病院の予約日が近づくと、胸が重くなる。
待合室にいるだけで、涙が出そうになる。
「頑張っているのに、どうして結果が出ないんだろう」と、自分を責めてしまう。
不妊治療の通院がつらくなるのは、あなたが弱いからではありません。
それだけ、身体も心も、ずっと頑張り続けているということです。
まず最初にお伝えしたいことがあります。
不妊治療は、病院に通うことだけで進んでいるのではありません。
毎日の体調管理、仕事の調整、夫婦の会話、薬の管理、結果を待つ時間、落ち込んでもまた立ち上がること。
そのすべてが、妊活の一部です。
だからこそ、通院がつらくなりすぎる前に、心と身体を守る準備をしておくことが大切です。
不妊治療の通院は、想像以上に負担が大きいものです
不妊治療は、単に「病院へ行って検査を受ける」だけではありません。
排卵日を予測する。
仕事の予定を調整する。
薬を忘れないようにする。
注射の予定に合わせる。
採血や超音波検査を受ける。
卵胞の育ちを聞く。
子宮内膜の厚さを確認する。
結果を待つ。
次の治療方針を決める。
この繰り返しの中で、少しずつ心が削られていくことがあります。
最初は前向きに通えていたのに、だんだん病院へ向かう足が重くなる。
待合室で、周りの人の表情が気になる。
会計を待ちながら、ため息が出る。
帰り道に、ひとりで泣きたくなる。
そういう日は、珍しくありません。
不妊治療では、検査や処置そのものの負担だけでなく、結果が見えないまま進み続けることの苦しさがあります。
「次こそは」と思う。
でも、結果が出ない。
また次の周期が始まる。
そしてまた、気持ちを立て直さなければならない。
これは、簡単なことではありません。
不妊治療のつらさは「気持ちの問題」だけではありません
通院がつらい時、周りから、
「考えすぎじゃない?」
「リラックスしたら?」
「気にしすぎるとよくないよ」
と言われることがあります。
もちろん、相手に悪気はないのかもしれません。
でも、その言葉で余計に傷つくことがあります。
不妊治療のつらさは、単なる気分の問題ではありません。
身体的な負担、心理的な負担、経済的な負担、時間的な負担、人間関係の負担が重なります。
たとえば、
- 仕事を休む罪悪感
- 職場に説明しづらい苦しさ
- 夫婦で温度差を感じるつらさ
- 薬による眠気やだるさ
- 注射や採血への緊張
- 卵胞の育ちを聞く不安
- 胚のグレードを聞く怖さ
- 判定日までの落ち着かなさ
- 周囲の妊娠報告への揺れ
- お金の心配
- 年齢への焦り
これらが積み重なると、心が疲れるのは自然なことです。
こども家庭庁の不妊症・不育症に関する情報でも、不妊治療や不育症による心理的負担は大きく、ひとりや夫婦だけで抱え込まず、相談できる場所を持つことが大切とされています。
つまり、通院がつらいと感じることは、甘えではありません。
治療を続ける中で起こりうる、とても自然な反応です。
不妊治療では、心の支えも治療の一部です
イギリス国立医療技術評価機構(NICE)の不妊ガイドラインでは、不妊の検査や治療そのものが心理的ストレスになり得るため、治療前・治療中・治療後にカウンセリングを提供することが勧められています。
これは、とても大切な考え方です。
不妊治療は、卵胞やホルモン値だけを見て進めるものではありません。
治療を受ける人の心が置き去りになってしまうと、通院そのものが苦しくなってしまいます。
「泣きたい」
「もう疲れた」
「次に進むのが怖い」
「でも、やめる決断もできない」
「誰にも本音を言えない」
そんな気持ちを持つことは、決しておかしなことではありません。
不妊治療は、希望を持つ時間である一方で、何度も不安と向き合う時間でもあります。
だからこそ、心の支えは贅沢ではありません。
治療を続けるためにも、あなた自身を守るためにも必要なものです。
世界的にみても、不妊は特別な誰かだけの悩みではありません
世界保健機関(WHO)は、不妊を「12か月以上、避妊せずに性交しても妊娠に至らない状態」としています。
また、世界ではおよそ6人に1人が、生涯のどこかで不妊を経験すると報告されています。
不妊は、特別な人だけに起こるものではありません。
そして、女性だけの問題でもありません。
女性側の要因。
男性側の要因。
両方に少しずつ関係する要因。
検査をしてもはっきりした原因が分からない場合。
いろいろな形があります。
だからこそ、治療が思うように進まない時に、
「私が悪い」
「もっと早く始めればよかった」
「私の身体がだめなんだ」
と、自分だけを責めないでほしいのです。
不妊治療は、原因探しではなく、これからどう進むかを考えるためのものです。
通院がつらくなる前に、知っておきたい5つのサイン
不妊治療では、「まだ大丈夫」と思っているうちに、心と身体の疲れがたまっていることがあります。
次のようなサインがある時は、少し立ち止まって、自分を守る工夫が必要かもしれません。
1.病院の前日から眠れない
通院前になると、寝つけない。
夜中に目が覚める。
朝方に目が覚めて、そこから眠れない。
これは、身体が緊張状態に入っているサインかもしれません。
特に、採卵、胚移植(ET)、判定日、検査結果の説明がある日は、心が先に身構えてしまいます。
眠れない日があったからといって、すぐ妊活に悪影響が出るわけではありません。
ただ、眠れない日が続く場合は、心身の負担が大きくなっているサインとして受け止めてください。
2.病院帰りに涙が出る
病院では普通に話せたのに、帰り道で急に涙が出る。
車に乗った瞬間、電車の中、家に帰ってから、ふっと力が抜けて泣いてしまう。
それは、弱さではありません。
病院では無意識に気を張っています。
先生の説明を聞き逃さないようにする。
冷静に質問しようとする。
結果を受け止めようとする。
その緊張がほどけた時に、涙が出ることがあります。
涙は、心が壊れたサインではなく、限界までこらえていた心が少し外へ出たサインです。
3.妊娠報告を見ると、心が苦しくなる
友人の妊娠報告。
芸能人の妊娠ニュース。
SNSのエコー写真。
職場の妊婦さん。
本当は喜びたい。
でも、胸が痛い。
そんな自分に対して、
「性格が悪い」
「人の幸せを喜べないなんて最低」
と責めてしまう方がいます。
でも、そうではありません。
人の幸せが嫌なのではなく、自分の痛みが刺激されているのです。
妊活中は、心の皮膚が薄くなっているような時期があります。
普段なら流せる言葉や景色が、深く刺さることがあります。
その時は、無理に見続けなくて大丈夫です。
SNSから少し離れることも、自分を守るための大切な選択です。
4.夫婦の会話が治療のことばかりになる
「次の予約いつ?」
「薬飲んだ?」
「先生なんて言ってた?」
「次は体外受精にする?」
「精液検査どうする?」
気づけば、夫婦の会話が治療のことばかりになっている。
これは、妊活中のご夫婦によく起こります。
赤ちゃんを望む気持ちは同じでも、温度差が出ることがあります。
女性側は検査や通院で日々向き合っているのに、男性側はどこか実感が薄い。
その差が、さみしさや怒りにつながることもあります。
夫婦の時間がすべて治療の話になると、心が休まる場所がなくなってしまいます。
週に1回でも、短い時間でもいいので、妊活の話をしない時間を作ってください。
5.「やめたい」と「やめられない」の間で苦しい
不妊治療が長くなると、
「もう疲れた」
「でも、ここでやめたら後悔するかもしれない」
「次でうまくいくかもしれない」
「でも、次もだめだったらどうしよう」
という気持ちの間で揺れることがあります。
これは、とても苦しい状態です。
続けることも勇気。
休むことも勇気。
やめることを考えることも、決して逃げではありません。
大切なのは、疲れ切った状態で大きな決断をしないことです。
まずは、今の自分がどれくらい疲れているのかを確認すること。
そのうえで、クリニックや病院など、専門の医療機関で治療方針を相談し、必要であればカウンセリングや相談窓口も使ってください。
病院で聞いておくと心が少し楽になること
不妊治療の通院がつらくなる理由の一つに、先が見えない不安があります。
もちろん、妊娠という結果を誰かが約束することはできません。
でも、今どの段階にいて、次に何を確認するのかが分かるだけでも、不安は少し整理されます。
病院で、次のようなことを聞いておくとよいでしょう。
- 今の治療の目的は何か
- 今回確認している検査値は何か
- 卵胞の育ち方はどう見ているのか
- 子宮内膜はどのように評価しているのか
- 次のステップに進む目安は何か
- タイミング法を何周期くらい続ける予定か
- 配偶者間人工授精(AIH)はどのタイミングで検討するのか
- 体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)へ進む目安はあるか
- 薬の副作用として起こりうる不調は何か
- 体調が悪い時はどこに連絡すればよいか
- 仕事の都合で通院日を調整できる範囲はあるか
質問することは、失礼ではありません。
自分の身体のことを知ろうとする、大切な行動です。
ただ、病院の時間は限られていることもあります。
詳しくは後述しますが、聞きたいことはスマホのメモや紙に書いて持っていくと安心です。
薬による不調も「気のせい」で片づけないでください
不妊治療では、排卵誘発薬、黄体ホルモン薬、卵胞を育てる注射、排卵を促す注射など、さまざまな薬が使われることがあります。
たとえば、
- クロミフェン
- レトロゾール
- ゴナドトロピン製剤
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)
- プロゲステロン・黄体ホルモン(P4)製剤
- 点鼻薬や注射によるホルモン調整
などです。
薬の種類や目的は、治療段階や体質、検査結果によって異なります。
薬を使うことで、
- 眠気
- だるさ
- 頭痛
- むくみ
- 下腹部の張り
- 気分の落ち込み
- イライラ
- 吐き気
- 胸の張り
- 便秘
- ほてり
などを感じる方もいます。
もちろん、すべての人に起こるわけではありません。
また、体調不良の原因が薬だけとは限りません。
ただ、治療中の不調を「私の我慢が足りない」と片づけないでください。
気になる症状がある時は、自己判断で薬を中止せず、必ず処方した医師や薬剤師に相談しましょう。
特に、強い腹痛、強いお腹の張り、急な体重増加、息苦しさ、吐き気が強い、尿が少ないなどがある場合は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの確認が必要になることがあります。
通院疲れを減らすためにできる工夫
不妊治療は、通院そのものが生活の中心になりやすいです。
だからこそ、少しでも負担を減らす工夫が大切です。
通院セットを作る
病院へ行くたびに準備をしていると、それだけで疲れてしまいます。
小さなポーチに、
- 診察券
- 保険証やマイナンバーカード
- お薬手帳
- 基礎体温表
- 検査結果
- 筆記用具
- メモ帳
- ナプキン
- 飲み物
- 小さなお菓子
- 羽織もの
などをまとめておくと安心です。
「これさえ持てば大丈夫」というセットがあるだけで、通院前の負担が少し減ります。
通院後に予定を詰めすぎない
病院の後に、すぐ仕事。
すぐ家事。
すぐ人と会う。
これが続くと、心が休まる時間がありません。
可能であれば、通院後に10分だけでも余白を作ってください。
車の中で深呼吸する。
カフェで温かい飲み物を飲む。
家に帰って少し横になる。
帰り道に空を見る。
たったそれだけでも、張りつめた心が少し戻ってきます。
夫婦で役割を分ける
女性側が通院、薬の管理、医師への質問、会計、スケジュール調整、全部を担っていると、負担が大きくなります。
男性側ができることは、精液検査だけではありません。
- 次回予約をカレンダーに入れる
- 薬の時間を一緒に確認する
- 病院の送迎をする
- 治療費を一緒に把握する
- 医師に聞く質問を一緒に考える
- 通院後に話を聞く
- 妊活以外の時間を作る
こうしたことも、大切な妊活の協力です。
妊活は、女性だけが背負うものではありません。
ご夫婦で、少しずつ荷物を分け合っていくことが大切です。
6月・芒種のころは、心も身体も重くなりやすい時期です
6月上旬から中旬にかけては、二十四節気でいう芒種(ぼうしゅ)の時期にあたります。
芒種は、湿気が増え、梅雨の気配が深まるころです。
東洋医学では、この時期の湿気による不調を**湿邪(しつじゃ)**として考えることがあります。
湿邪が強くなると、
- 身体が重い
- 頭がぼんやりする
- 胃腸が重い
- むくみやすい
- 眠りが浅い
- 気分が晴れない
- やる気が出にくい
といった状態が出やすくなります。
不妊治療中の通院疲れに、梅雨の重だるさが重なると、いつも以上に気持ちが沈みやすくなることがあります。
「最近、前より頑張れない」
「病院へ行くのがしんどい」
「何もしていないのに疲れている」
そんな時は、自分を責める前に、季節の影響もあるかもしれないと考えてみてください。
東洋医学では、通院疲れをどう考えるのでしょうか
東洋医学では、不妊治療中の通院疲れを、心だけの問題としては見ません。
気血水、肝、脾、腎のバランスから考えます。
ここでいう肝・脾・腎は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。
肝鬱気滞タイプ
肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係が深いと考えます。
不妊治療中は、予定が治療中心になりやすく、気持ちが自由に流れにくくなります。
肝鬱気滞タイプでは、
- ため息が多い
- 胸や喉がつまる
- イライラしやすい
- 肩や首がこる
- 排卵前や生理前に不安定になる
- 病院の前に緊張する
- 夜に考えごとが止まらない
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、「頑張らなきゃ」と自分を押し続けるほど、心身がこわばりやすくなります。
必要なのは、もっと頑張ることではなく、気を逃がす時間です。
脾虚湿盛タイプ
脾は、胃腸の働き、気血を作る力、水分代謝と関わります。
梅雨時期や通院疲れが重なると、脾が弱り、湿がたまりやすくなることがあります。
脾虚湿盛タイプでは、
- 胃もたれしやすい
- 食後に眠い
- 甘いものが欲しくなる
- むくみやすい
- 身体が重い
- 軟便になりやすい
- 雨の日に不調が出やすい
- 朝起きても疲れている
といった状態が出やすくなります。
このタイプは、冷たい飲み物や生もの、甘いもの、脂っこいものが続くと、さらに身体が重く感じやすくなります。
夜は温かい汁物や、消化しやすい食事を意識してみてください。
腎虚タイプ
腎は、東洋医学では生命力や生殖の土台と関わると考えます。
不妊治療が長くなると、身体だけでなく、気持ちの根っこの力も消耗しやすくなります。
腎虚タイプでは、
- 疲れが抜けにくい
- 足腰が冷える
- 腰が重い
- 夜中や明け方に目が覚める
- 不安になりやすい
- 年齢への焦りが強い
- 何度も落ち込むと立ち直るのに時間がかかる
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方に必要なのは、睡眠と休息です。
妊活中は「休んでいる場合じゃない」と思いやすいですが、腎を養ううえで、休むことは立派な身体づくりです。
通院がつらい時におすすめの食養生
不妊治療中は、特別な食事を完璧にしようとしなくて大丈夫です。
大切なのは、血糖を乱しすぎないこと、胃腸に負担をかけすぎないこと、冷やしすぎないことです。
6月の芒種のころは、湿気が増えるため、胃腸を助けながら余分な重だるさをため込みにくい食事を意識します。
おすすめしやすい食材は、
- とうもろこし
- 枝豆
- そら豆
- いんげん
- 小豆
- はと麦
- しそ
- みょうが
- 生姜
- 玉ねぎ
- 白身魚
- 卵
- 鶏肉
- 味噌汁
などです。
ただし、はと麦は妊娠中や妊娠の可能性がある時期に気になる方もいるため、毎日大量に摂るような極端な使い方は避け、心配な場合は医師や薬剤師に相談してください。
通院の日の朝は、無理にたくさん食べる必要はありません。
温かい味噌汁。
おにぎり。
卵。
バナナ。
白湯。
このような、身体に負担が少ないものでも十分です。
病院へ行く前に、空腹でふらふらになる方は、小さなお菓子やナッツ、ゼリー飲料などを持っておくと安心です。
通院前後に使いやすいツボ
ツボ押しは、治療の代わりではありません。
けれど、通院前の緊張や、帰宅後の疲れをゆるめるきっかけにはなります。
強く押し込まず、息を吐きながら、やさしく触れてください。
内関(ないかん)
手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
緊張、胸のつかえ、吐き気、不安感がある時に使いやすいツボです。
病院の待合室で、そっと触れやすい場所です。
太衝(たいしょう)
足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前にあります。
イライラ、ため息、気持ちの詰まり、考えすぎがある時に使いやすいツボです。
通院後に気が張っている時にも向いています。
足三里(あしさんり)
膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働き、疲れ、梅雨時期の重だるさが気になる時に使いやすいツボです。
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの上、指4本分ほど上にあります。
婦人科系のケアでよく使われるツボです。
ただし、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は、強く押し込まず、温める程度にしてください。
通院がつらくなる前に、今日からできる3つ
1.病院用のメモを作る
診察室では緊張して、聞きたいことを忘れてしまうことがあります。
メモには、次の4つを書いておくと安心です。
- 今日聞きたいこと
- 今困っている症状
- 薬で気になること
- 次回までに確認したいこと
完璧にまとめる必要はありません。
短い言葉で大丈夫です。
「夜眠れない」
「薬を飲むとだるい」
「次のステップの目安を知りたい」
「仕事の都合で通院日を相談したい」
このくらいで十分です。
2.通院後に10分だけ回復時間を作る
通院後は、見た目以上に疲れています。
可能であれば、病院の後に10分だけ、自分を戻す時間を作ってください。
- 車の中で深呼吸する
- 温かい飲み物を飲む
- 空を見上げる
- 家に帰って横になる
- 夫や信頼できる人に一言だけ送る
- 何も考えずにぼーっとする
たった10分でも、「治療を受ける自分」から「日常の自分」に戻る時間になります。
3.つらさを数値で記録する
毎日、気持ちを細かく書くのが負担な方は、数字だけでも構いません。
今日の通院疲れは10点満点で何点か。
不安は何点か。
身体のだるさは何点か。
たとえば、
「通院疲れ 8点」
「不安 7点」
「身体のだるさ 6点」
このように書くだけで、自分の状態が見えやすくなります。
8点以上の日が続くなら、少し負担が強いサインです。
治療方針だけでなく、通院ペース、仕事、睡眠、サポート体制を見直すタイミングかもしれません。
鍼灸でできるサポート
妊娠や検査数値、治療結果には、年齢、卵子や精子の状態、卵管、子宮内膜、ホルモン、治療内容、生活習慣、ストレスなど、さまざまな要素が関わります。
そのため、鍼灸だけで妊娠という結果を簡単にお約束することはできません。
また、当院で不妊症の原因を診断したり、病院での検査や治療の代わりを行ったりすることはできません。
けれども、結果を待つ時間の中で、冷えや巡り、睡眠、自律神経の緊張、胃腸の働き、心のこわばりに丁寧に向き合うことはできます。
不妊治療中の方には、
- 通院前の緊張
- 採卵前後の疲れ
- 胚移植(ET)前後の不安
- 高温期のそわそわ
- 生理前の落ち込み
- 薬によるだるさを感じる時期
- 首肩のこわばり
- 眠りの浅さ
- 胃腸の弱り
- 冷えやむくみ
などが重なることがあります。
鍼灸では、そうした心身の状態を東洋医学の視点から確認し、今のお身体に合わせて、整いやすい状態を目指していきます。
身体が少しゆるむこと。
夜、少し眠りやすくなること。
病院の前に呼吸が浅くなっていることに気づけること。
自分を責める時間が少し減ること。
その小さな変化も、妊活中のあなたを支える大切な土台になります。
相談した方がよいサイン
通院がつらい時でも、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
次のような状態が続く場合は、クリニックや病院など、専門の医療機関、または相談窓口に相談してください。
- 眠れない日が続く
- 食欲が大きく落ちている
- 涙が止まらない
- 仕事や日常生活に支障が出ている
- 動悸や息苦しさがある
- 通院前に強い不安が出る
- 夫婦の会話がつらくなっている
- 治療のことを考えるだけで苦しくなる
- 消えてしまいたいような気持ちがある
- 薬の副作用か分からない不調がある
- 強い腹痛やお腹の張りがある
- 出血や発熱など気になる症状がある
特に、強い身体症状がある場合は、我慢せず、通院中のクリニックや病院など、専門の医療機関へ連絡してください。
心のつらさも、身体のつらさも、相談してよいものです。
当院の考え方
当院では、不妊治療の通院がつらい方に対して、まず「それでも頑張りましょう」と背中を押すことだけが支えだとは考えていません。
もちろん、前に進む力が必要な時もあります。
でも、妊活では、前に進むこと以上に、倒れないことが大切な時があります。
病院での検査や不妊治療は、とても大切です。
排卵の確認、ホルモン検査、卵管の状態、精液検査、体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)、胚移植(ET)など、必要な医療はクリニックや病院など、専門の医療機関で確認しながら進めることが大切です。
そのうえで当院では、東洋医学の視点から、
- 冷え
- 睡眠
- 胃腸
- 巡り
- 自律神経の緊張
- 生理周期
- 季節による不調
- 生活習慣
- 心のこわばり
を丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
不妊治療は、頑張った分だけすぐに結果が見えるものではありません。
だからこそ、心が折れそうになる日もあると思います。
病院へ行くのが怖い日。
結果を聞くのが怖い日。
何もかも投げ出したくなる日。
誰にも会いたくない日。
そんな日があっても、あなたがだめなわけではありません。
奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で妊活に取り組まれている方が、通院の不安をひとりで抱え込まず、少しでも安心して身体づくりに向き合えるように。
当院は、病院での治療を大切にしながら、その間にある毎日のしんどさにも寄り添いたいと考えています。
通院を続けるために、休む。
治療と向き合うために、泣く。
前に進むために、一度立ち止まる。
そのどれも、妊活の中で大切な時間です。
この記事を書いた人
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経の緊張・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えることを大切にしています。
ご自身に合ったセルフケアを知りたい方、妊活中の通院疲れや身体づくりを見直したい方は、当院にご相談ください。
病院での検査や不妊治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣に合わせて、無理のない形でサポートいたします。
ひとりで抱え込まず、まずは今のお身体のことから一緒に整理していきましょう。
参考・出典
世界保健機関(WHO)『不妊の定義・世界の不妊有病率』
世界保健機関(WHO)『不妊の予防・診断・治療に関するガイドライン』
厚生労働省『不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック』
こども家庭庁『不妊治療に関する取組』
こども家庭庁『みんなで知ろう、不妊症・不育症のこと 相談窓口』
日本産科婦人科学会『不妊症に関する情報』
日本生殖医学会『生殖医療ガイドライン』
イギリス国立医療技術評価機構(NICE)『不妊の評価と治療に関するガイドライン』
欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)『不妊と生殖補助医療における心理社会的ケア指針』

