目覚ましは鳴った。
睡眠時間もそれなりに取った。
それなのに、
「身体が重くて起きられない」
「布団から出るまで時間がかかる」
「朝からもう疲れている」
そんな日が続いていませんか。
朝のだるさがあると、
「もっと早く寝ないと」
「睡眠時間が足りないのかな」
と睡眠だけに原因を求めたくなります。
もちろん睡眠はとても大切です。
ただ、朝のだるさには、
睡眠・胃腸・疲労・冷え・月経周期・心身の緊張など、いくつもの要素が重なっていることがあります。
東洋医学でも、「朝だるい」という一つの症状だけで身体を判断することはありません。
今日は、朝のだるさを身体全体から見ていきましょう。
まず確認したいのは「寝た時間」より「休めた感じ」
睡眠時間が長ければ、必ず朝スッキリ起きられるわけではありません。
大切なのは、
- 寝つくまでに時間がかかっていないか
- 夜中に何度も目が覚めていないか
- 朝早く目が覚めてしまわないか
- いびきが強くないか
- 日中に強い眠気がないか
- 起きたときに休めた感じがあるか
というところです。
「7時間寝たから大丈夫」
ではなく、
その睡眠で身体が休めているか
にも目を向けてみてください。
また、平日と休日で起床時間が大きく違う方は、生活リズムのずれによって月曜日の朝などにつらさを感じることもあります。
朝のだるさが続くときは、睡眠だけの問題とは限りません
朝のだるさは、とても幅の広い症状です。
寝不足だけでなく、
貧血。
甲状腺機能の変化。
感染症。
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害。
月経に伴う体調変化。
強いストレス。
などが背景にあることもあります。
特に、
- 何週間も強いだるさが続く
- 日常生活や仕事に支障が出ている
- 息切れや動悸がある
- めまいが強い
- 月経量が非常に多い
- 大きないびきや無呼吸を指摘された
- 急な体重変化がある
- 発熱や強い痛みを伴う
といった場合は、
「体質だから」
と決めつけず、医療機関で相談してください。
東洋医学の体質を見る前に、必要な検査を受けることも大切です。

東洋医学では朝のだるさをどう見る?
東洋医学では、
「朝起きられない人は○○タイプ」
と一つに決めるのではなく、
ほかにどのような症状があるのかを確認します。
たとえば、
朝から疲れていて、食欲もない。
朝はだるいけれど、動き始めると少し楽になる。
手足が冷えている。
生理後になると特に疲れる。
夜も眠りが浅い。
同じ「朝のだるさ」でも身体の状態は違います。
ここからは、よくみられる4つの体質タイプを見てみましょう。
脾虚タイプ|朝から身体が重く、胃腸もすっきりしない
東洋医学では、胃腸の働きと関係するものを「脾」と考えます。
脾虚(ひきょ)傾向の方では、
- 朝から身体が重い
- 起きても食欲がない
- 食後に眠くなる
- 胃もたれしやすい
- 軟便や下痢になりやすい
- むくみやすい
- 疲れると胃腸の調子も悪くなる
といった状態が重なることがあります。
朝食を無理にたくさん食べる必要はありません。
まず、
温かい汁物。
少量のごはん。
食べやすいもの。
などから始めてみてもよいでしょう。
夜遅くにたくさん食べる習慣がある方は、夕食の量や時間を見直すことも朝の胃腸の負担を減らすきっかけになります。
気虚タイプ|寝ても疲れが抜けず、動き出すまでつらい
東洋医学では、身体を動かす力を「気」と表現します。
気虚(ききょ)傾向の方では、
- 朝から疲れている
- 少し動くだけで疲れる
- 声に力が出にくい
- 息切れしやすい
- 汗をかきやすい
- 午後になるとさらに疲れる
- 横になりたくなる
などがみられることがあります。
「体力をつけなければ」
と思って激しい運動を始めるより、
まずは疲労をため込みすぎていないかを確認してみましょう。
気虚傾向では、
頑張ることを増やすより、回復する時間を確保すること
が大切な場合があります。
血虚タイプ|朝からぼんやりして、めまいや不安感もある
東洋医学でいう「血虚(けっきょ)」は、西洋医学の貧血と同じ意味ではありません。
ただ、身体や心を養う「血」が不足した状態として考えます。
たとえば、
- 朝からぼんやりする
- めまいや立ちくらみがある
- 顔色が気になる
- 爪が割れやすい
- 眠りが浅い
- 不安になりやすい
- 生理後に疲れが強い
- 経血量が少ない
などを一緒に確認します。
一方、実際の鉄欠乏性貧血でも、疲労感やめまいなどが出ることがあります。
月経量が多い方や強い症状がある方は、東洋医学の「血虚」だけで考えず、血液検査などについて医療機関へ相談してください。
腎虚タイプ|朝から腰や足が重く、疲れが長引く
東洋医学では、成長・生殖・加齢などと関係する働きを「腎」と関連づけて考えます。
腎虚(じんきょ)傾向では、
- 朝から腰が重い
- 足に力が入りにくい
- 冷えやすい
- 疲れがなかなか取れない
- 夜中に目が覚める
- トイレが近い
- 耳鳴りが気になる
などをみることがあります。
妊活の記事では「腎」という言葉をよく見かけますが、
腎虚だから妊娠しにくい
と単純に考えるものではありません。
身体を理解するための東洋医学上の一つの見方です。
ひとつのタイプだけとは限りません
ここまで、
脾虚。
気虚。
血虚。
腎虚。
と分けました。
でも実際には、
「胃腸が弱くて脾虚傾向もあるし、疲れやすい気虚もある」
「血虚傾向があり、生理後はさらにだるくなる」
というように、複数の特徴が重なることがあります。
その日の体調によって変わることもあります。
セルフチェックの目的は、
「私はこのタイプだ」
と決めることではありません。
朝のだるさ以外に、どんな身体のサインがあるのかを知ること。
そこから始めてみてください。
朝に無理やり元気になろうとしなくて大丈夫
朝起きた瞬間から、
ストレッチ。
白湯。
朝活。
運動。
完璧な朝食。
全部を始める必要はありません。
朝がつらい方にとっては、
朝のセルフケアそのものが負担になることもあります。
まずは、
カーテンを開ける
朝の光を取り入れます。
水分を少しとる
冷たい・温かいにこだわりすぎず、飲みやすいものを。
1〜2分だけ身体を動かす
布団の中で足首を動かすだけでも構いません。
朝食は食べられる量から
食欲がなければ、量を少なくしてみます。
「健康的な朝」を完璧に作るより、
身体をゆっくり起こしていく
くらいの感覚で十分です。
朝より「前日の夜」を見直したほうがよいことも
朝のだるさを改善しようとして、
朝の行動ばかり増やしてしまうことがあります。
でも、
夜遅くまで仕事をしている。
夕食が遅い。
寝る直前までスマートフォンを見ている。
布団に入ってから考え事をしている。
のであれば、
朝より前日の夜を見直したほうが身体には合っているかもしれません。
この続きとなる10月13日夜の記事
「朝のだるさがある人の夜の過ごし方」
では、朝を少し楽にするために夜からできることを具体的にお伝えします。
鍼灸では「朝がだるい」だけで身体を決めません
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、
「朝起きるのがつらいです」
という場合にも、
睡眠だけを確認するわけではありません。
- 寝つきや途中覚醒
- 胃腸の状態
- 食欲
- 生理周期
- 経血の状態
- 冷えやほてり
- 疲れやすさ
- 日中の活動量
などを一緒に確認します。
東洋医学では、身体の一部分ではなく、複数の変化からその人の状態を見ていきます。
朝のだるさだけでなく、冷え・胃腸・睡眠などを含めて身体全体を見直したい方へ、当院の体質改善についてご案内しています。
「朝から元気」が毎日の正解ではありません
SNSなどでは、
早起きをして。
運動をして。
朝食をしっかり食べて。
一日を元気に始める。
そんな理想的な朝を目にすることがあります。
でも、身体の状態は毎日違います。
生理前。
生理中。
仕事が忙しかった翌朝。
睡眠が浅かった翌朝。
「今日は少しゆっくり起きよう」
という日があっても大丈夫です。
毎朝100点を目指すより、
自分の身体がいつ、どのように疲れているのかを知ること。
そのほうが、長く身体を整えていくためには役立ちます。
この記事を書いた人
菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、睡眠・胃腸・冷えなども含めた身体づくりをサポートしています。
朝のだるさを「いつものこと」で終わらせたくない方へ
「昔から朝が弱いから」
と、長い間そのままにしている方もいます。
でも、睡眠。胃腸。生理。冷え。疲れ。を一緒に振り返ってみると、身体を整えるヒントが見つかることがあります。
必要な場合には医療機関で検査を受けることも大切にしながら、東洋医学の視点から今のお身体を一度整理してみたい方はご相談ください。
参考・出典
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
日本睡眠学会「睡眠障害の対応と治療ガイドライン」
日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」

