香りで緊張をゆるめたい夜のセルフケア

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「布団に入ってから、今日の診察のことを考えてしまう」

「次の採卵や胚移植が気になって頭が休まらない」

「スマートフォンを閉じても、妊活のことばかり考えてしまう」

そんな夜はありませんか?

妊活中は、身体を休ませたい時間になっても、頭の中だけが働き続けてしまうことがあります。

そんなとき、気持ちを切り替える小さなきっかけとして使えるのが香りです。

前回の記事
「妊活中のアロマ 使えるもの・避けたいもの」
では、妊活中に精油を使うときの基本的な注意点についてお話ししました。

今回はその続きとして、

「安全性に気をつけながら、夜の緊張をゆるめるために香りをどう使うか」

に絞ってご紹介します。

最初に大切なことをお伝えします。

アロマを使ったから妊娠しやすくなる、着床しやすくなるというものではありません。

香りは、

妊活を頑張り続けている頭と身体を、休む時間へ切り替えるためのセルフケア

として考えてみてください。

目次

妊活中は、身体より先に「頭」が休めなくなることがあります

妊活や不妊治療を続けていると、一日に何度も判断する場面があります。

  • 排卵日はいつだろう
  • 薬を忘れていないか
  • この症状は大丈夫かな
  • 胚は育っているだろうか
  • 次の通院はいつだろう
  • この食べものは大丈夫かな
  • 今日動きすぎなかったかな

一つひとつは小さなことでも、毎日続けば頭はなかなか休まりません。

特に夜は、日中のように仕事や家事で気が紛れないため、不安が大きく感じられることがあります。

そんなときに、

「考えないようにしよう」

と頑張るほど、かえって考えてしまうこともあります。

そこでおすすめしたいのが、

考えないようにするのではなく、別の感覚へ意識を移すこと。

香りは、そのきっかけの一つになります。

香りを感じることが、気持ちの切り替えになることがあります

香りの情報は嗅覚を通して脳へ伝わります。

吸入によるアロマセラピーについては、不安やストレスの軽減を調べた研究が複数あり、効果の可能性が報告されています。

なかでもラベンダーなどは、不安に対する研究が比較的多い精油です。

ただし研究によって、

  • 使用した精油
  • 香りの濃さ
  • 使用時間
  • 対象となった人

などが異なるため、

「この香りを嗅げば必ずリラックスできる」

とまでは言えません。

また、好きではない香りを「身体に良いから」と我慢して使う必要もありません。

香りのセルフケアでは、

自分が心地よいと感じること

をまず大切にしてください。

妊活中なら「強く香らせる」必要はありません

アロマというと、部屋いっぱいに香りを広げるイメージがあるかもしれません。

でも、妊活中のセルフケアとして使うなら、そこまで強くする必要はありません。

むしろ、

「少し香るな」くらいで十分です。

おすすめは、

  • ティッシュ
  • コットン
  • アロマストーン

などにごく少量の精油をつけて、少し離れた場所に置く方法です。

眠る前に数分香りを感じ、

「そろそろ今日を終わろう」

と身体へ知らせるような使い方をしてみてください。

ずっと香らせ続ける必要はありません。

今夜試すなら「香り+呼吸」

香りだけを使うより、

香りを感じながら呼吸をゆっくりする

方法もおすすめです。

やり方は簡単です。

1.心地よい香りを一つ選ぶ

たくさん混ぜる必要はありません。

「今日はこれがいいな」と思う香りを一つ選びます。

2.少し離れたところから香りを感じる

鼻に精油を直接近づける必要はありません。

ふわっと感じる程度で十分です。

3.息をゆっくり吐く

大きく吸おうとしなくても構いません。

鼻から自然に吸い、

口または鼻から、

少し長めに吐く。

これを3~5回程度繰り返します。

ポイントは、

「リラックスしなければ」と頑張らないこと。

香りを感じて、

「あ、いい香りだな」

と思えれば、それだけでも十分です。

香りを「眠るスイッチ」にしてみる

夜のセルフケアでおすすめしたいのが、

毎晩ある程度同じ流れをつくること

です。

たとえば、

お風呂に入る

スマートフォンを置く

照明を少し暗くする

香りを感じる

呼吸をゆっくりする

布団に入る

という流れです。

大切なのは、アロマだけで眠ろうとすることではありません。

毎日、

「この香りを感じたら、今日はもう休む」

という流れをつくることで、頭を妊活モードから休息モードへ切り替えるきっかけにします。

今夜だけは「検索を終える時間」を決める

香りを使っていても、隣でスマートフォンを見続けていたら頭はなかなか休まりません。

妊活中は、

「もう一つだけ調べよう」

と思って検索しているうちに、

30分、1時間と過ぎてしまうことがあります。

そこで、

香りを使い始めたら、その日の検索は終了。

というルールをつくるのも一つです。

たとえば21時30分になったら、

「今日はここまで」

とスマートフォンを置く。

そして香りを感じる。

これは、

自分の中にある妊活の時間と、休む時間の境界線をつくる

というセルフケアでもあります。

妊娠の可能性がある時期は、よりシンプルに

妊活中は、

「今周期、もしかしたら妊娠しているかもしれない」

という期間があります。

特に、

  • 排卵後
  • 人工授精後
  • 胚移植後
  • 妊娠判定日前
  • 妊娠反応が確認されたあと

などは、精油の使い方をより慎重に考えてよい時期です。

精油は天然のものですが、

天然=妊娠中も必ず安全

という意味ではありません。

妊娠中の精油について研究はありますが、安全性に関するデータが十分ではないものも多くあります。

そのため当院では、妊娠の可能性がある時期には、

種類を増やさず、少量・短時間・吸入中心

というシンプルな使い方をおすすめしています。

妊娠が分かったあとは、使用している精油について主治医や助産師などに確認するとより安心です。

妊活中は避けたい使い方

夜のセルフケアでは、次のような使い方はおすすめしません。

精油を飲む

精油を水や飲みものに入れて飲む方法は、自己判断では行わないでください。

精油は非常に濃縮された成分です。

「天然だから飲んでも大丈夫」と考えないことが大切です。

原液を直接肌につける

精油の原液を肌につけると、刺激や皮膚炎などを起こすことがあります。

マッサージなど皮膚へ使用する場合には、適切な希釈が必要です。

妊娠の可能性がある場合は、自己流で皮膚へ広範囲に使用するより、まず吸入程度のシンプルな方法を選ぶとよいでしょう。

強い香りを長時間使う

香りが強すぎると、

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 気分不良

などにつながることがあります。

「効かせるために濃くする」必要はありません。

体調が悪いのに無理して使う

昨日は好きだった香りが、今日は気持ち悪く感じることもあります。

特に妊娠初期は香りに敏感になる方もいます。

嫌だと感じたら、その日は使わない。

これも大切な使い方です。

ペットや家族がいる場合も少し注意

ディフューザーなどで室内全体に香りを広げる場合は、自分だけでなく同じ部屋にいる人やペットにも香りが届きます。

そのため、

  • 換気する
  • 長時間つけっぱなしにしない
  • 香りが苦手な家族がいれば使わない
  • ペットがいる場合は使用する精油について確認する

などの配慮も必要です。

寝室いっぱいに香りを満たさなくても、セルフケアはできます。

東洋医学では「緊張して巡らない状態」をどう見る?

妊活中に、

  • 考え事が止まらない
  • ため息が増える
  • 首や肩がこる
  • 胸やお腹が張る
  • 月経前にイライラする
  • 寝つきが悪い

といった状態が重なっている場合、東洋医学では、

肝鬱気滞(かんうつきたい)

という状態を考えることがあります。

「肝(かん)」には、東洋医学でいう「気」をスムーズに巡らせる働きがあると考えます。

緊張やストレスが続くと、その巡りが滞り、

身体にも力が入りやすくなる。

そのような状態を「肝鬱気滞」と表現します。

だからといって、

香りだけで肝鬱気滞(体質の偏り)が根本的に治る

という意味ではありません。

香りを感じたり、ゆっくり息を吐いたり、肩の力を抜いたりすることを、

緊張を切り替えるための小さな習慣

として使っていきます。

香りだけでは身体の緊張が抜けないこともあります

セルフケアをしていても、

「やっぱり眠れない」

「ずっと肩に力が入っている」

「胃が痛くなるほど緊張する」

「採卵や移植が近づくと身体までしんどくなる」

という方もいます。

これは、

セルフケアが足りないからではありません。

妊活や不妊治療では、

通院、薬、検査、仕事との調整、結果への不安など、さまざまな負担が重なります。

そんなときは、

自分一人で身体をゆるめようと頑張り続けなくても大丈夫です。

鍼灸を取り入れることも選択肢の一つです。

鍼灸を取り入れるメリットは「身体から休むきっかけをつくれること」

妊活中に鍼灸を受ける目的は、

「鍼をすれば妊娠できる」

ということではありません。

たとえば、

  • 首肩がいつも緊張している
  • 背中まで力が入っている
  • 睡眠が浅い
  • 胃腸が疲れている
  • 手足の冷えが気になる
  • 月経前後に身体がつらい
  • 治療が近づくほど緊張する

といった身体の状態を確認しながら施術を行えることは、妊活中に鍼灸を取り入れるメリットの一つです。

「力を抜こう」

と思っても抜けないときがあります。

そんなとき、

自分で頑張って緩めるのではなく、施術を受けながら身体が休める時間をつくる。

それも身体づくりです。

蓮心はり灸堂では、治療予定と身体の緊張を一緒に見ます

同じ「不安で眠れない」という状態でも、

人工授精の前なのか。

採卵前なのか。

胚移植を控えているのか。

判定日を待っているのか。

治療を一周期休んでいるのか。

その背景によって、抱えている緊張は違います。

蓮心はり灸堂では、

  • 現在の治療段階
  • 次回の通院予定
  • 月経周期
  • 睡眠
  • 胃腸の状態
  • 冷えやのぼせ
  • 首肩の緊張
  • 疲労
  • 気持ちの揺れ

などを確認しながら、その時期の身体に合わせた施術を考えています。

また、

「このアロマは使っても大丈夫?」

「温めた方がいい?」

「今は運動した方がいい?」

など、妊活中に迷いやすいセルフケアについても、一緒に整理することができます。

妊活のためにセルフケアを増やし続けるのではなく、今の自分に必要なものだけを残していく。

それも当院が大切にしている身体づくりです。

今夜は一つだけで十分です

この記事を読んだからといって、

アロマを買わなければいけないわけではありません。

家に好きな香りがあれば、それを少し感じてみる。

香りを使わなくても、

スマートフォンを置いて、

ゆっくり息を吐いて、

肩の力を抜く。

それでも十分です。

妊活中は、

「何かしなければ」

ということが増えます。

だから夜だけは、

「今日はもう、何もしなくてもいい時間」

をつくってみてください。

身体を整えることには、

何かを足すことだけではなく、

休ませることも含まれています。

緊張が抜けず、身体まで疲れている方へ

セルフケアを続けても、

「寝る前になると妊活のことばかり考える」

「採卵や胚移植の前になると身体がこわばる」

「眠りや胃腸の状態まで乱れてきた」

という場合は、一度身体の状態そのものを整理してみてもよいかもしれません。

蓮心はり灸堂では、妊活や不妊治療の予定も確認しながら、睡眠・胃腸・冷え・疲労・緊張などを含めた身体づくりをサポートしています。

何かをさらに頑張るためではなく、

妊活を続けている身体に、きちんと休める時間をつくる。

そんな目的でも鍼灸を取り入れていただけます。

参考・出典

Complementary Therapies in Clinical Practice「臨床場面におけるストレス・不安に対する吸入アロマセラピーのシステマティックレビュー」

Journal of Clinical Medicine「ラベンダー精油吸入による不安軽減効果のシステマティックレビュー」

Women and Birth「妊娠女性によるアロマオイルの自己使用に関する研究」

International Journal of Molecular Sciences「精油とその成分の母体・生殖毒性に関するレビュー」

International Journal of Risk & Safety in Medicine「アロマセラピーによる有害事象のシステマティックレビュー」

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