採卵や移植を控えた時期の風邪予防

妊活や婦人科ケアに役立つ食養生とセルフケアを伝えるブログ画像

採卵や胚移植の日が近づいてくると、

「今だけは風邪をひきたくない」

と思いますよね。

特に秋から冬にかけては、朝晩の冷え込みが強くなり、インフルエンザなどの呼吸器感染症も気になる季節です。

せっかく薬を使い、通院を重ねて準備してきたのだから、

「体調を崩して治療が延期になったらどうしよう」

と心配になるのも自然なことです。

ただし、風邪を予防しようとするあまり、

外出しない。

人に会わない。

身体を必要以上に温める。

食事や生活を厳しく管理する。

そこまで追い込む必要はありません。

大切なのは、特別なことをするよりも、

普段の感染対策と、身体が疲れすぎない生活を丁寧に続けることです。

目次

採卵や移植前だからといって、特別な風邪予防が必要なわけではありません

まず知っておいてほしいのは、

採卵や胚移植を控えているからといって、一般的な風邪予防とは全く違う特別な方法が必要なわけではない

ということです。

基本になるのは、

  • 帰宅後や食事前の手洗い
  • 人が多い場所では状況に応じてマスクを使う
  • 部屋を適度に換気する
  • 睡眠時間を確保する
  • 食事を抜きすぎない
  • 疲れをため込みすぎない

といった、日常的な感染対策です。

妊活中だからといって、

「免疫力を上げる特別な食品」

を探す必要もありません。

一つの食品やサプリメントだけで風邪を完全に防ぐことはできません。

まずは、睡眠・食事・休養という基本を崩さないことを大切にしましょう。

「冷えないように」と厚着しすぎない

秋になると、

「妊活中だから身体を冷やしてはいけない」

と、必要以上に厚着をする方もいます。

でも、昼間はまだ気温が高い日もあります。

汗をかくほど着込み、そのまま身体が冷えてしまってはかえって不快です。

おすすめは、

  • カーディガン
  • 薄手の上着
  • ストール

など、脱ぎ着して調節しやすい服装です。

身体を温めること自体を目的にするより、

「寒くない、暑くない」

と感じられる状態を目安にしてください。

妊活中の体調管理でも、温める量より、自分が心地よく過ごせることのほうが大切です。

睡眠不足が続いているなら、まず予定を一つ減らす

採卵前は、

自己注射。

診察。

採血。

仕事。

家事。

と予定が増えやすくなります。

胚移植が近づくと、

「体調を整えなくては」

という気持ちから、さらにセルフケアを増やしてしまう方もいます。

でも、睡眠時間を削ってまで何かをする必要はありません。

夜になって、

サプリメントを調べる。

体験談を読む。

着床について検索する。

それで眠る時間が遅くなっているなら、

今夜は検索を少し早く終えてみましょう。

風邪予防のためにも、妊活のためにも、身体を休ませる時間は大切です。

食事は「免疫によいもの」探しより、普通に食べられることを優先

風邪予防と聞くと、

ビタミンC。

発酵食品。

にんにく。

しょうが。

など、特定の食品を意識する方もいます。

こうした食品を普段の食事に取り入れること自体は構いません。

ただ、

「これを食べれば風邪をひかない」

という食品はありません。

採卵や移植前だからこそ、

  • ごはんやパンなどの主食
  • 魚・肉・卵・豆類などのたんぱく質
  • 野菜
  • 汁物

などを組み合わせて、無理なく食べられる食事を意識してみましょう。

食欲が落ちている日は、

温かいスープ。

おかゆ。

うどん。

など、胃腸に負担を感じにくいものを選んでも構いません。

完璧な妊活食より、きちんと食べられること。

それを優先してください。

人混みを全部避ける必要はありません

採卵や移植が近づくと、

「人の多い場所には行かないほうがいい?」

という質問もあります。

治療前だからといって、外出をすべて控える必要はありません。

ただ、感染症が流行している時期に、

混雑した場所へ長時間滞在する。

体調の悪い方と近い距離で過ごす。

といった状況は、可能な範囲で避けてもよいでしょう。

仕事や通勤など避けにくい場面では、

手洗い。

必要に応じたマスク。

帰宅後に早めに休む。

といった基本的な対策で十分です。

感染を完全に避けようとするのではなく、できる範囲でリスクを減らす。

そのくらいに考えてください。

風邪をひいたら「治療が全部ダメになる」と思わないでください

採卵や移植前に鼻水や喉の違和感が出ると、

「今まで準備してきたのに」

と、とても不安になります。

でも、

風邪をひいた=卵子や胚が悪くなる

風邪をひいた=着床できない

と単純に考える必要はありません。

一方で、

  • 発熱
  • 強い咳
  • 息苦しさ
  • 強い倦怠感
  • 嘔吐や下痢
  • 水分が取れない

などがある場合は、治療施設へ連絡してください。

特に採卵では、鎮静や麻酔を使用することがあります。

呼吸器症状などがある場合には、安全面から予定を変更したほうがよいこともあります。

胚移植についても、体調や感染症の状態によって病院の判断が異なります。

「せっかくここまで来たから」と自己判断で無理をせず、まず治療施設へ相談しましょう。

軽い鼻水や喉の違和感でも、一度連絡したほうが安心なことがあります

「この程度で電話していいのかな」

と思うかもしれません。

でも、

採卵予定日。

移植予定日。

使用している薬。

体温。

症状。

によって、医師の判断は変わります。

特に治療当日が近い場合には、

「昨日から喉が少し痛いのですが、予定どおりで大丈夫ですか?」

と連絡して構いません。

連絡したからといって、必ず治療が延期になるわけではありません。

むしろ、

予定どおり進めて大丈夫なのかを確認しておくこと

が安心につながります。

市販薬を自己判断で飲む前に確認しましょう

風邪をひくと、

「早く治したいから薬を飲もう」

と思いますよね。

ただ、採卵や胚移植の前後では、

排卵誘発剤。

黄体ホルモン剤。

そのほかの処方薬。

を使っている場合があります。

また、胚移植後は妊娠の可能性も考えて薬を選ぶ必要があります。

そのため、

いつも飲んでいる市販薬だから大丈夫

と自己判断しないようにしましょう。

市販薬を使う場合は、

  • 不妊治療中であること
  • 採卵または移植予定であること
  • 現在使用している薬

を伝えたうえで、治療施設や薬剤師に確認してください。

市販薬については、10月13日朝の記事
「着床期に気をつけたい市販薬のこと」
でも詳しく取り上げます。

※こちらは別連載のため、今回の記事からはリンクを設定しません。

東洋医学では、秋は「乾燥」にも目を向けます

東洋医学では、秋は「燥(そう)」の季節と考えます。

乾燥した空気によって、

喉が乾く。

鼻が乾く。

肌が乾燥する。

便が硬くなる。

といった変化が出やすい時期です。

これは西洋医学の感染症予防とは別の考え方ですが、

秋の養生として、

  • 室内を乾燥させすぎない
  • こまめに水分をとる
  • 温かい汁物を取り入れる
  • 睡眠不足を避ける

などを意識してみるとよいでしょう。

「温める」だけではなく、

乾燥させすぎない、疲れさせすぎない

という視点も秋には大切です。

採卵・移植前こそ「何かを増やしすぎない」

治療日が近づくほど、

「今からできることはないかな」

と探したくなります。

新しいサプリメント。

新しい食事法。

新しい温活。

新しい運動。

でも、直前になって生活を大きく変える必要はありません。

むしろ、

普段食べ慣れているものを食べる。

眠れる時間を確保する。

疲れていたら休む。

感染症対策を普通に続ける。

そのほうが身体への負担は少なくなります。

採卵や移植前は、「追加するセルフケア」より「崩さない生活」を大切にしてみてください。

鍼灸も治療スケジュールに合わせて考えます

採卵や胚移植を控えている方の施術では、

治療日だけを見るのではなく、

現在使用している薬。

採卵や移植の日程。

睡眠。

胃腸の状態。

冷えや疲れ。

などを確認しながら身体を見ていきます。

体調が悪い日に、

「予約しているから行かなければ」

と無理をする必要もありません。

発熱や感染症が疑われる場合には、ご来院前にご連絡ください。

採卵・移植を含む治療中に、当院ではどのように施術を組み立てているのか知りたい方は、施術内容をご確認いただけます。

治療当日は「体調を隠さない」ことが一番大切です

ここまで色々な予防法をご紹介しましたが、

100%風邪を防ぐことはできません。

どれだけ気をつけていても、体調を崩すことはあります。

そんなとき、

「延期されたくないから言わないでおこう」

とは思わないでください。

治療を予定どおり行うかどうかは、安全性も含めて医療機関が判断します。

風邪をひいたことは失敗ではありません。

体調を崩した自分を責める必要もありません。

今できることは、

症状を正確に伝え、身体を休ませることです。

採卵や移植を安心して迎えるために

採卵や胚移植の前は、それだけで気持ちが緊張しやすい時期です。

「風邪をひかないように」

まで意識しすぎると、生活そのものが窮屈になってしまいます。

手洗いをする。

よく眠る。

無理なく食べる。

疲れたら休む。

症状が出たら病院へ相談する。

まずは、それで十分です。

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、病院の治療スケジュールも確認しながら、その時期のお身体に合わせた施術をご提案しています。

採卵や移植を控えていて、

「今の体調も一度整えておきたい」

という方はご相談ください。


この記事を書いた人

菅原 裕万
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂 院長
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

妊活・婦人科・マタニティなど、女性のライフステージに伴う身体の変化を中心に、病院での治療状況も確認しながら鍼灸による身体づくりをサポートしています。


参考・出典

厚生労働省「インフルエンザQ&A」

厚生労働省「感染症対策」

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」

日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」

日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン」

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