「妊活中に鍼灸へ行ってみようかな」
と思っても、
何を話したらいいの?
病院の治療のことまで話していい?
冷えくらいでも相談していい?
そんな疑問が出てくることがあります。
鍼灸というと、
「肩こりや腰痛がある人が受けるもの」
というイメージを持っている方もいるかもしれません。
でも妊活中の身体を見るときは、
生理周期。
睡眠。
胃腸。
冷えやほてり。
疲れ。
病院での治療状況。
など、さまざまなことを確認します。
だから、
「何を相談すればいいのか分からない状態」で来院しても大丈夫です。
今日は、妊活中に鍼灸院でどんなことを相談できるのか、できるだけ具体的にご紹介します。
まず、今どんな妊活・治療をしているのか
最初に確認したいのは、
現在どの段階にいるのか
です。
たとえば、
タイミング法。
人工授精。
採卵周期。
採卵後。
胚移植の準備中。
胚移植後。
妊娠判定待ち。
治療を一度休んでいる。
などです。
同じ「妊活中」でも、身体の状況や生活上の注意点は違います。
そのため、
「来週採卵予定です」
「今周期は移植を予定しています」
「次の治療まで一周期休んでいます」
といったことも、そのままお話しください。
治療日程が分かることで、現在の身体をどう見ていくかを考えやすくなります。
病院名や治療内容を細かく説明できなくても大丈夫
初めての方から、
「治療内容をちゃんと説明できるか不安です」
と言われることがあります。
でも、すべて正確に覚えている必要はありません。
たとえば、
採卵をした。
移植をした。
ホルモンの薬を使っている。
注射をしている。
くらいでも構いません。
薬の名前が分からなければ、
お薬手帳。
病院でもらった説明書。
スマートフォンに保存した薬の写真。
などがあれば確認しやすくなります。
治療内容を完璧に説明してから来院する必要はありません。
分かる範囲で大丈夫です。
採卵前の身体について相談できます
採卵前には、
薬や注射の影響もあり、
お腹が張る。
身体が重い。
眠い。
疲れやすい。
便通が変わった。
といった変化を感じる方もいます。
また、
採卵数。
卵胞の育ち。
次の診察。
について考え続け、緊張していることもあります。
鍼灸院では、
「何個採れますか?」
「卵子の質は良くなりますか?」
と結果を予測することはできません。
一方で、
採卵までの日々をどのように過ごしているか、今どんな不調があるか
は相談できます。
睡眠が取れていない。
胃腸が弱っている。
身体が緊張している。
といった部分も一緒に確認していきます。
胚移植前・移植後の過ごし方も相談できます
移植が近づくと、
運動していい?
お風呂は?
仕事は?
夫婦生活は?
食べてはいけないものは?
と、普段の生活まで気になることがあります。
鍼灸院で治療方針を決めることはできませんが、
病院から受けている指示を確認しながら、
日常生活で必要以上に制限していないか。
身体を温めすぎていないか。
眠れているか。
食べられているか。
などを一緒に整理することはできます。
妊活中は、
「何をすればいい?」だけでなく「何をしなくてもいい?」
という相談も大切です。
生理周期についてもお聞きします
妊活中の鍼灸では、
生理が来た日だけではなく、
周期全体を確認することがあります。
たとえば、
周期は何日くらい?
生理痛は?
経血量は?
塊はある?
生理前の体調は?
排卵前後で変化はある?
などです。
これは、
「この症状があるから妊娠しにくい」
と決めるためではありません。
東洋医学では、生理周期による身体の変化も含めて現在の状態を整理します。
もし毎月記録しているアプリがあれば、見せていただいても構いません。
冷えは「冷えています」だけでも十分です
「冷え性です」
という相談もよくあります。
でも実際には、
足だけ冷たい。
手足が冷える。
お腹が冷える感じがする。
顔はほてるのに足は冷たい。
夏でも冷える。
冬だけつらい。
と、人によって違います。
ですから、
詳しく説明できなくても、
「私は冷えている気がします」
からで大丈夫です。
そこから、
どこが冷えるのか。
いつ冷えるのか。
温めると楽になるのか。
温めるとのぼせるのか。
を一緒に確認します。
睡眠の相談もしてください
妊活と睡眠は別の悩みだと思っている方もいます。
でも、
寝つけない。
夜中に起きる。
朝早く目が覚める。
夢が多い。
朝起きても疲れている。
といった状態が続いている場合は、ぜひお話しください。
治療結果への不安から、布団に入ってから検索してしまう方もいます。
「睡眠の専門外だから話さなくていい」
とは考えなくて大丈夫です。
身体全体を見るうえで、大切な情報の一つです。
胃腸のことも妊活と切り離さず相談できます
妊活中は、
たんぱく質を増やす。
サプリメントを飲む。
身体によいと言われるものを食べる。
と、食事を頑張っている方もいます。
その一方で、
胃もたれ。
下痢。
便秘。
お腹の張り。
食欲低下。
が起きていることもあります。
東洋医学では胃腸の状態も身体を見る大切な手がかりと考えます。
「妊活なのに胃の相談をしていいの?」
と思わず、そのまま教えてください。
身体によいものを食べることより、身体が無理なく受け止められているか
を見ることも大切です。
肩こり・腰痛・頭痛なども一緒に相談できます
妊活目的で来院していると、
肩こり。
首こり。
腰痛。
頭痛。
などは、
「妊活と関係ないから言わなくていい」
と思う方もいます。
でも、普段つらい症状があるなら教えてください。
デスクワーク。
長時間の運転。
仕事の緊張。
睡眠不足。
など、日常生活の負担が身体に重なっていることもあります。
妊活のためだけに身体を切り分ける必要はありません。
「最近疲れている」だけでも相談できます
検査値でもありません。
病名でもありません。
でも、
最近疲れが抜けない。
何となく身体が重い。
朝からだるい。
休んでも回復した感じがしない。
そういう変化も大切です。
東洋医学では、
「疲れている」という一つの言葉から、
睡眠。
食事。
胃腸。
生理。
仕事。
冷え。
などを確認していきます。
症状に名前がついていなくても構いません。
「何となく調子がよくない」も相談してよい内容です。
妊活について考えすぎてしまうことも話してください
採卵結果。
胚の結果。
移植。
判定日。
次の治療。
妊活では、待つ時間がたくさんあります。
その間、
検索を止められない。
SNSを見るとつらい。
夫婦で温度差がある。
周りの妊娠報告が苦しい。
という気持ちが出ることもあります。
鍼灸院は心理療法を行う場所ではありません。
ただ、
「最近治療のことばかり考えて眠れません」
と話していただくことはできます。
身体の緊張や睡眠なども含めて、今どのくらい負担が重なっているのかを一緒に整理します。
何を食べればいいのか迷っているときも相談できます
妊活中は食事情報が非常に多く、
これを食べたほうがいい。
これは避けたほうがいい。
という情報に疲れている方もいます。
そんなときは、
普段どんな食事をしているのか。
胃腸の調子はどうか。
食事そのものがストレスになっていないか。
を確認します。
「妊活のための完璧な献立」を決めるというより、
今の生活で無理なく続けられる食事を考える
という相談もできます。
サプリメントについて「整理したい」という相談もできます
葉酸。
ビタミンD。
鉄。
CoQ10。
乳酸菌。
など、妊活中はサプリメントの情報も増えます。
ただし、鍼灸院で薬のように必要性を診断することはできません。
一方で、
今何を飲んでいるのか。
なぜ飲み始めたのか。
同じ成分が重なっていないか確認したい。
主治医へ何を聞けばよいか。
といった情報整理はできます。
必要に応じて、医師や薬剤師への確認をご案内します。
鍼灸院でできないこともあります
ここはとても大切です。
鍼灸院では、
病気の診断。
血液検査。
超音波検査。
卵胞数の確認。
胚の評価。
薬の処方。
薬の変更や中止。
採卵・移植日の決定。
を行うことはできません。
「この薬をやめてもいいですか?」
「この胚なら妊娠しますか?」
「この検査は必要ですか?」
といった最終判断は、治療を担当している医療機関で確認します。
鍼灸は、
病院での治療の代わりではなく、役割を分けて取り入れるもの
と考えてください。
「鍼灸を受ければ妊娠できる」とはお伝えしません
妊活で鍼灸を検索すると、
妊娠率。
着床率。
卵子の質。
子宮の血流。
などの言葉を目にすることがあります。
でも、当院では、
「鍼灸を受ければ妊娠できます」
「何回受ければ結果が出ます」
とはお伝えしません。
妊娠には、
年齢。
卵子や精子。
子宮や卵管。
胚。
治療方法。
など、多くの要素が関係します。
鍼灸だけでその結果を決めることはできません。
当院が大切にしているのは、
治療期間中の身体を一人ひとり確認し、今感じている不調や負担を整理していくこと
です。
初回は「何に一番困っているか」からで大丈夫

初めて来院するとき、
相談したいことを全部まとめなければ。
と思わなくて大丈夫です。
最初に、
「今、一番気になっていること」
を一つ教えてください。
たとえば、
次の採卵に向けて身体を整えたい。
移植前で冷えが気になる。
生理痛が強い。
眠れない。
胃腸が弱い。
治療で疲れている。
どこから話したらいいのか分からない。
でも構いません。
そこから一緒に整理していきます。
初回にあると確認しやすいもの
必須ではありませんが、
- お薬手帳
- 治療スケジュール
- 最近の検査結果
- 月経周期を記録しているアプリや手帳
- 現在飲んでいるサプリメントの名前
などが分かると、現在の状況を確認しやすくなります。
ただ、
全部そろっていないと受けられないわけではありません。
「今日は何も持ってきていない」
でも大丈夫です。
分かるところから始めましょう。
当院では治療状況と毎日の身体の両方を確認します
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、
採卵。
胚移植。
人工授精。
タイミング法。
など現在の治療状況を確認しながら、
生理周期。
睡眠。
胃腸。
冷え・ほてり。
疲れ。
生活リズム。
なども一緒に見ていきます。
初回から施術まで、どのような流れで妊活中の身体を確認しているのか知りたい方はこちらをご覧ください。
「こんなこと聞いていいのかな」と思うことほど聞いてください
靴下は何枚履けばいい?
コーヒーは飲んでいい?
旅行に行ってもいい?
運動は?
お風呂は?
仕事を続けながらでも大丈夫?
一見すると小さな質問でも、
妊活中は一つひとつが気になります。
質問したからといって、
必ず何かを禁止したり、生活を変えたりするわけではありません。
むしろ、
必要以上に頑張っていることを減らせる場合もあります。
分からないことがあれば、遠慮なくお話しください。
初めての鍼灸で不安になることもあります
鍼は痛い?
どんな服装で行く?
どのくらい時間がかかる?
生理中でも大丈夫?
採卵や移植の近くでも受けられる?
こうした不安もありますよね。
10月19日夜の記事
「初めて妊活鍼灸を受ける前に不安なことQ&A」
では、初めて来院される方からよくいただく疑問を、一つずつ具体的にお答えします。
「相談するほどではない」と思わなくて大丈夫です
症状が重くないから。
まだ治療を始めたばかりだから。
こんなことで行っていいのかな。
そう思う必要はありません。
身体の状態を整理したい。
次の治療までどう過ごそうか迷っている。
最近少し疲れている。
その段階でも構いません。
鍼灸を受けることだけが目的ではなく、
今、自分の身体に何が起きているのかを一度整理する
ところから始めることもできます。
この記事を書いた人
菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
施術歴17年以上。妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、病院での治療状況も確認しながら身体づくりをサポートしています。
今の身体について、まず話すところから始めてみませんか
何を相談したらいいか分からない。
自分の場合も鍼灸を受けていいのか迷う。
そんな状態でも大丈夫です。
現在の治療状況や気になっていることを伺いながら、今のお身体を一緒に整理していきます。
「まず一度相談してみたい」という方もご予約ください。
参考・出典
厚生労働省「はり師、きゅう師等に関する法律」
日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「Acupuncture: Effectiveness and Safety」
American Society for Reproductive Medicine(ASRM)「Performing the embryo transfer: a guideline」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

