パートナーと治療費を話すコツ

男性不妊とご夫婦で取り組む妊活ケアを表すブログ画像

朝の記事では、男性の暑熱環境と精子への影響についてお話ししました。

妊活は、女性だけが頑張るものではありません。

卵子だけでなく精子も関わります。
通院だけでなく生活習慣も関わります。
身体だけでなく、心も関わります。
そして、治療には費用も関わります。

不妊治療を続けていると、どこかのタイミングでお金の話が必要になることがあります。

  • 検査費用
  • 通院費
  • 薬代
  • 人工授精
  • 体外受精
  • 顕微授精
  • 胚凍結
  • 凍結更新料
  • 先進医療
  • 自費診療
  • サプリメント
  • 鍼灸や整体などのケア
  • 仕事を休むことによる収入面の不安
  • 交通費
  • 夫婦の生活費
  • 将来への貯蓄

妊娠したい気持ちがあるほど、治療費の話はつらくなりやすいです。

「お金のことで治療をやめる(または 諦める)なんて言いたくない」
「でも、どこまで続けられるのか不安」
「自分だけが費用を気にしているようで言い出しにくい」
「パートナーが治療費の現実を分かっていない気がする」
「お金の話をすると、妊活への気持ちを疑われそう」
「治療を続けたい気持ちと、生活の不安がぶつかる」

このような気持ちになる方は少なくありません。

まず、お伝えしたいことがあります。

治療費の話をすることは、妊活を諦める話ではありません。
夫婦で安心して治療を続けるために、現実を一緒に確認する大切な話し合いです。

お金の話は、愛情が薄いからするものではありません。

妊娠への気持ちが弱いからするものでもありません。

むしろ、これからの治療をどう続けるか、夫婦で同じ方向を見ていくために必要な話です。

今日は、パートナーと不妊治療の費用を話す時のコツを、責め合わない形で整理していきます。

目次

不妊治療の費用は「見えにくい不安」になりやすい

不妊治療の費用がつらい理由は、単に高いからだけではありません。

見通しが立ちにくいからです。

1回で終わるのか。
何回続くのか。
次にどんな検査が必要なのか。
保険適用になるのか。
自費になるのか。
先進医療を使うのか。
凍結や保存に費用がかかるのか。
仕事をどれくらい休むのか。

治療が進むたびに、予定していなかった費用が出てくることがあります。

最初は、

「まず検査だけ」
「人工授精を数回」
「体外受精に進むかもしれない」

と思っていても、実際には通院、薬、検査、採卵、移植、凍結、追加検査などで費用が積み重なります。

この「先が読めない感じ」が、夫婦の不安を大きくします。

だからこそ、治療費の話は、感情だけで話すより、数字を見える形にすることが大切です。

まず知っておきたい保険適用と自費診療

現在、日本では、人工授精などの一般不妊治療、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療が保険適用の対象となっています。

ただし、すべての治療が無制限に保険で受けられるわけではありません。

年齢や回数の条件があります。

また、基本的な診療は保険適用でも、患者さんの状態や希望によって追加される治療、検査、先進医療、自費診療が関わることがあります。

つまり、不妊治療の費用を考える時は、

  • 保険適用になるもの
  • 自費になるもの
  • 先進医療として保険診療と併用できる可能性があるもの
  • 医療機関ごとに費用が変わるもの
  • 後から発生する可能性があるもの

を分けて見る必要があります。

費用は医療機関、治療内容、薬、採卵数、受精方法、胚凍結、検査内容によって変わります。

インターネット上の費用例だけで判断せず、通っている医療機関で見積もりや説明を確認しましょう。

高額療養費制度も確認しておきましょう

保険診療であっても、体外受精や顕微授精では、同じ月に医療費が大きくなることがあります。

その場合、高額療養費制度の対象になることがあります。

高額療養費制度は、医療機関や薬局で支払う医療費が、月ごとの自己負担限度額を超えた場合に、その超えた分が支給される制度です。

自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。

ただし、すべての費用が対象になるわけではありません。

自費診療、先進医療の一部、差額、文書料、交通費、サプリメント、鍼灸などは対象外になることがあります。

また、月をまたぐと計算が変わることもあります。

治療計画を立てる時は、

  • 保険診療の範囲
  • 自費診療の範囲
  • 高額療養費制度の対象になるか
  • 限度額適用認定証やマイナ保険証の利用
  • 月をまたぐ治療費の考え方
  • 加入している健康保険組合の制度
  • 自治体や勤務先の支援制度

を確認しておくと安心です。

治療費の話が夫婦で難しくなる理由

不妊治療の費用の話は、単なる家計の話ではありません。

そこには、妊娠への思い、年齢への焦り、身体的負担、仕事、夫婦関係、将来への不安が重なります。

女性側に負担が偏りやすい

不妊治療では、女性側が通院、採血、内診、注射、採卵、胚移植、薬の管理を担う場面が多くなります。

そのため、

「身体の負担は私が受けている」
「仕事の調整も私がしている」
「なのに費用の話まで私がしないといけないの?」

と感じる方がいます。

一方で男性側は、

「何をすればいいか分からない」
「お金の話をすると妻を傷つけそう」
「治療の細かい内容を理解できていない」
「自分は精液検査くらいしか関われていない」

と感じていることがあります。

お互いに悪気がなくても、見えている負担が違うため、すれ違いやすくなります。

お金の話が「本気度の話」に聞こえてしまう

治療費について話すと、

「お金がもったいないと言われている気がする」
「子どもを望む気持ちが弱いと思われそう」
「治療をやめたいと言われたように感じる」

ことがあります。

でも、治療費の話は、妊娠を望む気持ちの強さを比べる話ではありません。

どのように治療を続けるかを考える話です。

「お金の話=妊活への気持ちが弱い」

ではありません。

安心して治療を続けるために必要な確認です。

金銭感覚が違う

夫婦でも、金銭感覚は違います。

貯金を優先したい人。
今できる治療を優先したい人。
ローンや生活費が気になる人。
後悔したくないからできるだけ進みたい人。
医療費以外の支出も気になる人。
将来の子育て費用まで考える人。

どちらが正しい、どちらが間違いという話ではありません。

見ている時間軸が違うことがあります。

妊活の治療費を話す時は、「正解を出す」より「お互いが何を不安に思っているか」を聞くことが大切です。

パートナーと治療費を話す前に準備したいこと

治療費の話は、感情が高ぶっている時に始めると、責め合いになりやすいです。

まずは、話す前に少し準備しましょう。

1.今までかかった費用を書き出す

まずは、これまでにかかった費用をざっくり書き出します。

完璧でなくて大丈夫です。

  • 検査費用
  • 通院費
  • 薬代
  • 人工授精
  • 体外受精
  • 顕微授精
  • 採卵
  • 胚移植
  • 胚凍結
  • 保存料
  • 先進医療
  • サプリメント
  • 鍼灸や整体などのケア
  • 交通費
  • 仕事を休んだ分の影響

レシートや明細があれば、まとめておくと話しやすくなります。

「思ったよりかかっているね」
「この部分は保険で、この部分は自費なんだね」

と、数字を一緒に見ることができます。

2.これからかかりそうな費用を確認する

次に、今後かかりそうな費用を確認します。

医療機関で、

「次の周期で必要な費用の目安はどれくらいですか?」
「保険適用と自費の部分を教えてください」
「先進医療を使う場合、追加費用はどれくらいですか?」
「凍結や保存にかかる費用はありますか?」
「採卵数によって費用は変わりますか?」
「高額療養費制度の対象になりそうですか?」

と聞いておくと、夫婦で話しやすくなります。

費用の不安は、分からない時ほど大きくなります。

分かる範囲だけでも数字にすると、不安が少し整理されます。

3.家計全体を見える化する

不妊治療費だけを見ると、判断が難しくなることがあります。

家計全体の中で考えましょう。

  • 毎月の収入
  • 毎月の生活費
  • 家賃や住宅ローン
  • 車の費用
  • 保険
  • 通信費
  • 食費
  • 貯金
  • 予備費
  • 将来の支出
  • 治療に使える金額

「治療費だけを特別扱いする」のではなく、生活全体の中でどれくらい使えるかを一緒に見ることが大切です。

4.自分の気持ちを書いておく

治療費の話では、数字だけでなく気持ちも大切です。

話す前に、自分の気持ちを書いてみましょう。

「治療を続けたい」
「でも費用が不安」
「後悔したくない」
「仕事を休むのがつらい」
「自分ばかり通院している気がする」
「パートナーにも一緒に考えてほしい」
「お金の話をすると責めているように聞こえないか不安」
「区切りを決めるのが怖い」

書いてみると、相手に伝えたいことが整理されます。

パートナーと話す時のコツ

ここからは、実際にパートナーと治療費を話す時のコツを紹介します。

1.疲れている夜に話し合わない

治療費の話は、疲れている夜に始めると、感情的になりやすいです。

仕事後。
通院後。
採卵結果を聞いた日。
判定日前。
月経前。
寝る直前。

このようなタイミングは、話し合いに向かないことがあります。

可能であれば、

  • 休日の午前中
  • 食後で落ち着いている時間
  • 予定が詰まっていない日
  • 30分だけと時間を決める
  • 次の日に大事な予定がない時

に話す方がよいです。

妊活の大事な話ほど、体力が残っている時間にしましょう。

2.最初に「責めたいわけではない」と伝える

お金の話は、受け取る側が身構えやすいです。

最初に、

「責めたいわけではなくて、一緒に整理したい」
「治療をやめたいという話ではなく、安心して続けるために話したい」
「私ひとりで抱えると不安が大きくなるから、一緒に見てほしい」

と伝えると、話し合いの空気が少しやわらぎます。

言い方ひとつで、相手の受け止め方は変わります。

3.「あなたは分かっていない」ではなく「私は不安」と伝える

つい言いたくなる言葉があります。

「全然分かってないよね」
「私ばかり考えてる」
「あなたは楽でいいよね」
「お金のこと、ちゃんと考えてる?」

この言葉が出る背景には、たくさんの不安や孤独があります。

でも、相手は責められたと感じ、防御的になりやすいです。

できれば、

「私は治療費の見通しが分からなくて不安」
「私だけで決めている感じがして、少ししんどい」
「一緒に数字を見てくれると安心する」
「今後どこまで続けるか、ふたりで考えたい」

という形に変えてみましょう。

自分の気持ちを主語にすると、責める会話になりにくくなります。

4.数字を紙に書いて話す

治療費の話は、頭の中だけで話すと混乱します。

紙やスマホのメモ、表にして見える化しましょう。

たとえば、

  • 今までかかった費用
  • 次周期にかかる費用の目安
  • 保険適用の部分
  • 自費の部分
  • 毎月治療に使える金額
  • 貯金から使える上限
  • 交通費
  • 仕事を休む影響
  • サプリメントやケアの費用

を書き出します。

数字が見えると、感情のぶつけ合いになりにくくなります。

「こんなにかかっているんだ」
「ここは見直せそうだね」
「この検査は医師に必要性を聞いてみよう」
「次の周期まではこの予算で考えよう」

と、現実的な話に進みやすくなります。

5.治療費以外の負担も書き出す

不妊治療の負担は、お金だけではありません。

女性側には、

  • 通院
  • 採血
  • 内診
  • 注射
  • 薬の管理
  • 採卵
  • 胚移植
  • 仕事の調整
  • 体調不良
  • 判定日前の不安
  • 周囲への説明

があります。

男性側にも、

  • 精液検査
  • 採精
  • 仕事の調整
  • 経済面のプレッシャー
  • 妻を支えたいけれど何をすればいいか分からない不安
  • 男性不妊を指摘された時のショック

があります。

お金の話をする時に、身体的・精神的負担も一緒に見える化すると、相手の負担に気づきやすくなります。

「費用の話」だけでなく、「夫婦でどう支え合うか」の話にしていきましょう。

6.上限を決めることは、冷たいことではありません

治療費について話す時、上限を決めることに抵抗がある方がいます。

「上限を決めるなんて、諦めるみたい」
「お金で命を考えているようでつらい」
「区切りを決めたら、希望がなくなる気がする」

そう感じるのは自然です。

でも、上限を決めることは、冷たいことではありません。

夫婦の生活を守りながら、治療を続けるための安全ラインです。

たとえば、

  • まず次の採卵まで
  • 胚移植を何回まで
  • 今年いっぱい
  • 貯金のうちこの金額まで
  • 保険適用の範囲を中心に
  • 自費診療は医師の説明を聞いてから判断
  • 先進医療は必要性と費用を確認してから

というように、段階的に決めることもできます。

一度決めたら絶対に変えられないわけではありません。

治療結果や体調、家計、気持ちに応じて、見直してよいのです。

7.「今すぐ結論を出さない」ことも大切

治療費の話は、1回で結論を出そうとすると苦しくなります。

特に、

  • 体外受精へ進むか
  • 顕微授精を行うか
  • 先進医療を使うか
  • 自費診療を追加するか
  • 治療を休むか
  • 区切りをどうするか

という話は、感情が大きく動きます。

その場で決めなくても大丈夫です。

「今日は数字を確認するだけ」
「次回は医師に質問する内容を決めるだけ」
「結論は診察後にもう一度話す」

というように、話し合いを分けましょう。

大事な話ほど、一度で決めない勇気も必要です。

治療費について医療機関に聞きたいこと

パートナーと話す前後で、医療機関にも確認しておくと安心です。

保険適用について

  • 今回の治療は保険適用ですか?
  • 自費になる部分はありますか?
  • 先進医療を併用する可能性はありますか?
  • 保険適用の回数はあと何回ありますか?
  • 年齢や回数の条件に関係しますか?

費用の見通しについて

  • 次周期の費用の目安はどれくらいですか?
  • 採卵数によって費用は変わりますか?
  • 顕微授精にした場合、費用は変わりますか?
  • 胚凍結や保存料はどれくらいですか?
  • 胚移植まで進んだ場合、追加費用はありますか?
  • キャンセルになった場合の費用はどうなりますか?

制度について

  • 高額療養費制度の対象になりそうですか?
  • 限度額適用認定証やマイナ保険証での対応はありますか?
  • 先進医療の費用はどう扱われますか?
  • 自治体の助成や勤務先の制度で確認すべきことはありますか?
  • 領収書や明細はどのように保管すればよいですか?

仕事との両立について

  • 採卵日はいつ頃決まりそうですか?
  • 仕事を休む可能性が高い日はいつですか?
  • 通院回数の目安はどれくらいですか?
  • 不妊治療連絡カードを使えますか?
  • 会社へ伝える場合、どのように説明すればよいですか?

医療機関に費用を聞くことは、失礼ではありません。

安心して治療を受けるために必要な確認です。

家計で見直せるもの、見直さなくてよいもの

治療費が気になると、何でも削らなければいけない気持ちになることがあります。

でも、妊活中は、心身を支える費用まで全部削るとつらくなることがあります。

見直しやすいもの

  • 使っていないサブスク
  • なんとなく続けている買い物
  • 外食の頻度
  • 飲み物代
  • 重複している保険やサービス
  • 必要性が曖昧なサプリメント
  • 効果を感じていない高額なケア
  • 情報商材や不安をあおる商品

慎重に考えたいもの

  • 医師から必要と言われている治療や薬
  • 基本的な食事
  • 睡眠環境
  • 通院のための交通費
  • 心身の回復に必要な時間
  • 強い不安を支える相談先
  • 生活を維持するために必要な支出

削ることだけが正解ではありません。

妊活中は、続けるために必要な支えもあります。

「不安だから何でも買う」でもなく、
「お金が不安だから全部やめる」でもなく、
必要なものと見直せるものを分けて考えましょう。

夫婦で決めておきたいこと

治療費については、次のようなことを夫婦で決めておくと安心です。

1.治療費の管理方法

どちらが領収書を保管するか。
家計簿アプリを使うか。
治療費専用の口座を作るか。
毎月いくら確認するか。
支払いはどちらのカードにするか。

細かいことですが、決めておくと後で揉めにくくなります。

2.毎月の上限

毎月、治療や妊活関連に使える金額を決めておくと、安心しやすくなります。

医療費。
サプリメント。
鍼灸。
交通費。
検査。
食事改善。

全部を一緒に考えると、費用の全体像が見えやすくなります。

3.追加治療を受ける時のルール

先進医療や自費診療、追加検査を提案された時に、どう判断するかを決めておきましょう。

たとえば、

  • その場で決めず、一度持ち帰る
  • 医師に必要性を確認する
  • 費用と目的を紙に書く
  • 夫婦で話してから決める
  • 予算を超える場合は再相談する

というルールです。

4.治療の区切り

治療の区切りは、とてもつらい話です。

今すぐ決める必要はありません。

ただ、どこかのタイミングで、

  • 何回まで採卵するか
  • 何回まで移植するか
  • いつ見直すか
  • 休む周期を作るか
  • 夫婦で何を大切にしたいか

を話す必要が出てくることがあります。

区切りは「諦め」ではありません。

心と身体と生活を守るための確認です。

パートナーに伝える時の例文

治療費の話を切り出す時、どのように言えばよいか分からない方もいます。

そのまま使える形で例文を紹介します。

やわらかく切り出す場合

「少し治療費のことを一緒に整理したいんだけど、今度の休みに30分だけ時間を作れるかな。責めたいわけではなくて、私ひとりで考えていると不安が大きくなるから、一緒に見てほしい。」

不安を伝える場合

「治療を続けたい気持ちはあるんだけど、これからどれくらい費用がかかるのか分からなくて不安になっている。やめたいという話ではなくて、安心して続けるために一緒に考えたい。」

パートナーに参加してほしい場合

「病院の説明や費用のことを、私だけで受け止めている感じがして少ししんどい。次の診察で聞くことを一緒に考えてくれると助かる。」

上限を話したい場合

「治療を続けたい気持ちはあるけれど、生活費や貯金も心配になっている。どこまでなら無理なく続けられるか、今のうちに一緒に確認しておきたい。」

追加治療を相談したい場合

「追加の検査を提案されたけれど、費用もかかるみたい。すぐに決めずに、目的と費用を確認してから一緒に判断したい。」

言葉は、そのままでなくても大丈夫です。

大切なのは、責めるのではなく、一緒に考えたいという姿勢を伝えることです。

パートナーから言われると傷つきやすい言葉

治療費の話では、何気ない言葉が相手を傷つけることがあります。

たとえば、

「そんなにかかるの?」
「自然に任せればいいんじゃない?」
「もう少し安い方法はないの?」
「そこまでして必要?」
「また病院?」
「自分はどっちでもいい」
「お金のことは任せる」
「気にしすぎじゃない?」

言った側に悪気がなくても、受け取る側は深く傷つくことがあります。

不妊治療では、女性側が身体的負担を大きく受けていることが多いです。

費用の話をする時は、まずその負担を認める言葉があると安心しやすくなります。

「通院も治療も本当に大変だよね」
「一緒に考えよう」
「お金のことも、身体のことも、ひとりで抱えなくていいよ」
「次の診察で聞くことを一緒に整理しよう」

このような言葉があるだけで、話し合いは大きく変わります。

男性側ができること

不妊治療の費用を話す時、男性側ができることもたくさんあります。

1.治療内容を知る

人工授精。
体外受精。
顕微授精。
採卵。
胚移植。
ホルモン補充。
凍結。
判定日。

これらがどのような流れなのかを知るだけでも、女性側の孤独感は減ります。

2.費用を一緒に確認する

領収書や明細を一緒に見る。
医療機関の費用表を確認する。
次周期の費用を聞く。
高額療養費制度を調べる。
会社の制度を確認する。

お金の管理を女性側だけに任せないことが大切です。

3.精液検査を受ける

男性側の検査は、夫婦の治療方針を考えるために大切です。

精液検査を受けることで、人工授精、体外受精、顕微授精などの選択肢を考えやすくなります。

4.仕事の調整を考える

採卵日や胚移植日、採精日など、男性側にも関わる日があります。

仕事を休めるか。
付き添えるか。
採精のスケジュールをどうするか。
急な予定変更に対応できるか。

一緒に考えることが大切です。

5.感情面を支える

治療費の話は、数字だけではありません。

女性側は、身体の負担と結果への不安を抱えています。

「どうする?」だけでなく、

「怖いよね」
「一緒に聞こう」
「ひとりで抱えなくていいよ」
「今日はお金の話じゃなくて、まず休もう」

という言葉も大切です。

話し合いがうまくいかない時

夫婦で話し合おうとしても、うまくいかないことがあります。

相手が避ける。
話すと喧嘩になる。
どちらかが泣いてしまう。
結論が出ない。
治療への温度差がある。
費用への考え方が違う。

このような場合、ふたりだけで解決しようとしすぎなくても大丈夫です。

医療機関のカウンセリング。
不妊カウンセラー。
心理士。
自治体の相談窓口。
信頼できる専門家。
必要に応じて夫婦カウンセリング。

第三者を挟むことで、話しやすくなることがあります。

不妊治療は、医療だけでなく、心と生活の問題でもあります。

つらい時は、相談先を増やすことも選択肢です。

東洋医学では、治療費の不安をどう見るのでしょうか

東洋医学には、治療費そのものを解決する方法はありません。

お金の計算、保険適用、自費診療、高額療養費制度、先進医療、家計の判断は、医療機関や公的制度、家計の状況に合わせて確認する必要があります。

ただし、治療費への不安が身体に影響することはあります。

ここでいう肝、脾、心、腎、気血は、西洋医学の臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きやリズムを表す東洋医学的な考え方です。

肝鬱気滞(かんうつきたい) 〜不安や我慢で気が滞る状態〜

肝は、気の巡りやストレス、自律神経のような働きと関係します。

治療費の話を我慢していると、

  • ため息が増える
  • 胸や喉がつまる
  • 肩や首がこる
  • イライラしやすい
  • 夫婦の会話がつらい
  • 月経前に感情が揺れやすい
  • 寝る前に考えごとが止まらない

といった状態が出やすくなります。

このタイプの方は、不安をひとりで抱え込まず、言葉にすることが大切です。

「責めたいわけではなく、一緒に整理したい」と伝えることも、気の巡りを助ける一歩です。

心脾両虚(しんぴりょうきょ) 〜考えすぎで眠りと胃腸が弱る状態〜

心は眠りや精神活動、脾は胃腸や気血を作る力と関係します。

治療費や治療方針を考えすぎると、

  • 眠りが浅い
  • 夢をよく見る
  • 動悸がする
  • 食欲が落ちる
  • 胃が重い
  • 朝から疲れている
  • 不安になりやすい
  • 考えすぎると胃腸にくる

といった状態が出やすくなります。

このタイプの方は、夜にお金の話をしないことが大切です。

話し合いは昼間に短時間で行い、夜は身体を休める時間にしましょう。

腎虚(じんきょ) 〜妊活の長期化で心身が消耗している状態〜

腎は、東洋医学では生殖の土台、年齢に伴う変化、足腰、冷え、睡眠と関係が深いと考えます。

妊活が長くなると、

  • 年齢への焦りがある
  • AMHの数値が気になる
  • 採卵数が不安
  • 治療費が増えて焦る
  • 疲れが抜けにくい
  • 明け方に目が覚める
  • 足腰が冷える
  • 休むことに罪悪感がある

といった状態が出やすくなります。

このタイプの方は、さらに頑張ることより、回復する時間も必要です。

治療費の話も、心身が消耗している時に一気に決めないことが大切です。

脾虚(ひきょ) 〜不安で胃腸が弱る状態〜

脾は、胃腸の働き、食べたものから気血を作る力、水分代謝と関係します。

治療費の不安が続くと、胃腸に出る方もいます。

  • 食欲が落ちる
  • 胃が重い
  • 食後に眠くなる
  • 軟便になりやすい
  • むくみやすい
  • 甘いものが欲しくなる
  • 朝から身体が重い
  • 冷たい飲み物でお腹がゆるくなる

という状態です。

このタイプの方は、話し合いの前後に食事を抜かないことも大切です。

温かい味噌汁やスープなど、胃腸にやさしいものを入れましょう。

治療費の不安が強い時におすすめのツボ

ツボ押しは、治療費の問題を解決したり、妊娠を保証したりするものではありません。

また、不妊症や不安障害を診断したり治療したりするものでもありません。

けれど、話し合い前の緊張、胸のざわざわ、眠りの浅さ、胃の重さに気づくセルフケアとして取り入れることはできます。

強く押し込まず、息を吐きながら、気持ちよい程度に触れてください。

内関(ないかん) 〜胸のざわざわ・胃のむかつき・緊張〜

手首の内側、しわから指3本分ほどひじ寄りの中央にあります。

治療費の話をしようとすると胸がざわざわする方、胃が重くなる方に使いやすいツボです。

神門(しんもん) 〜不安・眠りの浅さ・考えすぎ〜

手首の小指側、手首のしわの近くにあります。

寝る前に治療費や治療方針を考えすぎて眠れない時に使いやすいツボです。

スマホを置いて、神門に触れながら深く息を吐いてみましょう。

太衝(たいしょう) 〜イライラ・焦り・気の巡り〜

足の甲にあり、足の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあります。

夫婦で話すと感情が強く出る方、焦りやイライラがある方に使われることがあります。

強く押しすぎず、足の甲をさするように触れてみましょう。

足三里(あしさんり) 〜胃腸・疲れ・体力の土台〜

膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下にあります。

不安で食欲が落ちる方、通院や仕事で疲れている方におすすめです。

今日からできる3つのこと

1.治療費を「責める話」ではなく「一緒に見る話」にする

まずは、話し合いの目的を変えましょう。

「なぜ分かってくれないの?」ではなく、
「一緒に整理したい」と伝えること。

これだけでも、会話の入口が変わります。

お金の話は、妊活への本気度を測るものではありません。

安心して治療を続けるための確認です。

2.数字を紙に書き出す

頭の中だけで考えると、不安が大きくなります。

今までかかった費用。
次にかかりそうな費用。
保険適用の部分。
自費の部分。
毎月使える金額。
高額療養費制度で確認すること。
医療機関に聞くこと。

まずは書き出してみましょう。

数字にすると、怖さが少し整理されます。

3.話し合いは30分で区切る

治療費の話は、長くなると疲れます。

最初は30分で十分です。

今日は数字を見るだけ。
次は医師に聞くことを決めるだけ。
結論は診察後に話す。

このように分けると、感情的になりにくくなります。

鍼灸でできるサポート

不妊治療の費用には、保険適用、自費診療、先進医療、高額療養費制度、治療回数、年齢、医療機関ごとの費用、仕事との両立、家計の状況など、さまざまな要素が関わります。

そのため、鍼灸で治療費の問題を解決したり、保険適用の判断をしたり、医療費の制度を個別に確定したりすることはできません。
また、当院で不妊治療の医学的方針や費用の妥当性を診断・判断することもできません。

治療費、保険適用、自費診療、先進医療、高額療養費制度については、かかりつけの医療機関、加入している健康保険、自治体、勤務先の制度などで確認してください。

そのうえで、妊活中の身体づくりとして、

  • 治療費の不安で眠れない
  • 夫婦で話すと身体が緊張する
  • 通院と仕事で疲れている
  • 胃腸が弱っている
  • 採卵や移植に向けて身体を整えたい
  • 自律神経の緊張をやわらげたい
  • 不妊治療の負担をひとりで抱えている
  • 夫婦で妊活を進める不安を整理したい

という方に対して、鍼灸でサポートできることがあります。

当院では、病院での治療方針を大切にしながら、東洋医学の視点で気血水、肝・脾・腎、心、冷え、瘀血、湿の状態を見ていきます。

治療費の不安を、

「お金のことを気にしている自分が悪い」
「妊活への気持ちが弱い」
「パートナーに言えないから我慢する」

と見るのではなく、

「身体が緊張していないか」
「眠れているか」
「胃腸が弱っていないか」
「夫婦で役割が偏っていないか」
「医療機関に確認すべきことは何か」
「安心して続けるために何を整理するか」

という視点で一緒に確認していきます。

当院は女性のための鍼灸院です。
男性の施術は、既存患者様からのご紹介、またはご夫婦でのご来院に限り、他の方と重ならない時間帯で対応しております。

男性ご本人への施術は限られた条件での対応となりますが、奥様を通じて、ご夫婦の妊活をサポートすることは可能です。

当院の考え方

治療費の話は、とても現実的で、とても繊細です。

妊娠したい。
でも費用が不安。
治療を続けたい。
でも生活も守りたい。
後悔したくない。
でも限界もある。
パートナーと話したい。
でも傷つけたくない。
自分だけが考えている気がする。
でも責めたいわけではない。

このような気持ちは、矛盾しているようで、どれも自然です。

妊活は、身体だけで進むものではありません。

心。
夫婦関係。
仕事。
時間。
生活。
お金。

すべてが関わります。

だからこそ、治療費の話を避け続けると、心の負担が大きくなることがあります。

お金の話をすることは、冷たいことではありません。

妊活を諦める話でもありません。

安心して進むために、夫婦で現実を共有する話です。

奈良・上牧町、西大和、北葛城郡周辺で、不妊治療の費用、体外受精や顕微授精の費用、夫婦での話し合い、治療と仕事の両立、妊活中の不安に悩んでいる方へ。

「治療費の話をパートナーに切り出しにくい」
「どこまで治療を続けるか夫婦で話せていない」
「費用の不安で眠れない」
「身体の負担とお金の負担をひとりで抱えている」
「病院の治療と並行して、心身を整えたい」

そんな時は、うまく言葉にできなくても大丈夫です。

病院での検査や治療方針を大切にしながら、今のお身体とお気持ちを一緒に整理していきましょう。

強い不眠、食欲低下、動悸、息苦しさ、強い不安や落ち込み、日常生活に支障が出ている場合は、クリニックや病院など、専門の医療機関や相談窓口へ早めに相談してください。

この記事を書いた人

ロータスリーフ 蓮心はり灸堂
院長 菅原 裕万
はり師・きゅう師・医薬品登録販売者

奈良・上牧町で、妊活中の方や女性のお身体のお悩みに向き合い、マタニティケア・産後ケアまで、ライフステージに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査や治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、冷え・睡眠・自律神経の緊張・体質・生活習慣などを丁寧に確認し、その方に合った身体づくりを一緒に考えています。

当院は女性のための鍼灸院です。男性の施術は、既存患者様からのご紹介、またはご夫婦でのご来院に限り、他の方と重ならない時間帯で対応しております。

院長プロフィールを見る

「夫に治療費のことを相談したいけれど、言い出しにくい」
「お金の話を一人で抱え込んでしまい、夜もぐっすり眠れない」

奈良・上牧町の蓮心はり灸堂は、そんなふうに治療のプレッシャーや費用の不安をひとりで背負い、心身がガチガチに緊張してしまっている女性のための鍼灸院です。

お金や今後の治療方針についての不安(東洋医学でいう「気」の滞り)は、知らず知らずのうちに自律神経を乱し、不眠や胃腸の弱り、首肩の強いこわばりとなってお身体に現れます。

当院では、医療費の計算や制度の決定を行うことはできませんが、東洋医学の視点でお身体の緊張を優しくほどきながら、「ご主人にどう伝えたらいいか」「病院で何を確認すべきか」など、絡まった頭の中を一緒に整理する(作戦会議をする)ことはできます。

また、ご夫婦で一緒にご来院いただける場合(またはご紹介)に限り、他の方と重ならないプライベートな空間で、ご主人への鍼灸施術も対応しております。
「第三者のいる落ち着いた空間」だからこそ、ご夫婦で素直に話し合えることもあります。

うまく言葉にできなくても、泣いてしまっても大丈夫です。
病院での治療方針を大切にしながら、まずはあなた自身がホッと息をつける心身の土台づくりを、当院で一緒に始めていきませんか?

参考・出典

こども家庭庁『不妊治療に関する取組』
こども家庭庁『不妊のことDICTIONARY 保険適用について』
厚生労働省『高額療養費制度を利用される皆さまへ』
厚生労働省『不妊治療と仕事との両立のために』
厚生労働省『不妊治療連絡カード』
日本生殖医学会『生殖医療ガイドライン』
日本産科婦人科学会『不妊症に関する情報』
日本産婦人科医会『生殖補助医療』
アメリカ生殖医学会(ASRM)『不妊治療におけるカップルのコミュニケーションに関する倫理的見解』
欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)『不妊治療における心理社会的ケアのガイドライン』

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