胚移植後や高温期になると、お腹の温め方が気になる方が増えます。
「着床期はお腹を温めた方がいいですか?」
「カイロを貼っても大丈夫ですか?」
「腹巻きはした方がいいですか?」
「半身浴は着床にいいですか?」
「お灸をしてもいいですか?」
「冷房でお腹が冷えるのが心配です」
「温めすぎると逆に良くないですか?」
「移植後に温泉やサウナは避けた方がいいですか?」
このようなご相談はとても多いです。
妊活中は「冷えはよくない」という言葉をよく聞きます。
そのため、胚移植後や着床期になると、
「冷やしたら着床しないのでは」
「お腹が冷たいと妊娠しにくいのでは」
「できるだけ温めなければ」
と不安になる方がいます。
でも、ここで大切なことがあります。
着床期は、冷えすぎを避けることは大切ですが、温めれば温めるほどよいわけではありません。
強い温熱刺激や体温が上がりすぎるような温め方は、自己判断で行わないことが大切です。
お腹を温めたから必ず着床する。
カイロを貼れば妊娠しやすくなる。
半身浴を長くすれば血流が良くなって結果が変わる。
お灸を強くすれば子宮が温まる。
このように断言することはできません。
一方で、冷房でお腹や足元が冷えすぎる、身体がこわばる、不安で呼吸が浅くなる、眠れない、胃腸が弱ると、着床期の時間をつらく感じやすくなります。
大切なのは、強く温めることではなく、心地よく冷えを防ぎ、身体を緊張させすぎないことです。
今日は、着床期にお腹を温めすぎてもよいのか、胚移植後の冷え対策、東洋医学的な考え方、自宅でできるセルフケアについて、やさしく整理していきます。
着床期とはどのような時期でしょうか
着床期とは、受精卵が子宮内膜に着床していく可能性がある時期を指して使われることが多い言葉です。
自然妊娠を目指す場合は、排卵後から高温期の中頃にかけて意識されることが多いです。
体外受精や顕微授精では、胚移植後から判定日までの時期を、着床期として意識する方が多いです。
この時期は、結果を待つ時間です。
身体の小さな変化が気になります。
下腹部の違和感。
胸の張り。
眠気。
おりもの。
体温。
出血。
足の冷え。
お腹の冷たさ。
胃の重さ。
気分の揺れ。
すべてが気になりやすくなります。
そして、何か症状があると、
「これは着床のサイン?」
「これはだめなサイン?」
「冷えたから悪かった?」
「温め方が足りなかった?」
と考えてしまうことがあります。
ですが、着床期の症状だけで妊娠の有無を判断することはできません。
ホルモン剤の影響、月経前の変化、睡眠不足、緊張、胃腸の状態、冷房、夏バテなどでも似た症状が出ることがあります。
判定日前は、症状で一喜一憂しすぎないことも大切です。
「お腹を温める」とは、何をしているのでしょうか
妊活でよく言われる「お腹を温める」という言葉には、いくつかの意味があります。
冷房で冷えないようにする。
下腹部のこわばりをゆるめる。
胃腸を冷やさない。
足元から冷えが上がらないようにする。
リラックスする。
安心感を得る。
血流を意識する。
つまり、「お腹を温める」は、単に熱を加えることだけではありません。
身体を冷やしすぎないこと。
緊張をゆるめること。
胃腸を守ること。
安心して過ごせること。
これらを含んだ表現です。
ところが、不安が強くなると、温め方が強くなりすぎることがあります。
熱いカイロを長時間貼る。
お腹に直接カイロを当てる。
熱いお灸を何か所もすえる。
長時間の半身浴をする。
サウナに入る。
汗をかくまで温める。
のぼせても温活を続ける。
これは、着床期のセルフケアとしては注意が必要です。
着床期に温めすぎが心配な理由
着床期に温めすぎを避けたい理由は、主に「体温が上がりすぎること」と「身体に負担がかかること」です。
妊娠の可能性がある時期は、サウナ、ホットタブ、熱すぎる入浴、長時間の高温環境など、身体の深部体温が上がりやすい状況は避けるよう案内されることがあります。
特に、胚移植後や妊娠初期にあたる可能性がある時期は、自己判断で強い温熱刺激を行わない方が安心です。
また、温めすぎると、
- のぼせる
- 眠れなくなる
- 汗をかきすぎる
- 脱水気味になる
- 動悸がする
- だるくなる
- 胃腸が重くなる
- 皮膚が赤くなる
- 低温やけどのリスクがある
ということもあります。
着床期に大切なのは、「熱を入れる」ことではなく、「身体が安心して過ごせる状態を作る」ことです。
カイロは使ってもいいですか?
カイロについては、使い方に注意が必要です。
冷房でお腹や腰、足元が冷える方にとって、カイロが安心感につながることもあります。
ただし、胚移植後や妊娠の可能性がある時期は、下腹部に熱いカイロを長時間貼ることは避けた方が安心です。
使う場合は、
- 直接肌に貼らない
- 下腹部に長時間貼りっぱなしにしない
- 熱すぎると感じたらすぐ外す
- 寝る時に貼ったままにしない
- 低温やけどに注意する
- のぼせる方は使わない
- 医療機関から指示がある場合は従う
ことを意識しましょう。
おすすめしやすいのは、お腹を強く温めるより、腰や足元を冷やしすぎない工夫です。
たとえば、ひざ掛け、レッグウォーマー、薄手の腹巻きなどです。
「熱い」ではなく、「冷えない」くらいが目安です。
腹巻きはした方がいいですか?
腹巻きは、冷房冷えやお腹の冷えが気になる方には取り入れやすい方法です。
ただし、腹巻きも厚手で汗をかくほどのものは、夏には合わないことがあります。
着床期の腹巻きは、
- 薄手
- 締めつけない
- 汗をかいたら外す
- 寝苦しくなるなら使わない
- のぼせる日は無理しない
- お腹を圧迫しない
ことが大切です。
「温める」というより、「冷房の冷えから守る」感覚で使いましょう。
夏の着床期は、暑さと冷房冷えが同時に起こりやすいです。
室内では冷房で冷えるけれど、外では暑い。
そのような時は、着脱しやすい薄手の腹巻きやひざ掛けの方が調整しやすいです。
半身浴や長風呂はどうでしょうか
半身浴や長風呂は、妊活中によいイメージを持たれやすいセルフケアです。
リラックスできる方もいます。
ただし、着床期や胚移植後は、長時間の半身浴、熱いお風呂、汗をかくまでの入浴は避けた方が安心です。
特に、
- のぼせやすい
- 動悸がする
- 寝汗がある
- 暑くて眠れない
- 夏バテしている
- 採卵後で体調が不安定
- 胚移植後
- 妊娠の可能性がある
- 医療機関から入浴について指示がある
場合は注意してください。
入浴する場合は、医療機関の指示を優先し、体調に合わせて短め・ぬるめを意識しましょう。
汗を大量にかくほどの温活ではなく、身体がほっとする程度で十分です。
サウナ・岩盤浴・温泉は?
胚移植後や妊娠の可能性がある時期は、サウナ、岩盤浴、ホットヨガ、長時間の高温入浴、熱い温泉は控えた方が安心です。
理由は、身体の深部体温が上がりやすく、脱水やのぼせ、体調不良につながることがあるためです。
「妊活には温活がいい」と思って、移植後にサウナや岩盤浴を予定する方もいますが、この時期にはおすすめしません。
温泉も、医療機関によって胚移植後の入浴や感染予防について指示が異なることがあります。
胚移植後の温泉、プール、サウナ、岩盤浴については、必ず通っている医療機関の指示を確認してください。
お灸はしてもいいですか?
お灸は、東洋医学のセルフケアとしてよく使われます。
冷え、胃腸の弱り、疲れに対して取り入れる方もいます。
ただし、胚移植後や妊娠の可能性がある時期は、自己判断で下腹部や足首周辺に強いお灸をすることは避けましょう。
特に、
- 下腹部への強い温熱刺激
- 三陰交への強い刺激
- 熱いと感じるお灸
- 長時間のお灸
- 何か所も同時に行うお灸
- 皮膚が赤くなるほどの刺激
- 体調不良時のお灸
は注意が必要です。
お灸を行う場合は、施術者や医療機関に相談し、妊娠の可能性がある時期であることを必ず伝えてください。
セルフケアとしては、お灸よりも、手を当てる、呼吸を整える、足元を冷やさないなどの方が安心して取り入れやすいです。
お腹が冷たいと着床しないのでしょうか
「お腹が冷たいと着床しないのでは」と心配になる方は多いです。
でも、手で触ってお腹が少し冷たいからといって、それだけで着床しないと決まるわけではありません。
皮膚の温度と、子宮内の環境は同じではありません。
冷房で皮膚表面が冷えていることもあります。
緊張で血管が収縮して、手足やお腹が冷たく感じることもあります。
大切なのは、皮膚の冷たさだけを見て不安になることではなく、
- 身体全体が冷えているか
- 足元が冷えているか
- 胃腸が弱っていないか
- 呼吸が浅くなっていないか
- 睡眠はとれているか
- のぼせがないか
- 体調が安定しているか
を見ていくことです。
お腹が冷たいと感じる時は、熱いカイロを当てるより、まず手を当てて呼吸を整えるところから始めましょう。
着床期におすすめの温め方
着床期におすすめなのは、「熱くする温め方」ではなく、「冷えすぎを防ぐ温め方」です。
1.手を当てる
一番やさしい方法は、お腹に手を当てることです。
下腹部を押さない。
強く揉まない。
温めすぎない。
手のぬくもりを感じる。
ゆっくり息を吐く。
これだけで十分です。
手を当てることは、身体を安心させるセルフケアになります。
「温めて結果を変える」のではなく、「今の自分を落ち着かせる」ために行いましょう。
2.薄手の腹巻き
冷房でお腹が冷える方は、薄手の腹巻きを使うのもよいです。
ただし、締めつけないもの、汗をかきにくいもの、暑くなったら外せるものを選びましょう。
3.足元を冷やさない
お腹を直接温めるより、足元を冷やさない方が合う方もいます。
靴下。
レッグウォーマー。
ひざ掛け。
冷房の風向き調整。
足首を回す。
特に、足首まわりが冷える方は、レッグウォーマーが使いやすいです。
4.温かい汁物
胃腸の冷えが気になる方は、外から温めるより、温かい汁物を取り入れる方が合うことがあります。
味噌汁。
卵スープ。
鶏肉のスープ。
野菜スープ。
白湯。
冷たい飲み物ばかりになっている方は、1日1回、温かいものを入れてみましょう。
5.冷房の調整
着床期は、冷房を我慢する必要はありません。
暑さを我慢すると、寝苦しさ、のぼせ、熱中症リスクにつながります。
ただし、冷房の風が直接お腹や足元に当たり続けると、冷えを感じやすくなります。
風向き、温度、湿度、寝具、服装を調整しましょう。
着床期に避けたい温め方
着床期には、次のような温め方は控えめにしましょう。
- 熱いカイロを下腹部に長時間貼る
- 寝る時にカイロを貼ったままにする
- 下腹部への強いお灸
- 熱いお風呂に長時間入る
- 長時間の半身浴
- サウナ
- 岩盤浴
- ホットヨガ
- 汗を大量にかく温活
- のぼせても温め続ける
- 体調不良時に温活をする
温めるほど安心する気持ちは分かります。
でも、着床期のセルフケアは、強さではなく、心地よさが大切です。
着床期に「冷やしてはいけない」と思いすぎない
妊活中は、「冷え」という言葉に敏感になりやすいです。
冷たい飲み物を飲んだ。
冷房の部屋にいた。
足が冷えた。
お腹が冷たかった。
薄着で寝てしまった。
それだけで、
「着床に悪かったのでは」
「もうだめかもしれない」
と不安になる方もいます。
でも、日常生活の中で少し冷えを感じたからといって、それだけで結果が決まるわけではありません。
冷え対策は大切ですが、冷えを恐れすぎると、生活が苦しくなります。
着床期は、冷えを完全に避ける時期ではなく、冷えたと感じたらやさしく整える時期です。
冷えたら、温かい飲み物を飲む。
足元を少し温める。
お腹に手を当てる。
早めに休む。
深く息を吐く。
これで十分です。
着床期の食養生
着床期の食事も、特別なものを食べれば着床するというものではありません。
大切なのは、胃腸を守り、身体が受け取りやすい食事にすることです。
おすすめしやすい食材は、
- ごはん
- 味噌汁
- 卵
- 豆腐
- 納豆
- 魚
- 鶏肉
- 赤身肉を少量
- しじみ
- あさり
- 小松菜
- にんじん
- かぼちゃ
- 山芋
- オクラ
- きのこ
- わかめ
- ひじき
- 黒ごま
- 枝豆
- なつめ
- しそ
- 生姜を少し
などです。
冷えがある方
冷えがある方は、冷たい飲み物、生野菜、アイス、冷たい麺だけに偏らないようにしましょう。
味噌汁やスープを1日1回入れるだけでも、胃腸が楽になることがあります。
のぼせがある方
のぼせがある方は、温めすぎる食事にも注意が必要です。
辛いもの、熱すぎる飲み物、アルコール、長時間の入浴でのぼせる方は、控えめにしましょう。
「冷えが怖いから」といって、身体が熱くなるものばかり選ばなくても大丈夫です。
胃腸が弱い方
着床期は、緊張で胃腸が弱る方もいます。
食欲がない日は、無理にたくさん食べなくても大丈夫です。
お粥。
味噌汁。
卵スープ。
豆腐。
茶碗蒸し。
白身魚。
鶏肉のスープ。
胃腸にやさしいものを少しずつ入れましょう。
東洋医学では、着床期の温め方をどう見るのでしょうか
東洋医学では、着床期の身体を、気・血・水、肝・脾・腎、陰陽、冷え、瘀血、湿のバランスから見ていきます。
ここでいう気・血・水、肝・脾・腎、陰陽は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。
腎陽虚(じんようきょ) 〜冷えが強く、温める力が弱い状態〜
腎陽虚は、身体を温める力が弱い状態として考えます。
このタイプでは、
- 足腰が冷える
- 下腹部が冷たい
- 寒がり
- 朝が弱い
- 疲れやすい
- 軟便になりやすい
- 尿が近い
- 温めると楽になる
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、冷え対策が合うことがあります。
ただし、着床期や胚移植後は、強い温熱刺激ではなく、やさしい保温を意識します。
薄手の腹巻き、足元の保温、温かい汁物、短めのぬるめ入浴などが使いやすいです。
陰虚(いんきょ) 〜ほてり・寝汗・のぼせが出やすい状態〜
陰は、身体を潤し、熱を鎮める働きと関係します。
陰虚タイプでは、
- 手足がほてる
- 顔がのぼせる
- 夜に身体が熱い
- 寝汗をかく
- 口が渇く
- 眠りが浅い
- イライラと不安が混ざる
- 温活をすると寝苦しい
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、温めすぎに注意が必要です。
妊活中だからといって、カイロ、半身浴、サウナ、お灸を頑張りすぎると、かえって不眠やのぼせにつながることがあります。
冷え対策は必要でも、熱をこもらせない工夫が大切です。
肝鬱気滞(かんうつきたい) 〜不安で気が滞り、身体がこわばる状態〜
肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係します。
着床期は、結果を待つ不安で肝気が滞りやすくなります。
肝鬱気滞タイプでは、
- ため息が増える
- 胸や喉がつまる
- 肩や首がこる
- お腹に力が入る
- 寝る前に検索が止まらない
- 判定日前に落ち着かない
- 夫婦で話すと感情が強く出る
- 身体の小さな変化が気になる
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、温めることよりも、気を巡らせることが必要な場合があります。
軽く歩く。
肩を回す。
深く息を吐く。
足裏を感じる。
不安をメモにする。
寝る前の検索を減らす。
これらが大切です。
脾虚(ひきょ) 〜胃腸が弱り、気血を作りにくい状態〜
脾は、胃腸の働き、食べたものから気血を作る力、水分代謝と関係します。
着床期に緊張が強いと、胃腸が弱る方がいます。
脾虚タイプでは、
- 食欲が落ちる
- 胃が重い
- 食後に眠くなる
- 軟便になりやすい
- 便秘と下痢をくり返す
- むくみやすい
- 朝から身体が重い
- 甘いものが欲しくなる
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、お腹を外から温めるより、胃腸を冷やさない食事が大切です。
温かい味噌汁、卵、豆腐、魚、鶏肉のスープ、やわらかく煮た野菜を意識しましょう。
瘀血(おけつ) 〜血の巡りが滞りやすい状態〜
瘀血は、血の巡りが滞りやすい状態です。
瘀血タイプでは、
- 月経痛が強い
- 経血にかたまりがある
- 下腹部が冷える
- 肩こりや腰痛が強い
- 顔色がくすみやすい
- 同じ場所が痛みやすい
- 子宮内膜症や筋腫を指摘されたことがある
- 長時間座りっぱなしが多い
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、温めるだけでなく、固まりすぎないことが大切です。
座りっぱなしを減らす。
足首を回す。
軽く歩く。
呼吸を整える。
下半身を締めつけすぎない。
強い刺激より、やさしく巡らせる意識を持ちましょう。
血虚(けっきょ) 〜身体と心を養う力が不足しやすい状態〜
血は、身体を養い、心を落ち着かせる働きと関係します。
血虚タイプでは、
- めまいがしやすい
- 立ちくらみがある
- 顔色が青白い
- 爪が割れやすい
- 髪がぱさつく
- 眠りが浅い
- 夢をよく見る
- 不安になりやすい
といった状態が出やすくなります。
このタイプの方は、温めることだけでなく、眠ること、食べること、休むことが大切です。
着床期に眠れない場合でも、自分を責めすぎないでください。
横になって身体を休めるだけでも、身体には意味があります。
着床期におすすめのツボ
ツボ押しは、着床、妊娠、子宮内膜、ホルモン値、胚の状態を改善するとお約束するものではありません。
また、不妊症や婦人科疾患を診断したり治療したりするものでもありません。
けれど、着床期の不安、呼吸の浅さ、冷え、胃腸の重さ、眠りの浅さに気づくセルフケアとして取り入れることはできます。
胚移植後や妊娠の可能性がある時期は、強い刺激を避けてください。
神門(しんもん) 〜不安・眠りの浅さ・考えすぎ〜
手首の小指側、手首のしわの近くにあります。
寝る前に妊活のことを考えすぎる時、不安で眠れない時に使いやすいツボです。
スマホを置いて、神門に触れながら深く息を吐いてみましょう。
内関(ないかん) 〜胸のざわざわ・胃のむかつき・緊張〜
手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。
胸のつかえ、不安、胃のむかつき、呼吸の浅さがある時に使いやすいツボです。
胚移植後や判定日前の緊張にもおすすめです。
足三里(あしさんり) 〜胃腸・疲れ・体力の土台〜
膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。
胃腸の働きや疲れを意識する時に使いやすいツボです。
着床期に食欲が落ちる方、胃腸が弱っている方におすすめです。
太衝(たいしょう) 〜焦り・イライラ・気の巡り〜
足の甲にあり、足の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあります。
焦り、イライラ、検索しすぎ、肩や首の緊張がある時に使われることがあります。
強く押しすぎず、足の甲をさするように触れてみましょう。
三陰交(さんいんこう) 〜冷え・婦人科系の身体づくり〜
内くるぶしの上、指4本分ほど上にあります。
婦人科系のケアでよく使われるツボです。
ただし、妊娠中や妊娠の可能性がある時期、胚移植後は強く押し込まないでください。
セルフケアとして行うなら、押すよりも、レッグウォーマーなどで冷やしすぎない程度にしましょう。
着床期に気をつけたい症状
着床期は、体調の変化が気になりやすい時期です。
軽い下腹部の違和感や眠気、胸の張り、気分の変化は、ホルモン剤や月経前の変化でも起こることがあります。
ただし、次のような症状がある場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、医療機関へ相談してください。
- 強い腹痛
- 出血が多い
- 発熱
- 強いお腹の張り
- 息苦しさ
- 吐き気や嘔吐
- 水分がとれない
- 尿量が少ない
- めまいやふらつき
- 採卵後の症状が悪化している
- 薬の使い方に不安がある
特に、採卵後から胚移植に進んでいる方は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などに注意が必要な場合があります。
不安な症状がある時は、早めに医療機関へ確認しましょう。
今日からできる3つのこと
1.お腹は「熱くする」より「冷やしすぎない」
着床期のお腹は、熱くする必要はありません。
目安は、心地よく冷えを防ぐことです。
薄手の腹巻き。
ひざ掛け。
足元の保温。
冷房の風向き調整。
温かい汁物。
これくらいで大丈夫です。
熱いカイロや長時間の温熱刺激は避けましょう。
2.寝る前の温活を強くしすぎない
寝る前に温活を頑張りすぎると、のぼせや不眠につながることがあります。
熱いお風呂。
長時間の半身浴。
サウナ。
強いお灸。
厚着のしすぎ。
これらは体質によって負担になることがあります。
眠りやすさを優先しましょう。
3.不安な時は、お腹を押さずに手を当てる
着床期は、お腹の感覚が気になりやすいです。
でも、強く押したり、揉んだり、温めすぎたりする必要はありません。
不安な時は、お腹に手を当てて、息を長く吐いてみましょう。
「結果を変えるため」ではなく、「今の自分を落ち着かせるため」に行うセルフケアです。
鍼灸でできるサポート
着床期や胚移植後の身体には、胚の状態、子宮内膜、ホルモン補充、薬、年齢、治療方針、睡眠、不安、冷え、胃腸、自律神経の緊張など、さまざまな要素が関わります。
そのため、鍼灸だけで着床、妊娠、子宮内膜、ホルモン値、胚の状態、卵子の質の改善をお約束することはできません。
また、当院で不妊症や婦人科疾患を診断したり、病院での検査や治療の代わりを行ったりすることもできません。
胚移植後の過ごし方、入浴、運動、性交渉、薬、出血や腹痛への対応については、必ずかかりつけの医療機関の指示に従ってください。
そのうえで、妊活中の身体づくりとして、
- 着床期の冷え対策を相談したい
- 温めすぎが不安
- 胚移植後の過ごし方を整理したい
- 冷えとのぼせが同時にある
- 胃腸の働きを整えたい
- 眠りを整えたい
- 自律神経の緊張をやわらげたい
- 判定日前の不安を相談したい
という方に対して、鍼灸でサポートできることがあります。
当院では、病院での検査や治療方針を大切にしながら、東洋医学の視点で気血水、肝・脾・腎、陰陽、瘀血、冷え、湿、血虚の状態を見ていきます。
着床期のお腹の温め方を、
「冷やしたらだめ」
「温めなければ」
「何かしないと不安」
と見るのではなく、
「冷えすぎていないか」
「温めすぎていないか」
「のぼせや不眠がないか」
「胃腸は弱っていないか」
「呼吸は浅くなっていないか」
「検索で心が疲れていないか」
「医療機関の指示と矛盾していないか」
という視点で丁寧に確認していきます。
当院の考え方
着床期は、とても不安になりやすい時期です。
ここまで治療を頑張ってきた。
採卵も乗り越えた。
受精確認も待った。
胚の成長も祈った。
移植も終えた。
あとは判定日を待つだけ。
だからこそ、少しの冷えやお腹の感覚が気になります。
「お腹が冷えたからだめかもしれない」
「もっと温めた方がいいのかな」
「何もしないのが怖い」
「できることを全部したい」
そう思うのは自然です。
でも、着床期の身体に必要なのは、強い温活ではありません。
冷えすぎないこと。
温めすぎないこと。
胃腸を守ること。
眠れる環境を作ること。
呼吸を整えること。
不安な時は、お腹に手を当てて落ち着くこと。
小さなことで大丈夫です。
着床期の養生は、結果を無理にコントロールするためのものではありません。
判定日までの時間を、少しでも穏やかに過ごすためのものです。
奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で、着床期のお腹の温め方、胚移植後の冷え対策、温めすぎ、冷房冷え、判定日前の不安、体質改善に悩んでいる方へ。
「着床期にお腹を温めすぎてもいいのか不安」
「胚移植後の過ごし方を相談したい」
「冷えとのぼせがあり、温め方が分からない」
「判定日前に不安で検索してしまう」
「病院の治療と並行して体質を整えたい」
そんな時は、うまく言葉にできなくても大丈夫です。
病院での検査や治療方針を大切にしながら、今のお身体とお気持ちを一緒に整理していきましょう。
胚移植後の出血、強い腹痛、発熱、強いお腹の張り、息苦しさ、吐き気や嘔吐、水分がとれない、薬の使い方への不安、妊娠の可能性がある時期の体調不良がある場合は、クリニックや病院など、専門の医療機関へ早めに相談してください。
この記事を書いた人
ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者
奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経の緊張・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。
当院は女性のための鍼灸院です。男性の施術は、既存患者様からのご紹介、またはご夫婦でのご来院に限り、他の方と重ならない時間帯で対応しております。
「冷やしたら着床しないと思い、暑いのに腹巻きや温活をやめられない」
「ちょっとお腹が冷たいだけで、『もうダメかも』と検索して落ち込んでしまう」
奈良・上牧町の蓮心はり灸堂は、そんなふうに「結果を出さなきゃ」「冷やしちゃいけない」と必死に頑張りすぎて、心も身体ものぼせたり、こわばったりしている女性のための鍼灸院です。
妊活中の「冷え対策」は大切ですが、不安からくる過度な温活は、かえって自律神経を乱し、不眠や胃腸の弱り、息苦しさにつながることがあります。
当院では、強いお灸で無理やり熱を入れるようなことはいたしません。
東洋医学の視点であなたのお身体に触れ、「冷えすぎているのか」「実は温めすぎて熱がこもっているのか」「不安で気が滞っているのか」を優しく紐解き、今の時期に一番“心地よい”状態へと巡りを整えていきます。
「温め方が分からない」
「判定日まで不安でたまらない」
そんな時は、ひとりで抱え込まず、当院でホッと息をつきにいらしてください。
病院での治療を一番に大切にしながら、あなたが一番穏やかな気持ちで判定日を迎えられるよう、そっとサポートさせていただきます。
参考・出典
日本生殖医学会『生殖医療Q&A 体外受精・胚移植』
日本生殖医学会『生殖医療ガイドライン』
日本産科婦人科学会『不妊症に関する情報』
日本産婦人科医会『生殖補助医療』
アメリカ生殖医学会(ASRM)『胚移植に関するガイドライン』
米国産科婦人科学会(ACOG)『妊娠初期のサウナ・ホットタブに関する情報』
厚生労働省『熱中症を防ぎましょう』
厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』
厚生労働省『こころと体のセルフケア 腹式呼吸をくりかえす』
世界保健機関(WHO)『不妊に関するファクトシート』

