妊活を始めたころは葉酸だけだったのに、気づけばビタミンD、鉄、CoQ10、乳酸菌などが増えていた。
そんなことはありませんか。
サプリを相談するときに大切なのは、
「何種類飲んでいるか」より、「何を、どれくらい摂っているか」がわかることです。
そこで役立つのが、サプリの服用メモです。
難しいものを作る必要はありません。
スマホのメモ機能でも十分です。
この記事のポイント
・商品名だけでなく「成分量」まで記録する
・サプリだけでなく、処方薬や市販薬も一緒に整理する
・商品パッケージの写真を残しておくと相談しやすい
・妊娠判定が陽性になったら、続けるサプリを改めて確認する
・妊活の身体づくりは「飲むものを増やすこと」だけではない
なぜサプリの服用メモが必要なの?
妊活中は、
「葉酸は飲んだ方がいい」
「ビタミンDも大切らしい」
「採卵ならCoQ10がいいと聞いた」
と、少しずつサプリが増えやすくなります。
問題になるのは、別の商品に同じ成分が入っていることに気づきにくいことです。
たとえば、妊活用マルチサプリにも葉酸やビタミンDが入り、別に葉酸やビタミンDの単体サプリも飲んでいれば、合計量は表示を見ないとわかりません。
消費者庁も、複数の錠剤・カプセル状の健康食品による過剰摂取や、医薬品との自己判断での併用に注意を呼びかけています。さらに、健康食品の利用状況を「お薬手帳」のように記録することも勧めています。
服用メモには、この7つを書いておきましょう
サプリごとに、次の内容を記録してみてください。
- 商品名・メーカー名
- 1日に飲んでいる量
- 主な成分と1日分の含有量
- 朝・昼・夜など飲んでいる時間
- いつ頃から飲んでいるか
- 何のために飲み始めたか
- 飲み始めてから気になる変化がないか
さらに、現在使っている処方薬・市販薬・漢方薬も同じメモに入れておくと、飲み合わせを確認しやすくなります。
そのまま使える「妊活サプリ服用メモ」
スマホのメモ帳に、次の形で保存しておくと便利です。
商品名:
○○○○
メーカー:
○○○○
1日の摂取量:
○粒
主な成分・1日分の量:
葉酸 ○μg
ビタミンD ○μg
鉄 ○mg
など
飲む時間:
朝食後/夕食後 など
飲み始めた時期:
2026年○月頃
目的:
妊活のため/検査で不足を指摘されたため など
現在使用している薬:
○○○○
気になること:
便秘が強くなった/胃が重い/特になし など
これだけでも、
「何を飲んでいたかわからない」
がかなり減ります。
商品名だけでなく「裏面の写真」も残しておく
相談時に、
「葉酸を飲んでいます」
「鉄のサプリです」
だけでは、実際の摂取量がわからないことがあります。
同じ「葉酸サプリ」でも、配合されている量や一緒に含まれる栄養素は製品によって違います。
おすすめは、商品の表面と成分表示の写真をスマホで撮っておくことです。
現物を毎回持ち歩かなくても、成分を確認しやすくなります。
「1粒の量」ではなく「1日合計」で確認する
ここは間違えやすいところです。
たとえば、
「1粒に葉酸200μg」
と書いてあっても、
1日の目安量が2粒なら400μgです。
さらに別の商品にも葉酸が入っていれば、その分も合計します。
厚生労働省の2025年版「日本人の食事摂取基準」では、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性に、通常の食事に加えて葉酸400μg/日の付加が望ましいとされています。
大切なのは、
「必要な栄養素だから、たくさん摂るほど良い」ではない
ということです。
葉酸・ビタミンD・鉄は特に合計量を確認
妊活中によく使われる栄養素ほど、複数の商品へ重複して入っていることがあります。
葉酸、ビタミンD、鉄、亜鉛などは、単体サプリだけでなくマルチビタミンや妊活用サプリにも含まれていることがあります。
特に鉄は、疲れやすいからという理由だけで自己判断して増やすのではなく、必要に応じて血液検査なども含めて確認することが大切です。
米国国立衛生研究所(NIH)も、妊娠中は不足だけでなく過剰摂取にも注意が必要で、サプリに含まれる栄養素の合計量を確認する重要性を示しています。
サプリだけでなく「薬」も一緒に書く
不妊治療中は、サプリと薬を別々に考えないことも大切です。
排卵誘発薬、黄体ホルモン製剤、甲状腺の薬、漢方薬、市販薬などを使っている場合は、すべてまとめておきましょう。
健康食品と医薬品の組み合わせによっては、薬の吸収や作用へ影響する場合があります。厚生労働省も、健康食品と医薬品の併用によって薬の作用が強くなったり弱くなったりする事例があるとして注意を呼びかけています。
「サプリだから薬には関係ない」とは限りません。
妊娠判定が陽性になったら、もう一度見直す
妊活中に飲んでいたサプリを、
妊娠したあともすべて同じように続けてよいとは限りません。
妊娠がわかったら、服用メモを産婦人科で見せて、
「このまま続けてよいものはどれですか?」
と確認しましょう。
特に、複数の成分を含むサプリやハーブ系製品などは、「天然だから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。妊娠中のサプリメントには、十分に研究されていない成分もあります。
相談するときは「必要ですか?」まで聞いてみる
服用メモができたら、
「一緒に飲んでも大丈夫ですか?」
だけでなく、次の3つを確認してみてください。
・今の自分に本当に必要な成分か
・同じ成分が重複していないか
・いつまで続ける予定なのか
サプリは、
「追加する相談」だけでなく、「減らせるものがないか確認する相談」
でもあります。
8月25日の「妊活中に避けたい自己流サプリの重ね飲み」では、葉酸・ビタミンD・鉄・CoQ10などを重ねて摂るときに確認したいポイントを、もう少し詳しく解説しています。
東洋医学では「飲むもの」だけを見ません
妊活では、
「これも飲んだ方がいい」
「まだ何か足りないかも」
と、身体づくりがサプリ中心になってしまうことがあります。
東洋医学では、睡眠、食欲、胃腸、便通、疲れやすさ、冷えやほてり、月経の状態なども含めて身体を見ていきます。
たとえば胃腸が弱っている方に、サプリを次々追加することが必ずしも身体に合うとは限りません。
足すことだけではなく、今の身体を見直すこと。
これも妊活の身体づくりです。
サプリを増やさずに、身体を整える方法もあります
妊活の身体づくりは、
サプリを増やすことだけではありません。
鍼灸では、現在の治療段階に合わせながら、睡眠、胃腸、便通、疲労、冷えやほてり、身体の緊張などを一緒に確認できます。
「次は何を飲もう?」ではなく、「今の身体そのものを整える」という選択肢がある。
ここは、妊活中の方に知っていただきたいところです。
妊活に鍼灸を取り入れることにも前向きな研究があります
2026年に発表された、42の研究・9,390人をまとめた大規模な解析では、生殖補助医療に鍼灸を取り入れたグループで、
妊娠に至った割合が比較したグループより相対的に約25%高く、着床した割合も約16%高い結果
が報告されました。
もちろん、鍼灸を受ければ必ず妊娠できるという意味ではなく、出生率については明確な差が確認されず、研究の確実性にも課題があります。
それでも、
病院で必要な不妊治療を受けながら、鍼灸を身体づくりとして併用することには前向きな研究結果があります。
サプリを何種類も増やす前に、
今の治療。
今飲んでいるもの。
そして今の身体。
この3つを一度整理してみることも大切です。
まずは「全部書き出す」ところから
サプリの整理は、
何かをすぐにやめるためではありません。
まず、
自分が何を摂っているのかを正確に知ること
から始まります。
商品名、成分量、飲む時間、処方薬まで一つのメモにまとめてみてください。
そのメモがあれば、病院や薬局、サプリ相談の場でも話がずっと具体的になります。
「もっと何か足した方がいいかな」と考える前に、
今あるものを一度整理する。
それだけでも、妊活の身体づくりは少しシンプルになります。
【参考・出典】
消費者庁「健康食品を利用するときに確認したいポイント」
消費者庁「健康食品5つの問題」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
厚生労働省「医薬品と健康食品の相互作用に対する注意喚起」
米国国立衛生研究所(NIH)「妊娠期のサプリメントと栄養素に関するファクトシート」
Frontiers in Endocrinology「生殖補助医療に併用する鍼治療のタイミングと施術量に関するメタ解析・ネットワークメタ解析」
妊活中のサプリ、一度整理してみませんか
「気づいたらサプリが増えている」
「病院の薬と一緒に飲んでいいのかわからない」
「今の自分に本当に必要なのか迷っている」
そんなときは、商品名だけでなく、成分量がわかる写真や服用メモをお持ちください。
当院では、サプリだけを見るのではなく、現在の不妊治療の段階、検査結果、食事、睡眠、胃腸、疲労、冷えやほてりなども含めて身体の状態を確認しています。
必要な病院での治療を続けながら、
サプリを増やすことだけに頼らず、鍼灸で身体そのものを整えていく。
妊活には、そんな身体づくりの方法もあります。

