が大切です。

東洋医学では「上は熱く、下は冷える」状態として考えることがあります

東洋医学では、

上半身に熱感があり、

下半身に冷えがあるような状態を、

「上熱下寒(じょうねつげかん)」

と表現することがあります。

これは西洋医学の診断名ではなく、身体の状態を見るための東洋医学の考え方です。

たとえば、

「顔はほてるのに足は冷たい」

「頭に熱がこもる感じがする」

「生理前になるとのぼせやすい」

という方がいます。

また、ストレスや緊張が続き、

気持ちが張りつめている方では、東洋医学でいう「肝鬱気滞(かんうつきたい)」の状態が重なっていると考えることもあります。

肝鬱気滞とは、気の巡りが滞っている状態を表す東洋医学の言葉です。

イライラ。

ため息。

胸やみぞおちのつかえ。

生理前の不調。

などと一緒にみられる場合があります。

ただし、

「冷えとのぼせ=必ず肝鬱気滞」

ではありません。

疲れや胃腸の弱さ、血の不足や巡りなど、ほかの体質が重なっていることもあります。

だからこそ、冷えという一つの症状だけで身体を判断しないことが大切です。

妊活中の「冷え」を必要以上に怖がらないでください

妊活をしていると、

「身体を冷やしたらいけない」

「足が冷たいと妊娠しにくい」

という情報を目にすることがあります。

その結果、

靴下を何枚も履く。

腹巻きを重ねる。

カイロを貼る。

熱いお風呂に長く入る。

と、冷えをなくすことが妊活の目標になってしまう方もいます。

でも、

手足が冷たいことだけで、妊娠できる・できないを判断することはできません。

大切なのは、

身体の冷えを怖がることではなく、

「なぜ自分は冷えを感じているのか」

「ほかにどんな不調があるのか」

まで一緒に見ていくことです。

自分が「冷えのぼせ」タイプか確認してみましょう

次の項目で、当てはまるものがないか見てみてください。

  • 足先は冷たいのに顔は熱い
  • 頬だけ赤くなりやすい
  • 上半身に汗をかきやすい
  • 頭がぼーっと熱く感じる
  • 生理前にのぼせやすい
  • 緊張すると顔が熱くなる
  • 長風呂が苦手
  • 夜、布団に入ると暑くなる
  • 厚着をすると上半身だけ汗をかく
  • 冷え性だと思って温活しているのに楽にならない

いくつか当てはまるからといって、病気や特定の体質が確定するわけではありません。

ただ、

「私は冷えているから、もっと温めればいい」

という考え方を見直すきっかけにはなります。

手足の冷えと顔のほてりが気になる秋に、身体の状態をゆっくり見直す女性
冷えが気になるときも、温める量ではなく「温めたあとに心地よいか」を大切にしてみましょう。

今日から見直したい3つのこと

1.長湯を頑張りすぎない

冷え対策のために、

「毎日20分以上湯船につからないと」

と頑張っていませんか?

お風呂から出たあとに、

大量に汗をかく。

ぐったりする。

顔のほてりが続く。

という場合は、少し負担になっている可能性があります。

気持ちよく入れる温度と時間を優先しましょう。

2.厚着をしすぎない

秋になると朝晩は冷えますが、昼間はまだ暖かい日もあります。

脱ぎ着しにくい厚着より、

カーディガン。

ストール。

薄手の上着。

などで調整できるようにすると便利です。

「絶対に身体を冷やさない」

ではなく、

暑ければ一枚脱げる状態

をつくっておきましょう。

3.足元だけを軽く整える

足先が冷たいからと、身体全体を強く温める必要はありません。

靴下を一枚履く。

足首を動かす。

少し歩く。

ふくらはぎを軽く伸ばす。

など、足元だけを穏やかに整える方法もあります。

身体全体を熱くするより、こちらのほうが楽に感じる方もいます。

身体が教えてくれる「ちょうどいい」を探してみましょう

温活というと、

何度のお風呂。

何分の入浴。

何枚の靴下。

と数字で決めたくなります。

でも、身体の状態は毎日同じではありません。

疲れている日。

生理前。

排卵後。

睡眠不足の日。

気温の高い日。

それぞれで感じ方は変わります。

だから、

「今日はこれくらいが気持ちいい」

という感覚も大切にしてください。

身体づくりは、決められた方法を完璧に守ることではありません。

その日の身体に合わせて調整できることも、立派なセルフケアです。

鍼灸では「冷え」と「のぼせ」を一緒に見ます

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、

「冷え性です」

とご相談いただいた場合でも、冷えている場所だけを確認するわけではありません。

手足は冷えているのか。

顔はほてらないか。

汗はどうか。

睡眠はどうか。

胃腸の調子はどうか。

生理前後に変化するのか。

疲れた日に悪化するのか。

などを一緒に確認します。

同じ「冷え」でも、その背景が違えば身体の整え方も変わります。

こうした女性特有の冷えやほてり、睡眠や胃腸の不調などを身体全体から見直したい方へ、当院の体質改善の考え方をご紹介しています。

温活は「たくさん」より「自分に合っているか」

冷えが気になると、

温めることは良いこと。

もっと温めればもっと良い。

と思いやすくなります。

でも身体は、単純ではありません。

足は冷たい。

顔は暑い。

そんなこともあります。

だからこそ、

「冷えているか」

だけではなく、

「温めたあとに身体がどう感じるか」

にも目を向けてみてください。

温めたあとに、

ほっとする。

眠りやすくなる。

身体が軽くなる。

のであれば、その方法は今の身体に合っている可能性があります。

反対に、

暑い。

苦しい。

汗が止まらない。

眠れない。

という場合は、少しやりすぎているのかもしれません。

10月10日夜の記事
「冷えとのぼせが混じる人の温活の注意点」
では、入浴・カイロ・靴下など、具体的な温活の方法についてもう少し詳しく整理します。

自分に合う冷え対策を一緒に探してみませんか

冷えが気になる。

でも温めるとのぼせる。

何をしたらいいのか分からなくなってしまう方もいます。

身体の状態は一人ひとり違うため、

「冷え性だから、この方法」

と一つに決める必要はありません。

当院では、妊活や婦人科のお悩み、睡眠、胃腸、生理周期なども確認しながら、その方に合った身体づくりを考えています。

今の冷え方やほてり方を一度整理して、自分に合う整え方を見つけたい方はご相談ください。


参考・出典

厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」

厚生労働省「女性特有の健康問題でお困りの方へ」

日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編」

Journal of Thermal Biology「Sex differences in thermal sensitivity and perception: Implications for behavioral and autonomic thermoregulation」(2023)

Autonomic Neuroscience「Sex hormone effects on autonomic mechanisms of thermoregulation in humans」

Autonomic Neuroscience「Autonomic control of body temperature and blood pressure: influences of female sex hormones」(2017)

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