梅雨入り前の冷え・むくみセルフチェック

妊活や婦人科ケアに役立つ食養生とセルフケアを伝えるブログ画像

夕方になると、足が重い。
靴下の跡がくっきり残る。
お腹や足先が冷えて、気分までどんよりする。

梅雨入り前になると、こうした「冷え」と「むくみ」を感じる方が増えてきます。
特に妊活中は、体調の小さな変化にも敏感になりやすく、
「このむくみ、大丈夫かな」
「冷えていると妊活に悪いのかな」
と不安になることもあると思います。

まず最初にお伝えしたいことがあります。

梅雨入り前の冷えやむくみは、よくある体調変化の一つですが、すべてを“季節のせい”で片づけないことが大切です。

多くは、湿気、冷房、運動不足、塩分、睡眠不足、月経周期などが重なって起こります。
ただし、急な片足のむくみ、痛み、息苦しさ、胸の痛み、妊娠中の急な顔や手の強いむくみなどは、早めに医療機関へ相談したほうがよいサインです。

この記事では、梅雨入り前に増えやすい冷え・むくみを、妊活中の方にも分かりやすく、東洋医学と西洋医学の両方から整理していきます。

目次

梅雨入り前に、なぜ冷え・むくみを感じやすいのでしょうか

6月に入ると、気温は上がっているのに、体は意外と冷えやすくなります。
その理由の一つが、湿気と冷房です。

梅雨入り前は、空気中の湿度が高くなり、体の中に重だるさを感じやすくなります。
さらに、外は蒸し暑く、室内は冷房で冷えるため、体温調節がうまくいかず、足先やお腹が冷えやすくなります。

すると、

  • 足が重い
  • ふくらはぎが張る
  • 靴下の跡が残る
  • 顔がむくむ
  • 胃腸が重い
  • 頭がぼんやりする
  • 眠りが浅くなる

といった不調が出やすくなります。

この時期の冷えやむくみは、単純に「水分をとりすぎたから」だけではありません。
汗をかきにくい、動きが少ない、塩分が多い、冷たい飲み物が増える、睡眠が乱れる。
こうした小さな積み重ねが、体の巡りに影響します。

東洋医学では、梅雨前の不調を「湿邪」としてみることがあります

東洋医学や中医学では、梅雨時期のような湿気による不調を、**湿邪(しつじゃ)**として考えることがあります。

湿邪とは、簡単に言うと、
体に余分な湿気や水分が停滞して、重だるさやむくみ、胃腸の弱りとして出てくる状態
です。

湿邪が強くなると、次のような不調が出やすくなります。

  • 体が重い
  • 足がむくむ
  • 頭が重い
  • 胃がもたれる
  • 食欲が落ちる
  • 便がゆるい
  • お腹が冷える
  • 気分が晴れにくい
  • 下半身が冷えやすい

東洋医学では、湿邪は特に**脾(ひ)**の働きと関係が深いと考えます。
脾は、現代的に言うと、胃腸の働きや、食べたものから気血を作る力に近いイメージです。

つまり、梅雨入り前に胃腸が弱り、体に水分が停滞すると、
「食べているのに元気が出ない」
「動いていないのに重だるい」
「足だけでなく気持ちまで重い」
という状態になりやすいのです。

妊活中の冷え・むくみは、どう考えたらいいのでしょうか

妊活中は、冷えやむくみがあると、
「これが妊娠しにくさにつながっているのでは」
と不安になる方がおられます。

ここで大切なのは、極端に考えすぎないことです。

冷えやむくみがあるから妊娠できない、とは言えません。
一方で、冷え、睡眠不足、胃腸の弱り、強いストレス、運動不足が重なると、妊活中の体調管理がしんどくなりやすいのも事実です。

妊活では、排卵、卵管の通り道、子宮の状態、精液所見、ホルモンの状態など、クリニックや病院など、専門の医療機関で確認すべきことがあります。

そのうえで、日常の中では、
冷え・むくみ・胃腸・睡眠・自律神経の乱れを感じる状態を整えること
が、体の土台づくりとして大切になります。

月経周期とむくみの関係

むくみは、季節だけでなく月経周期とも関係します。
生理前になると、胸の張り、お腹の張り、むくみ、体重の一時的な増加、気分の揺れを感じる方がいます。

アメリカ産科婦人科学会では、月経前症候群(PMS)の症状として、気分の揺れ、不安、集中しづらさ、睡眠の問題、食欲の変化、そしてお腹の張りなどが挙げられています。
また、英国の医療情報でも、PMSではお腹の張りや乳房の張り、頭痛、疲れ、眠りにくさなどが起こることがあると案内されています。

つまり、梅雨前の湿気による重だるさに、月経前のむくみやPMSが重なると、
「いつもよりつらい」
と感じやすくなります。

これは気のせいではありません。
体のリズムと季節のリズムが重なって、少し負担が増えている状態です。

6月1日は、満月を過ぎて月が欠け始める時期です

2026年5月31日は満月でした。
6月1日は、満月を過ぎて、月が少しずつ欠けていく流れに入ります。

月の満ち欠けが妊娠を決めるわけではありません。
ただ、東洋医学的な養生の感覚では、満月を過ぎた時期は、
「増やす」よりも
「整える」
「ため込みすぎたものを流す」
「静かに戻す」
という意識で過ごしやすい時期です。

梅雨入り前の6月は、体にも湿気をため込みやすい季節です。
だからこそ、月が欠けていく時期と重なる今夜は、
むくみや冷えを責めるより、少しずつ巡りを戻す時間
として使ってみてください。

冷え・むくみセルフチェック

ここからは、今の状態をやさしく確認してみましょう。
当てはまる数が多いほど、梅雨入り前の湿気や冷え、巡りの滞りが重なっている可能性があります。

足のむくみチェック

  • 夕方になると靴がきつい
  • 靴下の跡がくっきり残る
  • ふくらはぎが重い
  • 足首のくびれが分かりにくい
  • すねを押すと跡が残る
  • 立ち仕事や座りっぱなしの後に足がだるい

冷えチェック

  • 足先が冷たい
  • お腹を触ると冷えている
  • 冷房の部屋で体がつらい
  • 温かい飲み物を飲むと落ち着く
  • 湯船に入ると楽になる
  • 生理痛が冷えで強くなりやすい

胃腸と湿邪チェック

  • 朝から体が重い
  • 食欲がわきにくい
  • 胃がもたれやすい
  • 便がゆるい、またはすっきり出ない
  • 甘いものや冷たいものが増えている
  • 雨の日や曇りの日に頭が重い

妊活中の緊張チェック

  • 結果待ちの時期にむくみが気になる
  • 通院前後に呼吸が浅くなる
  • 夜に検索が止まらない
  • 生理前の不安が強くなる
  • 肩や首がこりやすい
  • 眠りが浅い

当てはまるものが多くても、落ち込まなくて大丈夫です。
これは自分を責めるためのチェックではありません。
今の体が、どこで頑張りすぎているかを知るためのチェックです。

受診したほうがよいむくみの目安

多くのむくみは、長時間同じ姿勢でいた後や、塩分、運動不足、月経周期などで起こることがあります。
ただし、次のような場合は、セルフケアだけで様子を見るのではなく、早めに医療機関へ相談してください。

  • 片足だけが急に腫れた
  • ふくらはぎに痛み、赤み、熱感がある
  • 息苦しさがある
  • 胸の痛みがある
  • 急にむくみが強くなった
  • むくみが何日も続いて改善しない
  • 顔や手のむくみが急に強くなった
  • 妊娠中に、強い頭痛、目のチカチカ、みぞおちの痛み、急なむくみがある

厚生労働省の資料でも、片側の足のむくみや痛み、息切れ、胸の痛みなどは、早急な受診が必要なサインとして案内されています。
また、妊娠中の急な顔や手足のむくみ、強い頭痛、視界の異常などは、妊娠高血圧腎症などに関わる可能性があるため、すぐに相談が必要です。

「むくみくらいで相談していいのかな」と思わなくて大丈夫です。
いつもと違うむくみは、体からの大切なサインです。

今日からできる3つのこと

1.冷たい飲み物を減らし、温かい汁物を足す

梅雨入り前は、蒸し暑さで冷たいものが増えやすい時期です。
でも、冷たい飲み物や甘いものが続くと、胃腸が重くなり、体の水分代謝も乱れやすくなります。

まずは、
冷たい飲み物を1回だけ温かい飲み物に変える。
夕食に温かい汁物を足す。
それだけで大丈夫です。

おすすめは、

  • 味噌汁
  • 生姜を少し入れたスープ
  • 大根やにんじんのスープ
  • 鶏肉と野菜のあたたかい汁物
  • そら豆、アスパラガス、たけのこなど旬の野菜

胃腸を冷やさず、余分な湿気をため込みにくい食べ方を意識してみてください。

2.足首とお腹を冷やさない

冷えとむくみが気になる方は、足首とお腹を守ることが大切です。

梅雨入り前は、外は蒸し暑くても、室内の冷房で足元が冷えます。
特に妊活中の方は、下腹部や腰まわりの冷えを感じやすい方も多いです。

おすすめは、

  • 薄手のレッグウォーマー
  • 腹巻き
  • 湯船に浸かる
  • 足首を回す
  • 座りっぱなしを避ける

です。

「冷えがすべての原因」とは言いません。
でも、冷えを放置すると、体の緊張や重だるさが抜けにくくなる方は多いです。

3.ふくらはぎをやさしく動かす

むくみ対策で大切なのは、強いマッサージより、まず動かすことです。
ふくらはぎは、足の血液や水分を上に戻すポンプのような働きをしています。

座ったままできる方法として、

  • かかとを上げ下げする
  • 足首をゆっくり回す
  • つま先を上げ下げする
  • ふくらはぎを軽く伸ばす

これを1日数回、少しずつ行ってみてください。

痛みがある時、片足だけ腫れている時、熱感がある時は、自己流で強く揉まず、医療機関に相談してください。

梅雨入り前におすすめの食養生

東洋医学では、湿邪が強い時期は、胃腸を冷やさず、余分な水分をさばきやすい食事を意識します。

おすすめしやすい食材は、

  • はと麦
  • 小豆
  • 黒豆
  • とうもろこし
  • そら豆
  • きゅうりを加熱したもの
  • 冬瓜
  • 生姜
  • ねぎ
  • しそ
  • 鶏肉
  • 白身魚

などです。

ただし、むくみが気になるからといって、水分を極端に減らすのはおすすめしません。
暑さが出てくる時期は、脱水や熱中症にも注意が必要です。
のどが渇く前からこまめに水分をとり、冷たいものばかりに偏らないようにしましょう。

また、塩分の多い食事は、むくみやすさにつながることがあります。
加工食品、濃い味つけ、夜遅い外食が続いている時は、少し見直してみてください。

妊活中にサプリメントや漢方を増やす時の注意

むくみや冷えが気になると、サプリメントや漢方を試したくなることがあります。
ただし、妊活中、移植周期、妊娠の可能性がある時期は、自己判断で増やしすぎないことが大切です。

たとえば、

  • 利尿作用を期待するサプリ
  • 強いデトックス系の健康食品
  • 体を冷やす方向のハーブ
  • 妊娠中に安全性がはっきりしないアロマ
  • 複数の漢方薬の自己判断併用

は注意が必要です。

漢方薬は体質に合えば助けになることがありますが、誰にでも同じものが合うわけではありません。
むくみでも、冷えが強い人、のぼせがある人、胃腸が弱い人、月経前に張りやすい人では、考え方が変わります。

使う場合は、クリニックや病院など、専門の医療機関、薬剤師、登録販売者、漢方に詳しい専門家に相談してください。

アロマを使うなら、やさしく控えめに

梅雨入り前の重だるさには、香りで気分を整えたい日もあると思います。
ただし、妊活中や妊娠の可能性がある時期は、アロマも「自然だから安全」とは言い切れません。

使うなら、まずは芳香浴のように、香りを軽く楽しむ程度がおすすめです。
肌に直接塗る、濃度の高い精油を使う、飲む、長時間使い続ける、といった使い方は避けましょう。

妊娠中、持病がある方、薬を使っている方、香りで気分が悪くなる方は、使用前に専門家へ確認してください。

東洋医学的な体質チェック

梅雨入り前の冷え・むくみは、体質によって出方が違います。
次の中で、近いものを見てみてください。

脾虚湿盛タイプ

  • 胃腸が弱い
  • 食後に眠くなる
  • 体が重い
  • 便がゆるい
  • 甘いものが欲しくなる
  • 朝からむくむ

このタイプは、胃腸の力が落ち、湿気をさばきにくい状態です。
冷たい飲食を控え、温かい汁物やよく噛む食事が大切です。

寒湿タイプ

  • 足腰が冷える
  • 雨の日に体が重い
  • 生理痛が冷えで強くなる
  • 湯船に入ると楽
  • お腹が冷たい
  • 下半身がむくみやすい

このタイプは、冷えと湿気が重なって巡りが滞りやすい状態です。
足首、お腹、腰を冷やさないことが大切です。

肝鬱気滞タイプ

  • ため息が多い
  • 胸や脇が張る
  • 生理前にイライラしやすい
  • 肩や首がこる
  • 気分が晴れない
  • 結果待ちで不安が強くなる

このタイプは、ストレスや緊張で気の巡りが滞りやすい状態です。
呼吸、軽い散歩、太衝のツボ、寝る前のスマホ時間を減らすことが助けになります。

気滞瘀血タイプ

  • 生理痛が強い
  • 経血に塊が出る
  • 下腹部が張る
  • 肩こりが強い
  • 冷えとむくみが同時にある
  • ストレスで症状が悪化しやすい

このタイプは、巡りの滞りが強く、痛みや張りとして出やすい状態です。
生理痛が強い場合や症状が続く場合は、婦人科での確認も大切です。

自分でやさしく使えるツボ

三陰交(さんいんこう)

内くるぶしの一番高いところから、指4本分ほど上の骨の際にあります。
冷え、むくみ、婦人科系のお悩み、下半身の巡りを整えたい時に使いやすいツボです。

妊娠の可能性がある時期や妊娠中は、強く押しすぎず、やさしく触れる程度にしてください。

陰陵泉(いんりょうせん)

すねの内側を膝の方へなぞっていき、骨の出っぱりの下で指が止まるあたりにあります。
湿気によるむくみ、足の重だるさ、胃腸の重さが気になる時に使いやすいツボです。

足三里(あしさんり)

膝のお皿の外側の下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働きを整えたい時、疲れやすい時、梅雨時期に体が重い時に使いやすいツボです。

どのツボも、強く押し込む必要はありません。
息を細く吐きながら、5秒ほど、少し気持ちいいくらいの力でやさしく触れてみてください。

不妊・妊活における鍼灸の役割

ここも、誠実にお伝えしたいところです。
鍼灸は、むくみの原因となる病気を診断するものではありません。
また、妊活に必要な検査や治療の代わりになるものでもありません。

排卵の確認、卵管の通り道、精液所見、子宮や卵巣の状態、人工授精(AIH)や体外受精(IVF)の適応については、クリニックや病院など、専門の医療機関で確認することが大切です。

そのうえで鍼灸は、妊活中に重なりやすい

  • 冷え
  • むくみ
  • 胃腸の弱り
  • 睡眠の浅さ
  • 首肩のこわばり
  • 自律神経の乱れを感じる状態
  • 月経前後の不調
  • 気持ちの張りつめ

などを、東洋医学の視点から整える支えにはなり得ます。

アメリカ国立補完統合衛生センターでは、鍼は適切に行われれば比較的安全とされる一方、健康上の問題で必要な医療を遅らせるために使うべきではないと案内されています。

当院でも、鍼灸を「結果を約束する方法」としてではなく、妊活中の心と身体の土台を整える補助的な支えとして位置づけています。

当院の考え方

当院では、梅雨入り前の冷えやむくみを、単なる季節の不調として軽く見ません。
とくに妊活中の方にとって、体が重い、冷える、むくむ、眠れないという状態は、心の不安にもつながりやすいからです。

ただし、冷えやむくみを怖がりすぎる必要もありません。
大切なのは、
よくある季節の不調なのか、医療機関で確認したほうがよいサインなのかを分けて考えること
です。

当院では、病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えることを大切にしています。

梅雨入り前の体は、思っている以上に頑張っています。
むくんだ足も、冷えたお腹も、重たい気分も、責めなくて大丈夫です。
まずは今夜、温かいものを一口飲んで、足首を少し回すところから始めてみてください。

この記事を書いた人

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えることを大切にしています。

院長プロフィールを見る

ご自身に合ったセルフケアを知りたい方、妊活中の身体づくりを見直したい方は、当院にご相談ください。
病院での検査や不妊治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣に合わせて、無理のない形でサポートいたします。

【参考・出典】

イギリス国民保健サービス(NHS)「むくみ」「PMS(月経前症候群)」に関する医療情報。
厚生労働省「深部静脈血栓症/肺塞栓症」予防・受診目安に関する資料。
アメリカ産科婦人科学会(ACOG)「PMS(月経前症候群)」に関する一般向け情報。
アメリカ疾病対策センター(CDC)・NHS「妊娠中や産後の緊急サイン、急なむくみと受診目安」に関する情報。
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)「鍼の安全性と医療受診を遅らせないこと」に関する情報。

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