排卵検査薬はいつ使う?見方と注意点

妊活の基礎知識をやさしく伝える奈良・上牧町の不妊鍼灸専門院のブログ画像

排卵検査薬を買ってみたものの、
「いつから使えばいいのか分からない」
「陽性が出たら、その日が排卵日なの?」
と、不安になる方は少なくありません。

妊活中は、少しでも妊娠しやすい時期を逃したくなくて、検査薬の線ひとつに心が大きく揺れてしまうことがあります。
それだけ真剣に向き合っているからこそ、迷いや不安が強くなるのだと思います。

まず最初にお伝えしたいことがあります。
排卵検査薬は、妊活の心強い手がかりになりますが、これだけで全てが分かるわけではありません。
うまく使えば妊娠しやすい時期をつかみやすくなりますが、陽性が出たから必ずその通りに排卵する、陰性だから排卵していない、と単純に決められるものでもありません。
大切なのは、排卵検査薬の意味を正しく知ったうえで、必要な時には医療機関で確認することです。

目次

排卵検査薬は、何をみているのでしょうか

排卵検査薬は、尿の中のLH(黄体形成ホルモン)の急な上昇をとらえるものです。
ASRM(米国生殖医学会)では、家庭で使う尿中LH検査は、排卵に先立つLHサージをとらえ、排卵の1〜2日前の目安になると説明しています。
つまり、排卵検査薬が見ているのは「排卵そのもの」ではなく、排卵の直前に起こるホルモンの変化です。
またASRMは、尿中LH検査は排卵の間接的な証拠
であり、結果は血液中のLHピークとよく相関するとしています。

ここを知っておくと、線が出た時に必要以上に慌てにくくなります。
陽性は「今まさに排卵した」という意味ではなく、排卵が近い可能性が高いサインと受け止めるのが大切です。

いつから使えばいいのでしょうか

排卵検査薬を始めるタイミングは、普段の生理周期をもとに考えるのが基本です。
毎月の周期が比較的安定している方は、その周期に合わせて少し早めから確認を始めると、陽性を見逃しにくくなります。
一方で、周期が不規則な方では、自己判断だけだと使い始めの時期が分かりにくく、結果にも振り回されやすくなります。

ASRMとACOG(アメリカ産科婦人科学会)系の資料では、月経が規則的に来ている方は排卵している可能性が高いとされていますが、月経不順がある場合はそうとは限りません。
規則的な月経がある方は、排卵検査薬を使うことでタイミングの目安をつかみやすいことがあります。
逆に、周期が大きく乱れる方は、排卵検査薬だけで悩み続けるより、医療機関で相談したほうが安心なことがあります。

陽性が出たら、どう考えればいいのでしょうか

排卵検査薬で陽性が出た時、
「今日だけが大事」
と思い詰めてしまう方がいらっしゃいます。

けれど、妊娠しやすい時期は1日だけではありません。
ASRMでは、妊娠しやすい時期は排卵を含む数日間で、1〜2日おきの性交が妊娠率を高めやすいとしています。
また、妊娠を希望する方へのカウンセリングでは、排卵前の3〜4日間が大切で、1〜2日おきの性交がもっとも妊娠率を高めやすいと案内されています。

ですから、陽性が出た時は、
「この日を外したら終わり」
ではなく、
妊娠しやすい時期に入った目安として受け止めることが大切です。
一点だけを狙うより、少し幅を持って考えるほうが、心の負担も軽くなりやすくなります。

陽性が出ても、気をつけたいことがあります

排卵検査薬は便利ですが、万能ではありません。
ASRMは、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方では普段からLHが高めのことがあり、尿中LH検査で偽陽性が起こることがあるとしています。
つまり、陽性が出たからといって、すべての方で同じように解釈できるわけではありません。

また、排卵検査薬は排卵の間接的なサインであって、実際に排卵したかどうかを単独で確定するものではありません。
生理周期が不規則、排卵検査薬の結果が毎回読みづらい、何度も陽性が出る気がする、という方は、検査薬だけで答えを出そうとしないことが大切です。

排卵検査薬だけでは分からないこともあります

妊活中は、どうしても「排卵日」に意識が集まりやすくなります。
でも、妊娠に関わるのは排卵だけではありません。

ASRMは、不妊の評価では、
排卵の状態
卵管の通り道
子宮の状態
男性側の精液所見
を含めて見ていくことが大切だとしています。
そのため、排卵検査薬がうまく使えているように見えても、妊活がなかなか進まない時は、ほかの確認が必要なこともあります。

ここは、とても大事なところです。
排卵検査薬は役立つ道具ですが、妊活全体を一人で抱え込んで進めるための道具ではありません。
不安が続く時は、全体を整理してもらうことが大切です。

医療機関でタイミングをみてもらう時、薬が使われることもあります

排卵しにくい方や、周期が読みづらい方では、医療機関で排卵誘発薬を使いながらタイミングをみていくことがあります。
NHS(英国国営国民保健サービス)では、妊活で使われる排卵誘発の薬により、吐き気、嘔吐、頭痛、ほてりなどの副作用が出ることがあると案内しています。
またASRMは、注射のゴナドトロピン製剤について、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)や多胎妊娠のリスクが高くなるため、慎重な管理が必要としています。

だからこそ、自己判断で薬を使うのではなく、必要な場合は医療機関で状態をみながら進めることが大切です。
排卵検査薬は市販で使えますが、治療としてのタイミング法は、検査薬だけで完結するものではありません。

こんな時は、医療機関に相談して大丈夫です

排卵検査薬を使っていても、次のような時は医療機関に相談して大丈夫です。

・生理周期が毎月大きく乱れる
・何か月も生理が来ない
・排卵検査薬の結果が毎回分かりにくい
・陽性のタイミングがつかみにくい
・生理痛が強い、不正出血がある
・35歳以上で半年ほど妊活している
・40歳前後で妊活を考えている
・パートナー側の検査がまだできていない

ASRMでは、35歳を超える場合は6か月ほど妊娠に至らなければ相談を考えること、40歳前後ではさらに早めの相談が望ましいとしています。
また、規則的な月経がない場合や原因が疑われる場合は、年齢や期間にかかわらず早めの評価が勧められています。

東洋医学では、「排卵日を当てること」だけでなく、巡りの整い方をみていきます

東洋医学では、妊活を「排卵日だけの問題」としてはみません。
冷え、睡眠、胃腸の働き、気持ちの張りつめ、月経前後の不調なども含めて、体全体のめぐりをみていきます。

『黄帝内経』では、春は「肝」がのびやかに働く季節とされ、気血の巡りや感情の流れとも深く関わると考えられています。
春から初夏にかけて無理や我慢が続くと、
・ため息が増える
・胸や脇が張る
・首肩がこる
・眠りが浅い
・生理前にイライラしやすい
といった、いわゆる**肝鬱気滞(かんうつきたい)**のような状態が出やすくなります。

また、胃腸が弱っている方では、食べたものをうまく力に変えにくく、脾気虚肝脾不和のように、だるさや冷え、食欲の乱れが重なることもあります。
排卵検査薬の線だけを追いかけて苦しくなる時ほど、
今の自分の体が整いにくくなっていないか
をみてあげることが大切です。

不妊・妊活における鍼灸の役割

ここも、誠実にお伝えしたいところです。
鍼灸は、排卵検査薬の代わりではありません。
排卵の有無を診断したり、卵管の状態を確認したり、精液検査の代わりになったりするものではありません。
必要な検査や治療は、医療機関で確認することが大切です。

一方で、妊活中に重なりやすい
・冷え
・首肩の緊張
・眠りの浅さ
・気持ちの張りつめ
・月経前後の不調
などを、東洋医学の視点から整える支えにはなれます。

HFEAは、鍼灸について、妊娠率を高める明確な根拠は十分ではない一方で、ストレス軽減やウェルビーイング向上のために用いられることがあると案内しています。
当院でも、鍼灸を「結果を約束する方法」としてではなく、妊活中の心と体の土台を整える補助的な支えとして位置づけています。

今日からできる3つのこと

1.排卵検査薬を「答え」ではなく「手がかり」として使う

陽性が出たら安心、陰性だと不安。
そうやって気持ちが毎日揺れると、妊活が苦しくなりやすくなります。

排卵検査薬は、とても役立つ道具です。
でも、それだけで全てが決まるわけではありません。
妊娠しやすい時期をつかむための手がかりとして、少し余白をもって使ってみてください。

2.周期が不規則なら、ひとりで悩み続けない

周期が不規則な方は、排卵検査薬の使い始めや結果の受け止め方が難しくなりやすいです。
そんな時は、自己流で答えを探し続けるより、医療機関で相談したほうが安心なことがあります。
排卵検査薬を使っても分からない時は、あなたの頑張りが足りないのではありません。
確認の方法を変えたほうがよいタイミングなのかもしれません。

3.初夏の養生で「巡り」と「胃腸」をいたわる

この時期は、気温差や疲れで巡りが乱れやすく、食欲も不安定になりやすい頃です。
食養生としては、
・たけのこ
・そら豆
・アスパラガス
・初鰹
・金目鯛
など、旬のものを取り入れつつ、冷たいものや甘いものに偏りすぎないことを意識してみてください。

温かい汁物、やわらかい煮物、消化にやさしいたんぱく質を少しずつとるだけでも、体は整いやすくなります。
「完璧にやること」より、続けられる整え方を大切にしてください。

自分でやさしく触れやすいツボ

排卵検査薬の結果に気持ちが振り回されやすい時や、巡りの滞りが気になる時に使いやすいツボがあります。

太衝(たいしょう)
足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前。
ため息が増える時、イライラしやすい時、気の巡りを整えたい時に使いやすいツボです。

三陰交(さんいんこう)
内くるぶしのいちばん高いところから、人差し指から小指までの指幅4本分ほど上。
冷えや婦人科系のお悩み、下半身の巡りを整えたい時によく使われます。

どちらも、強く押し込む必要はありません。
息を吐きながら、少し気持ちいいくらいでやさしく触れてみてください。
妊娠の可能性がある時や体調に不安がある時は、無理をせずご相談ください。

当院の考え方

当院では、排卵検査薬を否定しません。
でも、排卵検査薬だけで妊活を背負わせることもしません。

大切なのは、
排卵検査薬をうまく使いながら、
必要な検査や治療は医療機関で確認すること。
そのうえで、冷え、睡眠、自律神経、月経前後の不調、気持ちの張りつめなど、
妊活中の毎日のしんどさを東洋医学の視点から整えていくことです。

当院では、病院での検査や治療を大切にしながら、
その土台として心と体を整えるお手伝いをしています。
何でも鍼灸で解決する、とは言いません。
その代わり、ひとりで抱え込みやすい不安や過ごしにくさを、きちんと一緒に整理していきます。

妊活は、ひとつの線の濃さだけで決まるものではありません。
だからこそ、結果に振り回されすぎず、必要な時には立ち止まって全体を見ていきましょう。

今、排卵検査薬の結果に心が揺れている方に、いちばんお伝えしたいことがあります。
うまく使えないことがあっても、それはあなたがだめだからではありません。
分かりにくい時は、確認の方法を変えていい。
不安な時は、相談していい。

ひとりで抱えず、まずは今の周期や体調を一緒に整理するところから始めていきましょう。

この記事を書いた人

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

奈良・上牧町で、妊活・不妊鍼灸、婦人科のお悩み、マタニティケア、産後ケアを中心に、女性のお身体のお悩みに向き合っています。
病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経・体質・生活習慣などを丁寧にみていくことを大切にしています。

院長プロフィールを見る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次