妊活中に鍼灸を考えた時、よく聞かれる質問があります。
「どれくらいの頻度で通えばいいですか?」
「週1回がいいですか?」
「月2回でも意味はありますか?」
「採卵前だけでもいいですか?」
「移植前後はいつ来たらいいですか?」
「通えば通うほど妊娠しやすくなりますか?」
「費用もあるので、無理なく続けたいです」
妊活中は、病院への通院だけでも大変です。
そこに鍼灸も加えるとなると、時間、費用、体力、仕事の調整が必要になります。
だからこそ、頻度に迷うのは自然なことです。
まず、お伝えしたいことがあります。
妊活中の鍼灸は、「たくさん通えば妊娠する」というものではありません。
大切なのは、今の治療段階と体調に合わせて、無理なく続けられる頻度を考えることです。
鍼灸は、不妊治療の代わりではありません。
排卵、採卵、受精、胚培養、胚移植、ホルモン補充、精液検査、子宮内膜の評価などは、クリニックや病院など、専門の医療機関で行う大切な医療です。
鍼灸だけで妊娠を保証したり、卵子の質、胚の成長、着床、ホルモン値の改善をお約束したりすることはできません。
そのうえで、妊活中の鍼灸には、
- 冷え
- 睡眠
- 胃腸
- 自律神経の緊張
- 月経前の不調
- 採卵前後の疲れ
- 胚移植前後の不安
- 治療中の心身のこわばり
こうした部分を整えるサポートとして、できることがあります。
今日は、妊活中に鍼灸へ通う頻度をどのように考えればよいのか、治療段階ごとにやさしく整理していきます。
鍼灸の頻度に「全員共通の正解」はありません
妊活中の鍼灸頻度には、全員に共通する正解はありません。
なぜなら、妊活といっても状態が人によって大きく違うからです。
たとえば、
- タイミング法中の方
- 人工授精中の方
- 体外受精へ進む方
- 採卵周期の方
- 採卵後の方
- 胚移植前の方
- 判定日前の方
- 月経周期が乱れやすい方
- 冷えが強い方
- 胃腸が弱い方
- 睡眠が浅い方
- ストレスが強い方
- AMHが低いと言われている方
- 年齢への焦りがある方
- 妊活が長くなり、心身が疲れている方
それぞれ必要なサポートが違います。
また、生活環境も違います。
仕事が忙しい。
通院が多い。
家から遠い。
費用を抑えたい。
体力が少ない。
夫婦の予定が合わない。
病院のスケジュールが直前に決まる。
こうした事情も含めて考える必要があります。
ですので、鍼灸の頻度は、
「理想の頻度」
「実際に通える頻度」
「今の治療段階」
「今の体調」
「費用や時間の負担」
を合わせて決めることが大切です。
基本の目安は「週1回」または「2週間に1回」
妊活中の鍼灸では、体質改善や生活リズムの調整を目的とする場合、週1回を基本に考えることがあります。
理由は、身体の状態を定期的に確認しやすく、睡眠、冷え、胃腸、月経周期、自律神経の変化を追いやすいからです。
ただし、全員が週1回でなければいけないわけではありません。
体調が比較的安定している方、通院や仕事の負担が大きい方、費用を考えながら続けたい方は、2週間に1回でも十分に意味があります。
大切なのは、無理に詰め込むことではありません。
通うこと自体がストレスになるなら、本末転倒です。
妊活中の鍼灸は、負担を増やすためではなく、身体と心を整えるための時間です。
頻度を決める時に見るポイント
鍼灸の頻度を決める時は、次のような点を確認します。
1.治療段階
タイミング法なのか。
人工授精なのか。
体外受精なのか。
採卵前なのか。
胚移植前なのか。
判定日前なのか。
治療段階によって、重視するポイントが変わります。
2.月経周期
月経痛が強い。
月経前にイライラする。
排卵期に下腹部痛がある。
月経周期が不安定。
月経量が少ない。
経血にかたまりがある。
このような月経の状態も、頻度を考える材料になります。
3.冷え・睡眠・胃腸
妊活中の鍼灸では、検査数値だけでなく、日常の体調も大切にします。
足先が冷える。
お腹が冷える。
眠りが浅い。
夜中に目が覚める。
胃腸が弱い。
下痢や便秘がある。
夏バテしやすい。
むくみやすい。
こうした状態がある方は、定期的に整えることが役立つ場合があります。
4.ストレスと不安
妊活中は、治療結果を待つ時間が多く、不安が強くなりやすいです。
採卵前。
受精確認前。
胚移植前。
判定日前。
月経前。
夫婦で治療方針がずれる時。
このような時期は、自律神経が緊張しやすく、眠りや胃腸にも影響が出ることがあります。
心身の緊張が強い時は、間隔を空けすぎない方がよい場合もあります。
5.通院負担
妊活中は、病院だけでも通院が多くなります。
鍼灸まで頑張りすぎると、疲れてしまう方もいます。
そのため、鍼灸頻度は「通えるか」だけでなく、「通った後に楽になるか」「負担になっていないか」も見ていきます。
タイミング法中の鍼灸頻度
タイミング法中の方は、月経周期を整え、排卵期に向けた身体づくり、冷えや睡眠、胃腸の状態を見ていくことが多いです。
目安としては、
週1回から2週間に1回
が考えやすい頻度です。
月経痛、冷え、睡眠の浅さ、PMS、胃腸の弱りが強い方は、最初は週1回で身体の変化を見ていくことがあります。
比較的体調が安定している方は、2週間に1回でもよい場合があります。
タイミング法では、
月経期。
卵胞期。
排卵期。
高温期。
という周期の変化を見ながら施術を考えます。
たとえば、
月経後は気血を養う。
排卵前は巡りを整える。
高温期は身体を休める。
月経前は肝気の滞りやPMSを整える。
このように、その時期に合わせて見ていきます。
ただし、鍼灸で排卵を直接起こす、妊娠を保証する、というものではありません。
排卵の確認や治療方針は、医療機関で行うことが大切です。
人工授精中の鍼灸頻度
人工授精中の方は、排卵のタイミング、卵胞チェック、人工授精当日、高温期の過ごし方がポイントになります。
目安としては、
週1回、または排卵前後を意識して2週間に1回
が考えやすいです。
人工授精周期では、排卵日が近づくと通院や注射が入ることがあります。
そのため、鍼灸の予定も病院のスケジュールに合わせて調整します。
おすすめしやすい考え方は、
月経後から排卵前に1回。
人工授精前後に体調を見て1回。
高温期に不安や緊張が強い方は、無理のない範囲で1回。
です。
ただし、人工授精当日や直後の過ごし方は、医療機関の指示を優先してください。
鍼灸は、人工授精の代わりではありません。
あくまで、冷え、胃腸、睡眠、自律神経、心身の緊張を整えるサポートとして考えます。
体外受精に進む前の鍼灸頻度
体外受精へ進む前は、採卵周期に向けた身体づくりを考える時期です。
この時期は、可能であれば、
週1回から2週間に1回を、1〜3か月ほど継続する
という考え方があります。
ただし、必ず3か月通わなければいけないわけではありません。
治療開始まで時間がない方もいます。
年齢や治療方針によって、すぐに採卵周期へ入る方もいます。
その場合は、今できる範囲で整えていきます。
体外受精前に見ることは、
- 睡眠
- 冷え
- 胃腸
- 月経痛
- PMS
- 便通
- むくみ
- ストレス
- 疲労
- 通院への不安
- 夫婦での治療方針
などです。
この時期の鍼灸は、卵子を直接変えるというより、採卵周期に入る前の体調を整える目的で行います。
「採卵前に少しでも整えておきたい」
「体外受精へ進む前に睡眠や冷えを見直したい」
「治療への不安で身体が緊張している」
という方に向いています。
採卵周期中の鍼灸頻度
採卵周期は、卵巣刺激、卵胞チェック、注射、採血、採卵日決定などでスケジュールが変わりやすい時期です。
目安としては、
週1回程度を基本に、病院のスケジュールに合わせて調整
します。
ただし、採卵周期中は、卵巣が大きくなり、お腹の張りを感じる方もいます。
そのため、施術では強い刺激を避け、体調に合わせて慎重に行います。
採卵周期中に意識することは、
- 睡眠
- 胃腸
- 冷え
- むくみ
- お腹の張り
- 緊張
- 注射や通院による疲れ
- 採卵への不安
です。
採卵日が近づいてきたら、鍼灸の予定も無理に入れすぎないことが大切です。
採卵前日や当日は、医療機関の指示を優先してください。
お腹の張りが強い、痛みがある、体調が不安定な場合は、鍼灸よりもまず医療機関へ相談することが大切です。
採卵後の鍼灸頻度
採卵後は、身体の回復を優先する時期です。
採卵後すぐに鍼灸へ来た方がよいかどうかは、体調によります。
軽いだるさや緊張、胃腸の乱れ、睡眠の浅さがある場合は、数日後に体調を見ながら施術を行うことがあります。
目安としては、
採卵後の体調が落ち着いてから、1回。
その後は次の移植周期に向けて週1回から2週間に1回。
という考え方です。
ただし、採卵後に次のような症状がある場合は、鍼灸ではなく医療機関へ連絡してください。
- 強い腹痛
- 急なお腹の張り
- 吐き気や嘔吐
- 水分がとれない
- 尿量の減少
- 急な体重増加
- 息苦しさ
- 発熱
- 出血が多い
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が心配な場合も、主治医の指示を優先してください。
採卵後の鍼灸では、結果を変えるというより、胃腸、睡眠、冷え、むくみ、心身の緊張を整え、次の治療に向けた回復をサポートします。
胚移植前の鍼灸頻度
胚移植前は、子宮内膜の状態、ホルモン補充、薬の管理、睡眠、不安が気になりやすい時期です。
目安としては、
移植周期に入ってから週1回程度。
または、移植前に1〜2回。
が考えやすいです。
ホルモン補充周期では、薬の時間や貼り薬、腟剤の管理が大切になります。
自然周期では、排卵確認や移植日の決定があります。
どちらの場合も、鍼灸の予定は病院のスケジュールを優先して組みます。
移植前に意識することは、
- 冷え
- 睡眠
- 胃腸
- 下腹部の緊張
- 自律神経
- 不安
- 便通
- 治療への緊張
です。
ただし、鍼灸で子宮内膜を必ず厚くする、着床しやすくする、妊娠率を上げると断言することはできません。
胚移植前の鍼灸は、身体と心を落ち着かせ、移植日を迎えやすくするためのサポートとして考えます。
胚移植後から判定日前の鍼灸頻度
胚移植後は、とても不安になりやすい時期です。
少しの下腹部痛。
胸の張り。
眠気。
おりもの。
出血。
体温。
食欲。
気分の変化。
すべてが気になります。
この時期の鍼灸頻度は、患者さんの不安の強さ、医療機関の指示、体調によって判断します。
目安としては、
移植後に1回。
または判定日まで無理に施術せず、必要に応じて相談。
という考え方です。
移植後は、強い刺激を避け、リラックス、睡眠、胃腸、自律神経、冷えすぎのケアを中心に考えます。
妊娠の可能性がある時期のため、下腹部や強い刺激には慎重になります。
移植後の過ごし方は、必ず医療機関の指示を優先してください。
出血、強い痛み、発熱、強い腹部症状がある場合は、鍼灸ではなく医療機関へ相談してください。
妊娠判定後の鍼灸頻度
妊娠判定が陽性だった場合、そこからも不安は続きます。
胎嚢確認。
心拍確認。
つわり。
出血。
腹痛。
薬の継続。
流産への不安。
妊娠初期は、身体が大きく変化する時期です。
鍼灸を継続する場合は、妊娠初期であることを必ず伝えてください。
また、主治医から安静指示がある場合、出血や腹痛がある場合、体調が不安定な場合は、医療機関の指示を優先してください。
当院では、妊娠判定後は妊活サポートからマタニティケアへ考え方を切り替えていきます。
頻度は、
体調が安定していれば2週間に1回程度。
つわりや不安が強い場合は、体調を見ながら個別に調整。
という考え方になります。
ただし、妊娠中の施術は慎重に行う必要があります。
自己判断で強いツボ押しや温めすぎを行わず、必ず専門家に相談してください。
月経周期に合わせた通い方
妊活中の鍼灸では、月経周期に合わせて施術の目的を変えることがあります。
月経期
月経痛、経血の状態、冷え、下腹部の痛み、疲労を確認します。
痛みが強い、出血が多い、ふらつきがある場合は、無理に施術せず体調を優先します。
月経後から卵胞期
気血を養い、胃腸、睡眠、冷え、疲労を整える時期として考えます。
タイミング法や人工授精では、排卵へ向けた身体づくりの時期です。
体外受精では、採卵周期に向けた土台づくりとして見ます。
排卵期
巡り、自律神経、下腹部の緊張、ストレスを意識します。
排卵痛やお腹の張りがある方は、体調に合わせて慎重に見ます。
高温期・移植後
身体を落ち着かせ、冷やしすぎないようにしながら、睡眠や不安を整える時期です。
強い刺激よりも、安心して過ごせる身体づくりを大切にします。
週1回が向いている方
妊活中に週1回の鍼灸が向いていることが多いのは、次のような方です。
- 冷えが強い
- 睡眠が浅い
- 胃腸が弱い
- 月経痛が強い
- PMSが強い
- 便秘や下痢がある
- ストレスが強い
- 治療中の不安が強い
- 採卵周期に入る予定がある
- 胚移植前で緊張が強い
- 体質改善を計画的に進めたい
- 妊活が長くなり、心身が疲れている
週1回だと、身体の変化を追いやすく、生活習慣の調整もしやすくなります。
ただし、週1回が負担になる場合は、無理をしないことが大切です。
2週間に1回が向いている方
2週間に1回の鍼灸が向いていることが多いのは、次のような方です。
- 体調が比較的安定している
- 仕事や病院通院が忙しい
- 費用を考えながら続けたい
- 遠方から通っている
- 月経周期の節目ごとに整えたい
- セルフケアも併用できる
- 継続的なメンテナンスをしたい
2週間に1回でも、月経周期や治療段階に合わせて施術を組み立てることは可能です。
通う頻度が少ない分、食事、睡眠、冷え対策、セルフケアを一緒に整えることが大切になります。
月1回でも意味はありますか?
月1回でも、意味がないわけではありません。
ただし、体質改善や治療周期に合わせた細かい調整を目的にする場合は、月1回では変化を追いにくいことがあります。
月1回が合うのは、
- 体調が安定している
- メンテナンス目的
- 忙しくて頻繁に通えない
- まず試してみたい
- 月経周期の確認をしたい
- セルフケアをしっかりできる
という方です。
月1回の場合は、施術だけでなく、次回までの生活の整え方を一緒に確認することが大切です。
「月1回だから意味がない」と思う必要はありません。
できる範囲から始めることも大切です。
毎日通った方がいいですか?
基本的に、妊活中の鍼灸で毎日通う必要はありません。
施術は、たくさん受ければよいというものではありません。
身体には、施術を受けた後に反応し、整っていく時間も必要です。
毎日通うことで、時間や費用の負担が大きくなり、かえってストレスになることもあります。
妊活中は、鍼灸だけに頼るのではなく、
病院での治療。
睡眠。
食事。
冷え対策。
ストレスケア。
夫婦での話し合い。
適度な運動。
休む時間。
これらを合わせて整えていくことが大切です。
採卵前だけ・移植前だけでも大丈夫ですか?
「本当は継続した方がよいのは分かっているけれど、採卵前だけ、移植前だけでもいいですか?」
と聞かれることがあります。
結論から言うと、採卵前だけ、移植前だけでも、体調を整える目的では意味があります。
ただし、体質改善という点では、できれば少し前から整える方がよい場合があります。
採卵前だけの場合は、採卵への緊張、睡眠、胃腸、冷え、むくみを整えることが中心になります。
移植前だけの場合は、身体を落ち着かせる、冷えすぎないようにする、睡眠や不安を整えることが中心になります。
「今からでは遅いですか?」と不安になる方もいますが、遅すぎるということはありません。
今できることを、できる範囲で整えましょう。
鍼灸の頻度を増やした方がよいサイン
次のような状態がある時は、一時的に頻度を増やすことを検討する場合があります。
- 眠りが浅い日が続く
- 強い冷えがある
- 胃腸の不調が続く
- 月経前のイライラが強い
- 通院や治療で心身が疲れている
- 採卵周期に入り、不安が強い
- 移植前に緊張が強い
- 判定日前に眠れない
- 肩や首の緊張が強い
- 食欲が落ちている
- 夏バテが強い
ただし、体調不良の内容によっては、鍼灸ではなく医療機関での確認が必要です。
発熱、強い腹痛、出血、息苦しさ、急な体重変化、強い不眠、強い不安や落ち込みがある場合は、まず医療機関へ相談してください。
頻度を減らしてもよいサイン
反対に、次のような時は、頻度を少し空けることもあります。
- 睡眠が安定してきた
- 冷えが軽くなってきた
- 胃腸の状態が整ってきた
- 月経痛やPMSが軽くなってきた
- 病院通院が増えて疲れている
- 採卵後で休息を優先したい
- 妊娠判定後で主治医の指示を優先したい
- 仕事や生活の負担が大きい
- 費用面で無理がある
妊活中の鍼灸は、無理に通い続けるものではありません。
その時の身体と生活に合わせて、頻度を見直してよいのです。
東洋医学では、頻度をどう考えるのでしょうか
東洋医学では、鍼灸の頻度を「症状の強さ」だけでなく、体質、季節、月経周期、治療段階、回復力から考えます。
ここでいう気・血・水、肝・脾・腎は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。
腎虚(じんきょ) 〜妊活が長く、回復力が落ちている状態〜
腎は、東洋医学では生殖の土台、年齢に伴う変化、足腰、冷え、睡眠と関係が深いと考えます。
腎虚タイプでは、
- 年齢への焦りがある
- AMHの数値が気になる
- 採卵数が不安
- 妊活が長引き、心身が疲れている
- 足腰が冷える
- 明け方に目が覚める
- 疲れが抜けにくい
- 休むことに罪悪感がある
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、週1回から2週間に1回を目安に、無理なく継続することを考えます。
短期間で詰め込むより、回復する時間を作りながら続けることが大切です。
肝鬱気滞(かんうつきたい) 〜ストレスで気が滞りやすい状態〜
肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係します。
肝鬱気滞タイプでは、
- 検索が止まらない
- ため息が増える
- 肩や首がこる
- 胸や喉がつまる
- 月経前にイライラする
- 夫婦で治療方針の話をすると感情が強く出る
- 採卵前や判定日前に眠れない
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、不安が強い時期だけ少し間隔を詰めることがあります。
ただし、鍼灸に来ること自体が予定の負担になる場合は、セルフケアも組み合わせて調整します。
脾虚(ひきょ) 〜胃腸が弱り、気血を作りにくい状態〜
脾は、胃腸の働き、食べたものから気血を作る力、水分代謝と関係します。
脾虚タイプでは、
- 食欲が落ちる
- 胃が重い
- 食後に眠くなる
- 軟便になりやすい
- むくみやすい
- 朝から身体が重い
- 冷たい飲み物でお腹がゆるくなる
- 夏バテしやすい
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、週1回程度で胃腸の状態を見ながら、食養生も一緒に整えることがあります。
胃腸が安定してきたら、2週間に1回へ移行することもあります。
血虚(けっきょ) 〜身体と心を養う力が不足しやすい状態〜
血は、身体を養い、心を落ち着かせる働きと関係します。
血虚タイプでは、
- めまいがしやすい
- 立ちくらみがある
- 顔色が青白い
- 爪が割れやすい
- 髪がぱさつく
- 眠りが浅い
- 不安になりやすい
- 月経後に疲れやすい
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、施術だけでなく、食事と睡眠も大切です。
頻度は週1回から2週間に1回を目安に、身体の回復を見ながら調整します。
瘀血(おけつ) 〜血の巡りが滞りやすい状態〜
瘀血は、血の巡りが滞りやすい状態です。
瘀血タイプでは、
- 月経痛が強い
- 経血にかたまりがある
- 下腹部が冷える
- 肩こりや腰痛が強い
- 顔色がくすみやすい
- 同じ場所が痛みやすい
- 子宮内膜症や筋腫を指摘されたことがある
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、月経周期に合わせて定期的に整えることがあります。
ただし、強い月経痛、不正出血、下腹部痛がある場合は、婦人科での確認が大切です。
鍼灸とセルフケアはセットで考える
妊活中の鍼灸は、施術を受ける日だけで完結するものではありません。
次の施術までの生活がとても大切です。
睡眠
夜更かしが続いている。
寝る前に検索してしまう。
冷房で足元が冷える。
朝起きても疲れている。
このような方は、鍼灸とあわせて睡眠環境を整えることが大切です。
食事
たんぱく質が少ない。
冷たいものが多い。
朝食を抜く。
甘い飲み物が多い。
胃腸が弱い。
このような方は、食養生も一緒に考えます。
冷え対策
足元が冷える。
お腹が冷える。
冷房でだるい。
手足が冷たい。
冷えが強い方は、温め方も体質に合わせて考えます。
温めれば温めるほどよいわけではありません。
のぼせや寝苦しさがある方は、温めすぎに注意が必要です。
ストレスケア
妊活中は、検索、判定日、夫婦の話し合い、治療費、通院、周囲の妊娠報告などで心が疲れやすいです。
鍼灸は、自律神経の緊張や身体のこわばりを整えるサポートになりますが、生活の中で心を休める時間も必要です。
費用や通院負担も大切な判断材料
妊活中は、病院での治療費もかかります。
体外受精、顕微授精、薬、検査、凍結、通院交通費、仕事の調整など、負担は小さくありません。
その中で鍼灸を続ける場合、費用面も大切な判断材料です。
「本当は週1回がよいと言われたけれど、費用が負担でつらい」
という場合は、無理をしないでください。
2週間に1回。
月1回。
採卵前だけ。
移植前だけ。
セルフケア中心。
その方に合った形があります。
妊活中のサポートは、続けることがストレスになってはいけません。
当院では、治療段階や生活状況に合わせて、現実的な頻度を一緒に考えます。
鍼灸へ通う時に確認しておきたいこと
妊活中に鍼灸へ通う場合、次のことを伝えていただくと、施術方針を考えやすくなります。
- 妊活歴
- 不妊治療の段階
- タイミング法、人工授精、体外受精のどれか
- 採卵予定
- 胚移植予定
- 使っている薬
- ホルモン補充の有無
- AMHや精液検査など分かる範囲の情報
- 月経周期
- 月経痛やPMS
- 冷え
- 睡眠
- 胃腸
- 便通
- ストレス
- 病院での指示
- 妊娠判定後かどうか
すべてを完璧に説明できなくても大丈夫です。
分かる範囲で構いません。
治療の情報と日常の体調を合わせて見ていくことが、妊活中の鍼灸では大切です。
自宅でできるセルフケア
鍼灸の頻度を上げられない時は、自宅でのセルフケアも大切です。
足元を冷やしすぎない
夏でも、冷房で足元が冷える方は多いです。
靴下。
レッグウォーマー。
膝掛け。
足湯。
お腹に手を当てる。
無理のない範囲で冷えを防ぎましょう。
温かい汁物を入れる
胃腸が弱い方は、味噌汁やスープを1日1回入れるだけでも身体が楽になることがあります。
豆腐、卵、きのこ、わかめ、小松菜、鶏肉などを入れると、栄養もとりやすくなります。
寝る前の検索を減らす
妊活中は、夜の検索が増えやすいです。
検索すると安心できることもありますが、不安が増えることもあります。
寝る前だけでも、検索を少し減らし、不安なことはメモにしておきましょう。
呼吸を整える
不安が強い時は、呼吸が浅くなります。
鼻から吸って、口から長く吐く。
肩を下げる。
お腹に手を当てる。
足の裏を感じる。
これだけでも、身体の緊張に気づきやすくなります。
妊活中におすすめのツボ
ツボ押しは、妊娠、排卵、採卵数、卵子の質、胚の成長、着床を約束するものではありません。
また、不妊症や婦人科疾患を診断したり治療したりするものでもありません。
けれど、冷え、胃腸、緊張、睡眠、むくみに気づくセルフケアとして取り入れることはできます。
強く押し込まず、息を吐きながら、気持ちよい程度に触れてください。
足三里(あしさんり) 〜胃腸・疲れ・体力の土台〜
膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働きや疲れを意識する時に使いやすいツボです。
妊活中に胃腸が弱い方、夏バテしやすい方におすすめです。
三陰交(さんいんこう) 〜冷え・婦人科系の身体づくり〜
内くるぶしの上、指4本分ほど上にあります。
婦人科系のケアでよく使われるツボです。
冷え、月経周期、むくみを意識した身体づくりで選ばれることがあります。
ただし、妊娠中や妊娠の可能性がある時期、移植後は強く押し込まず、温める程度にしてください。
太衝(たいしょう) 〜焦り・イライラ・気の巡り〜
足の甲にあり、足の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあります。
焦り、イライラ、検索しすぎ、月経前の気分の揺れがある時に使われることがあります。
強く押しすぎず、足の甲をさするように触れてみましょう。
内関(ないかん) 〜胸のざわざわ・胃のむかつき・緊張〜
手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
胸のつかえ、不安、胃のむかつき、呼吸の浅さがある時に使いやすいツボです。
採卵前や判定日前に緊張しやすい方におすすめです。
神門(しんもん) 〜不安・眠りの浅さ・考えすぎ〜
手首の小指側、手首のしわの近くにあります。
夜に妊活のことを考えすぎて眠れない時、不安が強い時に使いやすいツボです。
寝る前にスマホを置いて、神門に触れながら深く息を吐いてみましょう。
今日からできる3つのこと
1.自分の治療段階を書き出す
まずは、今自分がどの段階にいるのかを書き出してみましょう。
タイミング法。
人工授精。
体外受精準備中。
採卵周期。
採卵後。
移植前。
判定日前。
妊娠判定後。
今の段階が分かると、必要なサポートや頻度を考えやすくなります。
2.無理なく通える頻度を決める
理想だけでなく、現実的に通える頻度を考えましょう。
週1回。
2週間に1回。
月1回。
採卵前だけ。
移植前だけ。
どれが正解というより、今の身体と生活に合っているかが大切です。
3.次回までのセルフケアを1つだけ決める
鍼灸へ通う頻度に関係なく、自宅でできることを1つ決めましょう。
寝る前の検索を減らす。
味噌汁を1日1回飲む。
足元を冷やしすぎない。
朝に白湯を飲む。
深呼吸をする。
早めに寝る日を作る。
小さなことで十分です。
妊活中の身体づくりは、積み重ねです。
鍼灸でできるサポート
妊活中の鍼灸では、病院での治療方針を大切にしながら、体調や体質を整えるサポートを行います。
鍼灸だけで妊娠、排卵、採卵数、卵子の質、受精、胚の成長、着床、ホルモン値の改善をお約束することはできません。
また、当院で不妊症の原因を診断したり、病院での検査や治療の代わりを行ったりすることもできません。
治療方針、薬、採卵、胚移植、検査、保険適用、先進医療については、必ずかかりつけの医療機関へ確認してください。
そのうえで、妊活中の身体づくりとして、
- 冷えを整えたい
- 睡眠を整えたい
- 胃腸の働きを助けたい
- 自律神経の緊張をやわらげたい
- 月経痛やPMSを相談したい
- 採卵前後の疲れを整えたい
- 胚移植前後の不安を相談したい
- 治療と生活のバランスを整えたい
という方に対して、鍼灸でサポートできることがあります。
当院では、初回にお身体の状態、妊活歴、治療段階、月経周期、睡眠、冷え、胃腸、ストレス、生活習慣を丁寧に確認します。
そのうえで、
「週1回がよいのか」
「2週間に1回でよいのか」
「採卵前だけ集中的に整えるのか」
「移植前後に合わせるのか」
「セルフケア中心で進めるのか」
を一緒に考えていきます。
当院の考え方
妊活中に鍼灸へ通う頻度は、迷いやすいテーマです。
「もっと通った方がいいのかな」
「少ないと意味がないのかな」
「費用が気になる」
「病院の通院だけで大変」
「でも、できることはしたい」
「後悔したくない」
そんなふうに感じる方も多いと思います。
でも、妊活中の鍼灸は、あなたを追い込むためのものではありません。
身体を整え、心をゆるめ、治療と生活を続けやすくするための時間です。
週1回が合う方もいます。
2週間に1回が合う方もいます。
月1回から始める方もいます。
採卵前や移植前に合わせる方もいます。
体調が落ち着いたら間隔を空ける方もいます。
大切なのは、今の治療段階と身体の状態に合っていることです。
そして、通うことが不安や負担を増やしていないことです。
奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で、妊活中の鍼灸頻度、採卵前後の体調管理、胚移植前後の不安、冷え、睡眠、胃腸、自律神経の乱れに悩んでいる方へ。
「どのくらいの頻度で通えばよいか分からない」
「採卵前に身体を整えたい」
「移植前後の過ごし方を相談したい」
「病院の治療と並行して体質を整えたい」
「無理なく続けられる妊活サポートを受けたい」
そんな時は、うまく言葉にできなくても大丈夫です。
病院での治療方針を大切にしながら、今のお身体とお気持ちを一緒に整理していきましょう。
採卵後の強い腹痛、急なお腹の張り、吐き気や嘔吐、水分がとれない、尿量の減少、急な体重増加、息苦しさ、発熱、出血が多い場合は、クリニックや病院など、専門の医療機関へ早めに相談してください。
この記事を書いた人
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経の緊張・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
当院は女性のための鍼灸院です。男性の施術は、既存患者様からのご紹介、またはご夫婦でのご来院に限り、他の方と重ならない時間帯で対応しております。
「本当はもっと通った方がいいのかな」
「でも通院疲れや費用の負担が心配…」
と、妊活とケアのペースに迷っていませんか?
奈良・上牧町の蓮心はり灸堂は、頑張る女性のための女性専用鍼灸院です。
当院では「絶対に週1回通わなければ意味がない」といった押し付けはいたしません。
病院での治療スケジュールやご予算、お仕事のペースを一番に尊重し、あなたにとって「負担にならず、心身がホッと休まる最適なペース」を一緒に考えていきます。
月に1回でも、採卵前・移植前だけでも大丈夫です。
通院疲れや治療のプレッシャーを感じているなら、当院で一度、お身体とお気持ちを休めてみませんか?
うまく言葉にできなくても構いません。
ひとりで抱え込まず、一緒に整理していきましょう。
参考・出典
厚生労働省『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師について』
厚生労働省『はり師国家試験の施行』
日本生殖医学会『生殖医療ガイドライン』
日本産科婦人科学会『不妊症に関する情報』
日本産婦人科医会『生殖補助医療』
アメリカ生殖医学会(ASRM)『体外受精に関する患者向け情報』
英国ヒト受精・胚発生認可庁(HFEA)『治療追加オプションに関する情報』
The Lancet Obstetrics, Gynaecology & Women’s Health『体外受精における追加治療の安全性と有効性に関するシステマティックレビュー』
世界保健機関(WHO)『不妊に関するファクトシート』

