葉酸はなぜ大切? いつから、どのくらい?

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妊活を始めると、まずよく聞くのが「葉酸」です。
でも、聞いたことはあっても、
なぜ必要なのか、
いつから始めるのか、
どのくらい摂ればよいのか、
はっきり分からないままになっている方も少なくありません。

周りにすすめられたから飲んでいる。
何となく大事そうだから続けている。
そんな方も多いと思います。

まず最初にお伝えしたいことがあります。
葉酸は、妊娠しやすくするための特別な栄養というより、妊娠のごく早い時期を守るためにとても大切な栄養素です。
だからこそ、「妊娠してから」ではなく、妊活中から意識しておく意味があります。

目次

葉酸は、何のために大切なのでしょうか

葉酸は、ビタミンB群のひとつで、体の中で新しい細胞を作る時に大切な働きをします。
特に妊娠の初期には、赤ちゃんの脳や背骨のもとになる「神経管」が作られるため、葉酸が重要になります。
アメリカCDCは、神経管閉鎖障害の予防に役立つことがはっきりと示されているのは、サプリメントなどに含まれる形の葉酸(モノグルタミン酸型)であると案内しています。
また、神経管閉鎖障害は妊娠のごく初期、気づく前の数週間で起こることがあると説明しています。

ここが、とても大切です。
妊娠が分かってから急いで始めるより、妊娠の可能性がある時期から毎日入っている状態のほうが安心、ということです。

いつから始めるのがよいのでしょうか

アメリカCDCは、妊娠する少なくとも1か月前から葉酸を始め、妊娠初期3か月まで続けることを勧めています。
アメリカ産科婦人科学会(ACOG)も、少なくとも妊娠の1か月前から、毎日400マイクログラムを摂るよう勧めています。
英国NHSでは、妊娠前から妊娠12週まで毎日400マイクログラムを案内していて、理想的には妊活を始める3か月ほど前からが望ましいとする案内もあります。

つまり、一般的には、
妊活を始めたらできるだけ早く
で大丈夫です。

「まだ妊娠していないのに早いかな」
と遠慮しなくて大丈夫です。
むしろ、妊活中だからこそ始めておきたい栄養素です。

どのくらい摂ればよいのでしょうか

ここは、多くの方がいちばん気になるところだと思います。
葉酸の一般的な目安は、1日400マイクログラムです。

CDC、ACOG、NHSはいずれも、妊娠を考えている方に毎日400マイクログラムの葉酸を勧めています。
また、日本の厚生労働省も、妊娠を計画している女性に対して、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日400マイクログラムの葉酸を摂ることを推奨しています。

一方で、アメリカ予防医療専門委員会(USPSTF)は、妊娠を計画している、または妊娠する可能性のある方に対して、**1日0.4〜0.8mg(400〜800マイクログラム)**のサプリメントを勧めています。

このように、国内外の公的な案内を見ても、妊活中の一般的な目安としては、毎日400マイクログラムを基本に考えておくと分かりやすいと思います。
サプリメントには400〜800マイクログラムのものもありますが、通常は自己判断で多く摂る必要はありません。

以前に神経管閉鎖障害のある妊娠があった場合は、量が変わります

ただし、すべての方が同じ量とは限りません。
CDCは、以前に神経管閉鎖障害のある妊娠を経験した方は、次の妊娠を考える時に1日4,000マイクログラムを、妊娠の1か月前から妊娠初期3か月まで摂るよう案内しています。
またUSPSTFは、以前の妊娠歴や一部の薬などで高リスクにあたる方は、この一般推奨の対象外であり、個別に相談が必要としています。

つまり、

  • 以前に神経管閉鎖障害のある妊娠があった
  • 一部の薬を使っている
  • 医師から高リスクと説明された

という場合は、自己判断で市販品を増やすのではなく、クリニックや病院など、専門の医療機関で相談することが大切です。

食事だけでは足りないのでしょうか

ここも、よくある疑問です。
葉酸は、緑の葉物野菜、豆類、果物などにも含まれています。
でもACOGは、食事だけで必要量を満たすのは難しいため、毎日のサプリメントや妊娠用ビタミンで少なくとも400マイクログラムを摂るよう勧めています。
CDCも、400マイクログラムを満たす方法として、サプリメントや葉酸が添加された食品を挙げています。

つまり、葉物野菜をしっかり食べることは大切ですが、
食事を頑張っているからサプリはいらない
とは考えないほうが安心です。

食事は土台。
サプリは不足を埋める補助。
このくらいの感覚で考えると分かりやすいと思います。

飲み忘れたらどうすればよいのでしょうか

これもよくある不安です。
結論から言うと、1回飲み忘れたからといって、すべてがだめになるわけではありません。
大切なのは、思い出した時にまた通常どおり続けることです。

葉酸は「1回で効く」「1回で失敗する」というものではなく、妊娠の可能性がある時期に毎日入っている状態を作っていくことが大切です。
NHSも、妊娠が分かってからでもできるだけ早く始めることを勧めています。

だから、飲み忘れた日があっても、
自分を責めるより、
また今日から続ける
で大丈夫です。

葉酸は妊娠しやすさを直接上げるためのサプリではありません

ここは、誤解しやすいところなので丁寧にお伝えします。
葉酸はとても大切ですが、
飲めば妊娠率が上がると約束されているサプリ
ではありません。

葉酸が大切なのは、主に妊娠のごく早い時期の赤ちゃんの発育を守るためです。
だから、妊活中に葉酸を始める意味は大きいですが、それは「妊活を有利にする裏技」ではなく、妊娠の準備としての基本です。
ASRMも、妊娠前の葉酸補充は神経管閉鎖障害のリスクを減らすために勧められるとしています。

東洋医学では、葉酸だけでなく「受け取れる体かどうか」も大切にします

東洋医学や中医学では、体にとって大切なものでも、
きちんと受け取り、巡らせられる状態かどうか
を大切にみます。

たとえば、

  • 食欲にむらがある
  • 胃腸が弱い
  • 疲れやすい
  • 冷えやすい
  • 眠りが浅い

という方では、**脾気虚(ひききょ)血虚(けっきょ)**のように、栄養を受け取って支える力が弱っている見方をすることがあります。
また、忙しさや緊張が続いて、ため息や首肩のこわばりが強い方では、**肝鬱気滞(かんうつきたい)**のように巡りの滞りが重なっていると考えることもあります。

つまり、葉酸を飲むことは大切ですが、
胃腸、睡眠、冷え、緊張をそのままにしないこと
も、妊活中の身体づくりとして大切です。

不妊・妊活における鍼灸の役割

鍼灸は、葉酸の代わりになるものではありません。
また、葉酸を飲んでいれば鍼灸がいらない、というものでもありません。

鍼灸は、妊活に必要な検査や治療、そして葉酸のような基本的な栄養管理の代わりになるものではありません。
必要な確認は、クリニックや病院など、専門の医療機関で行うことが大切です。

その一方で、妊活中に重なりやすい

  • 冷え
  • 睡眠の浅さ
  • 胃腸の弱り
  • 気持ちの張りつめ
  • 月経前後の不調
  • 自律神経の乱れを感じる状態

などを、東洋医学の視点から整える支えにはなり得ます。
当院でも、鍼灸を「結果を約束する方法」としてではなく、妊活の土台づくりを整える補助的な支えとして位置づけています。

今日からできる3つ

1.葉酸は「妊娠したら」ではなく「妊活を始めたら」始める

まずは毎日400マイクログラムを基本に考えてみてください。
すでに妊活中なら、今日からで大丈夫です。

2.食事だけで何とかしようとしすぎない

緑の野菜や豆類は大切ですが、必要量を毎日食事だけで満たすのは簡単ではありません。
サプリメントを上手に使って大丈夫です。

3.高用量は自己判断で増やさない

以前に神経管閉鎖障害のある妊娠があった方などは量が変わることがあります。
「たくさん飲めばもっと安心」とは考えず、必要な場合は医療機関に相談してください。

自分でやさしく触れやすいツボ

妊活中で、冷えや胃腸の弱り、緊張が気になる時に使いやすいツボがあります。

足三里(あしさんり)
膝のお皿の外側の下から、指4本分ほど下。
胃腸の働きを助けたい時、疲れやすい時、体を立て直したい時に使いやすいツボです。

三陰交(さんいんこう)
内くるぶしのいちばん高いところから、指4本分ほど上。
冷えや婦人科系のお悩み、下半身の巡りを整えたい時に使いやすいツボです。

どちらも、強く押し込まなくて大丈夫です。
息を吐きながら、少し気持ちいいくらいでやさしく触れてみてください。
妊娠の可能性がある時や体調に不安がある時は、無理をせずご相談ください。

当院の考え方

当院では、葉酸を「飲んでいるかどうか」だけで妊活を見ません。
でも、だからといって軽く見ることもしません。

葉酸は、妊活中の身体づくりのなかで、とても基本的で、とても大切な準備です。
そのうえで、実際の体調には、

  • 冷え
  • 睡眠
  • 自律神経の乱れを感じる状態
  • 胃腸の弱り
  • 気持ちの張りつめ
  • 体質や生活習慣

など、いくつもの要素が重なっています。

だからこそ当院では、病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点も取り入れ、その方に合った身体づくりを一緒に考えることを大切にしています。

葉酸は、難しいことではありません。
でも、自己流の情報が多いからこそ、不安になりやすいテーマでもあります。

ひとりで抱えず、まずは今の食事、生活、サプリの選び方を一緒に整理するところから始めていきましょう。

この記事を書いた人

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えることを大切にしています。

院長プロフィールを見る

ご自身に合ったセルフケアを知りたい方、妊活中の身体づくりを見直したい方は、当院にご相談ください。
病院での検査や不妊治療を大切にしながら、お身体の状態や生活習慣に合わせて、無理のない形でサポートいたします。

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