妊活が長引いたとき セカンドオピニオンの考え方

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「もう少し、同じ治療を続けてみましょう」

先生からそう言われたけれど、今回も結果が出なかった。

次の治療も同じ方法でいいのかな。

ほかの病院なら、違う方法があるのかな。

でも、今の先生にはお世話になっているし、別の病院へ相談したいとは言いにくい。

妊活が長引くほど、こんな気持ちになることがあります。

「このまま続けていいのか分からない」

という不安を抱えながら、次の治療を決めるのはつらいですよね。

そんなときに知っておきたいのが、セカンドオピニオンです。

別の医師の意見を聞くことは、今の先生や治療を否定することではありません。

今日は、不妊治療のセカンドオピニオンについて、どのようなときに考えればよいのか、何を準備すればよいのかを整理してみましょう。

目次

セカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンとは、現在受けている診断や治療方針について、別の医師から意見を聞くことです。

一般的には、現在の主治医が作成した紹介状や、これまでの検査結果、治療記録などをもとに相談します。

ここで大切なのは、セカンドオピニオンを受けることと、病院を変えることは別だという点です。

別の医師の話を聞いたあと、今の病院で治療を続ける方もいます。
新しい検査や治療の選択肢について確認し、現在の主治医と改めて相談することもできます。

一方、最初から別の病院で検査や治療を受けたい場合には、セカンドオピニオン外来ではなく、転院を目的とした通常の診察が適していることもあります。

申し込む前に、相談先の医療機関へ確認しておきましょう。

何回治療したら、セカンドオピニオンを受けるべき?

「人工授精を何回したら?」

「胚移植を何回しても妊娠しなかったら?」

と、回数で判断したくなるかもしれません。

しかし、セカンドオピニオンを考えるタイミングは、治療回数だけでは決められません。

年齢、これまでの検査結果、治療内容、採卵や胚移植の経過、今後の希望などによって、確認したいことが違うからです。

例えば、次のようなときは、今の治療方針を整理するきっかけになります。

  • 同じ治療を続けているが、次の方針を十分に理解できていない
  • 採卵や胚移植が続き、これまでの結果を踏まえた見直しが必要か知りたい
  • 新しい検査や治療を提案されたが、その必要性や費用について迷っている
  • 年齢や今後の予定を考え、治療の進め方について別の意見も聞きたい

不安が大きくなるまで待つ必要はありません。

今の治療について、もう少し理解してから次へ進みたい。

それも、セカンドオピニオンを考える理由になります。

まずは今の主治医へ質問してみる

別の病院を探す前に、現在の主治医へ確認することで疑問が解消する場合もあります。

例えば、

「これまでの治療結果から、今は何が一番の課題だと考えていますか?」

「次も同じ方法を続ける理由は何ですか?」

「治療方法を変更するとしたら、どのような選択肢がありますか?」

と質問してみましょう。

診察中は緊張して、聞きたかったことを忘れてしまう方もいます。事前に質問をメモしておくと、短い診察時間でも伝えやすくなります。

十分な説明を受けたうえで、さらに別の意見も聞きたいと感じたら、セカンドオピニオンを検討してみましょう。

採卵が続いている場合は、どこを確認する?

採卵を繰り返しても、期待していた結果が得られないことがあります。

そんなときは、採れた卵子の数だけではなく、これまでの治療経過を一度整理してみましょう。

例えば、卵巣刺激の方法、採卵数、成熟卵数、受精の状況、胚の発育、凍結できた胚の数などです。

別の医師へ相談するときにも、こうした経過が分かると、現在の治療を踏まえた意見を聞きやすくなります。

ただし、採卵結果には周期ごとの変動もあります。

一度結果が思わしくなかったからといって、現在の方法が間違っていると決まるわけではありません。

今までの経過を確認し、次の採卵で何を変える余地があるのか、何を変えずに続けるのかを相談することが大切です。

胚移植が続いている場合は?

胚移植を繰り返しても妊娠に至らない場合、「着床不全ではないか」と心配になる方もいます。

しかし、何回移植したら必ず反復着床不全と診断される、という単純なものではありません。

欧州生殖医学会(ESHRE)の2023年の提言では、移植した胚の状態や年齢など、個々の妊娠可能性を踏まえて、追加検査や治療を考えることが勧められています。

そのため、胚移植が続いている場合には、これまでの胚の状態や移植の経過、子宮内膜の評価などを整理して相談することが大切です。

また、追加検査や新しい治療については、すべての方法に十分な有効性が確認されているわけではありません。

「検査を増やせば安心」という考え方ではなく、今の自分には何を確認する意味があるのかを聞いてみましょう。

セカンドオピニオンで聞いておきたい5つの質問

別の医師へ相談するときには、質問をあらかじめ整理しておくと、限られた時間を使いやすくなります。

  1. これまでの検査と治療結果を、どのように評価しますか?
  2. 今の治療を続ける場合、どのような理由がありますか?
  3. 別の治療方法を考える場合、どのような選択肢がありますか?
  4. 追加検査や新しい治療には、どの程度の根拠や負担がありますか?
  5. 年齢や治療歴を踏まえ、今後の予定をどのように考えればよいですか?

セカンドオピニオン外来は「30分」や「1時間」など時間が限られていることが多いため、全部聞く必要はありません。

一番気になっていることを最初に伝え、その答えを聞いてから次の質問へ進んでも構いません。

夫婦で相談する場合には、それぞれ聞きたいことを一つずつ準備しておく方法もあります。

紹介状や検査結果は必要?

正式なセカンドオピニオン外来では、現在の主治医が作成した紹介状と検査資料が必要になることが一般的です。

妊活中であれば、ホルモン検査、精液検査、子宮や卵管の検査結果、採卵・受精・胚培養・胚移植の記録などが相談に役立ちます。

必要な資料は医療機関によって異なるため、予約前に確認しましょう。

紹介状をお願いするときは、「これまでの治療について別の先生の意見も聞き、今後の方針を考えたいです」と伝える方法があります。

転院を決めていない段階でも、相談することはできます。

費用はどのくらいかかる?

セカンドオピニオン外来は、一般的に健康保険の対象外で、全額自己負担になります。

費用は医療機関によって異なります。

また、相談時間が決まっていたり、資料の事前提出や完全予約が必要だったりする場合もあります。

予約するときには、費用だけでなく、相談できる内容、必要な資料、相談時間、結果を現在の主治医へ共有できるかなども確認しておきましょう。

最初から転院を希望している場合には、通常の初回診察として受け付ける医療機関もあるため、目的に合った予約方法を選ぶことが大切です。

別の病院を選ぶとき、妊娠率だけで比べない

病院を探すときには、ホームページに掲載されている妊娠率や出生率が気になると思います。

ただし、医療機関ごとの成績は、患者さんの年齢、不妊の原因、治療内容、どのような患者さんを多く受け入れているかなどによって変わります。

また、採卵あたりの出生率なのか、胚移植あたりの出生率なのかによっても、数字の意味が違います。

英国の生殖医療規制機関であるHFEAも、施設の成績だけでは個人の妊娠可能性を判断できず、治療内容、通院のしやすさ、費用、説明、心理的な支援なども含めて考えるよう案内しています。

日本で相談先を探す場合にも、数字だけではなく、今の自分が抱えている疑問について相談できる医療機関かどうかを確認してみましょう。

凍結胚がある方は、転院前に確認を

現在の病院に凍結胚や凍結精子がある場合には、転院について考える前に確認しておきたいことがあります。

保存中の胚や精子を別の医療機関へ移送できるかどうかは、現在の施設と受け入れ先の施設、双方の方針によって異なります。

移送が可能な場合でも、手続きや費用、日程の調整が必要になることがあります。

そのため、凍結胚がある方は、転院を決める前に、保存状況と移送の条件について確認しておくと安心です。

一方、セカンドオピニオンを受けるだけなら、直ちに凍結胚を移送する必要はありません。

「ほかの先生にも聞きたい」と言うのが申し訳ないとき

長く通院していると、主治医やスタッフとの関係もできています。

検査や採卵を何度も受け、つらいときに支えてもらった経験があるほど、別の医師に相談したいと言いにくいかもしれません。

でも、セカンドオピニオンは、これまでの医療を否定するためのものではありません。

今までの治療を踏まえて、これからの選択肢を理解するために利用することができます。

お世話になったことへの感謝と、別の意見も聞いてみたい気持ちは、両立してよいのです。

新しい意見を聞いたあと、改めて現在の主治医と相談するという選択もあります。

治療方針だけでなく、夫婦の希望も整理しておく

セカンドオピニオンで新しい選択肢を知ったとしても、すぐに決断できるとは限りません。

治療を進めるうえでは、身体への負担、仕事、通院時間、費用なども関わります。

夫婦で治療を続けている場合には、何を優先したいのか、それぞれの気持ちを整理しておくことも大切です。

例えば、できるだけ早く次の治療へ進みたいのか、もう少し検査結果について理解したいのか、通院の負担を減らしたいのか。

意見が違う場合には、すぐにどちらかへ合わせる必要はありません。

まず、二人が今どのようなことを大切にしているのかを確認してみましょう。

治療を見直すとき、身体のつらさも置き去りにしない

治療方針を考え始めると、次の病院や検査について調べる時間が増えます。

その間にも、仕事や家事、通院は続きます。

気づけば、首肩に力が入り、夜中に何度も目が覚めたり、胃腸の調子が乱れたりする方もいます。

そんなときは、治療について調べることと同じくらい、今の身体を休ませることも大切にしてください。

医療機関で今後の治療方針を整理しながら、鍼灸で身体の不調を整えていく方法もあります。

治療を続けるか迷っている間も、身体づくりを中断する必要はありません。

鍼灸は、治療方針に迷っている時期にも取り入れられます

「次の治療が決まっていないので、鍼灸も少し休んだ方がいいですか?」

と考える方もいるかもしれません。

でも、鍼灸は採卵日や胚移植日が決まっているときだけに受けるものではありません。

例えば、治療結果を受けて眠れなくなっている、通院が続いて首肩のこりが強い、緊張すると胃腸の調子が乱れるといった場合にも、身体の状態に合わせて施術を受けることができます。

2022年に公表された体外受精に関連する不安への鍼灸のシステマティックレビュー・メタ解析では、8試験を検討し、不安に対して小さいながら改善が報告されています。

鍼灸で不妊治療の方針を決めることはできませんが、大切な選択を考えている時期の、身体の緊張や日々の不調を整えるために利用することはできます。

蓮心はり灸堂では、治療の進み方が変わっても身体づくりを続けられます

採卵が続いている方、胚移植を控えている方、次の治療を休んでいる方、病院を変えるか迷っている方。

妊活中の状況は、一人ひとり違います。

当院では、現在の治療段階や使用している薬、検査結果などを確認したうえで、睡眠、胃腸、月経、冷え・のぼせ、疲労、首肩の緊張などを合わせて施術を組み立てています。

治療方針について迷っている場合も、今困っている身体の状態を整理し、必要に応じて医療機関で確認していただきたいことをお伝えします。

もちろん、セカンドオピニオンそのものや治療方針の医学的判断は、生殖医療の専門医に相談していただく必要があります。

そのうえで、次の治療へ向かうまでの時間も、身体を整えるために使っていただけたらと思います。

今日からできる、治療の整理3ステップ

1.これまで分かっていることを書き出す

検査結果、採卵数、受精や胚培養の状況、移植歴など、分かる範囲で構いません。

2.まだ分からないことを三つに絞る

「次も同じ治療を続ける理由は?」「追加検査は必要?」「治療方針を変更する選択肢は?」など、今気になっていることを整理します。

3.まず誰に聞くかを決める

現在の主治医に質問するのか、セカンドオピニオン外来を探すのか、夫婦で話し合うのか。

今すぐ予約まで進めなくても構いません。

最初の一歩だけ決めてみましょう。

このテーマの続きは10月1日の夜に

今日は、セカンドオピニオンの基本や、別の医師へ相談するときの準備についてお話ししました。

ただ、知識として理解できても、実際に病院を変えるかどうかは別の悩みですよね。

「今の先生を信頼しているけれど、ほかの病院も気になる」

「転院しても、結果が変わらなかったらどうしよう」

そんな気持ちになることもあると思います。

このテーマの続きは、10月1日夜公開の「病院を変えるか迷う夜に整理したいこと」で、治療方針だけではなく、通院や仕事、費用、夫婦の希望なども含めて考えていきます。

妊活が長引いても、一人で答えを出さなくていい

不妊治療が長くなるほど、これまでの選択が正しかったのか、これから何を選べばいいのか、迷うことが増えていきます。

でも、今まで続けてきた治療があるからといって、これからも同じ方針を選ばなければならないわけではありません。

反対に、別の医師の意見を聞いたからといって、必ず転院する必要もありません。

大切なのは、今の自分たちが納得して次の治療を選べること。

そのために、セカンドオピニオンという選択肢を知っておいてください。

治療の見直しを考えながら、身体も整えたい方へ

治療が長引くと、検査結果や次の治療について考える時間が増え、日々の身体のつらさを後回しにしてしまうことがあります。

眠りが浅い、首肩の力が抜けない、胃腸が不安定、疲れが取れない。そんな状態が続いているなら、鍼灸で身体を整える方法もあります。

蓮心はり灸堂では、現在の治療状況や今後の予定に合わせながら、睡眠、胃腸、月経、冷え・のぼせ、疲労、首肩の緊張など、身体全体を見て施術を組み立てています。

病院や治療方針を考えている途中でも、ご相談いただけます。

これからの治療を考える時間も、今日の身体を大切にしながら過ごしていきましょう。

参考・出典

国立成育医療研究センター「セカンドオピニオンのご案内」

日本大学病院「セカンドオピニオン」

米国生殖医学会(ASRM)「不妊女性の評価:委員会見解」(2021年)

欧州生殖医学会(ESHRE)「反復着床不全に関する適正診療のための提言」(2023年)

英国ヒト受精・胚研究認可庁(HFEA)「生殖医療クリニックの選び方」

Reproductive BioMedicine Online「体外受精に関連する不安に対する鍼灸の効果:システマティックレビュー・メタ解析」(2022年)

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