夜になると、不安が大きくなる。
布団に入った瞬間に、妊活のことばかり考えてしまう。
「また今月もだめだったらどうしよう」と、心だけが眠れない。
妊活中は、身体より先に、心が疲れてしまうことがあります。
日中は普通に過ごせていても、夜になると急に涙が出そうになる。
スマホで検索して、余計に不安になる。
周りの妊娠報告を思い出して、胸がぎゅっと苦しくなる。
そんな夜は、あなたの心が弱いからではありません。
それだけ毎日、見えないところで頑張っているということです。
まず最初にお伝えしたいことがあります。
妊活中の眠りは、ただ疲れを取るためだけのものではありません。
心を守り、ホルモンのリズムを支え、自律神経を整え、明日の自分を少しだけ楽にするための大切な時間です。
2026年6月8日は、19時01分ごろに下弦の月を迎え、6月15日の新月へ向かって月が欠けていく時期です。月の満ち欠けが妊娠を決めるわけではありません。ただ、満ちた月が少しずつ細くなっていくこの時期は、東洋医学的な養生では「増やす」より「手放す」「整える」「ため込んだ疲れを抜く」感覚を持ちやすい時期です。
今日は、月が欠けていく夜に合わせて、妊活中の方に取り入れてほしい眠りの整え方をお伝えします。
妊活中に眠れないのは、珍しいことではありません
妊活中は、眠りが乱れやすくなります。
理由は一つではありません。
- 排卵日を意識する緊張
- 高温期のそわそわ
- 生理前の不安
- 不妊治療の通院疲れ
- 採卵や胚移植(ET)前後の緊張
- 判定日までの落ち着かなさ
- ホルモン薬による体調変化
- 夫婦間の温度差
- 周囲と比べてしまう苦しさ
- 「いつまで続くのだろう」という先の見えなさ
こうしたことが重なると、頭では「寝たほうがいい」と分かっていても、身体が休む方向へ切り替わりにくくなります。
布団に入ってから、
「卵胞は育っているかな」
「内膜は厚くなっているかな」
「体外受精(IVF)に進んだほうがいいのかな」
「顕微授精(ICSI)まで考えたほうがいいのかな」
「年齢的に急がないといけないのかな」
と、考えが次々に出てくることもあります。
でも、眠れない自分を責めないでください。
眠れない夜は、あなたが怠けている夜ではありません。
心と身体が、ずっと緊張したまま頑張ってきたサインです。
西洋医学からみる、睡眠と妊活の関係
睡眠は、妊活においても大切な土台です。
睡眠中、身体ではただ休んでいるだけではなく、ホルモン分泌、自律神経、免疫、代謝、脳の整理、感情の回復など、さまざまな調整が行われています。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人ではおおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、少なくとも6時間以上の睡眠時間を確保できるよう努めることが推奨されています。また、睡眠時間だけでなく「睡眠休養感」、つまり眠りによって休めた感覚を高めることも大切とされています。
妊活に関しても、睡眠の乱れと女性不妊の関係は少しずつ研究されています。
2024年に報告されたシステマティックレビューでは、不妊に悩む女性では睡眠の質の低下や夜型傾向がみられやすく、睡眠障害、極端な睡眠時間、特定の睡眠リズムが、不妊や不妊治療の成績と関連する可能性が報告されています。ただし、すべての人に同じ影響が出るわけではなく、「眠れないから妊娠できない」と単純に考える必要はありません。
ここは、とても大切です。
睡眠は大切です。
でも、眠れない日があったからといって、妊活が台無しになるわけではありません。
妊活中の方は、ただでさえ自分を責めやすくなっています。
「昨日眠れなかったから、卵子に悪かったかも」
「夜更かししてしまったから、着床に影響したかも」
と、不安を重ねる必要はありません。
大切なのは、完璧な睡眠を目指すことではなく、少しずつ眠りやすい環境を整えていくことです。
睡眠は「時間」だけでなく「休めた感覚」も大切です
妊活中の方に多いのが、
「7時間寝ているのに疲れが取れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝から身体が重い」
「夢ばかり見て、眠った気がしない」
という状態です。
これは、睡眠時間だけでは説明できないことがあります。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠には1日の活動で蓄積した疲労やストレスから回復させる役割があり、睡眠休養感を高めることが重要とされています。睡眠休養感の低下は、こころの健康や代謝機能とも関連することが報告されています。
つまり、妊活中に目指したいのは、
長く寝ることだけではなく、起きた時に少しでも「休めた」と感じられる眠りです。
そのためには、寝る直前だけではなく、夕方から夜にかけての過ごし方が大切になります。
月が欠けていく時期は「手放す養生」を
月が欠けていく時期は、満月から新月へ向かう流れです。
満月前後は、気持ちが高ぶったり、むくみやすくなったり、眠りが浅く感じたりする方もいます。もちろん、月の満ち欠けが医学的に妊娠やホルモンを直接左右すると決めつけることはできません。
けれど、自然のリズムを暮らしの目安にすることは、東洋医学的な養生と相性が良い考え方です。
月が欠けていく時期は、
- 頑張りすぎを手放す
- 夜のスマホ検索を手放す
- 不安を書き出して手放す
- 冷たい飲み物を手放す
- 胃腸に重い食事を手放す
- 寝る前の反省会を手放す
こうした「減らす養生」に向いています。
妊活中は、どうしても何かを足したくなります。
サプリを足す。
温活グッズを足す。
検査を足す。
情報を足す。
努力を足す。
でも、身体が本当に求めているのは、足すことではなく、少し引くことかもしれません。
夜だけでも、頑張る自分を少し下ろしてあげましょう。
6月・芒種のころは、眠りが重く乱れやすい時期です
6月上旬から中旬にかけては、二十四節気でいう芒種(ぼうしゅ)の時期にあたります。
芒種は、稲や麦など、穂の出る植物の種をまくころとされます。自然界では湿気が増え、梅雨の気配が濃くなり、空気も身体も重く感じやすくなります。
東洋医学では、梅雨時期の湿気による不調を**湿邪(しつじゃ)**として考えます。
湿邪は、身体の中の水分代謝を滞らせ、重だるさやむくみ、胃腸の弱りを起こしやすいとされます。
たとえば、
- 朝から身体が重い
- 頭がぼんやりする
- まぶたが重い
- むくみやすい
- 胃がもたれる
- 食後に眠くなる
- 下半身が冷える
- 寝てもすっきりしない
- 気分が晴れない
こうした状態です。
妊活中であれば、湿気による重だるさに加えて、不妊治療の緊張、ホルモン薬による眠気やだるさ、生理前の不調、通院疲れが重なることもあります。
「最近、やる気が出ない」
「夜になると不安なのに、朝は身体が重い」
「寝ても寝ても疲れている」
そんな時は、気合いで乗り越えるより、梅雨の身体としてやさしく整えていくことが大切です。
東洋医学では、眠りをどう考えるのでしょうか
東洋医学では、眠りは「心」だけの問題ではなく、腎・肝・脾・気血水のバランスとして考えます。
ここでいう「心」「肝」「脾」「腎」は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。
腎虚タイプ
腎は、東洋医学では生命力や生殖の土台と関わると考えます。
妊活では、卵子や精子の質、年齢による変化、足腰の冷え、疲れやすさ、ホルモンの土台を考える時に、腎の働きを大切にします。
腎虚タイプでは、
- 疲れが抜けにくい
- 足腰が冷える
- 夜中や明け方に目が覚める
- 不安になりやすい
- 耳鳴りやめまいがある
- 腰が重い
- 年齢への焦りが強い
といった状態が出やすくなります。
このタイプは、夜更かしや過労でさらに消耗しやすいです。
妊活中は、まず「寝ること」を身体づくりの中心に置いてあげたいタイプです。
肝鬱気滞タイプ
肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係が深いと考えます。
肝鬱気滞タイプでは、
- ため息が多い
- 胸や喉がつまる
- 肩や首がこる
- イライラしやすい
- 排卵期や生理前に不安定になる
- 夜に考えごとが止まらない
- 寝つきが悪い
といった状態が出やすくなります。
妊活中に「考えすぎて眠れない」方は、この肝の巡りが詰まっていることがあります。
この場合、無理にポジティブになる必要はありません。
大切なのは、気持ちを押し込めることではなく、少しずつ外へ逃がしてあげることです。
脾虚湿盛タイプ
脾は、胃腸の働き、気血を作る力、水分代謝と関係します。
梅雨時期に特に出やすいのが、この脾虚湿盛タイプです。
- 胃腸が弱い
- 食後に眠くなる
- 甘いものが欲しくなる
- むくみやすい
- 身体が重い
- 軟便になりやすい
- 雨の日に調子が落ちる
- 朝すっきり起きられない
このタイプは、冷たい飲み物、生もの、甘いもの、脂っこいものが続くと、さらに湿がたまりやすくなります。
眠りを整えるためには、寝る前のリラックスだけでなく、胃腸を軽くして眠ることも大切です。
妊活中の夜に、やめたい習慣
眠りを整える時、何かを足す前に、まず減らしたい習慣があります。
1.寝る直前の妊活検索
妊活中の検索は、最初は安心したくて始めます。
でも、気づけば、
「AMHが低い」
「胚盤胞にならない」
「着床しない原因」
「高温期 体温 下がった」
「妊娠初期症状 ない」
「不妊治療 何歳まで」
と、どんどん不安な言葉を追いかけてしまうことがあります。
夜の検索は、心にとって刺激が強すぎることがあります。
特に寝る前は、脳が情報を整理しきれず、不安だけが残りやすくなります。
おすすめは、妊活検索は夕方までと決めることです。
夜は検索する時間ではなく、身体を回復させる時間。
そう決めるだけでも、心が少し守られます。
2.カフェインを夕方以降にとる
カフェインは、眠気覚ましには役立つ一方で、摂る量や時間によっては夜の眠りに影響します。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、カフェインの摂取量が1日400mgを超えると夜眠りにくくなる可能性があり、夕方以降のカフェイン摂取は夜間の睡眠に影響しやすいとされています。また、妊婦は可能な限りカフェイン摂取を控えることが複数の国や学会などから勧められていると説明されています。
妊活中や妊娠の可能性がある時期は、夕方以降は、
- 麦茶
- 黒豆茶
- とうもろこし茶
- ルイボスティー
- 白湯
など、カフェインを含まないものに切り替えると安心です。
ただし、ハーブティーは種類によって妊娠中に注意が必要なものもあります。妊娠の可能性がある時期や、すでに妊娠中の方は、自己判断で濃いハーブティーを続けるより、成分を確認してから取り入れてください。
3.寝酒で眠ろうとする
お酒は一時的に寝つきをよく感じさせることがあります。
でも、睡眠の後半を浅くし、夜中に目が覚めやすくなることがあります。厚生労働省の睡眠ガイドでも、晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲む寝酒は、睡眠の質を悪化させる可能性があるとされています。
妊活中は、飲酒量にも気を配りたい時期です。
「眠るために飲む」が習慣になっている場合は、睡眠そのものの不調が隠れていることもあるため、無理に我慢だけで済ませず、クリニックや病院など、専門の医療機関で相談することも大切です。
月が欠けていく時期に整えたい夜習慣
ここからは、今日からできる具体的な夜習慣をお伝えします。
完璧にやる必要はありません。
一つだけでも十分です。
1.夜の照明を少し落とす
眠りは、光の影響を受けます。
夜遅くまで明るい照明やスマホの強い光を浴びていると、身体が「まだ活動時間だ」と感じやすくなります。
寝る1時間前からは、
- 部屋の照明を少し暗くする
- スマホを顔から離す
- 画面の明るさを下げる
- ベッドの中でSNSを見ない
- 通知を切る
こうした工夫をしてみてください。
妊活中は、夜のスマホが心を削ることがあります。
誰かの妊娠報告。
不妊治療の成功談。
年齢の情報。
サプリの広告。
「これをしないと妊娠できない」という強い言葉。
本当は休みたいのに、心だけが比べ続けてしまう。
そんな夜は、スマホを閉じることも立派な妊活です。
2.お風呂は「温めすぎ」より「ゆるめる」
冷えが気になる方ほど、夜にしっかり温めようと頑張りすぎることがあります。
もちろん、冷えを整えることは大切です。
ただし、寝る直前に熱すぎるお風呂に長く入ると、かえって身体が興奮して寝つきにくくなることがあります。
おすすめは、ぬるめのお湯で、身体の力が抜ける程度です。
目安としては、
- 38〜40℃くらい
- 長湯しすぎない
- 汗をかきすぎない
- 入浴後は足首を冷やさない
- 髪をしっかり乾かす
「温める」というより、ゆるめる意識です。
妊活中の温活は、我慢大会ではありません。
熱さに耐えるより、安心して呼吸が深くなる温め方が大切です。
3.夜ごはんは胃腸にやさしく
梅雨時期は、脾胃が弱りやすい季節です。
寝る直前に重い食事をとると、身体は眠りたいのに、胃腸は働き続けることになります。
夜は、
- 温かい汁物
- やわらかく煮た野菜
- たんぱく質を少量ずつ
- 消化しやすい主食
- 生ものより火を通したもの
を意識してみてください。
6月の養生としては、
- とうもろこし
- 枝豆
- そら豆
- いんげん
- なす
- きゅうり
- しそ
- みょうが
- 生姜
- はと麦
- 小豆
などが季節に合います。
ただし、むくみが気になるからといって、利尿を意識しすぎる必要はありません。
妊活中や妊娠の可能性がある時期は、極端な食養生より、胃腸に負担をかけず、血糖を乱しにくく、続けやすい食事が大切です。
冷たいサラダやアイス、氷入りの飲み物が続くと、脾胃が冷えて眠りも浅くなりやすい方がいます。
夜は「冷やさない、詰め込まない、考えながら食べない」。
これだけでも、身体は少し安心します。
眠る前におすすめの「3分呼吸」
布団に入ってから不安が出てくる方は、呼吸を整えてみてください。
やり方は簡単です。
1.鼻から軽く息を吸う
2.口から細く長く吐く
3.吐く時に、肩の力を抜く
4.これを3分だけ繰り返す
ポイントは、吸うことより、吐くことです。
東洋医学では、気が上にのぼりすぎると、頭が冴え、胸がつかえ、眠りにくくなると考えます。
息を吐くことは、上にのぼった気を下ろすようなイメージです。
考えごとを止めようとしなくて大丈夫です。
考えが出てきたら、
「今、不安が出てきたな」
「でも、今は寝る時間だよ」
「明日の私に任せよう」
と、そっと距離を置いてください。
夜のあなたが、すべてを解決しなくていいのです。
妊活中の眠りに使いやすいツボ
眠る前は、強く押しすぎないことが大切です。
ツボは、効かせようと頑張るより、呼吸を深くするきっかけとして使ってください。
神門(しんもん)
手首の小指側、手首のしわのあたりにあります。
東洋医学では、心の緊張や不安、眠りの浅さに使われることがあります。
妊活中に考えごとが止まらない夜に、やさしく触れてみてください。
内関(ないかん)
手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
胸のつかえ、緊張、吐き気、不安感がある時に使いやすいツボです。
不妊治療の通院前、採卵や胚移植(ET)前で緊張が強い時にも、呼吸と一緒に触れやすい場所です。
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの上、指4本分ほど上にあります。
婦人科系のケアでよく使われるツボですが、妊娠中は刺激の強さや使い方に注意が必要です。妊娠の可能性がある時期や妊娠中の方は、強く押し込まず、温める程度にしてください。
太谿(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の間にあります。
腎の働きと関係が深いツボとして使われ、足腰の冷え、疲れやすさ、妊活中の土台づくりで選ばれることがあります。
足三里(あしさんり)
膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働き、疲労感、梅雨時期の重だるさが気になる時に使いやすいツボです。
ツボ押しは、痛いほど押す必要はありません。
「気持ちいい」「少し安心する」くらいで十分です。
アロマを使うなら、やさしく・短時間・安全第一で
眠る前に香りを使うと、気持ちが落ち着く方もいます。
ただし、妊活中や妊娠の可能性がある時期は、アロマも慎重に使うことが大切です。
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、アロマセラピーを植物由来の精油を吸入したり、希釈して皮膚に使ったりする補完的健康アプローチとして紹介していますが、精油は体質や使い方によって刺激になることがあります。
妊活中の夜に使うなら、
- 低濃度で短時間
- 肌に直接塗らない
- 飲まない
- 香りが強すぎるものは避ける
- 気分が悪くなったらすぐ中止
- 妊娠の可能性がある時期は特に慎重にする
という使い方がおすすめです。
比較的使いやすい香りとしては、ラベンダー、オレンジ・スイート、ベルガモットなどがありますが、精油の品質、濃度、体質によって合う・合わないがあります。
一方で、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は、クラリセージなど子宮収縮に関わる可能性が指摘される精油は、専門家の管理なく使わないほうが安心です。イギリスの産科領域の資料でも、クラリセージのような子宮収縮に関わる可能性のある精油は妊娠37週未満では避ける旨が示されています。
アロマは、眠りを助けることはあっても、治療の代わりではありません。
「香りで無理やり眠る」のではなく、眠る前の合図として、ほんのり使うくらいがちょうどいいです。
サプリメントに頼りすぎないことも大切です
眠りのために、メラトニン、マグネシウム、GABA、テアニンなどのサプリメントを検討する方もいます。
ただし、妊活中や不妊治療中、妊娠の可能性がある時期は、自己判断でサプリメントを増やしすぎないことが大切です。
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、睡眠に関する補完的アプローチとしてマグネシウムやメラトニンなどにも触れていますが、研究の質や対象には限界があり、慢性不眠に対するメラトニン使用については十分な根拠がないとして推奨されていないガイドラインもあると紹介しています。
特に、
- 不妊治療中
- ホルモン薬を使っている
- 甲状腺の薬を飲んでいる
- 抗うつ薬や睡眠薬を使っている
- 妊娠の可能性がある
- 妊娠中
- 授乳中
- 肝臓や腎臓に不安がある
このような場合は、医師、薬剤師、登録販売者などに相談してから使うようにしてください。
眠りを整える基本は、まず生活リズム、光、食事、体温、ストレスケアです。
サプリメントは、土台の代わりではなく、必要な時に慎重に考えるものです。
眠れない時に、無理に寝ようとしなくていい
眠れない夜に一番つらいのは、
「早く寝なきゃ」
「寝ないと妊活に悪い」
「明日も仕事なのに」
「どうして私は眠れないの」
と、眠れない自分を責めてしまうことです。
でも、眠りは頑張ってつかまえるものではありません。
むしろ、頑張るほど遠くへ行ってしまうことがあります。
眠れない時は、布団の中で自分を責め続けるより、一度起きて、暗めの部屋で静かに過ごしても構いません。
- 白湯を少し飲む
- 深呼吸する
- あたたかいタオルを首の後ろに当てる
- 不安を紙に書く
- 静かな音楽を小さく流す
- 足首を温める
大切なのは、スマホで検索を始めないことです。
夜の検索は、不安の扉を開けてしまうことがあります。
眠れない夜ほど、情報ではなく、体感を戻してあげてください。
受診を考えたほうがよい眠りのサイン
眠れない日がたまにある程度なら、生活習慣の見直しで整うこともあります。
ただし、次のような状態が続く場合は、クリニックや病院など、専門の医療機関に相談してください。
- 寝つけない日が続く
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝早く目が覚めて再び眠れない
- 日中の眠気が強い
- 仕事や生活に支障が出ている
- 大きないびきがある
- 睡眠中に呼吸が止まると言われた
- 脚がむずむずして眠れない
- 動悸や不安が強い
- 気分の落ち込みが続く
- 睡眠薬代わりにお酒を飲んでいる
- 妊娠中で眠りの不調が強い
- 更年期のホットフラッシュで眠れない
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠休養感が低い、日中の眠気が強い場合などは、閉塞性睡眠時無呼吸などの睡眠障害が潜んでいる可能性に留意し、専門の医療機関で検査を受けることが勧められています。
妊活中は、どうしても婦人科や生殖医療のことが中心になります。
でも、眠りの不調が強い時は、睡眠そのものを整える視点も大切です。
鍼灸は、妊活中の眠りにどう関われるのでしょうか
鍼灸は、妊娠を保証するものではありません。
不眠症や不妊の原因を診断するものでもありません。
不眠が強い場合、睡眠時無呼吸、うつ、不安障害、甲状腺の問題、貧血、むずむず脚症候群、薬の影響など、医学的に確認が必要なこともあります。
そのうえで、鍼灸には、妊活中に重なりやすい
- 首肩の緊張
- 呼吸の浅さ
- 冷え
- 胃腸の弱り
- 頭ののぼせ
- 睡眠の浅さ
- 自律神経の乱れを感じる状態
- 生理前の不調
- 不妊治療中の緊張
などを、東洋医学の視点から整える支えとしての役割があります。
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、睡眠障害に対する鍼灸について、2021年のレビューでは不眠の改善に役立つ可能性が示唆された一方で、研究は小規模で質に限界があると説明しています。また、適切に行われない鍼灸には感染などのリスクがあるため、衛生的で適切な施術が重要です。
つまり、鍼灸を「眠れない人すべてに必ず効く方法」として語るのは誠実ではありません。
けれど、妊活中の方が抱えやすい緊張、冷え、疲労、胃腸の弱り、呼吸の浅さを丁寧にみていくことは、眠りやすい身体づくりにつながる可能性があります。
今日からできる3つの夜習慣
1.寝る前の妊活検索をやめる
夜の検索は、不安を深くすることがあります。
調べるなら、時間を決めて日中に。
夜は、答えを探す時間ではなく、身体を回復させる時間にしましょう。
どうしても不安が出る時は、検索ではなく紙に書いてください。
「今、不安なこと」
「明日確認すること」
「病院で聞きたいこと」
「自分では決めなくていいこと」
この4つに分けるだけでも、頭の中が少し静かになります。
2.足首とお腹を冷やさない
梅雨時期は、湿気と冷えが重なりやすい時期です。
寝る前は、
- 足首を冷やさない
- お腹を出して寝ない
- 冷たい飲み物を控える
- 湯たんぽは低温やけどに注意して使う
- 汗をかいたら着替える
これだけでも、身体の安心感が変わります。
特に妊活中は、下半身の冷えを感じる方が多いです。
ただし、温めすぎて汗をかくと、かえって冷えることがあります。
「ぽかぽか」より「ほっとする」温度を目安にしてください。
3.眠る前に、今日の自分を責めない
妊活中は、毎日が反省会になりやすいです。
「あれを食べなければよかった」
「もっと早く病院に行けばよかった」
「もっと若い時に考えておけばよかった」
「今日もイライラしてしまった」
「夫に優しくできなかった」
でも、眠る前のあなたに必要なのは、反省ではありません。
今日も一日、よく持ちこたえました。
笑えない日も、泣きたくなる日も、投げ出したくなる日も、それでもここまで来ました。
妊活は、結果が見えない時間が長いからこそ、自分を責める癖がつきやすいです。
眠る前だけは、自分に厳しい言葉を向けないでください。
「今日も頑張ったね」
「明日は少し楽に過ごせますように」
「今夜だけは、もう考えなくていいよ」
そう声をかけてあげてください。
それも、立派な養生です。
当院の考え方
当院では、妊活中の眠りの不調を、単なる「寝不足」としては見ていません。
その背景には、不妊治療の緊張、年齢への焦り、月経周期による変化、ホルモン薬の影響、冷え、胃腸の弱り、首肩のこわばり、夫婦間の不安、誰にも言えない孤独感が重なっていることがあります。
だからこそ、眠りだけを見るのではなく、身体全体の状態を丁寧に確認します。
病院での検査や不妊治療は、とても大切です。
排卵の確認、卵胞の育ち、子宮内膜の状態、ホルモン値、精液検査、卵管の状態、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)など、必要な医療はクリニックや病院など、専門の医療機関で確認することが大切です。
そのうえで当院では、東洋医学の視点から、
- 冷え
- 睡眠
- 胃腸
- 自律神経
- 生理周期
- ストレス
- 生活習慣
- 季節による不調
を一緒に見直し、その方に合った身体づくりを考えています。
奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で妊活に取り組まれている方が、夜の不安をひとりで抱え込まなくていいように。
そして、身体だけでなく、心も少し呼吸しやすくなるように。
月が欠けていくこの時期は、頑張りを増やすより、疲れを手放す時期です。
今夜は、妊活の答えを出そうとしなくて大丈夫です。
まずは眠ること。
まずは休むこと。
まずは、今日の自分を責めないこと。
そこから、身体はまた少しずつ整っていきます。
この記事を書いた人
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
当院は女性専用院として、病院での高度生殖医療や検査を尊重しつつ、東洋医学の視点から冷えや睡眠、日々の生活習慣をやさしく見守り、お一人おひとりに寄り添った身体づくりを伴走しています。
ご自身に合ったセルフケアを知りたい方、妊活中の身体づくりを見直したい方は、当院にご相談ください。
病院での検査や不妊治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣に合わせて、無理のない形でサポートいたします。
【参考・出典】
国立天文台「令和8年 暦要項・月の満ち欠け」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
アメリカ疾病対策センター(CDC)「成人の睡眠時間に関する統計・推奨」
BMC Women’s Health「睡眠障害と女性不妊に関するシステマティックレビュー」
Nature「睡眠時間と生物学的老化に関する大規模研究」
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)「睡眠障害と補完的健康アプローチ」
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)「アロマセラピーの概要と安全性」
