「胚盤胞まで育ちました」と言われて、ほっとした。
でも、グレードや数字を聞いた瞬間に、また不安になった。
「この胚で大丈夫なのかな」と、検索が止まらなくなってしまう。
体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)に進むと、これまで聞き慣れなかった言葉が一気に増えます。
受精卵。
初期胚。
桑実胚。
胚盤胞。
グレード。
胚移植。
凍結。
融解。
ひとつひとつの言葉に、期待と不安がくっついてくるように感じる方も少なくありません。
まず最初にお伝えしたいことがあります。
胚盤胞やグレードは、とても大切な情報ですが、それだけで妊娠のすべてが決まるわけではありません。
胚盤胞まで育ったことに希望を感じてもいい。
思った数まで育たなくて落ち込んでもいい。
グレードを見て不安になってもいい。
けれど、胚の評価は、あなたの価値を決めるものではありません。
そして、あなたが頑張っていない証拠でもありません。
今日は、胚盤胞とは何か、受精卵がどのように育つのか、胚盤胞移植では何を見ているのか、そして妊活中の心と身体をどう支えていくかを、初めての方にも分かりやすくお伝えします。
受精卵とは何でしょうか
受精卵とは、卵子と精子が出会い、受精した状態の細胞です。
自然妊娠では、卵子と精子は主に卵管の中で出会います。
体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)では、採卵で取り出した卵子と精子を、体の外で受精させます。
体外受精(IVF)は、卵子と精子を一緒にして受精を目指す方法です。
顕微授精(ICSI)は、細い針を使って精子を卵子の中に直接入れる方法です。
受精した卵は、細胞分裂を繰り返しながら、少しずつ成長していきます。
ここで大切なのは、受精したからといって、すべての受精卵が同じように育つわけではないということです。
受精のしかた。
卵子の状態。
精子の状態。
染色体の状態。
培養環境。
年齢。
治療内容。
偶然の要素。
さまざまなことが関わります。
だから、受精卵の成長が思うように進まなかった時に、「私の身体が悪い」とすぐに結びつけないでください。
受精卵の成長は、たくさんの要素が重なった結果です。
受精卵はどのように育っていくのでしょうか
受精卵は、時間とともに細胞分裂を繰り返します。
大まかな流れは、次のように考えると分かりやすいです。
- 受精
- 2分割
- 4分割
- 8分割
- 桑実胚
- 胚盤胞
受精後、細胞が2つ、4つ、8つと増えていきます。
この時期の胚を、初期胚と呼ぶことがあります。
その後、細胞のかたまりが桑の実のように見える時期を、桑実胚といいます。
さらに成長すると、胚の中に空洞ができ、将来赤ちゃんになる部分と、胎盤に関わる部分が分かれて見えるようになります。
この段階を、胚盤胞と呼びます。
つまり胚盤胞とは、受精卵が数日かけて細胞分裂を進め、子宮へ戻す準備が整ってきた段階の胚のことです。
一般的には、受精後5日目から6日目ごろに胚盤胞になることが多いとされています。
ただし、成長のスピードには個人差や胚ごとの差があります。
5日目に胚盤胞になるものもあれば、6日目に胚盤胞になるものもあります。
培養をどこまで続けるか、どのタイミングで凍結するかは、通院中のクリニックの方針や胚の状態によって判断されます。
胚盤胞の中では何が起きているのでしょうか
胚盤胞では、胚の中にいくつかの特徴が見られます。
大切なのは、
- 内細胞塊
- 栄養外胚葉
- 胚盤胞腔
の3つです。
内細胞塊は、将来赤ちゃんになる部分です。
栄養外胚葉は、将来胎盤などに関わっていく部分です。
胚盤胞腔は、胚の中にできる空洞です。
こう聞くと難しく感じるかもしれません。
簡単に言うと、胚盤胞は、ただ細胞の数が増えただけではなく、これから赤ちゃん側になる部分と、妊娠を支える組織に関わる部分が少しずつ分かれて見え始めた段階です。
胚盤胞まで育つということは、胚が一定の発育段階まで進んだという大切な情報になります。
ただし、胚盤胞になったから必ず妊娠する、という意味ではありません。
胚盤胞の見た目がよいから、すべてがうまくいくと決まるわけでもありません。
妊娠には、胚の状態だけでなく、子宮内膜、ホルモン、免疫、年齢、染色体、移植の時期、治療内容など、多くの要素が関わります。
初期胚移植と胚盤胞移植の違い
胚移植には、初期胚の段階で戻す方法と、胚盤胞まで育ててから戻す方法があります。
初期胚移植
初期胚移植は、受精後2〜3日目ごろの胚を子宮に戻す方法です。
初期胚の段階で戻すため、胚を長く体外で培養しないという特徴があります。
胚の数が少ない場合や、胚盤胞まで育てる前に戻す方針をとる場合など、状況によって選択されることがあります。
胚盤胞移植
胚盤胞移植は、受精後5〜6日目ごろまで培養し、胚盤胞になった胚を子宮に戻す方法です。
胚盤胞まで育つ力を確認してから移植できるという特徴があります。
一方で、すべての受精卵が胚盤胞まで育つわけではありません。
そのため、培養を続けた結果、移植できる胚が残らない可能性もあります。
どちらがよいかは、年齢、採卵数、受精卵の数、胚の状態、治療歴、医療機関の方針によって異なります。
「初期胚だからだめ」
「胚盤胞だから必ずよい」
という単純な話ではありません。
自分たちの状況ではどちらが合うのか、主治医に確認しながら進めていくことが大切です。
胚盤胞まで育たなかった時
受精卵が胚盤胞まで育たなかった時、深く落ち込む方は少なくありません。
「受精したのに、どうして育たなかったの」
「私の卵子が悪いのかな」
「精子に問題があるのかな」
「もう可能性がないのかな」
そんなふうに、自分を責めてしまうことがあります。
でも、胚盤胞まで育たないことは、体外受精や顕微授精の中で起こり得ることです。
受精卵の発育には、卵子や精子の状態、染色体、培養環境、年齢、刺激方法、偶然の要素など、さまざまなことが関わります。
胚盤胞まで育たなかった結果は、とてもつらいものです。
でも、それはあなたの価値を否定するものではありません。
あなたが頑張っていないという意味でもありません。
採卵まで頑張ったこと。
注射や薬に向き合ったこと。
受精結果を待ったこと。
培養結果を聞く日まで心を保ってきたこと。
その全部が、すでに大きな頑張りです。
泣いてしまっても大丈夫です。
すぐに次を考えられなくても大丈夫です。
結果を聞いた日に、前向きな言葉を探せなくても大丈夫です。
胚盤胞のグレードとは
胚盤胞になると、グレードという評価がつくことがあります。
グレードは、胚の見た目をもとにした評価です。
多くの場合、
- 胚盤胞の広がり具合
- 内細胞塊の状態
- 栄養外胚葉の状態
などを見ます。
たとえば、数字とアルファベットで表されることがあります。
数字は、胚盤胞がどれくらい広がっているかを示すことがあります。
アルファベットは、内細胞塊や栄養外胚葉の見え方を示すことがあります。
ただし、グレードの付け方や説明のしかたは、医療機関によって違うことがあります。
また、グレードはあくまで「見た目の評価」です。
見た目が良い胚でも、必ず妊娠につながるわけではありません。
反対に、グレードが高くないと言われた胚でも、妊娠につながることがあります。
グレードは大切な情報です。
でも、グレードだけで未来を決めつけないでください。
グレードを聞いて不安になった時
胚のグレードを聞いたあと、検索が止まらなくなる方がいます。
「4AA」
「3BB」
「5BC」
「Cがついている」
「6日目胚盤胞」
「グレードが低い」
検索すればするほど、不安が増えることがあります。
インターネットには、たくさんの体験談があります。
でも、その体験談は、その人の年齢、治療歴、胚の状態、子宮内膜、ホルモン、移植方法、検査内容など、さまざまな背景の上にあります。
自分の状況とそのまま同じではありません。
グレードを聞いて不安になった時は、次のように主治医に聞いてみるとよいでしょう。
- このグレードは、どのような意味ですか
- 当院ではどのように評価していますか
- 移植の優先順位はどう考えますか
- 凍結してもよい状態ですか
- 5日目胚と6日目胚で方針は変わりますか
- 次回以降に見直せることはありますか
- 今の私たちにとって、どのような選択肢がありますか
質問することは、迷惑ではありません。
不安なまま抱え込むより、通院中のクリニックで確認する方が安心につながることがあります。
胚盤胞になった数が少ない時
採卵した卵の数より、受精した数が少ない。
受精した数より、胚盤胞になった数が少ない。
この過程で、心が何度も揺れる方がいます。
採卵数。
成熟卵の数。
受精数。
分割数。
胚盤胞数。
凍結数。
数字が段階ごとに減っていくように見えるため、毎回ふるいにかけられているように感じることがあります。
「また減った」
「これだけしか残らなかった」
「私は少ない方なのかな」
そう思うと、胸が苦しくなると思います。
でも、胚盤胞の数だけで、妊活のすべてが決まるわけではありません。
数が少なくても、その胚を大切に移植へ進めることがあります。
一方で、数が多くても、移植や着床、妊娠の経過には別の要素が関わります。
大切なのは、数だけで自分を責めないことです。
少ないと言われた時ほど、主治医に、
「次に見直せることはありますか」
「刺激方法を変える選択肢はありますか」
「精子側で確認できることはありますか」
「初期胚移植も選択肢になりますか」
「次の周期までに整えておくことはありますか」
と聞いておくと、次の一歩が見えやすくなります。
胚盤胞移植とは
胚盤胞移植とは、胚盤胞まで育った胚を子宮に戻す方法です。
胚移植(ET)は、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)で得られた胚を子宮の中に戻す処置です。
胚盤胞移植では、胚盤胞の段階まで育った胚を戻します。
凍結していた胚盤胞を融解して戻す場合は、凍結融解胚移植(FET)と呼ばれます。
胚移植そのものは、採卵のように卵巣に針を刺す処置ではありません。
多くの場合、細いチューブを使って子宮の中へ胚を戻します。
ただし、移植方法や痛みの感じ方、準備のしかたは、医療機関や身体の状態によって異なります。
移植前には、
- 移植日はいつか
- 自然周期かホルモン補充周期か
- 薬の使い方
- 子宮内膜の状態
- 移植する胚の数
- 移植後の過ごし方
- 判定日までの薬
- 仕事や運動の注意点
- 性交や入浴の注意点
などを確認しておくと安心です。
胚移植の数について
胚移植では、戻す胚の数も大切な判断になります。
複数の胚を戻すと、妊娠の可能性だけでなく、多胎妊娠の可能性も考える必要があります。
多胎妊娠は、母体や赤ちゃんにとってリスクが高くなることがあります。
そのため、近年は母体と赤ちゃんの安全を守るための学会の方針などもあり、年齢や胚の状態、治療歴などを見ながら、原則として1つの胚を戻す「単一胚移植」が選ばれることが増えています。
ただし、どのように判断するかは、年齢、胚の質、過去の治療歴、医療機関の方針によって異なります。
「ひとつ戻すのは不安」
「ふたつ戻した方がよいのかな」
「多胎のリスクも怖い」
そう感じる方は少なくありません。
不安な時は、担当医に、
「私の場合、何個戻す方針ですか」
「その理由は何ですか」
「多胎妊娠のリスクはどう考えますか」
「次回以降の方針は変わる可能性がありますか」
と確認しておきましょう。
胚盤胞と着床の関係
胚盤胞は、子宮内膜に着床する準備が進んだ段階の胚です。
胚盤胞が子宮内膜に近づき、内膜に接着し、少しずつ入り込んでいくことで、妊娠が成立していきます。
ただし、ここでも大切なのは、胚盤胞だけで妊娠が決まるわけではないということです。
着床には、
- 胚の状態
- 染色体の状態
- 子宮内膜
- ホルモン
- 移植のタイミング
- 子宮内の環境
- 年齢
- 治療内容
- 偶然の要素
など、さまざまなことが関わります。
胚盤胞まで育ったのに陰性だった時、深く落ち込む方がいます。
「良い胚だったのに、どうして」
「内膜が悪かったのかな」
「私の身体が受け止められなかったのかな」
そんなふうに、自分の身体を責めてしまうことがあります。
でも、陰性の結果は、あなたが悪かったという意味ではありません。
身体が拒否したという単純な話でもありません。
妊娠には、まだ医学でもすべてを説明しきれない部分があります。
だからこそ、自分を責める言葉だけでいっぱいにしないでください。
胚盤胞まで育った胚をどう受け止めるか
胚盤胞まで育った胚を、どのように受け止めたらよいか分からない方もいます。
「期待しすぎると怖い」
「でも、希望を持ちたい」
「移植まで大切に思いすぎると、結果が怖い」
「陰性だった時に耐えられる気がしない」
この気持ちは、とても自然です。
妊活中は、希望を持つことさえ勇気がいります。
期待したい。
でも傷つきたくない。
信じたい。
でもまた落ち込むのが怖い。
その間で揺れるのは、弱いからではありません。
それだけ、ここまで何度も心を立て直してきたからです。
胚盤胞まで育ったことを、静かに受け止める。
それ以上に無理に喜ぼうとしなくても大丈夫です。
「ここまで育ってくれてありがとう」
「でも、まだ怖い」
その両方があっていいのです。
東洋医学では、胚盤胞や胚移植前後をどう見るのでしょうか
東洋医学では、胚盤胞そのものを直接変えるという考え方はしません。
胚の成長や妊娠には、医療的な検査、治療、培養環境、卵子や精子、子宮内膜、ホルモンなど、多くの要素が関わります。
東洋医学で大切にするのは、移植前後の身体の土台です。
冷え。
巡り。
睡眠。
胃腸。
自律神経の緊張。
ストレス。
月経周期。
季節の不調。
心のこわばり。
こうした日々の状態を丁寧に見ていきます。
ここでいう肝・脾・腎・血・気は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。
腎虚タイプ
腎は、東洋医学では生殖の土台、生命力、年齢に伴う変化、足腰、冷え、睡眠と関係が深いと考えます。
腎虚タイプでは、
- 疲れが抜けにくい
- 足腰が冷える
- 腰が重い
- 夜中や明け方に目が覚める
- 年齢への焦りが強い
- 採卵や移植への不安が大きい
- 検査結果を見るのが怖い
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、何かを足すことよりも、消耗を減らすことが大切になることがあります。
夜更かしを減らす。
足腰を冷やさない。
予定を詰めすぎない。
休むことに罪悪感を持ちすぎない。
これも、妊活中の大切な身体づくりです。
血虚タイプ
血は、身体を養い、心を落ち着かせる働きと関係します。
血虚タイプでは、
- 顔色が青白い
- めまいがしやすい
- 立ちくらみがある
- 爪が割れやすい
- 髪がぱさつく
- 目が疲れやすい
- 眠りが浅い
- 不安になりやすい
- 月経量が少ない
といった状態が見られることがあります。
妊活中は、採血、月経、治療の緊張、睡眠不足などで、心身が消耗しやすくなります。
血を養うためには、食事、睡眠、胃腸の働きも大切です。
脾虚タイプ
脾は、胃腸の働き、食べたものから気血を作る力、水分代謝と関係します。
脾虚タイプでは、
- 胃もたれしやすい
- 食後に眠くなる
- 軟便になりやすい
- 甘いものが欲しくなる
- 身体が重い
- むくみやすい
- 雨の日に調子が落ちる
といった状態が出やすくなります。
移植前後は、特別なものをたくさん食べようとするより、胃腸に負担をかけすぎないことが大切です。
温かい味噌汁、卵、豆腐、白身魚、鶏肉、煮物など、消化にやさしい食事を意識してみてください。
肝鬱気滞タイプ
肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係します。
肝鬱気滞タイプでは、
- ため息が多い
- 胸や喉がつまる
- 肩や首がこる
- イライラしやすい
- 夜に考えごとが止まらない
- 移植前後に不安が強くなる
- 判定日まで検索が止まらない
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、気持ちを我慢し続けるほど、身体がこわばりやすくなります。
不安をなくそうとしなくて大丈夫です。
不安があるままでも、少し呼吸しやすい時間を作ることが大切です。
6月・芒種の時期に意識したい胚移植前後の養生
6月中旬は、二十四節気でいう芒種の時期にあたります。
芒種は、湿気が増え、梅雨の気配が深まるころです。
東洋医学では、この時期の湿気による不調を湿邪として考えます。
湿邪が強い時期は、
- 身体が重い
- 胃腸が重い
- むくみやすい
- 頭がぼんやりする
- 眠りが浅い
- 気分が晴れにくい
- 雨の日に不調が出やすい
といった状態が出やすくなります。
胚盤胞や胚移植の時期は、心がとても敏感になります。
そこに梅雨の重だるさが重なると、いつもより不安が強く感じられることがあります。
「身体が重いから、よくないのかな」
「眠れなかったから、影響するのかな」
「雨の日は気持ちが沈む」
そんなふうに考えすぎてしまうこともあるかもしれません。
でも、1日眠れなかったことや、少し身体が重いことだけで、すべてが決まるわけではありません。
この時期は、冷たいものを摂りすぎず、胃腸にやさしい温かい食事を意識しながら、心身の消耗を減らしていきましょう。
胚盤胞や移植前後に意識したい食養生
胚盤胞や移植前後に、「これを食べればうまくいく」という食材はありません。
けれど、妊活中の身体づくりとして、胃腸を助け、気血を作りやすい食事を意識することは大切です。
おすすめしやすい食材は、
- 卵
- 鶏肉
- 白身魚
- 鮭
- かつお
- しらす
- 豆腐
- 納豆
- 厚揚げ
- 味噌汁
- 小松菜
- にんじん
- かぼちゃ
- とうもろこし
- 枝豆
- そら豆
- 生姜
- しそ
- 黒ごま
などです。
特に、移植前後は検索で不安になり、食事まで完璧にしようと頑張りすぎる方がいます。
でも、完璧な食事を目指す必要はありません。
ごはん。
味噌汁。
たんぱく質。
温かい飲み物。
消化にやさしいもの。
この基本で十分です。
反対に、冷たい飲み物、アルコール、過度なカフェイン、脂っこい食事、極端な糖質制限、サプリメントの重ね飲みは、身体に負担になることがあります。
妊娠の可能性がある時期や薬を使っている時期は、食事やサプリについて迷ったら主治医や薬剤師に確認してください。
胚盤胞の結果を待つ時期に使いやすいツボ
ツボ押しは、胚を育てたり、着床を保証したりするものではありません。
けれど、不安や緊張、冷え、胃腸の弱りに気づき、自分の身体に戻るきっかけとして取り入れることはできます。
強く押し込まず、息を吐きながら、気持ちよい程度に触れてください。
内関
手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
胸のつかえ、不安感、吐き気、緊張がある時に使いやすいツボです。
培養結果や判定日を待つ時期に、心がざわざわする方にも触れやすい場所です。
神門
手首の小指側、手首のしわの近くにあります。
眠る前に考えごとが止まらない時、心が落ち着かない時に使われることがあります。
「落ち着かなきゃ」と頑張るより、呼吸と一緒にやさしく触れてください。
足三里
膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働き、疲れ、梅雨時期の重だるさが気になる時に使いやすいツボです。
太谿
内くるぶしとアキレス腱の間にあります。
腎と関係が深いツボとして使われます。
足腰の冷え、疲れやすさ、妊活中の土台づくりを意識したい時に向いています。
三陰交
内くるぶしの上、指4本分ほど上にあります。
婦人科系のケアでよく使われるツボです。
ただし、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は、強く押し込まず、温める程度にしてください。
今日からできる3つのこと
1.グレードだけで未来を決めつけない
胚盤胞のグレードは大切な情報です。
でも、見た目の評価だけで妊娠のすべてが決まるわけではありません。
グレードを聞いて不安になった時は、検索し続ける前に、主治医に意味を確認してみましょう。
「このグレードは、当院ではどう考えていますか」
「移植の優先順位はどう決めますか」
「私たちの場合、次に見直せることはありますか」
質問の形にすると、不安が少し整理されます。
2.培養結果を待つ日は、予定を詰めすぎない
受精確認や培養結果を待つ日は、心がとても疲れます。
電話やメールを待つ時間。
結果を聞く瞬間。
聞いた後の気持ち。
それだけで、身体がこわばる方もいます。
可能であれば、その日は予定を詰めすぎず、少し余白を作っておきましょう。
仕事や家事を全部休めなくても、帰宅後に10分だけ横になる。
温かい飲み物を飲む。
検索する前に深呼吸する。
そのくらいで大丈夫です。
3.胚の結果と自分の価値を切り離す
胚盤胞になった数。
グレード。
凍結できた数。
移植結果。
どれも大切な情報です。
でも、それはあなたの価値を決めるものではありません。
結果がよい日も、思うように進まなかった日も、あなたはここまで頑張ってきました。
結果を受け止めることと、自分を責めることは違います。
つらい時は、こう書いてみてください。
「これは治療の結果であって、私の価値ではない」
「今日は落ち込んでいい」
「今すぐ前向きにならなくていい」
「次に聞きたいことをひとつだけ書く」
心を守りながら、次の一歩を考えていきましょう。
鍼灸でできるサポート
胚盤胞の発育、胚移植、着床、妊娠には、年齢、卵子や精子の状態、染色体、子宮内膜、ホルモン、治療内容、培養環境、生活習慣、ストレスなど、さまざまな要素が関わります。
そのため、鍼灸だけで胚盤胞の数や妊娠という結果を簡単にお約束することはできません。
また、当院で胚の状態や不妊症の原因を診断したり、病院での検査や治療の代わりを行ったりすることはできません。
けれども、冷えや巡り、睡眠、自律神経の緊張、胃腸の働き、生活習慣、体質に丁寧に向き合うことは、今のお身体を整えていく大切な一歩になります。
胚盤胞や胚移植を控えている方には、
- 移植前後の不安
- 判定日までのそわそわ
- 首肩のこわばり
- 胸のつかえ
- 胃腸の重さ
- 足元の冷え
- 眠りの浅さ
- 薬によるだるさ
- 梅雨時期の重だるさ
- 結果を聞く怖さ
などが重なっていることがあります。
当院では、東洋医学の視点から気血水、肝・脾・腎のバランスを見ながら、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
胚の結果を変えると約束するのではなく、移植へ向かうまでの心身の緊張、眠り、胃腸、冷え、日々の過ごし方を丁寧に見ていきます。
病院での検査や治療を大切にしながら、今できることを一緒に整理していきましょう。
当院の考え方
胚盤胞という言葉には、希望も不安も詰まっています。
胚盤胞まで育った喜び。
グレードを聞く怖さ。
数が少なかった時の落ち込み。
移植までの緊張。
判定日までの長い時間。
そのすべてを、ひとりで抱えている方がいます。
当院では、妊活中の不安を「考えすぎ」と片づけることはありません。
病院での検査や不妊治療は、とても大切です。
採卵、受精確認、胚培養、胚盤胞移植、凍結融解胚移植(FET)、ホルモン補充、判定日までの薬など、必要な医療はクリニックや病院など、専門の医療機関で確認しながら進めることが大切です。
そのうえで当院では、治療と治療の間にある毎日の体調、睡眠、冷え、胃腸、心の揺れにも目を向けています。
奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で妊活に取り組まれている方が、胚のグレードや数字だけに振り回されすぎず、今のお身体に合った方法を見つけられるように。
うまく言葉にできなくても大丈夫です。
「胚盤胞のことがよく分からない」
「グレードを聞いて不安になった」
「移植まで気持ちが落ち着かない」
「判定日までどう過ごしたらいいか分からない」
その気持ちから、一緒に整理していきましょう。
この記事を書いた人
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経の緊張・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
胚盤胞や胚移植の説明を聞いて不安になった方、グレードや結果をどう受け止めればよいか分からない方は、当院にご相談ください。
病院での検査や治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣に合わせて、無理のない形で身体づくりをサポートいたします。
不安な気持ちも、うまく言葉にできなくても大丈夫です。
ひとりで抱え込まず、まずは今のお身体とお気持ちを一緒に整理していきましょう。
参考・出典
日本産科婦人科学会『体外受精・胚移植に関する見解』
日本産婦人科医会『生殖補助医療に関する解説』
日本生殖医学会『生殖医療ガイドライン』
日本受精着床学会『生殖補助医療に関する情報』
世界保健機関(WHO)『不妊の定義・世界の不妊有病率』
アメリカ生殖医学会(ASRM)『胚移植に関するガイドライン』
イギリス国立医療技術評価機構(NICE)『不妊の評価と治療に関するガイドライン』
欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)『体外受精・顕微授精における卵巣刺激ガイドライン』

