黄体ホルモン薬を使い始めてから、眠気が強い。
胸が張る。
お腹が重い。
むくみやすい。
気分まで不安定になっている気がする。
妊活中や不妊治療中に黄体ホルモン薬を使うと、いつもと違う身体の変化に戸惑うことがあります。
「これは薬の影響なのかな」
「生理前の症状なのかな」
「もしかして妊娠の兆候なのかな」
「このまま薬を続けて大丈夫なのかな」
そんなふうに、ひとつひとつの症状が不安につながってしまう方も少なくありません。
まず最初にお伝えしたいことがあります。
黄体ホルモン薬による不調があるからといって、あなたの身体が弱いわけではありません。
そして、眠気や胸の張り、むくみがあるから妊娠している、またはしていないと判断することもできません。
黄体ホルモン薬は、妊活や不妊治療の中で大切な役割を持つことがあります。
一方で、身体に変化を感じる方もいます。
今日は、黄体ホルモン薬の役割、起こりやすい不調、PMSや妊娠初期症状との見分けが難しい理由、相談した方がよいサイン、そして東洋医学と鍼灸でできる身体づくりについて、やさしくお伝えします。
黄体ホルモンとは何でしょうか
黄体ホルモンは、プロゲステロンとも呼ばれます。
女性の月経周期では、排卵後に卵胞が黄体という組織に変わり、黄体ホルモンを分泌します。
黄体ホルモンには、子宮内膜を妊娠に向けた状態へ保つ働きがあります。
また、高温期を作る働きにも関わります。
月経周期を大きく分けると、
月経期。
卵胞期。
排卵期。
黄体期。
という流れがあります。
このうち、排卵後から月経前までの時期を黄体期と呼びます。
黄体期には、黄体ホルモンが増え、子宮内膜を維持しながら、妊娠が成立するかどうかを待つような時期になります。
妊活中に「高温期が大切」と言われるのは、この黄体ホルモンの働きが関係しています。
ただし、高温期が少し短い、基礎体温がガタガタする、胸が張る、眠気があるなどの症状だけで、黄体ホルモンの状態を自己判断することはできません。
気になる場合は、通院中のクリニックで相談し、必要に応じて血液検査などで確認してもらいましょう。
黄体ホルモン薬は、何のために使われるのでしょうか
黄体ホルモン薬は、妊活や不妊治療の中で、黄体期を支える目的で使われることがあります。
使われる場面としては、たとえば、
- 排卵後の黄体補充
- タイミング法での高温期サポート
- 人工授精後の黄体補充
- 体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)後の黄体補充
- 胚移植(ET)後
- 凍結融解胚移植(FET)でのホルモン補充周期
- 黄体機能が気になる場合
- 医師が黄体補充を必要と判断した場合
などがあります。
黄体補充とは、黄体ホルモンを薬で補い、子宮内膜を維持しやすい状態を支える治療のひとつです。
特に生殖補助医療(ART)では、排卵誘発や採卵、胚移植の流れの中で、自然な黄体の働きだけでは不足しやすい場合があるため、黄体ホルモン薬が使われることがあります。
ただし、薬の種類、量、使う期間、飲み方、入れ方は、治療内容や医療機関の方針によって異なります。
「友人はこの薬だった」
「SNSでは何週まで続けると書いてあった」
「私はこの量で足りているのかな」
と不安になることもあると思います。
でも、薬の使い方はその方の治療内容に合わせて決まります。
自己判断で増やしたり、減らしたり、中止したりせず、必ず主治医の指示に従ってください。
黄体ホルモン薬にはどんな種類がありますか
黄体ホルモン薬には、いくつかの使い方があります。
代表的には、
- 飲み薬
- 腟錠
- 腟用ゲル
- 腟用カプセル
- 注射
- 貼付剤や他のホルモン剤と組み合わせる方法
などがあります。
体外受精や胚移植では、腟から使うタイプの黄体ホルモン薬が選ばれることもあります。
飲み薬が使われる場合もあります。
注射で補う場合もあります。
どれが一番よいというより、治療方法、身体の状態、医療機関の方針、薬の使いやすさによって選ばれます。
腟剤は、子宮に近いところへ薬を届ける目的で使われることがあります。
一方で、おりものが増えたように感じたり、薬が出てきたように感じたり、腟の違和感が出る方もいます。
飲み薬では、眠気やだるさを感じる方もいます。
注射では、注射部位の痛みや硬さを感じることがあります。
不安な症状がある場合は、薬のせいかどうかを自己判断せず、処方された医療機関に確認しましょう。
黄体ホルモン薬で起こりやすい不調
黄体ホルモン薬を使うと、身体にさまざまな変化を感じることがあります。
よく相談される不調には、
- 眠気
- だるさ
- 胸の張り
- 乳首の痛み
- むくみ
- 腹部の張り
- 便秘
- 下痢
- 吐き気
- 胃のむかつき
- 頭痛
- めまい
- 気分の落ち込み
- イライラ
- おりものの増加
- 腟の違和感
- 腟剤が出てくる感じ
- 下腹部の重だるさ
などがあります。
ただし、すべての方に起こるわけではありません。
また、症状の強さにも個人差があります。
薬の影響で起こることもあれば、もともとのPMS、月経前の変化、ストレス、睡眠不足、治療への緊張、妊娠初期の変化など、さまざまな要素が重なっていることもあります。
だからこそ、症状だけで「薬の副作用です」「妊娠しています」「生理が来ます」と判断することはできません。
不安な時は、症状をメモして、通院先へ相談してください。
眠気やだるさ
黄体ホルモン薬を使っていて、眠気やだるさを感じる方は少なくありません。
特に高温期や胚移植後は、もともと眠気やだるさが出やすい時期です。
そこに薬の影響や緊張、睡眠不足が重なると、いつも以上に身体が重く感じられることがあります。
「こんなに眠いのは妊娠しているからかな」
「薬のせいかな」
「だるいのはよくないサインかな」
と考えてしまうかもしれません。
でも、眠気だけで妊娠の有無を判断することはできません。
妊娠初期にも眠気が出る方はいます。
月経前にも眠気が出る方はいます。
黄体ホルモン薬でも眠気を感じる方がいます。
睡眠不足や梅雨時期の重だるさでも眠気は出ます。
つまり、眠気はとても判断が難しい症状です。
強い眠気で仕事や運転に支障がある場合は、薬の使い方や時間帯について主治医に相談してみましょう。
自己判断で薬をやめるのではなく、「眠気が強くて困っている」と伝えることが大切です。
胸の張りや乳首の痛み
黄体ホルモン薬を使うと、胸の張りや乳首の痛みを感じる方がいます。
胸の張りは、月経前にもよく起こる症状です。
妊娠初期にも感じる方がいます。
黄体ホルモン薬の影響として感じる方もいます。
そのため、胸の張りがあるからといって、妊娠しているとも、生理が来るとも判断できません。
妊活中は、胸の張りひとつで心が揺れます。
「いつもより張っている」
「昨日より痛い」
「急に張りがなくなった」
「これは良いサインなのかな」
そうやって何度も確認してしまう方もいます。
でも、胸の張りの強さは日によって変わることがあります。
薬の影響や体調、睡眠、ストレスでも感じ方が変わります。
不安になりすぎる時は、症状を細かく検索するより、
「胸の張りあり。痛みは軽度。生活に支障なし」
「乳首痛あり。強くはない」
「急に痛みが強い」
というようにメモしておき、必要に応じて診察時に相談しましょう。
むくみや体重増加
黄体ホルモンの影響で、身体に水分をため込みやすく感じる方がいます。
むくみ、体重の増加、手足の重だるさ、顔の腫れぼったさを感じることがあります。
ただし、むくみにはいろいろな原因があります。
月経前。
薬の影響。
塩分の多い食事。
睡眠不足。
長時間の座りっぱなし。
冷え。
梅雨の湿気。
腎臓、心臓、甲状腺などの病気。
妊娠中の変化。
こうした要素が関わることがあります。
軽いむくみで、いつもの月経前と同じような範囲であれば、様子を見ることもあります。
ただし、急に強くなったむくみ、片足だけの腫れ、痛み、赤み、息苦しさ、胸の痛み、強い頭痛を伴う場合は、早めに医療機関へ相談してください。
また、排卵誘発や採卵後に、お腹の張り、急な体重増加、息苦しさ、尿量の低下、強い腹痛がある場合は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの確認が必要になることがあります。
「薬のせいだろう」と決めつけず、いつもと違う強い変化は通院先へ確認しましょう。
便秘やお腹の張り
黄体ホルモン薬を使っている時期に、便秘やお腹の張りを感じる方もいます。
もともと黄体期は、腸の動きがゆっくりになりやすい方がいます。
そこに薬、運動不足、緊張、食事の変化、水分不足などが重なると、便秘になりやすく感じることがあります。
便秘が続くと、下腹部の張りや重だるさが強くなり、
「子宮が痛いのかな」
「卵巣が腫れているのかな」
「着床に影響するのかな」
と不安になることもあります。
便秘だけで妊娠の結果が決まるわけではありません。
ただ、苦しい便秘や強い腹痛がある場合は、我慢しすぎず相談してください。
妊活中や妊娠の可能性がある時期は、便秘薬や漢方薬を自己判断で使うのではなく、主治医や薬剤師に確認すると安心です。
気分の揺れや不安感
黄体ホルモン薬を使う時期は、気持ちが揺れやすくなる方もいます。
イライラする。
涙もろくなる。
不安が強くなる。
落ち込みやすい。
夫婦の会話で傷つきやすい。
検索が止まらない。
こうした状態が出ると、
「薬のせいかな」
「私のメンタルが弱いのかな」
「妊活に向いていないのかな」
と自分を責めてしまう方がいます。
でも、妊活中の心の揺れは、薬だけの問題ではありません。
高温期の不安。
判定日までの緊張。
治療への期待と怖さ。
周りとの比較。
仕事との両立。
夫婦の温度差。
睡眠不足。
こうしたものが重なって、心が敏感になることがあります。
気分の揺れがあるからといって、あなたが弱いわけではありません。
心がたくさん頑張っているサインかもしれません。
もし、日常生活に大きく支障が出るほどつらい、眠れない日が続く、食事が取れない、涙が止まらない、自分を傷つけたいほど苦しいなどがある場合は、ひとりで抱え込まないでください。
身近な人や医療機関、地域の相談窓口など、今つながれる場所に助けを求めてください。
あなたのつらさは、ひとりで耐えなければいけないものではありません。
腟剤で起こりやすい違和感
黄体ホルモン薬には、腟から使うタイプがあります。
腟錠、腟用ゲル、腟用カプセルなどです。
腟剤を使っていると、
- おりものが増えたように感じる
- 白っぽいものが出る
- 薬が出てきたように感じる
- 腟の違和感がある
- かゆみがある
- かぶれた感じがある
- 下着が汚れやすい
といったことがあります。
薬が出てきたように見えると、
「ちゃんと吸収されていないのかな」
「入れ方が悪かったのかな」
「効果がなくなってしまうのかな」
と不安になる方がいます。
腟剤では、溶けた薬の一部や基剤が出てくることがあります。
ただし、出てくる量が多い、強いかゆみ、痛み、悪臭のあるおりもの、出血、発熱などがある場合は、処方元へ相談してください。
腟剤の使い方、入れる時間、入れ忘れた時の対応も、薬によって異なります。
自己判断せず、説明書や医療機関の指示を確認しましょう。
PMS・薬の影響・妊娠初期症状は見分けにくい
黄体ホルモン薬を使っている時期に、多くの方が悩むのが、
「これはPMSなのか、薬の影響なのか、妊娠初期症状なのか」
ということです。
眠気。
胸の張り。
下腹部の重さ。
むくみ。
便秘。
気分の揺れ。
吐き気。
だるさ。
頭痛。
おりものの変化。
これらは、PMSでも、黄体ホルモン薬の影響でも、妊娠初期でも見られることがあります。
つまり、症状だけで判断するのはとても難しいのです。
妊活中は、身体の小さな変化を見逃したくない気持ちになります。
「昨日より胸が張っている」
「今日は眠くないからだめかも」
「下腹部が痛いから生理が来るのかな」
「おりものが変わった気がする」
こうした変化を毎日確認していると、心がとても疲れてしまいます。
症状は大切な情報です。
でも、症状だけで結果を決めつけないようにしましょう。
判定日は、決められた時期に検査で確認することが大切です。
フライング検査や症状検索で心が疲れている場合は、少し距離を置くことも大切な養生です。
薬を自己判断でやめないでください
黄体ホルモン薬で不調を感じると、
「薬が合っていないのかな」
「やめた方がいいのかな」
「飲み忘れたらどうしよう」
「少しくらい減らしてもいいかな」
と考えてしまうことがあります。
しかし、黄体ホルモン薬は治療の流れの中で大切な役割を持つことがあります。
特に胚移植後やホルモン補充周期では、自己判断で中止すると治療に影響する可能性があります。
不調がある場合は、やめる前に必ず処方元へ相談してください。
「眠気が強い」
「胸の張りがつらい」
「便秘が苦しい」
「腟剤でかゆみがある」
「おりものが気になる」
「飲み忘れた」
「入れ忘れた」
このように、具体的に伝えると相談しやすくなります。
薬を続けるか、使い方を変えるか、他の薬に変えられるか、様子を見るかは、主治医が治療内容に合わせて判断します。
すぐ相談した方がよいサイン
黄体ホルモン薬を使っている時期に、次のような症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関へ相談してください。
- 強い腹痛
- 急な体重増加
- 息苦しさ
- 胸の痛み
- 片足だけの腫れ、痛み、赤み
- 強い頭痛
- 視界がぼやける、見えにくい
- 意識がぼんやりする
- 強いめまい
- 発疹やかゆみ、顔や喉の腫れ
- 強い吐き気や嘔吐
- 大量の出血
- 発熱
- 悪臭のあるおりもの
- 排尿時の強い痛み
- 採卵後のお腹の強い張りや尿量低下
これらは、薬の副作用だけでなく、別の原因が関係している可能性もあります。
「このくらい我慢しなきゃ」と思わず、いつもと違う強い症状は確認してもらいましょう。
黄体ホルモン薬を使っている時期の過ごし方
黄体ホルモン薬を使っている時期は、身体の変化に敏感になりやすい時期です。
特に胚移植後や判定日前は、何をしても不安になります。
「歩きすぎたかな」
「重いものを持ってしまった」
「寝不足だった」
「お腹がチクチクする」
「薬が出てきた気がする」
こうした不安が出てくるのは自然なことです。
多くの場合、普段通りの生活でよいと説明されることもありますが、治療内容によって注意点は異なります。
移植後や薬の使用中は、次のようなことを事前に確認しておくと安心です。
- 運動はどの程度してよいか
- 入浴やサウナはどうするか
- 性交は控える必要があるか
- 仕事は普段通りでよいか
- 飲み忘れた時はどうするか
- 腟剤が出てきた時はどう考えるか
- 出血があった時はどうするか
- 市販薬を使ってよいか
- 便秘薬や漢方薬を使ってよいか
- 判定日までに気をつける症状は何か
不安なまま過ごすより、先に聞いておくことで心が少し楽になります。
東洋医学では、黄体ホルモン薬の時期をどう見るのでしょうか
東洋医学には、黄体ホルモンという検査値や薬の概念はありません。
けれど、黄体期や薬を使っている時期に起こりやすい眠気、むくみ、胸の張り、便秘、気分の揺れ、冷え、のぼせ、胃腸の重さなどは、身体全体のつながりとして見ていきます。
ここでいう東洋医学の専門用語(肝・脾・腎や、気・血・水など)は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。
肝鬱気滞タイプ 〜ストレス・イライラ・気の滞り〜
肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係します。
黄体ホルモン薬を使っている時期は、判定日を待つ不安や、症状への敏感さが強くなることがあります。
肝鬱気滞タイプでは、
- ため息が多い
- 胸や喉がつまる
- 肩や首がこる
- イライラしやすい
- 生理前に気分が揺れる
- 胸が張る
- 下腹部が張る
- 夜に検索が止まらない
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、症状を見張り続けるほど気が詰まりやすくなります。
不安をなくそうとしなくて大丈夫です。
ただ、身体のこわばりを少しゆるめる時間を作ってみましょう。
脾虚湿盛タイプ 〜胃腸の弱さと水分の溜まり〜
脾は、胃腸の働き、気血を作る力、水分代謝と関係します。
脾虚湿盛タイプでは、
- 身体が重い
- 食後に眠くなる
- 胃もたれしやすい
- むくみやすい
- 軟便になりやすい
- 甘いものが欲しくなる
- 雨の日に調子が落ちる
- 頭がぼんやりする
といった状態が出やすくなります。
黄体ホルモン薬で眠気やむくみが気になる方、梅雨時期に身体が重くなる方は、脾虚湿盛の視点で見ていくことがあります。
このタイプの方は、冷たい飲み物や甘いもの、脂っこい食事を少し控えめにし、温かい汁物や消化にやさしい食事を意識するとよいでしょう。
腎虚タイプ 〜生殖の土台の消耗・冷え〜
腎は、東洋医学では生殖の土台、生命力、年齢に伴う変化、足腰、冷え、睡眠と関係が深いと考えます。
腎虚タイプでは、
- 疲れが抜けにくい
- 足腰が冷える
- 腰が重い
- 明け方に目が覚める
- 年齢への焦りが強い
- 治療を続けることに疲れている
- 判定日が近づくと不安が強くなる
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、さらに頑張るより、消耗を減らすことが大切です。
夜更かしを減らす。
足腰を冷やさない。
予定を詰めすぎない。
休むことに罪悪感を持ちすぎない。
それも、黄体期や移植後の身体づくりの一部です。
血虚タイプ 〜身体の潤い・栄養不足〜
血は、身体を養い、心を落ち着かせる働きと関係します。
血虚タイプでは、
- 顔色が青白い
- めまいがしやすい
- 立ちくらみがある
- 爪が割れやすい
- 髪がぱさつく
- 目が疲れやすい
- 眠りが浅い
- 不安になりやすい
- 月経後に疲れやすい
といった状態が見られることがあります。
妊活中は、通院、採血、月経、薬、心の緊張で消耗しやすい時期です。
血を養うためには、鉄だけでなく、たんぱく質、胃腸の働き、睡眠も大切です。
6月下旬・夏至の時期に意識したい過ごし方
2026年は6月21日に夏至を迎え、6月22日は夏至に入ったばかりの時期です。
夏至は、一年の中で昼の時間が長く、陽の気が高まりやすい節目です。
この時期は、外は蒸し暑く、室内では冷房で冷えることがあります。
梅雨の湿気も重なり、身体が重い、眠りが浅い、胃腸が重い、むくみやすいと感じる方もいます。
黄体ホルモン薬を使っている時期に、こうした季節の影響が重なると、
- 眠気が強い
- むくみやすい
- 胃腸が重い
- 気分が晴れにくい
- 夜に不安が強くなる
- 冷房で足元が冷える
といった不調が出やすく感じられることがあります。
夏至の時期は、活動する力が強くなりやすい一方で、夜に休む力も大切です。
日中は軽く動き、夜は検索を少し減らし、冷房で冷えすぎないようにしながら、身体を休みに向かわせましょう。
黄体ホルモン薬の時期におすすめの食養生
黄体ホルモン薬を使っている時期は、眠気、むくみ、便秘、胃腸の重さを感じる方がいます。
この時期は、特別な食材をたくさん摂るより、胃腸に負担をかけず、気血を作りやすい食事を意識しましょう。
おすすめしやすい食材は、
- 味噌汁
- 豆腐
- 卵
- 鶏肉
- 白身魚
- 鮭
- しじみ
- あさり
- 納豆
- 小松菜
- にんじん
- かぼちゃ
- とうもろこし
- 枝豆
- そら豆
- しそ
- 生姜
- 黒ごま
- なつめ
などです。
便秘が気になる方は、食物繊維、水分、適度な油分、軽い運動も大切です。
ただし、妊娠の可能性がある時期や薬を使っている時期は、便秘薬、漢方薬、ハーブティー、サプリメントを自己判断で増やさず、主治医や薬剤師に確認してください。
黄体ホルモン薬の時期は、身体が重く感じられることがあります。
そんな日は、完璧な食事を目指さなくて大丈夫です。
あたたかいごはん。
お味噌汁。
たんぱく質。
温かい飲み物。
消化にやさしいもの。
この基本で十分です。
控えめにしたい食べ方・過ごし方
黄体ホルモン薬を使っていて、むくみや胃腸の重さ、眠気が気になる時は、次のようなことが続いていないか見直してみましょう。
- 冷たい飲み物が多い
- アイスや冷たいデザートが多い
- 甘いものが続く
- 塩分の多い食事が続く
- 夜遅い食事
- 脂っこい食事
- 朝食を抜く
- コーヒーだけで済ませる
- 寝る直前まで妊活検索をする
- 座りっぱなしが長い
- 冷房で足元やお腹が冷える
- 水分を極端に控える
全部をやめる必要はありません。
「冷たい飲み物を1杯だけ常温にする」
「夕食に味噌汁を足す」
「寝る前の検索を10分だけ減らす」
「1時間に1回、足首を動かす」
このくらいの小さな工夫で大丈夫です。
妊活中の養生は、厳しく制限するものではありません。
続けられる形を選んでいきましょう。
黄体ホルモン薬の時期に使いやすいツボ
ツボ押しは、薬の副作用を治したり、妊娠を約束したりするものではありません。
けれど、緊張、冷え、胃腸の重さ、むくみ、不安に気づくきっかけとして取り入れることはできます。
強く押し込まず、息を吐きながら、気持ちよい程度に触れてください。
内関
手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
胸のつかえ、不安感、吐き気、緊張がある時に使いやすいツボです。
薬の影響で胃がむかむかする時や、判定日前にそわそわする時にも触れやすい場所です。
神門
手首の小指側、手首のしわの近くにあります。
心がざわざわする時、眠る前に考えごとが止まらない時に使われることがあります。
「落ち着かなきゃ」と頑張るより、呼吸と一緒にやさしく触れてください。
足三里
膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働き、疲れ、梅雨時期の重だるさが気になる時に使いやすいツボです。
食事を整えたいけれど胃腸が重い方に向いています。
三陰交
内くるぶしの上、指4本分ほど上にあります。
婦人科系のケアでよく使われるツボです。
冷え、むくみ、月経周期を意識した身体づくりで選ばれることがあります。
ただし、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は、強く押し込まず、温める程度にしてください。
太衝
足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前にあります。
イライラ、ため息、気持ちの詰まり、緊張がある時に使いやすいツボです。
判定日まで検索が止まらない方、胸や喉がつまる方に向いています。
今日からできる3つのこと
1.症状だけで妊娠の有無を判断しない
眠気、胸の張り、むくみ、便秘、気分の揺れは、PMSでも、薬の影響でも、妊娠初期でも見られることがあります。
症状だけで判断しようとすると、心が疲れてしまいます。
「症状は情報のひとつ」
「結果は判定日に確認する」
このように、少し距離を置いてみましょう。
2.薬の不調はメモして相談する
不調がある時は、我慢しすぎずメモしておきましょう。
- いつから始まったか
- どの薬を使っているか
- どの時間帯に強いか
- 生活に支障があるか
- 出血や痛みがあるか
- 飲み忘れ、入れ忘れがあったか
このように書いておくと、診察時に相談しやすくなります。
3.夜の検索を少し減らす
黄体ホルモン薬を使っている時期は、症状検索が止まらなくなりやすいです。
でも、夜の検索は不安を増やし、眠りを浅くすることがあります。
検索を完全にやめなくても大丈夫です。
寝る前だけ見ない。
10分だけ短くする。
不安なことはメモに書いて、次回の受診で聞く。
そのくらいから始めてみましょう。
鍼灸でできるサポート
黄体ホルモン薬による不調、PMS、妊娠初期の変化、月経周期、妊娠には、ホルモン、薬、体質、年齢、治療内容、睡眠、胃腸、ストレス、冷え、生活習慣など、さまざまな要素が関わります。
そのため、鍼灸だけで薬の副作用や妊娠という結果を簡単にお約束することはできません。
また、当院で薬の副作用を診断したり、不妊症や婦人科疾患の原因を診断したり、病院での検査や治療の代わりを行ったりすることはできません。
けれども、冷えや巡り、睡眠、自律神経の緊張、胃腸の働き、水分代謝、生活習慣、体質に丁寧に向き合うことは、今のお身体を整えていく大切な一歩になります。
黄体ホルモン薬を使っている時期には、
- 眠気
- だるさ
- 胸の張り
- むくみ
- 便秘
- 胃腸の重さ
- 足元の冷え
- 夜の不安
- 判定日前のそわそわ
- 検索が止まらないつらさ
などが重なることがあります。
当院では、東洋医学の視点から気血水、肝・脾・腎のバランスを見ながら、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
薬を否定するのではなく、病院での治療を大切にしながら、治療中に出てくる身体の重さや心の不安にも丁寧に向き合います。
「薬のせいか分からないけれどつらい」
「判定日まで不安で眠れない」
「症状が気になって検索してしまう」
そんな状態も、そのままご相談ください。
当院の考え方
黄体ホルモン薬を使っている時期は、身体の変化にとても敏感になります。
眠気があれば不安になる。
胸の張りがあれば期待してしまう。
症状がなくなると落ち込む。
出血があると怖くなる。
薬が出てきたように感じると心配になる。
そのひとつひとつに、心が揺れるのは自然なことです。
当院では、妊活中の不安を「考えすぎ」と片づけることはありません。
病院での検査や不妊治療は、とても大切です。
黄体ホルモン薬の使い方、副作用、飲み忘れ、出血、強い腹痛、息苦しさ、急なむくみなどについては、クリニックや病院など、専門の医療機関で確認することが大切です。
そのうえで当院では、治療と治療の間にある毎日の体調、冷え、むくみ、睡眠、胃腸、心の揺れにも目を向けています。
奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で妊活に取り組まれている方が、薬による不調や判定日までの不安をひとりで抱え込まなくてよいように。
うまく言葉にできなくても大丈夫です。
「黄体ホルモン薬で眠い」
「胸の張りが気になる」
「副作用なのか妊娠の兆候なのか分からない」
「判定日まで不安で検索してしまう」
その気持ちから、一緒に整理していきましょう。
この記事を書いた人
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経の緊張・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
黄体ホルモン薬を使っていて、眠気や胸の張り、むくみ、気分の揺れがつらい方、判定日まで不安で検索が止まらない方は、当院にご相談ください。
病院での検査や治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣、薬を使っている時期の不調に合わせて、無理のない形で身体づくりをサポートいたします。
不安な気持ちも、うまく言葉にできなくても大丈夫です。
ひとりで抱え込まず、まずは今のお身体とお気持ちを一緒に整理していきましょう。
参考・出典
日本生殖医学会『生殖医療ガイドライン』
日本生殖医学会『不妊治療における保険適用関連情報』
日本産科婦人科学会『不妊症に関する情報』
日本産婦人科医会『不妊の原因と検査』
厚生労働省『生殖補助医療における黄体補充に関する資料』
世界保健機関(WHO)『不妊の定義・世界の不妊有病率』
アメリカ生殖医学会(ASRM)『黄体機能不全の診断と治療に関する委員会見解』
イギリス国立医療技術評価機構(NICE)『不妊の評価と治療に関するガイドライン』
イギリスの妊娠・流産支援団体『妊娠初期のプロゲステロン使用に関する患者向け情報』

