妊活を始めると、まずぶつかりやすいのが、
「何から調べればいいのだろう」
という不安です。
インターネットにはたくさんの情報がありますが、情報が多いほど、かえって迷ってしまうこともあります。
AMHは受けたほうがいいのか。
基礎体温は必須なのか。
タイミングを見れば十分なのか。
病院へ行くのはまだ早いのか。
そんなふうに、分からないことが次々に増えていく方も少なくありません。
けれど、最初に大切なのは、たくさんの検査を一気に受けることではありません。
妊活の基本検査は、「妊娠までの流れのどこに確認ポイントがあるか」を順番に見ていくことが大切です。
つまり、
・排卵しているか
・精子の状態に大きな問題がないか
・卵管が通っているか
・子宮の中に着床を妨げる要因がないか
この基本を、必要に応じて整理していくことが第一歩になります。
妊活の基本検査は「女性だけの検査」ではありません
妊活というと、どうしても女性側の検査に意識が向きやすいものです。
けれど実際には、妊娠は卵子と精子の両方が関わって成立するものです。
そのため、最初の段階から、女性側だけではなく、男性側の確認も並行して考えることがとても大切です。
女性が痛い検査や通院を重ねてから、後になって精液検査で原因が分かる、ということも珍しくありません。
最初に必要なのは、誰かを責めることではなく、
「どこに確認ポイントがあるかを、ふたりで落ち着いて見ていくこと」
です。
まず受けたい基本検査は大きく4つです
妊活の初期に確認されることは、主に次の4つです。
1.排卵しているか
妊娠のスタートには、まず排卵があることが大切です。
月経が毎月ほぼ規則的に来ている方は、排卵している可能性が高いと考えられますが、それだけで十分とは言い切れない場合もあります。
病院では、
・月経周期の確認
・基礎体温の参考確認
・超音波での卵胞チェック
・黄体期のホルモン検査
・必要に応じたFSH、LHなどの採血
といった形で、排卵の有無や排卵のタイミング、ホルモンバランスを見ていくことがあります。
特に、生理不順がある方、月経が何か月も空く方、排卵日が読みにくい方では、ここを早めに確認することが大切です。
2.精液検査
妊活の基本検査の中で、できるだけ早めに考えたいのが精液検査です。
精液検査では、主に、
・精液量
・精子濃度
・運動率
・形態
などを見ていきます。
「男性側は元気だから大丈夫」
「年齢が若いから問題ないはず」
と考えてしまうこともありますが、見た目や体調だけでは分からないこともあります。
だからこそ、妊活の初期の段階で、男性側の確認を後回しにしないことがとても大切です。
精液検査は、一度の結果だけで全てが決まるわけではありません。
体調、睡眠不足、発熱、採取条件などでも影響を受けることがあります。
そのため、結果によっては再検査が必要になることもあります。
3.卵管が通っているか
卵子と精子が出会うためには、卵管が通っていることが大切です。
排卵があっても、卵管が詰まっていたり通りが悪かったりすると、自然妊娠が難しくなることがあります。
ここを調べる代表的な検査が、子宮卵管造影検査です。
子宮から造影剤を入れて、卵管の通りや子宮の形を確認する検査で、妊活初期の大きな確認ポイントのひとつです。
この検査に緊張される方は多いですが、
「何が分かる検査なのか」
「どこまで確認するための検査なのか」
を理解しておくと、不安が少しやわらぎます。
※検査後の数ヶ月はゴールデン期間と呼ばれ、妊娠しやすくなるという側面もあります
4.子宮の状態に大きな問題がないか
受精卵が着床する場所である子宮の環境も大切です。
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮の形の問題などが、妊娠しにくさに関係することがあります。
そのため、
・経腟超音波検査
・必要に応じた子宮鏡検査
・子宮卵管造影検査で見える範囲の確認
などで、子宮の状態を見ていくことがあります。
ただし、最初から全員にたくさんの高度な検査が必要というわけではありません。
症状や月経の状態、既往歴に応じて、必要なものを絞っていくことが大切です。
問診は「ただ話すだけ」ではない大切な検査の一部です
妊活の初診では、検査そのものだけでなく、問診もとても大切です。
ここでは、
・月経周期は規則的か
・生理痛が強くないか
・過去の妊娠や流産の有無
・婦人科の病気や手術歴
・性感染症や骨盤内炎症の既往
・服用中の薬やサプリメント
・喫煙、飲酒、体重変動
・性交の頻度やタイミング
などを確認していきます。
「そんなことまで関係あるのかな」と思うことも、妊活では大切な手がかりになることがあります。
特に、月経不順、強い生理痛、過去の手術歴、男性側の精巣や泌尿器の既往、現在使っている薬などは、早めに伝えておきたい情報です。
AMHは“妊娠できるかどうか”を決める検査ではありません
妊活を始めると、AMHが気になっている方はとても多いと思います。
AMHは、卵巣の反応性を考える参考のひとつとして使われることがある検査です。
ただし、ここでとても大切なのは、
AMHの値だけで自然妊娠できるかどうかを決めることはできない
ということです。
AMHが低いと言われて強いショックを受ける方もいらっしゃいますが、
それだけで「もう妊娠できない」という意味にはなりません。
逆に、AMHが高ければ必ず妊娠しやすい、というものでもありません。
数値はあくまで、今後の方針を考える材料のひとつです。
ひとつの数字だけで、ご自身の可能性を決めつけないことが大切です。
基礎体温は役立つこともありますが、それだけで判断しすぎなくて大丈夫です
妊活を始めると、基礎体温をつけたほうがいいのか迷う方も多いと思います。
基礎体温は、生活リズムや月経周期を振り返る参考にはなりますが、きれいな二相に分かれないからといって、すぐに強く落ち込む必要はありません。
睡眠不足、測る時間のずれ、ストレス、体調不良などでも体温は揺れます。
また、基礎体温だけで排卵の有無を正確に判断しきることは難しいため、必要に応じて病院での確認が大切になります。
毎日きっちり続けられなくても、自分を責めなくて大丈夫です。
大切なのは、表を完璧にすることではなく、必要な時に適切な確認につなげることです。
受診を急いだほうがよいのはこんな時です
妊活を始めてすぐに全員が病院へ行かなければいけないわけではありません。
ただし、次のような場合は、早めに婦人科や生殖医療の医療機関へ相談したほうが安心です。
・35歳を過ぎていて、半年ほど妊娠に至らない
・40歳前後で妊活を考えている
・月経不順、無月経がある
・生理痛が強い
・子宮内膜症や子宮筋腫を指摘されたことがある
・卵巣の手術歴がある
・過去に骨盤内炎症、性感染症、子宮外妊娠の既往がある
・男性側に精巣の病気、停留精巣、手術歴、勃起や射精の問題がある
・妊活の進め方自体が分からず、不安が強い
「まだ早いかもしれない」と我慢し続けるより、
今の段階で何を確認するべきかを整理してもらうだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
東洋医学では、検査で見えない“整いにくさ”にも目を向けます
病院で受ける基本検査は、とても大切です。
排卵、精液、卵管、子宮。
まずここを確認することは、妊活の土台になります。
そのうえで、東洋医学では、検査結果だけでは言い表しにくい、
・冷えやすさ
・眠りの浅さ
・胃腸の弱り
・首肩のこわばり
・気持ちの張りつめ
・生理前の不調の強さ
といった、心と身体の“整いにくさ”にも目を向けていきます。
春から初夏へ向かう5月は、気温差や環境の疲れが残りやすく、東洋医学では「肝」の働きがゆらぎやすい時期でもあります。
この時期は、気の巡りが滞りやすく、イライラ、不安感、眠りの浅さ、首肩のこり、PMSの強まりなどが出やすいことがあります。
妊活中は、病院での検査と治療を大切にしながら、こうした心身の緊張を整える視点も持っておくと、毎日を少し過ごしやすくできることがあります。
今日からできる3つの準備
これから病院で相談しようと思っている方は、まず次の3つを意識してみてください。
1.月経の記録をざっくりでいいので残す
毎月何日ごろ生理が来るか、何日くらい続くか、生理痛は強いか。
完璧でなくて大丈夫なので、まずは分かる範囲で整理しておくと、受診時に役立ちます。
2.飲んでいる薬やサプリを確認しておく
処方薬、市販薬、漢方、サプリメントも含めて、今使っているものを把握しておきましょう。
ご本人だけでなく、男性側も含めて確認しておくと安心です。
3.女性だけで抱え込まない
妊活の基本検査は、女性だけが頑張るものではありません。
「まずは何を確認するのか」をふたりで共有しておくだけでも、その後の進み方が変わります。
最初の検査は、不安を増やすためではなく、道筋を作るためのものです
妊活の検査というと、怖いもの、つらいもの、結果が怖いもの、というイメージを持たれる方も多いと思います。
でも本来、最初の検査は、あなたを追い込むためのものではありません。
何が順調で、何を確認したほうがよくて、次にどう進めばよいのか。
それを整理して、道筋を作るためのものです。
分からないまま、ひとりで不安をふくらませ続けるより、
必要なことをひとつずつ確認していくほうが、心も少し落ち着きやすくなります。
当院では、妊活中のお身体を東洋医学の視点から丁寧にみながら、冷え、血流、自律神経の乱れ、心身の緊張などを整えていくお手伝いをしています。
もちろん、病院での検査や治療が必要なことは、きちんと医療機関で確認していただくことが大切です。
そのうえで、
「検査を受けること自体が不安」
「病院と並行して身体を整えたい」
「何から始めたらいいのか分からない」
という方も、どうぞ安心してご相談ください。

