10月に入ると、昼間は過ごしやすくても、日が落ちると急に空気が冷たく感じるようになります。
妊活中の方からも、
「夜になると足が冷える」
「布団に入ってもなかなか眠れない」
「夕食後に胃が重い」
といったお話を伺うことがあります。
10月1日の朝の記事「秋は妊活の土台を深く整える季節」では、秋の妊活で見直したい身体の土台として、
冷え・睡眠・胃腸
の3つをお伝えしました。
今夜は、そこからもう一歩進んで、
「夜の時間に何をすればいい?」
というところを具体的に考えてみましょう。
全部を変える必要はありません。
一つだけでも、
「これなら今日からできそう」
と思えるものを見つけてみてください。
夜の冷え対策は「温めすぎない」ことも大切です
冷えが気になると、
熱いお風呂。
厚い靴下。
電気毛布。
カイロ。
とにかく温めたくなります。
でも、温めれば温めるほどよいわけではありません。
特に、
「足は冷たいのに顔はほてる」
「布団に入ると暑くなる」
「入浴後に汗がなかなか引かない」
という方は、温めすぎることでかえって寝つきにくくなることもあります。
目安にしたいのは、
身体がほっとする程度の温かさ。
我慢して熱いお湯に入ったり、汗を大量にかいたりする必要はありません。
お風呂は「身体を休める準備」に使う
夜のお風呂は、
「身体を温めるため」
だけではなく、
活動していた身体を休息へ切り替える時間
として考えてみましょう。
熱すぎないお湯にゆっくり入り、
「今日も一日終わった」
と身体を緩める時間にします。
入浴後すぐに布団へ入るよりも、少し時間を置いてから眠るほうが寝つきやすい方もいます。
ただし、
「入浴は必ず就寝○分前」
と厳密に管理する必要はありません。
生活の中で無理なく続けられることのほうが大切です。
シャワーだけの日があっても構いません。
「今日は疲れているから短めにしよう」
という日があっても大丈夫です。
足先だけ冷える人は、寝る前に少し動かしてみる
足が冷たいと、すぐに温めるものを増やしたくなります。
その前に、
- 足首をゆっくり回す
- ふくらはぎを軽く伸ばす
- つま先を上下に動かす
- 部屋の中を少し歩く
など、軽く身体を動かしてみる方法もあります。
長時間座ったままスマートフォンやパソコンを見ていると、身体をほとんど動かさないまま就寝時間を迎えることがあります。
寝る前に激しい運動をする必要はありません。
「固まった身体を少しほぐす」
くらいで十分です。
夕食は「妊活によい食事」より胃腸が楽な食事を
夜になると胃腸の不調が気になる方は、夕食も一度見直してみましょう。
妊活中は、
「たんぱく質を摂らないと」
「野菜をたくさん食べないと」
「栄養を完璧にしなければ」
と、食事に力が入りすぎることがあります。
もちろん栄養バランスは大切です。
でも、
食べ終わったあとに苦しい。
胃が重くて眠れない。
朝になっても食欲がない。
という状態が続くなら、量や食べる時間、内容を見直すことも必要です。
夜は、
- 温かい汁物
- ごはん
- 加熱した野菜
- 魚や肉、豆腐などのたんぱく質
などを、その日の体調に合わせて無理なく食べてみましょう。
毎晩豪華な「妊活ごはん」を作らなくても大丈夫です。
胃腸が受け止められる食事を続けること。
それも立派な身体づくりです。
東洋医学では胃腸の状態を「脾」と関連づけて考えます
東洋医学では、食べたものから身体を支えるものをつくる働きを「脾」と関連づけて考えます。
ここでいう「脾」は、西洋医学の脾臓そのものと同じ意味ではありません。
東洋医学独自の身体の見方です。
たとえば、
- 食後すぐ眠くなる
- 少量でも胃が重い
- 下痢や軟便になりやすい
- 疲れると食欲が落ちる
- 身体が重く感じる
といった状態がある場合、東洋医学では胃腸の働きや身体全体のエネルギーの状態を一緒に見ていきます。
妊活中だからといって、
「たくさん栄養を摂らなければ」
と無理をするのではなく、
食べたものを心地よく受け止められているか
という視点も大切にしてください。
寝る前30分だけ「妊活から離れる時間」をつくる
夜に一番難しいのが、これかもしれません。
布団に入ってから、
「この症状は大丈夫?」
「次の採卵はどうなる?」
「この胚のグレードなら?」
と検索し始めると、次々に情報が出てきます。
気づけば30分、1時間と経っていた。
そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
妊活について調べること自体が悪いわけではありません。
でも、身体を休ませたい夜まで情報を入れ続けると、頭がなかなか休まりません。
まずは寝る前30分だけ、
妊活について調べない時間
をつくってみましょう。
本を読む。
温かい飲み物を飲む。
好きな音楽を聴く。
パートナーと違う話をする。
何もしない。

特別なセルフケアでなくても構いません。
「眠らなければ」と思いすぎない
睡眠を大切にしようとすると、
「早く寝ないと」
「もう○時間しか眠れない」
と時計を見る回数が増えてしまうことがあります。
でも、
眠ろうと頑張るほど目が冴えてしまう夜
もあります。
そんな日は、
「今日は少し眠りにくい日なんだな」
くらいに考えてみてください。
毎晩完璧に眠れる必要はありません。
睡眠時間だけではなく、
- 朝起きたときの感覚
- 日中の眠気
- 疲労感
- 夜の寝つき
などをまとめて見ていくことが大切です。
睡眠の問題が長く続き、日中の生活にも影響している場合は、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関へ相談してください。
10月の夜は「腎」を消耗させすぎない意識も
東洋医学では、妊娠や生殖に関係する働きを「腎」と関連づけて考えます。
秋から冬へ向かう時期は、
夜更かし。
過労。
睡眠不足。
冷え。
などが重なると、身体の疲れを強く感じる方もいます。
だからといって、
「腎を補えば妊娠できる」
という単純な話ではありません。
東洋医学では、
日々の疲れをため込みすぎず、身体の回復する時間を確保する
ことを養生の一つとして考えます。
妊活中ほど予定を詰め込んでしまうことがありますが、夜に予定を一つ減らすことも身体づくりです。
夜のセルフケアは3つ全部しなくて大丈夫
ここまで、
冷え。
胃腸。
睡眠。
についてお話ししました。
でも、
「じゃあ全部やらなくちゃ」
とは思わないでください。
今夜なら、
冷えが一番気になる人
お風呂の温度を少し心地よいものにする。
寝る前に足首を動かす。
胃腸が一番気になる人
夕食を少し軽めにする。
温かい汁物を加える。
睡眠が一番気になる人
寝る前30分だけ検索をやめる。
この中から一つだけで十分です。
身体づくりは、一日で完成させるものではありません。
続けられるものを少しずつ積み重ねていきましょう。
鍼灸では「冷え・睡眠・胃腸」を別々に見ないことがあります
実際に妊活中の方のお話を伺っていると、
「冷えだけ」
「睡眠だけ」
という方ばかりではありません。
足が冷えている。
最近眠りが浅い。
胃もたれもある。
生理前になると気持ちが張りつめる。
いくつかの不調が重なっていることもあります。
東洋医学では、こうした身体の変化を一つずつ切り離すだけではなく、身体全体の状態として見ていきます。
「私の場合は何から整えたらいい?」
と感じる方は、当院で妊活中の身体をどのように考えているのか、こちらで詳しくご紹介しています。
今夜は、一つだけ身体が喜ぶことを
妊活をしていると、
身体のため。
卵子のため。
着床のため。
と、行動の理由がすべて「妊娠するため」になってしまうことがあります。
でも、
温かいお風呂に入るのも。
ゆっくり夕食を食べるのも。
早めにスマートフォンを置くのも。
今日の自分が少し楽になるため
でいいと思います。
10月の夜は、朝晩の気温差が大きくなってくる時期です。
今夜から何か一つだけ。
身体がほっとする時間をつくってみてくださいね。
今の身体に合った整え方を一緒に考えてみませんか
「冷えも気になるし、眠りも浅い」
「胃腸も弱っている気がする」
「色々試しているけれど、自分に合っているのか分からない」
そんなときは、自分一人ですべてを判断する必要はありません。
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂では、病院での治療状況も確認しながら、睡眠、冷え、胃腸、生理、疲れ方などを一緒に整理し、その方に合った身体づくりをご提案しています。
今のお身体を一度ゆっくり見直してみたい方は、ご相談ください。
参考・出典
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
国立成育医療研究センター「プレコンセプションケアセンター」
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「Acupuncture: Effectiveness and Safety」

